岩手大学とは?偏差値・学部や入試情報など基本情報を解説!


第二次世界大戦後に「一県一国立大学」として岩手県に新設された岩手大学について、今回は受験生であれば知っておきたい基礎知識から入試情報、就職情報などまとめてお伝えしていきます。

岩手大学とは

岩手大学の始まりは、1949年の国立学校設置法の施行に伴って発足されました。盛岡師範学校、岩手県立実業補習学校教員養成所、盛岡高等工業学校、盛岡高等農林学校をまとめて、農学部、工学部、学芸学部からなる新制大学として設立されました。2016年には全学部の改組·再編を実施され、現在に至っています。

参照URL:沿革 – 国立大学法人 岩手大学 (iwate-u.ac.jp)

岩手大学の学部紹介

続いて、岩手大学にはどのような学部があるのでしょうか。岩手大学には学部設置されています。

人文社会科学部

人文社会科学部には人間文化課程と地域政策過程の2つの課程があります。人間文化課程ではさらに9つの専修プログラムがあり、主専修·副専修の2つのプログラムを学ぶことが可能です。専修プログラムとしては、行動科学、スポーツ科学、現代文化、異文化間コミュニティ、歴史、芸術文化、英語圏文化、ヨーロッパ語圏文化、アジア圏文化があります。

地域政策過程では震災復興から持続可能な社会づくりや地域創生といった諸問題に対して広い視野を持って取り組める人材の育成を目指しています。こちらも5つの専修プログラム(政策法務、企業法務、地域社会経済、地域社会連携、環境共生)があり、この中から1つ主専修プログラムを選び、副専修プログラムは所属課程以外からでも選択が可能になっています。

教育学部

教育学部ではその名の通り、教師として活躍できる人材の育成に重点を置いています。4つのコース(小学校教育コース、中学校教育コース、理数教育コース、特別支援学校教育コース)に分かれ、将来的には小学校教諭一種、幼稚園教諭一種、特別支援学校教諭の資格を取得することが可能です。

理工学部

最も1学年の学生数の多い学部です。2016年に工学部に代わり、新たに設置された学部です。化学·生命理工学科, 物理·材料理工学科 , システム創成工学科の3つの学科があり、物理·材料理工学科にて測量士補の資格、化学·生命理工学科、物理·材料理工学科では甲種危険物取扱者、システム創成工学科で第一級陸上無線技術士の資格の取得が可能です。

農学部

開学当時から発展を続けている農学部ですが、6学科(植物生命科学科、応用生物化学科、森林科学科、食料生産環境学科、動物科学科、共同獣医学科)に分かれており、それぞれ専門性を磨いていきます。また、農学部には国内での数少ない獣医師養成の課程があり、共同獣医学科で取得が可能です。その他森林科学科、食料生産環境学科にて測量士補、応用生物化学科にて甲種危険物取扱者の資格が可能です。

岩手大学の学生数(男女比)

さて、気になる岩手大学の学生数ですが、全体で4,592人います。一学年におよそ1,000人程度いる割合になります。また男女比としては、男性2,761人(60%)、女性1,831人(40%)となっています。人文社会科学部や教育学部で女性の人数がやや多い傾向にある一方で、学生数の多い理工学部にて男性80%、女性20%の割合であり、全体でみると男性の方が割合的に多くなっています。

岩手大学の所在地(キャンパス)

では、そんな岩手大学のキャンパスについてご紹介します。

  • 上田キャンパス
  • 陸前高田グローバルキャンパス

上田キャンパス

 

岩手大学の全ての学部が上田キャンパスに集まっています。市道を挟み北側に理工学部、南側にはそれ以外の学部があります。そのためアクセスはJR東北本線盛岡駅から、松園バスターミナル行きのバスに乗り、岩手大学前で下車をすれば、全学部いくことが可能です。

陸前高田キャンパス

 

東日本大震災からの復興支援の一環として、陸前高田市の協力のもと岩手大学と立教大学が共同で開設された交流活動拠点です。たかたのゆめキャンパスの愛称で親しまれており、市民をはじめ、国内外からの大学関係者、企業や行政関係者など、多くの人が集う空間として活用されることを目指しています。

