福島大学とは?偏差値・学部や入試情報など基本情報を解説!


福島大学は、地域とともに課題解決に取り組み、「新しい社会づくり」に挑む、地域に根付いた大学です。この記事では、福島大学の概要を詳しく解説します。受験や併願を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

福島大学とは

福島大学とは、福島県福島市に本部を置く国立大学です。福大という愛称で親しまれています。1949年に、福島師範学校・福島青年師範学校・福島経済専門学校の3校を包括して設置された大学で、「地域と共に21世紀的課題に立ち向かう大学」を基本理念としています。

特色は、「学生一人ひとりの自由で、自律的な学びを重視」している点です。学生の主体的な学びによって、広い視野と豊かな想像力を育み、グローバル社会や地域社会の課題に対応できる「21世紀型」スキルを向上させています。

福島大学の学類紹介

福島大学では、教育組織と研究組織を分離した「学群・学類・学系列」を導入しています。学群は、「人文社会学群」「理工学群」「農学群」からなります。それぞれの学類の概要についてみていきましょう。

人文社会学群

人文社会学群には、「人間発達文化学類」「行政政策学類」「経済経営学類」の3つの学類があります

人間発達文化学類(募集人員260名)

人間発達文化学類は、生涯にわたる人の成長を、個人・社会・文化との関わりのなかで支援できる力を身につけます。次世代を担う子どもの成長を支える学校教員や、文化を通して地域の人を支える人材の育成を目指しています。はじめは教職についてしっかりと理解し、自分に合っているかを見つめ直しながら教職の道に踏み出すというカリキュラムによって、意欲的な教員の育成につながっています。

 

人間発達文化学類は、入学時に選択する7つのコースがあります。

コース概要卒業後の進路
教育実践コース学校教員として求められる実践力を身につける学校教員など
心理学・幼児教育コース人の行動・心理の知識を学び、心理学と幼児教育の研究を行う小学校教員、公務員心理職、幼稚園教諭、保育士など
特別支援・生活科学コースサポートを必要とする子どもの発達支援に関する理論や生活科学の基礎を学ぶ特別支援学校教諭、家庭科教諭など
芸術・表現コース芸術の意義を理解し、音楽や美術に関わる力を身につける学校教員、アートコーディネーターなど
人文科学コース多様な文化を学んで、地域の文化を伝承し、発展させる力を養う学校教員など
数理自然科学コース自然科学や数学に関わる問題を探求し、問題を解決する力を身につける学校教員、銀行員など
スポーツ健康科学コース最新のスポーツ理論を習得し、スポーツ技術の向上と指導力を磨く学校教員、アスリート、コーチなど

行政政策学類(募集人員205名)

行政政策学類は、法学・政治学・社会学・文化諸科学(歴史学・考古学など)を横断する学際的な教育と研究により、地域社会における課題の発見・解決、及び活性化に貢献できる主体的な人材の育成を目指しています。

行政政策学類には、1年次後半で選択する2つのコースがあります。「夜間主」は、「働きながら学びたい」という社会人のために開設されたカリキュラムで、入学料・授業料は半額です。また、こちらも同様のコースに分かれます。

コース概要卒業後の進路
昼間(募集人員185名)地域方策と法コース法と行政の仕組みを理解し、政策づくりから見直しまでのプロセスに取り組む国家・地方公務員(年平均4割ほど)、公共団体、企業、進学など
地域社会と文化コース地域社会と文化形成における知識を身につけ、新しい地域づくりを提案し実践する
夜間主(社会人教育)(募集人員20名)地域方策と法コース世代間の価値観の融合を学びに活かす
地域社会と文化コース

経済経営学類(募集人員220名)

100年の伝統と実績がある経済経営学類では、現代における経済社会を理解し、エビデンスを基に論理的に思考する力、課題解決に向けて主体的に取り組む力を身につけます。経済・経営における幅広い教養を学び、グローバルに活躍できる人材の育成を目指しています。

現在は、経済学と経営学の2つのコースに加え、両コースを横断できる「グローバル・エキスパート・プログラム」を設定。日本語、英語以外の外国語の習得や習得したスキルを世界で応用する力を磨きます。

コース内容卒業後の進路
経済学コース現在の経済社会を理解し、経済の理論と応用における専門的スキル・能力を身につける国家・地方公務員、公共団体、金融機関、企業、進学など
経営学コース現在の経済社会を理解し、地域経済と経営、会計と金融の専門的スキル・能力を身につける

理工学群(募集人員160名)

理工学群には、「共生システム理工学類」があります共生システム理工学類では、理工系における全般の基礎を学び、科学的思考力を身につけます。人・産業・環境の「共生」に関わる知識と視野、実践的な研究経験をもって、現代社会の問題をシステム的に捉えて解決できる人材の育成を目指しています。

農学群(募集人員100名)

農学群には、「食農学類」があります。2019に新たに開設された食農学類は、「農学専門教育」と「農学実践型教育」の2つの教育を導入し、農学を実践的に学び、食と農の課題に取り組む力を身につけます。21世紀の食料・農林業・地域社会が直面する課題解決に貢献できる人材の育成を目指しています。

 

2年次に、4つの専門コースに分かれて学修します。

コース概要卒業後の進路
食品科学コース農産物や食品の機能性や高付加価値化を学ぶ製造業、卸売業・小売業、公務員、学術研究や専門・技術サービス業など
農業生産学コース農産物の安定生産、高品質化、高収量化を学ぶ
生産環境学コース持続的な農林業のための保全・環境管理を学ぶ
農業経営学コース魅力的な農業経営の確立、地域やフードシステムを学ぶ

