愛媛大学とは？偏差値・学部や入試情報など基本情報を解説！

第二次世界大戦後に「一県一国立大学」として愛媛県に新設された愛媛大学について、今回は受験生であれば知っておきたい基礎知識から入試情報、就職情報などまとめてお伝えしていきます。

愛媛大学とは

愛媛大学の始まりは、1949年の国立学校設置法に伴って発足されました。愛媛大学は松山高等学校（文理学部→後の法文学部、理学部）、愛媛師範学校·愛媛青年師範学校（教育学部）、新居浜工業専門学校（工学部）が包括されました。1973年には医学部が設置され、1979年には全国で初めての昼間に授業を行う「昼間主コース」とは別に、夜間に授業を行う「夜間主コース」が設置されました。

参照URL：愛媛大学の歴史 | 愛媛大学について | 愛媛大学 (ehime-u.ac.jp)

愛媛大学の学部紹介

続いて、愛媛大学にはどのような学部があるのでしょうか。愛媛大学には7学部設置されています。

法文学部

法文学部人文社会学科では、人文社会諸科学の基礎を幅広く学習し、１年次終了時に適性や興味、将来像に沿って履修コースを決め所属します。履修コースは法学·政策履修コース、グローバル·スタディーズ履修コース、人文学履修コースの３コースがあります。

教育学部

教育学部では国際的視野、高い教育実践能力、課題解決力を身につけた教員の養成を目指しています。コースは３コースあり、初等教育コース、中等教育コース、中等教育コース、特別支援教育コースがあります。

社会共創学部

社会共創学部では、地域活性化の即戦力となる人材の育成を目指しています。産業マネジメント学科、産業イノベーション学科、環境デザイン学科、地域資源マネジメント学科の４つの学科に分かれています。

理学部

理学部では５つのコースに分かれており、数学·理数情報コースでは数学的手法を用いて、思考力と応用力に富む視野の広い人材の育成を目指しています。物理学コースでは「高校との接続」「基礎の着実な積み上げ」「柔軟な応用力の養成」に重点を置いた教育が行われています。化学コースでは物質世界の成り立ちや諸々の現象について分子·原子レベルで理解していきます。

生物学コースでは様々な段階での生命現象に対し、多角的なアプローチをし、高度な専門知識や包括的な理解を養っていきます。最後に地学コースでは地質学や古生物学などの各分野において多様な観点や手法によって教育や教育がなされます。さらに地学コースでは、測量士補の資格が取得できます。

工学部

王学部では１学科において９教育コースがあり、「機械工学コース」「知能システム学コース」「電気電子工学コース」「コンピュータ科学コース」「応用情報工学コース」「材料デザイン工学コース」「化学·生命科学コース」「社会基盤工学コース」「社会デザインコース」に分かれています。工学に基づいて基礎知識を学び、将来的に配属されたコースの専門科目を学んでいきます。さらにコースによっては測量士補、甲種危険物取扱者、第一級陸上無線技術士の資格を取得することが可能です。

農学部

現代社会の抱える「食料」「生命」「環境」に関する諸問題を解決に貢献できる人材の育成を目指しています。また生物環境学科では測量士補、生命機能学科では甲種危険物取扱者の資格が取得できます。

医学部

医学部には医学科と看護学科の２つがあります。どちらも医療専門の学科であり、将来的に医学科は医師、看護学科は看護師、保健師、養護教諭一種の資格を取ることができます。

愛媛大学の学生数（男女比）

さて、気になる愛媛大学の学生数ですが、全体で8,062人います。一学年におよそ2,000人程度いる割合になります。また男女比としては、男性4,837人（60％）、女性3,225人（40％）となっており、男性の方が割合的に多くなっています。法文学部や教育学部では女性の方が６～７割程度と割合が多いですが、学生数の多い工学部では男性85％であることや理学部で男性64％であるなど、学部によっても男女比が異なっています。

愛媛大学の所在地（キャンパス）

では、そんな愛媛大学の主要なキャンパスは４か所あり、学部ごとによってキャンパスが分かれています。

• 城北キャンパス
• 樽味キャンパス
• 持田キャンパス
• 重信キャンパス

城北キャンパス

城北キャンパスはメインキャンパスで入試課、法文学部、教育学部、社会共創学部、工学部があります。すぐ近くには城内21棟の建物が国の重要文化財に指定されている松山城があります。天守は江戸時代以前から現存する12天守の一つであり、司馬遼太郎著『坂の上の雲』の序文では文学都市松山の象徴としても描かれているそのお膝元で学習できます。立地としては伊予鉄市内電車赤十字病院前より徒歩２～５分程度の場所にあります。

樽味キャンパス

道後温泉から南に下っていくと樽味キャンパスがあります。農学部のキャンパスがあり、愛媛大学付属高等学校も同じ敷地内にあります。市内バス（８）番の愛大農学部前でキャンパスにアクセスできます。

重信キャンパス

他のキャンパスが松山市に固まっている一方で、愛媛県東温市志津川にあるのが重信キャンパスです。ここには医学部があり、敷地内に愛媛大学医学部付属病院が併設されています。立地としては伊予鉄道横河原線愛大医学部南口駅より徒歩５分の場所にあります。

愛媛大学の就職情報/大学院進学率

では、大学入学も重要なポイントではありますが、卒業と同時に重要となってくる、就職状況や大学院進学についても知っておきたいポイントです。ここでは学部ごとに就職率や就職先、大学院の進学率についてみていきます。

法文学部

卒業者の総数は昼間主コースと夜間主コースにおいて398人で、進学者は12人（3％）、就職者は341人（86％）となっています。就職者の中でも公務員として就職した人は83人（24％）と、4人に１人以上が公務員に就職していることが分かります。主な就職先としては公務員として愛媛県職員や松山市職員、愛媛県警察など地元愛媛に就職する人が多いです。そのほかには伊予銀行、レディ薬局、コスモス薬品、フジ、楽天損害保険などに就職しています。