参照URL:陸前高田グローバルキャンパスとは | 陸前高田グローバルキャンパス (rtgc.jp)

岩手大学の就職情報/大学院進学率

では、大学入学も重要なポイントではありますが、卒業と同時に重要となってくる、就職状況や大学院進学についても知っておきたいポイントです。ここでは学部ごとに就職率や就職先、大学院の進学率についてみていきます。

人文社会科学部

卒業者の総数は208人で、進学者は5人(2%)、就職者は183人(88%)となっています。就職者の中でも公務員として就職した人は57人(31%)。教員への就職者数は2人(1%)と、公務員として就職する人が多いのが分かります。主な就職先としては公務員として岩手県職員、盛岡市職員、青山県庁など、地元岩手県に就職する人が多く、それ以外でも近隣の県に就職しています。

教育学部

卒業者の総数は169人で、進学者は11人(7%)、就職者は149人(88%)となっています。就職者の中でも公務員として就職した人は25人(17%)、教員として就職したのは85人(57%)おり、教員としての就職者数が多いのが特徴的です。主な就職先としては岩手県公立学校、宮城県公立学校、秋田県公立学校など、地元岩手を中心とした隣接する県へ教員として就職する傾向があります。

理工学部

卒業者の総数は434人で、進学者は218人(50%)、就職者は191人(44%)となっています。就職者の中でも公務員として就職した人は43人(23%)。教員として就職したのは3人(2%)います。主な就職先としては公務員として岩手県職員や盛岡市職員に就職している人が多いです。その他も岩手県に就職する人が多い傾向にあります。

農学部

卒業者の総数は246人で、進学者は60人(24%)、就職者は168人(68%)となっています。就職者の中でも公務員として就職した人は57人(34%)おり、公務員として就職している人が多く、主な就職先としては岩手県職員、秋田県職員、宮城県職員といった地元岩手県を中心とした隣接する県で公務員として就職する人が多い傾向にあります。また、国家公務員として農林水産省に就職している人もいます。

 

このように、学部によって傾向があり、人文社会科学部や農学部では公務員として就職している人が多い傾向にあったり、教育学部では教員として学校に就職する人が多い傾向にあったりします。その一方で理工学部では就職者よりも進学者の方が多い傾向にあるといった特徴があります。いずれにしても、地元岩手を中心に、その周辺の県に就職する人が多い傾向にあります。

岩手大学の学部別偏差値

次は、受験生の皆さんにとっては非常に気になってくるであろう学部別偏差値や倍率について、河合塾の情報をもとに見ていきます。

学部別偏差値(共通テスト得点率)

  • 人文社会科学部 50.0    (63~73%)
  • 教育学部    47.5~50.0 (51~61%)
  • 理工学部    45.0~50.0 (51~70%)
  • 農学部     47.5~60.0 (50~77%)

 

偏差値としては、全学部で45.0~60.0で推移しています。特に農学部は獣医師の資格を取得できる共同獣医学科では偏差値は60.0。共通テストの得点率は前期日程70%、後期日程77%と高くなっています。そのため、共同獣医学科を除いた他の学部では共通テストの得点率は50~65%となっています。共同獣医学科を除いた偏差値を見てみると、45.0~52.5で推移しています。共通テストの得点率は全学部で51~70%必要になっています。

岩手大学の入試情報や科目

最後に入試情報、科目についてみていきます。総合型選抜、学校推薦型選抜、英検利用、一般入試にそれぞれ焦点を当てて、各学部の募集内容についてみていきます。また、詳細についてはその年度の大学の募集要項で確認しましょう。

総合型選抜

はじめに総合型選抜とは、2021年度入試(2021年4月入学者を選抜する入試)から、AO入試は「総合型選抜」と名称と中身が変更になりました。出願書類や志望理由書、小論文などを通して総合的に受験生を評価し、大学の求める学生像とどれだけ合致しているかで合否が決まる入試です。そんな総合型選抜ですが、岩手大学の総合型選抜では人文社会科学部以外の学部で実施されています。

