この記事では一橋大学の文系数学入試について、入試概要や対策方法などの合格するために必要な情報をまとめています。一橋大学の合格を目指している方は是非参考にしてみてください。
一橋大学の文系数学について
一橋大学の数学は文系数学の入試界では最も難しい問題が出題され、理系に勝るとも劣らない数学力が求められます。社会学部の最後方である一橋大学は高度な数学力を必要とする経済、商学部や、論理的思考力が重視される法学部、それに加えて社会学部が存在していますが、いずれも論理的思考力を問う数学を重視しているのです。また、他の文系学部と比べて数学の配点が大きいこともポイントです。
試験概要
【配点】
- (前期)
- 商学部: 250/750点
- 経済学部: 260/790点
- 法学部: 180/730点
- 社会学部: 130/820点
- (後期)
- 経済学部: 400/800点
大問および小問ごとの詳細な配点は公開されていませんが、予備校では各大問すべて同じ配点としていることが多いです。五題すべて記述式であり、着実に部分点を拾えるように答案を書くことも合格には必要不可欠といえるでしょう。
【目標点数】
一橋大学の合格点は各学部によって異なりますが、ほとんどの場合は合計点の55%前後となることが多いです。各学部で共通テストの圧縮率や科目別の配点も異なるため、自分の受験する学部の形式から逆算して自分の学習進度や得意不得意などの特性にあった点数配分をすることが重要です。特に高得点を期待しにくい社会系科目、国語の存在を考えると数学と英語はそれぞれが自分に合った目標を作る必要があります。目安は英数併せてそれら二科目の合計点のうち55%です。
- (例:商学部の場合)
- 英語150/250
- 数学125/250 計275/500(55%)
- (例:社会学部)
- 英語140/280
- 数学85/130 計225/410
数学と英語のどちらに比重を置くかは人によって異なります。英語はとても得意だが数学に自信がないという人は数学は1完+部分点(3割)を目標ラインにして、英語で8割をとろうしたり、逆に数学はできるという受験生であれば数学で3完以上(7割程度)、英語は4割を死守しようとする人もいます。また、数学の配点が小さい法学部、社会学部では英語の重要性がさらに増してくるため、志望学部によっても細かい点数配分は変わってきます。
目安としては
- 数学を得点源にする人→3完+部分点(7割)
- 英語を得点源にする人→1完+部分点(3割)
が一つの指標となると思われます。
【試験時間:120分】
一橋大学の数学は東大と比べると時間的制約は比較的緩く、解ける問題と解けない問題がはっきりしています。解法もひねったものが多く、初見で当たる難易度の高い問題はほぼお手上げになってしまいます。難しい問題にこだわって時間をかけすぎてもリターンは少ないので、落ち着いて解ける問題や解法のめどが立つ問題を正確に解きましょう。
【出題傾向】
一橋数学の最も大切な特徴は、その問題傾向が非常に顕著であることです。例を挙げると、確率(特に確率漸化式)、整数、微積の問題は、ほぼ毎年出題されています。また一橋数学では大変難易度の高い問題が出題されますが、過去問と多く似通っている問題が多く、解法の指針や手順の多くは過去問を完璧にすることで得られる場合が非常に多くなっています。逆に初見では難しく、過去問を周回することでそれらの類題として解くことができます。いわゆる「一橋らしい問題」が出題されるのが一橋数学であり、その「一橋らしさ」を感じられる程に過去問を回すこと、頻出単元については集中的に難易度の高い演習を重ねて対応力を養うことが大切です。
一橋数学対策の方法
一橋の数学対策について解説します。
数学の問題における難しさについて
一橋数学は難しいと皆口をそろえて言いますが、そもそも数学における難しさとは何でしょう。私たちはどうしていくつかの数学の問題を難しいと感じ、答えにたどり着けないのでしょうか。私が思うに、高校数学の問題が難しくなる要因は二つが挙げられます。
- ①ひらめきが必要
- ②答えまでに多くの工程が必要
①ひらめきが必要
一番わかりやすいものは平面図形における補助線の引き方でしょうか。数学オリンピックのような、いわゆる頭の柔らかさのようなものが要求される場合です。しかし、本当の意味でひらめきを必要とする問題は少なくとも文型数学レベルでは一橋といえどもほぼ出されない上、出題されたとしても差はつきません。教科書および青チャートレベルの知識を身に着けて出題パターンをインプットしてもまだ問題が解けないというのは当然であり、一橋大学のような難関大学では基本的な典型問題を抑えた上でもう一段階多くの解法パターンをインプットしておかなければなりません。「数学は暗記だ」と言う人の「暗記」とはこの解法パターンを覚えることを指し、見慣れない問題を減らしていこうと伝えているのです。手札の数が多ければ多いほど有利になるのは言うまでもありませんが、難関大学向けの問題集や過去問を解くことでより多くの解法パターンをインプットしていくことで対応可能な要因です。
②答えまでに多くの工程が必要
