群馬大学は地方にある国立大学で、時代に即した改革を積極的に行っている学校です。この記事では、群馬大学についてご紹介します。学部で学べることや、就職率、共通テストの得点率や偏差値まで詳細にまとめているので、ぜひ進路決定の参考にしてみてください。
目次
群馬大学とは
群馬大学とは、群馬県前橋市に本部を置く国立大学です。1949年に新生の国立大学として設立され、群大という愛称で親しまれています。地域の人材育成や地域社会を支える基盤となり、グローバルな視点で活躍できる大学を目指して日々改革を進めています。
「群を抜け 駆けろ 世界を」というキャッチコピーには、群馬大学で思いきり学び、経験し、地域から世界へ羽ばたいてほしいという学生へのメッセージが込められています。以下では、群馬大学にしかない特色を2つご紹介します。
- 特色1:データサイエンス教育
群馬大学では、これからの社会に必要なスキルを学ぶ「データサイエンス教育」がすべての学生の必修科目として設定されています。文理を超えて、数理・データサイエンスの基礎を身につけ、新たな価値を創造できる数学的思考力を備えた人材を育成することが目的です。授業では、コンピュータの仕組みからビッグデータの分析まで幅広く学びます。
- 特色2:グローバルフロンティアリーダー(GFL)育成プログラム
グローバル人材育成の一環として展開されているプログラムで、共同教育学部と情報学部、医学部と理工学部が連携した2つのコースがあります。海外留学などの多種多様な活動を通して、日本語能力・国際理解を含む幅広い教養と外国語コミュニケーション能力を習得します。参加方法は、以下の2通りです。
・入学後に、GFL育成プログラムに応募する
・学校推薦型選抜GFL特別枠で受験する(情報学部および理工学部のみ)
群馬大学の学部紹介
群馬大学には、共同教育学部、情報学部、医学部、理工学部の4つの学部があります。それぞれの学部について、詳しくみていきましょう。
共同教育学部(募集人員190名)
2020年に宇都宮大学と共同でつくった、全国初の共同教育学部です。学校教育の多様な要求に柔軟かつ効果的に応えられる高度なスキルと人間性を身につけた教育者の育成を目指しています。
特徴は、大学4年間の授業の4割が「相互乗り入れ」で実施されること。両大学の教室をつなぐ遠隔授業や1学年全員が集まる合宿授業などにより、学部の規模が大きくなります。深く学べる分野が広がり、多様な教員免許の取得も可能です(中学校10教科、特別支援学校5領域)。
系 | 専攻 | 概要 |
人文社会系 | 国語専攻、社会専攻、英語専攻 | 各教科の専門知識と小学校・中学校の教科指導法を学ぶ |
自然科学系 | 数学専攻、理科専攻、技術専攻 | |
芸術・生活・健康系 | 音楽専攻、美術専攻、家政専攻、保健体育専攻 | |
教育人間科学系 | 教育専攻、教育心理学専攻 | 教育学・教育心理学の専門知識と小学校の教科指導法を学ぶ |
特別支援教育専攻 | 特別支援教育の基礎理論と子ども一人ひとりの特別なニーズに応じた指導・支援法を学ぶ |
情報学部(募集人員170名)
情報学部は、以前までの「社会情報学部」と「理工学部電子情報理工学科情報科学コース」を統合し、2021年4月に新設されました。データサイエンス技術を身につけるための情報技術や数理、機械学習などの基礎知識や技術を学びます。特徴は、情報を軸とした文理横断型の教育で、俯瞰力を持ったSociety5.0を担う人材の育成を目指しています。
2年次に、4つのプログラムから希望を選択し、専門力を習得します。
プログラム | 概要 |
人文情報プログラム | 現代課題を共有するためのコミュニケーション能力、多様な角度から分析するための人文社会科学的素養を身につける |
社会共創プログラム | 法律・環境系科目や経済・経営系科目などのプログラム専門教育を学ぶ |
データサイエンスプログラム | 統計学、機械学習、数理最適化、シミュレーションなどを網羅的に学ぶ |
計算機科学プログラム | 計算機システム、情報ネットワーク、画像処理など情報科学の基礎から応用までを網羅的に学ぶ |
医学部
医学部は、医学科と保健学科の2学科があります。
医学科(募集人員108名)
医学科は、Science(科学的知)とEthics(倫理)、Skill(技能)の頭文字SESをスローガンに掲げ、あらゆる分野で活躍できる医師の育成を目指しています。医療現場の早期体験や医療チームの一員としての診療体験など、参加型の教育に重きを置いており、学年ごとに以下のようなカリキュラムが実施されています。
学年 | 詳細 |
1、2年 | 附属病院の病棟実習、老人保健施設の介護実習 |
3年 | 医学・生命科学関連の実験体験を行う選択基礎医学実習 |