教育学部

卒業者の総数は171人で、進学者は17人（10％）、就職者は146人（87％）となっています。就職者の中でも公務員として就職した人は2人（1％）、教員に就職している人が98人（67％）と、公務員に就職している人が少ない一方で、教員に就職している人が多いのが特徴的です。また主な就職先としても愛媛県内の公立の小学校、中学校、高校、特別支援学校に就職している人が多いです。そのほかの就職先としては、広島県公立小学校、香川県公立小学校など愛媛県に隣接する県での就職が多い傾向にあります。

社会共創学部

卒業者の総数は175人で、進学者は10人（6％）、就職者は159人（91％）となっています。就職者の中でも公務員として就職した人は25人（16％）います。主な就職先としては公務員として愛媛県職員、松山市職員といった、地元愛媛で公務員として就職する人が多いです。そのほかの就職先でも伊予銀行、四国電力、エヌ・ティ・ティ・データ四国など、地元四国の企業に就職する人が多い傾向にあります。

理学部

卒業者の総数は213人で、進学者は68人（68％）、就職者は131人（61％）となっています。就職者の中でも公務員として就職した人は13人（10％）です。主な就職先としては伊予銀行、愛媛県の職員、警察、公立中学校など、地元に就職する人が多い傾向にあります。また、その他の就職先としては地圏総合コンサルタント、アウトソーシングテクノロジー、フジ、ヤマトホールディングスなどがあります。

工学部

卒業者の総数は521人で、進学者は212人（41％）、就職者は126人（24％）となっています。就職者の中でも公務員として就職した人は24人（19％）、教員となった人は2人（2％）います。学部の大半が進学しており、その分就職者数が少なくなっているのが特徴的です。主な就職先としては、広島県職員、中国電力ネットワーク、四電工、伊予銀行、四国建設コンサルタントなど、愛媛近郊の県に就職する人が多いです。そのほか三菱電機、極東興和、リョービなどがあります。

農学部

卒業者の総数は190人で、進学者は46人（24％）、就職者は126人（66％）となっています。就職者の中でも公務員として就職した人は人24（19％）、教員となった人は2人（2％）います。主な就職先としては愛媛県職員、えひめ飲料、伊予銀行、えひめ中央農業協同組合、岡山県職員、福山市職員などがあります。

医学部

まず医学科では卒業者の総数は113人で、そのうち進学者は１人、103人が臨床研修医となっています。看護学科は卒業者数74人でそのうち進学者は2人（3％）、就職者は72人（97％）となっています。就職者の中でも教員として就職した人は4人（6％）います。主な就職先としては、地元愛媛を中心とした大学病院での就職が多い傾向にあり、愛媛大学医学部付属病院や神戸大学医学部附属病院、大阪医科大学附属病院などに就職しています。

愛媛大学の学部別偏差値

次は、受験生の皆さんにとっては非常に気になってくるであろう学部別偏差値や倍率について、河合塾の情報をもとに見ていきます。

学部別偏差値（共通テスト得点率）

偏差値で見ていくと、医学部が65.0と最も高く、続いて教育学部が50.0～55.0。そのほかの学部は45.0～50.0の範囲で推移しています。共通テストの得点率は全ての学部で50～75％と幅が広いです。

• 法文学部　47.5～50.0　（52～75％）
• 教育学部　50.0～55.0　（50～65％）
• 社会共創学部　　　―　（57～68％）
• 理学部　　47.5～50.0　（50～68％）
• 工学部　　47.5　　　　（55～65％）
• 農学部　　45.0　　　　（52～62％）
• 医学部　　65.0　　　　（55～75％）

愛媛大学の入試情報や科目

最後に入試情報、科目についてみていきます。総合型選抜、学校推薦型選抜、英検利用、一般入試にそれぞれ焦点を当てて、各学部の募集内容についてみていきます。また、詳細については大学の募集要項で確認しましょう。

総合型選抜

総合型選抜は理学部と工学部以外で実施されています。１次選考は11月下旬にあり、書類選考、面接があります。２次選考がない代わりに共通テストの点数が評価されるため、結果発表は2月中旬になってきます。

学校推薦型選抜

社会共創学部以外の全ての学部で実施されています。11月下旬に選考があり12月上旬に結果発表があります。選考方法としては書類選考、面接ないしはグループディスカッション、学部によっては小論文や総合問題が課されます。評定平均が出願時に必要な学科では原則A（4.3～）以上が必要になってきます（地域特別枠で4.0以上で可能場学科もあり）

英検利用

愛媛大学では英検®/TEAP/TEAP CBT/IELTS利用入試情報はありません。

一般入試

愛媛大学は国立大学なので基本的に共通テストで5教科7科目ですが、学部·学科や日程の違いによって、5～6教科5～8科目であったり配点が違ったりと対策の仕方が異なってきます。例えば、受験科目数の多い法文学部では以下の通りの科目、配点となっています。

このように共通テストで５教科７科目程度必要になってくるため、満遍なくどの教科においても苦手分野を作らずに点数を取れるようになっておくことが重要です。苦手分野を把握し、早い段階から取り組んでおきましょう。さらに、２次試験の個別学力試験では、学部学科によって、学力試験が課されるところもあります。法文学部でも学科試験がありますが、共通テストのみではなく過去問を解いて２次試験の対策も手を付けていく必要があります。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は愛媛大学の基本的な情報から入試情報までお伝えしてきました。受験を検討している方は今回の内容をぜひ活用して受験に備えていきましょう。

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