熊本大学とは?偏差値・学部や入試情報など基本情報を解説!


第二次世界大戦後に「一県一国立大学」として熊本県に新設された熊本大学について、今回は受験生であれば知っておきたい基礎知識から入試情報、就職情報などまとめてお伝えしていきます。

熊本大学とは

熊本大学は1949年の学制改革の際に熊本市にあった旧制諸学校を包括して、新設大学としてはじまりました。その歴史は古く、江戸時代の宝暦年間までさかのぼり、熊本藩校であった「再春館」を前身とする旧制医科大学と、熊本藩御薬園「春滋園」を前身とする旧制熊本薬学専門学校を引き継いでいます。さらに、明治時代では旧制熊本師範学校、旧制第五高等学校、旧制熊本高等工業学校、旧制熊本青年師範学校を前身として発足しています。

また、建造物の多くが引き継がれており、五高本館(赤煉瓦造)、化学実験場(赤煉瓦造)、正門(赤門)は1969年に国の重要文化財に指定されており、現存している旧制高校の学舎として最も古い旧本館は1993年に「五高記念館」として公開されています。他にも工学部研究資料館が1994年に重要文化材に指定されたり、高工本館は登録有形文化財として登録されており、非常に魅力的な恵まれた環境にあります。

参照URL:沿革 | 熊本大学 (kumamoto-u.ac.jp) 

熊本大学の学部紹介

続いて、熊本大学にはどのような学部があるのでしょうか。熊本大学には7学部設置されています。

文学部

文学部には総合人間学科、歴史学科、文学科、コミュニケーション情報学科があります。また、学科の中でコース制をとっており、そこからさらに領域ごとに分かれて専門的に学んでいきます。

教育学部

教育学部では義務教育での専門家を養成することを目的としており、小学校教員養成課程、中学校教員養成課程、特別支援教育教員養成課程、養護教諭養成課程の4つの課程があります。さらに1~4年次にかけて段階的に学習していけるようにカリキュラムが組まれ、学びを深めていくことが可能です。

法学部

法学部は2コース制をとっており、アドバンスト·リーダー·コースと法学·公共政策学コースがあります。「法」と「公共政策」の観点から現代社会にある諸問題の着眼、分析、解決できるよう基礎能力の養成を目指していきます。

理学部

理学部では数学、物理学、化学、地球環境科学、生物学の5つのコースがありますが、まずは1年次に理学の基礎を学んでいき、3年次より専門分野に進む教育プログラムが組まれています。

医学部

医学部には、医学科と保健学科の2つの学科があります。医学科は6年制をとっており、1年次より専門教育を学んでいきます。さらに施設も充実しており、発生医学研究所やエイズ学研究センターなどの支援のもと、講義や実習が行われていきます。保健学科では医療系の資格の取得できる3つの専攻に分かれています。看護師、保健師、助産師の資格を取得できる看護学専攻、診療放射線技師を養成する放射線技術科学専攻、臨床検査技師を養成する検査技術科学専攻があります。

薬学部

薬学部は薬学科(6年制)と創薬·生命薬科学科(4年制)の2つの学科があります。薬学科では基礎医学系と臨床系教員の協力により、魅力的な薬学教育カリキュラムが編成されています。実務実習では医学部生とともに医学部付属病院の各診療科で病棟実習が行われ、高度な薬剤師や臨床研究院の養成に力を入れています。創薬·生命薬科学科では創薬研究者の育成を行っていきます。

工学部

工学部では土木建築学科、機械数理工学科、情報電気工学科、材料·応用化学科の4つの学科に分かれ、各学部教育プログラムを編成し、学びを深めていきます。

熊本大学の学生数(男女比)

さて、気になる熊本大学の学生数ですが、全体で7,629人います。一学年におよそ1,900人程度いる割合になります。また男女比としては、男性4,475人(59%)、女性3,154人(41%)となっており、文学部や教育学部では女性の割合が6割程度いますが、他の学部では男性の方が割合が高い傾向にあり、特に学生数の多い工学部では8割が男性であるため、全体でみると男性の方が多くなっています。

熊本大学の所在地(キャンパス)

では、そんな熊本大学の主要なキャンパスは6か所あり、学部ごとによってキャンパスが分かれています。また、キャンパス以外の施設も周辺にあります。

  • 黒髪北·南キャンパス
  • 本荘北·中·南キャンパス
  • 大江キャンパス

引用URL:交通アクセス&キャンパスマップ | 熊本大学 (kumamoto-u.ac.jp)

黒髪北キャンパス

 

文学部、教育学部、法学部、社会文化科学教育部、教育学研究科、附属図書館(中央館)、五高記念館などがあります。五高記念館には資料等が展示されており、夏目漱石が五高の教壇に立った際のモンタージュボイスや自らが作成した当時の入試問題や、卒業生の業績として寺田寅彦や池田勇人·佐藤栄作両首相などの紹介がされています。(ただし、現在は地震の被害により長期休館中)黒髪南キャンパスには理学部、工学部、自然科学教育部、百周年記念館、本部などがあります。