4年 | モデル症例を通して診断過程を学習するチュートリアル教育 |
5、6年 | 附属病院・関連病院の各科での臨床実習 |
また、「MD-PhDコース」により、学部生から基礎医学に関する研究を始め、短期間で医学博士の学位を取得することも可能です。
保健学科(募集人員160名)
保健学科は、以下の4つを教育目標に掲げ、全人的医療に必要不可欠な力を身につけていきます。
- 高度化・専門化する保健医療を担う専門職の育成
- 地域完結型医療教育・研究を支える人材の育成
- 少子化・高齢化社会、国際社会で活躍する人材の育成
- チーム医療を実践・推進するリーダー的人材の育成
専攻 | 概要 |
看護学専攻 保健師コース(定員40名)、助産師コース(定員8名)も設置 | 看護学の基礎から応用までのスキルを段階的に学ぶ |
検査技術科学専攻 細胞検査士養成コース(定員5名程度)も設置 | 検査技術科学分野のスキルを学び、検体検査及び生理機能検査をマスターする |
理学療法学専攻 | 新しい機能回復の理論・技術を学ぶ |
作業療法学専攻 | 生活障害を持つ人の健康と幸福を促進する支援技術を学ぶ |
理工学部
100年の歴史を持つ理工学部は、2021年4月に以前までの5学科が「物質・環境類」と「電子・機械類」の2類に統合されました。分野を超えた学びで、持続可能な社会や高度情報社会の基盤となるモノづくりを担う人材の育成を目指しています。2年次には、企業と連携した問題解決型の授業が展開され、社会で求められる実践力を磨きます。
物質・環境類では、2年次後期に5つの教育プログラムに、電子・機械類では、3年次前期に3つの教育プログラムに分かれます。
物質・環境類(募集人員285名)
持続可能社会を支えるための科学・生物・物理を融合した科学技術を幅広く習得します。
プログラム | 概要 |
応用化学プログラム | 物質の合成・構造・性質に関する分野や遺伝子、生命科学分野を学ぶ |
食品工学プログラム | 食品機能を科学的に理解し、食品の創出における生産工学を学ぶ |
材料科学プログラム | 物質工学、金属工学を軸として、材料開発の基礎から応用まで体系的に学ぶ |
化学システム工学プログラム | 物質・エネルギーをクリーンに利用、生産するためのスキルを学ぶ |
土木環境プログラム | 自然災害からの防御、社会的・経済的基盤の計画、整備、維持管理における技術を学ぶ |
電子・機械類(募集人員185名)
Society5.0を支えるIoTやロボットなど、物理・数学を基礎とした科学技術を幅広く習得します。
プログラム | 概要 |
機械プログラム | エネルギー変換技術や材料加工技術、機械・材料・熱・流体力学技術など幅広く学ぶ |
知能制御プログラム | 超スマート社会を創造する知能化メカトロ制御技術、IoTによるエネルギー制御技術を学ぶ |
電子情報通信プログラム | モノづくりにかかわる情報技術やAI技術を学ぶ |
群馬大学の学生数
続いて、群馬大学の学生数です。こちらは2022年5月1日付のデータで、社会情報学部は情報学部に統合されているため現在はありません。
学部 | 男 | 女 | 総計 |
教育学部 | 114人 | 126人 | 240人 |
共同教育学部 | 289人 | 318人 | 607人 |
社会情報学部 | 111人 | 144人 | 255人 |
情報学部 | 230人 | 123人 | 353人 |
医学部 | 593人 | 824人 | 1,417人 |
理工学部 | 1,619人 | 567人 | 2,176人 |
群馬大学の所在地(キャンパス)
キャンパスは4つあり、すべて群馬県に位置しています。キャンパスと所属する学部は、以下の通りです。なお、医学部と理工学部の学生は、1年次のみ荒牧キャンパスに通います。
キャンパス | 学部 | 住所 |
荒牧キャンパス | 共同教育学部、情報学部 | 群馬県前橋市荒牧町4丁目2番地 |
昭和キャンパス | 医学部 | 群馬県前橋市昭和町3丁目39-22 |
桐生キャンパス | 理工学部 | 群馬県桐生市天神町1丁目5-1 |
太田キャンパス | 理工学部 | 群馬県太田市本町29-1 |
群馬大学の就職状況・大学院進学率
次に、群馬大学の就職と進学の実績を確認しましょう。こちらは、令和2年度学部卒業生のデータです。
学部 | 卒業者 | 進学者 | 就職者 | その他 | 就職率 | ||||
教員 | 医療機関 | 企業 | 公務員 | ||||||
教育学部 | 234人 | 18人 | 150人 | 36人 | 24人 | 6人 | 100.00% | ||
社会情報学部 | 129人 | 3人 | 89人 | 27人 | 10人 | 98.30% | |||
