大学受験と聞くと、多くの人が「高校3年生になってから必死に勉強するもの」というイメージを持ちがちです。しかし、現在の大学入試において、高校1年生・2年生の時の成績、つまり「評定(内申点)」は、志望校合格を左右する極めて重要な「武器」となります。本記事では、評定の仕組みから、なぜ今から成績を上げるべきなのか、そして具体的にどうすれば成績が上がるのかについて徹底解説します。
「評定(内申点)」とは何か?

大学受験における評定とは、正確には「学習成績の状況」と「学習成績概評」の2つの指標を指します。
評定平均値の仕組み
「学習成績の状況」は、高校1年生から3年生の1学期までに履修したすべての科目の評定を合計し、科目数で割った数値です。これは一般的に「評定平均値」と呼ばれています。つまり、特定の得意科目だけでなく、副教科を含む全科目の平均点があなたの評価となるのです。
学習成績概評(A〜Eの5段階)
この評定平均値をもとに、高校3年間の成績をAからEの5段階で表したものが「学習成績概評」です。
A段階:評定平均値 5.0 〜 4.3
B段階:評定平均値 4.2 〜 3.5
C段階:評定平均値 3.4 〜 2.7
D段階:評定平均値 2.6 〜 1.9
E段階:評定平均値 1.8 以下
大学によっては、「A段階でないと出願できない」といった厳しい出願基準を設けているところもあります。
なぜ1・2年生のうちに評定を上げる必要があるのか?

「一般入試で受けるから評定は関係ない」というのは、今の受験制度では大きな誤解です。評定を高く保つことには、主に3つの戦略的メリットがあります。
① 指定校推薦(学校推薦型選抜)での圧倒的優位性
私立大学の入学者の約4割(40.3%)が利用する学校推薦型選抜の中でも、「指定校制」は最も合格に近い方式の一つです。これは大学が特定の高校を指定して推薦枠を与えるものですが、その枠を誰が獲得するかは「高校内での選考」で決まります。 校内選考では、成績、課外活動実績、生活態度などが総合的に評価されますが、その中心となるのは間違いなく評定です。指定校制を狙うのであれば、高校1年生の時から調査書の数字を上げることに努めなければなりません。
② 国公立大学の推薦入試における「A段階」の壁
国公立大学の学校推薦型選抜は、全大学の90%以上で実施されています。しかし、その出願条件は非常に厳しく、「学習成績概評A段階(4.3以上)以上」などの基準が設けられている場合が多くあります。この基準は高校3年間の平均ですから、3年生になってから慌てて勉強しても、1・2年生の時の低い評価を覆すのは数学的に非常に困難です。
③ 一般選抜でも「調査書」が評価対象に
近年の入試改革により、一般選抜においても、筆記試験の点数だけでなく「主体性」を評価する動きが強まっています。文部科学省の要請により、大学は筆記試験に加えて「調査書」や「志願者本人が記載する書類」、「面接」などを積極的に活用することが促されています。実際、2024年度の一般選抜(前期日程)では、国公立大学全体の40%が面接を課しました。ここで提出される「調査書」の中身、つまり1年生からの評定や活動記録が、合否を分ける最後のひと押しになる可能性があるのです。
評定を劇的に上げる3つの柱

アクシブアカデミーでは、成績を上げるために「学習習慣」「受験戦略」「学習効率」の3つの柱が不可欠であると考えています。これを評定対策に当てはめると、以下のような戦略になります。
① 学習習慣:テスト前だけの勉強からの脱却
評定を上げるためには、定期テストで安定して高得点を取る必要があります。しかし、テスト前だけの「詰め込み学習」では、科目の多い高校のテストをすべて網羅することは不可能です。 1年生のうちから日々の学習習慣を確立し、授業の内容をその日のうちに理解する「当たり前の継続」こそが、調査書の数字を上げる最短ルートです。
② 受験戦略:どの科目を重視すべきか?
全科目平均とはいえ、志望する大学や学部によって、特定の科目の評定が重視されたり、外部検定(英検など)で加点されたりする場合があります。 早いうちから募集要項を確認し、自分の強みをどこで活かすか、どの科目の成績を死守すべきかという「戦略」を立てることが重要です。
③ 学習効率:限られた時間で成果を出す
部活動や学校行事で忙しい1・2年生にとって、ダラダラと長時間勉強するのは効率的ではありません。 暗記すべきもの、理解すべきものを整理し、学習効率を高めることで、全科目の評定をバランスよく底上げすることが可能になります。
具体的に何をすれば成績は上がるのか?

今日から実践できる、成績アップのための具体的なアクションを紹介します。
- 定期テスト対策の早期開始
テストの2週間前から計画を立て、全科目を少なくとも3周は演習できるようにスケジュールを組みましょう。 - 提出物の「期限厳守」と「質の追求」
ワークやレポートの提出は、評定に直結します。期限を守ることは当然として、解答の丁寧さやプラスアルファの考察を加えることで、意欲・関心の項目で高い評価を狙います。 - 授業態度の改善
「主体性」の評価は、授業中の姿勢からも判断されます。質問をする、積極的に議論に参加するなど、教員に「意欲がある生徒」と認識されることも大切です。 - 外部検定(英検など)への挑戦
1・2年生のうちに英検などの外部検定で高い級を取得しておくと、推薦入試の出願資格を満たしたり、一般入試で英語の得点換算を受けられたりするメリットがあります。
まとめ
高校1年生・2年生の皆さんが今、評定を上げるために努力することは、1年後、2年後の自分に「より多くの選択肢」をプレゼントすることと同義です。
評定が高ければ、指定校推薦で早期合格を勝ち取ることも、国公立大の推薦に挑戦することも、一般選抜で有利に戦うこともできます。逆に評定が低いと、どんなに実力があっても出願すらできない大学が出てきてしまいます。
「自分を信じる力と実行力、それを支える戦略とサポート」があれば、自分の限界を突破することは可能です。今この瞬間から、最初の一歩を踏み出しましょう。1年生からの地道な積み重ねが、あなたを憧れの志望校へと導く確かな道となります。