福島大学の学生数・教員数

続いて、福島大学の学生数と教員数を確認しましょう。こちらは、2021年5月1日付のデータです。夜間主(現代教養コース)は、従来の3学類で構成されたコースで現在はありません。

学類学生教授准教授講師
人間発達文化学類1,131人35人20人2人
行政政策学類(昼間)837人19人18人 
行政政策学類(夜主)65人   
夜間主(現代教養コース)74人   
経済経営学類934人25人18人 
共生システム理工学類728人30人16人1人
食農学類311人16人21人 
合計4.080人125人93人 

福島大学の所在地(キャンパス)

福島大学のキャンパスは一つで、福島県福島市に位置しています。

項目詳細
住所〒960-1296 福島県福島市金谷川1番地
アクセスJR東北本線「金谷川駅」下車徒歩10分

福島大学の就職・大学院進学状況

それでは、福島大学の就職と大学院進学の実績をみていきましょう。農学群は2019年に開設されたため、データには載っていません。

学類卒業者就職者(就職率)進学者
人間発達文化学類297人254人(96.6%)21人
行政政策学類222人197人(98.0%)6人
経済経営学類253人230人(97.5%)5人
夜間主コース(現代教養コース)62人49人(92.5%)1人
共生システム理工学類175人110人(96.5%)56人
合計1,009人840人(96.9%)89人

 

就職率が非常に高く、3人に1人は地元の福島県に就職しています。福島大学では、学類4年間の一貫したキャリア教育・支援を行っています。学年に応じた共通目標を設定し、ステップアップしながら就職活動に励むことが可能です。また、1年を通して開催されるガイダンスや個別に相談できるキャリアアドバイザーなど、就職に向けたコンテンツが充実していることも、就職に強い要因となっています。

福島大学の共通テスト得点率と偏差値

次に、福島大学の一般選抜における大学入学共通テストの得点率と偏差値です。

学類
前期日程後期日程
大学入試共通テスト得点率偏差値大学入試共通テスト得点率偏差値
人間発達文化学類57~59%52~5862~64%60
行政政策学類62%5875%60
経済経営学類59%5864%61
共生システム理工学類55%5160%57
食農学類53%5358%57

福島大学の入試情報

最後に、福島大学の入試情報をご紹介します。福島大学では、すべての入試において、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性)」の学力3要素を評価します。

以上の評価項目を踏まえて、まずは総合型選抜と学校型選抜で課される内容を確認しましょう。

  • 総合型選抜
学類知識・技能思考力・判断力・表現力主体性
人間発達文化学類
芸術・表現コース小論文、面接、実技検査面接
スポーツ健康科学コース実技実績調査書(1次)
小論文、面接、実技実績調査書(2次)
小論文、面接面接
行政政策学類(夜間主)口頭試問
経済経営学類
課題レポート(1次)
共通テスト(3次)
課題レポート(1次)
グループ討論及び面接(2次)
共生システム理工学類
ポスター内容(1次)
総合問題(2次)
ポスター内容(1次)志望理由書
ポスタープレゼンテーション(2次)
食農学類自己推薦書(1次)、課題論文(2次)面接(2次)

 

 

  • 学校推薦型選抜
学類知識・技能思考力・判断力・表現力主体性
人間発達文化学類共通テスト、面接面接
行政政策学類(夜間主)調査書(評点)、小論文小論文、面接面接
経済経営学類
A推薦調査書(評点)、語学資格、検定基準小論文、面接面接
B推薦調査書(評点)、簿記検定試験の合格小論文、面接面接
共生システム理工学類調査書(評点)、小論文小論文、面接面接

 

 

続いては、一般選抜(前期日程・後期日程)です。一般選抜は、大学入学共通テストと個別学力検査の成績で評価されます。これらは、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」の学力2要素を評価するものです。令和4年度は、新型コロナウィルス感染症の影響のため、調査書を用いた「主体性」の評価は行われませんでした。

以下では、それぞれの日程の個別学力検査で課される内容を示しています。

 

  • 一般選抜(前期日程)
学類コース個別学力検査
人間発達文化学類教育実践コース小論文
心理学・幼児教育コース小論文と表現基礎検査から選択
特別支援・生活科学コース小論文
芸術・表現コース実技検査(音楽)と実技検査(美術)から選択
人文科学コース国語と外国語と小論文から1つ選択
数理自然科学コース数学
スポーツ健康科学コース実技検査(スポーツ)
行政政策学類地域方策と法コース 地域社会と文化コース小論文
経済経営学類経済学コース 経営学コース外国語と小論文から選択
共生システム理工学類全コース理科から1つ選択、数学
食農学類全コース理科と数学と外国語から2つ選択

 

  • 一般選抜(後期日程)
学類コース個別学力検査
人間発達文化学類A系(教育実践コース、心理学・幼児教育コース、特別支援・生活科学コース、芸術・表現コース) B系(人文科学コース、数理自然科学コース、スポーツ健康科学コース)小論文
行政政策学類地域方策と法コース 地域社会と文化コース小論文
経済経営学類経済学コース 経営学コース外国語と小論文から選択
共生システム理工学類全コース数学
食農学類全コース数学と外国語から選択、面接

まとめ

この記事では、福島大学について徹底解説しました。福島大学は、地域に根付いた大学で、とくに福島県を含む東北圏内で就職したい人にはおすすめの大学です。興味がある学類がある方は、ぜひオープンキャンパスに参加してみましょう。

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