医学部 | 医学科 | 136人 | 133人 | 3人 | 98.50% | ||||
保健学科 | 161人 | 22人 | 125人 | 1人 | 9人 | 4人 | 100.00% | ||
理工学部 | 561人 | 340人 | 4人 | 171人 | 29人 | 17人 | 100.00% | ||
計 | 1,221人 | 383人 | 154人 | 258人 | 297人 | 89人 | 40人 | 99.50% |
群馬大学の就職率は99.5%で、全国でもトップクラスを誇っています。
就職活動を支援する「キャリアサポート室」では、学年に応じたキャリア計画・設計を行い、学生の学習意欲の向上を図っています。またインターンシップの際には、企業マッチング、事前の実習講座・マナー教育、体験報告会の実施に取り組むなど、サポート体制が充実しています。
群馬大学の共通テスト得点率と偏差値
続いて、群馬大学の一般選抜における大学入学共通テストの得点率と偏差値です。
学部 | 前期日程 | 後期日程 | ||
大学入試共通テスト得点率 | 偏差値 | 大学入試共通テスト得点率 | 偏差値 | |
共同教育学部 | 55~67% | 52~61 | 58~71% | 54~63 |
情報学部 | 62% | 54 | 65~67% | 58 |
医学部 | 59~80% | 54~77 | 62~70% | 62~60 |
理工学部 | 58% | 52 | 65% | 57 |
群馬大学の入試方法
最後に、群馬大学の入試方法をご紹介します。群馬大学では、大きく分けて4つの入試方法を採用しています。(私費外国人留学生選抜、帰国性・社会人選抜を除く)出願区分やその他の詳細は、大学のホームページを確認してください。
特別選抜(学校推薦型選抜Ⅰ)
学校推薦型選抜Ⅰは、面接、小論文、実技試験及び出願書類などから総合して判断されます。(英語専攻と家政専攻は実施されません)
学部・専攻・学科・類 | 試験概要 | |
教育学部 | 国語専攻、社会専攻、理科専攻、技術専攻、保健体育専攻、教育専攻、教育心理専攻、特別支援教育専攻 | 小論文、面接 |
数学専攻 | 小論文(数学)、面接 | |
音楽専攻 | 面接、実技試験(声楽試験、器楽試験) | |
美術専攻 | 面接、実技試験(鉛筆デッサン) | |
情報学部 | 小論文(文系型か理系型か選択)、面接 | |
医学部 | 医学科 | 小論文、面接 |
保健学科 | 小論文Ⅰ(英語)、小論文Ⅱ(文系)、小論文Ⅲ(理系)、面接 | |
理工学部 | 面接 |
特別選抜(総合型選抜)
総合型選抜は、第1次選抜(出願時書類審査)及び第2次選抜(第1次選抜合格者に行う試験)を総合して判断されます。
学部・専攻・学科・類 | 第1次選抜 | 第2次選抜 | |
理工学部 | 物質・環境類 | 調査書、志望理由書、自己推薦書 | 面接 |
電子・機械類 |
一般選抜
一般選抜は、大学入学共通テストと個別学力検査、調査書、志望理由書(医学科地域医療枠のみ)を総合して判断されます。それぞれの日程の個別学力検査で課される内容は、以下の通りです。
- 前期日程
学部・専攻・学科・類 | 個別学力検査 | |
教育学部 | 音楽専攻 | 小論文、面接、実技試験(声楽試験、器楽試験) |
美術専攻 | 小論文、面接、実技試験(鉛筆デッサン) | |
保健体育専攻 | 小論文、面接、実技試験(運動能力試験、運動種目試験) | |
上記以外 | 小論文、面接 | |
情報学部 | 数学(数Ⅲを含むか選択)か英語から1つ、もしくは2つ選択 | |
医学部 | 医学科 | 数学、理科、小論文、面接 |
保健学科 | 小論文Ⅰ(英語)、Ⅱ(理系) | |
理工学部 | 物質・環境類 | 数学(数Ⅲを含むか選択)、理科(3つから1つ選択)、英語 |
電子・機械類 | 数学(数Ⅲを含む)、理科(2つから1つ選択)、英語 |
- 後期日程
学部・系・専攻・学科・類 | 個別学力検査 | |
教育学部 | 美術専攻 | 面接、実技試験(鉛筆デッサン) |
保健・体育専攻 | 面接、実技試験(運動能力試験) | |
上記以外 | 面接 | |
情報学部 | 小論文(文系型か理系型か選択) | |
医学部 | 保健学科 | 小論文Ⅰ(国語と英語)、小論文Ⅱ(理系) |
理工学部 | 物質・環境類 | 面接 |
電子・機械類 | 面接 |
まとめ
この記事では、群馬大学について解説しました。群馬大学は、今後の社会で必要となるデータサイエンス教育をすべての学生に提供するなど、時代に合わせた改革を積極的に行っています。興味がある方は、ぜひチェックしてみましょう!
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