こちらは①のインプット能力とは異なり、アウトプット能力になります。答えにたどり着くまでにいくつの手順を踏むか、複雑になればなるほど答えにはたどり着きにくくなります。難しい問題でも丁寧な誘導が(1)(2)という形で提示されていれば求めやすくなりますが、一橋では小問が親切に設定されることは少なく、それも問題の難しさに拍車をかけています。これは筆者の感覚ですが、答えにいたるまで中堅私立・国立レベルでは二つ、一橋や京大・東大では三つ以上のステップを踏むことで解答へと至ることができます。ここで大切なことはそれぞれのステップでおこなう操作自体は至極単純であり、単体としてみればかなり簡単な問題であることが多いということです。
複雑なステップでも落ち着いてクリアできるようになるためには、ただ式を書き連ねていくのではなくて問題を読んだ段階でどうやって答えに至るか自分の中で考えられるようにする練習をすることです。その方針に従って式から具体的な数値を得るのであって、まずはどうやって答えを求めるか、日本語で説明できるようにならなくてはいけません。「〇と×から①を求め、それを用いて②を、さらに②と△から③を出す」といった、解答までの道筋を言語化できるようになって初めて式を立てられるという至極当たり前のことができるように意識しながら演習を行い、答え合わせの際には解答解説を参照するようにしましょう。
過去問の重要性
一橋数学の一番の特徴は出題傾向が顕著であることです。整数や確率といった頻出分野はもちろんですが、最も重要なのは問題の中身、つまり解法です。一橋数学で出題される問題は当然難しく、初見で解法の指針が思いつかない場合はほとんど解くことはできません。しかし、いわゆる「一橋らしい問題」を出題する一橋数学では過去問演習を積むことでほぼ類題として解くことができます。特に整数や確率で顕著ですが、発想が難しい問題に対してもとりあえずこうしてみようかなといったとっかかりを得ることができます。
例えば整数の頻出パターンとして不定方程式が挙げられ、2013年には2009年の類題が出題されています。初見で解くのは非常に難しいですが、過去問をきちんと解いていた人であれば方針は立てやすかったのではないかと思われます。まずは教科書、青チャートで基本レベルの知識や理解、さらに標準レベルの典型的解法パターンを習得し、その場でそれを活用できる応用力と過去問演習中心に一橋らしい解法パターンを身に着けることが一橋数学の肝心要です。
一橋数学を対策するうえで知っておきたい具体的な知識
対策で知っておきたい知識は以下のとおりです。
- 5題の内、一〜二題はかなり簡単であり、これを確実に完答する必要がある。また一題はかなり難しい「捨て問」がある。
- 小問の(1)はかなり安易な問題なのでとっておく必要がある。
- 微積の問題は比較的安易な問題が出題されることが多い。
- 前期入試に数Ⅲは必要ない。
- 上記の通り解答には三つ以上のステップを踏む必要があることが多く、従って最後まで辿り着かなくとも序盤の部分点を拾っていくことは必要。
- 当然ではあるが、減点されない丁寧かつ正確な論述が必要。数学的な表現を的確に利用し、誤解や論理の飛躍を招かない答案を書く練習も必要。先生や、もしくは自分で解答解説を見て自分の表現や文章を添削することが大切。
おすすめの参考書
- 新課程 チャート式 基礎からの数学Ⅰ+A/Ⅱ+B
基本的な知識の確認から標準レベルの典型的出題パターン、解法が丁寧に示されています。各分野における典型的な問題を例題として取り上げその解説していく構成ですが、その考え方の流れや考えのとっかかりを日本語でわかりやすく示してくれています。まずは青チャートを周回して標準レベルの解法パターンを頭に入れきることが受験数学すべてに言うことのできるコツです。青チャートレベルの解法が身についていないうちにいきなり一橋レベルの問題を解いてしまうとわからないことが多すぎて効率が悪いだけでなく、解答の流れを理解しにくくなってしまいます。
- 一橋大の数学20カ年
上記の通り一橋数学対策で最も重要な勉強は過去問演習です。ただ解いて丸付けするのではなく、最終的には問題を読んだだけで解答の流れがすらすら説明できるようになるくらい解法を意識しながら演習を進めていきましょう。
- 文系数学の良問プラチカ 数学1・A・2・B (河合塾シリーズ 入試精選問題集 4)
文系数学入試における難問を集めた問題集です。問題の数はそう多くありませんが、難関レベルでの重要な典型問題がかなり絞られて収録されており、解答解説も十分に親切なものとなっています。演習の幅を増やすため、このような難易度の高い問題集も積極的に利用していきましょう。他にも東大、京大を中心に難関大学の過去問を取り入れてもよいでしょう。
最後に
一橋数学の対策は以上になります。いかがでしたでしょうか?一橋数学は難易度の高い問題が数多く出題されますが、過去問を中心に「一橋らしい解き方」をつかむことで一気に得点アップにつながります。受験生の皆さんは時間的にも精神的にもつらい時があるかもしれませんが、努力は必ず報われます!合格を目指して頑張ってください!
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