ただし、学部によって選考方式が異なっています。例えば、教育学部小学校教育コース、特別支援教育コースでは、11月中に出願、選考があり、12月初旬には結果が分かります。選考内容も書類選考と面接のみですが、理工学部の総合型選抜Ⅱや農学部ではそれに加え、共通テストの点数も見られるため、非常に期間が長くなります。9月上旬に出願し、10月初旬に選考があり、書類選考や面接などがあります。その後共通テストを経て、2月中旬に結果が発表されるため、約半年かけて受験することになります。

学校推薦型選抜

2021年度入試(2021年4月入学者を選抜する入試)から、今までの推薦入試が名称と中身が変更になりました。

学校推薦型選抜ですが、こちらでは出願条件として評定平均が課される学部があります。人文社会科学部と教育学部、農学部においては評定平均が4.0以上が必要になってきます。募集人数は学科によって、1~25人と幅があります。多くの学科で10名以下での募集が多く、

選考方法は書類選考、面接、小論文(理工学部を除く)がありあす。また、人間文化課程(美術選択·書道選択)や教育学部の中学教育コース(美術)においては実技検査が行われ、学科試験はどの学部でも実施されません。出願期間は11月上旬で選考日は11月中旬で、結果が12月上旬に分かります。共通テストの点数など使用しないため、比較的早く結果が分かります。

英検利用

英検®/TEAP/TEAP CBT/IELTS利用入試情報はありませんでした。

一般入試

岩手大学は国立大学なので基本的に共通テストで5教科7科目ですが、学部·学科や日程の違いによって、5~6教科5~8科目であったり配点が違ったりと対策の仕方が異なってきます。例えば、受験科目数の多い教育学部の学校教育教員養成課程〈小学校教育〉の前期日程では以下の通りの科目、配点となっています。

  • 共通テスト

5~6教科7~8科目(900点満点)

【国語】国語(200)

【数学】数IA必須、数IIB·簿記*·情報*から1、計2科目(200)

【外国語】英·独·仏·中·韓から1[リスニングを課す](200[100])

《地歴》世A·日A·地理A·世B·日B·地理Bから選択(100)

《公民》現社·倫理·政経·「倫理·政経」から選択(100)

《理科》物基·化基·生基·地学基·物·化·生·地学から選択(100)

 ※理科の同一名称組み合わせ可

 ※理科は、「基礎2科目」「発展1科目」「基礎2+発展1科目」「発展2科目」のいずれも可

選択→地歴·公民·理科から3科目(理科基礎は2科目で1科目とみなす)


  • 個別学力試験

2教科(400点満点)

《国語》国語総合(200)

《数学》数I·数A(場合の数と確率・図形の性質・整数の性質)・数II·数B(数列・ベクトル)・数III(備考参照)(200)

《理科》「物基·物」·「化基·化」·「生基·生」から選択(200)

《外国語》コミュ英語I·コミュ英語II·コミュ英語III·英語表現I·英語表現II(200)

選択→国語·数学·理科·外国語から2科目

このように共通テストで5教科7科目程度必要になってくるため、満遍なくどの教科においても苦手分野を作らずに点数を取れるようになっておくことが重要です。早い段階から苦手分野を把握し、取り組んでおきましょう。さらに、2次試験の個別学力試験では、学部学科によって、学力試験が課されるところもあります。

教育学部でも学科試験があり、共通テストのみではなく、ある程度共通テストの対策が済んだら、過去問を解いて2次試験の対策も手を付けていく必要があります。また教育学部(前期)中学校教育の音楽·美術·保健体育においては学科試験がない代わりに実技検査(300点)と面接(100点)が課されます。実技試験に重点が置かれており、勉強と同時に実技試験の対策も必要になってくるため、計画を立てて取り組んでいきましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は岩手大学の基本的な情報から入試情報までお伝えしてきました。学部学科ごとに専門性が異なっていたり、入試傾向なども学科によって様々な方式があったりと、それぞれ特徴があります。受験を検討している方は今回の内容をぜひ活用して受験に備えていきましょう。

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