本荘北·中·南キャンパス

 

本荘キャンパスは3つに分かれています。本荘北地区には病院、医学部医学科や医療系分館の附属図書館などがあり、本荘中地区には、発生医学研究所、生命資源研究·支援センター、ヒトレトロウイルス学共同研究センターなどがあります。そして本荘南地区には、医学部保健学科などがあり、全体的に医療系の施設が揃っています。

大江キャンパス

 

大江キャンパスは薬学部や、薬学部分館の附属図書館などがあります。

熊本大学の就職情報/大学院進学率

では、大学入学も重要なポイントではありますが、卒業と同時に重要となってくる、就職状況や大学院進学についても知っておきたいポイントです。ここでは学部ごとに就職率や就職先、大学院の進学率についてみていきます。

文学部

卒業者の総数は169人で、進学者は7人(4%)、就職者は140人(83%)となっています。そのうち公務員として就職した人は27人(19%)います。主な就職先としては福岡市役所、再春館製薬、熊本国税局などに就職しています。

教育学部

卒業者の総数は247人で、進学者は31人(13%)、就職者は184人(74%)となっています。就職者の中でも公務員として就職した人は27人(15%)、教員として就職した人は118人(64%)おり、2人に1人が教員として就職しています。主な就職先としては小学校教員が多く、続いて中学校教員、特別支援学校教員、高等学校教員になっている人が多いです。その他には大分県県庁、福岡市役所など地元九州で公務員として就職する人もいます。

法学部

卒業者の総数は198人で、進学者は15人(8%)、就職者は160人(81%)となっています。その中でも公務員として就職した人は94人(59%)と2人に1人が公務員として就職していることが分かります。地元熊本で公務員として就職している人が多く、その他も福岡市役所など、熊本周辺の県に就職している人が多い傾向にあります。

理学部

卒業者の総数は186人で、進学者は110人(59%)、就職者は69人(37%)となっています。その中でも公務員として就職した人は19人(28%)います。そのため、大半の学生が就職ではなく、進学していることが分かります。主な就職先としては気象庁、熊本県庁、九州管区警察局などに就職しています。

医学部

医学科の卒業生は大半が臨床研修医に進んでいます。一方保健学科では卒業生が147人。進学者が23人(16%)。就職者が115人(78%)となっています。公務員に就職した人はそのうち1人のみであり、ほとんどの人は九州地方の病院に就職しています。主な就職先としては熊本大学病院、九州大学病院、済生会熊本病院などに就職しています。

薬学部

卒業者の総数は94人で、進学者は33人(35%)、就職者は57人(61%)となっています。この内訳として、薬学科は大半が就職しているのに対して、創薬・生命薬科学科ではほとんどが進学しているという状況にあります。公務員として就職した人は1人のみで、ほとんどの就職者が病院や企業に就職しています。

工学部

卒業者の総数は544人で、進学者は322人(59%)、就職者は199人(37%)となっています。その中でも公務員として就職した人は28人(14%)います。そのため、大半の学生が就職ではなく、進学していることが分かります。主な就職先としてはソニーセミコンダクタマニュファクチャリングや九電工、西日本高速道路、三菱電機各などがあります。

熊本大学の学部別偏差値

次は、受験生の皆さんにとっては非常に気になってくるであろう学部別偏差値について、河合塾の情報をもとに見ていきます。

学部別偏差値(共通テスト得点率)

  • 文学部  55.0~57.5 (64~70%)
  • 教育学部 47.5~52.5 (57~63%)
  • 法学部  52.5    (64~73%)
  • 理学部  50.0~57.5 (62~72%)
  • 医学部  47.5~65.5 (58~78%)
  • 薬学部  52.5~57.5 (69~73%)
  • 工学部  47.5~50.0 (57~69%)

 

医学部の偏差値65.0を除くと全学部の偏差値は47.5~57.5で推移しています。共通テストの得点率も57~73%(医学部医学科を除く)が必要になってくるため、どの学部も難易度は高めです。

熊本大学の入試情報や科目

最後に入試情報、科目についてみていきます。総合型選抜、学校推薦型選抜、英検利用、一般入試にそれぞれ焦点を当てて、各学部の募集内容についてみていきます。また、詳細については大学の募集要項で確認しましょう。

総合型選抜

文学部、法学部、理学部、工学部で実施されています。9月上旬に出願期間があり、選考は10月中、共通テストは課されないため11月には合否が分かるため、比較的早く結果が分かります。選考内容としては、書類審査、面接(英語による)、ペーパーインタビュー(面接に代わる筆記試験)などがあります。さらに学科により小論文や論述審査、学科試験が課されます。

学校推薦型選抜

学校推薦選抜Ⅰでは、大学入学共通テストが免除されます。推薦書、調査書、志望理由書、小論文および面接の成績により総合的に判定されます。また、志願者が募集人数の約2倍になった場合に2段階選抜が行われる場合があります。学校推薦選抜Ⅱでは学校推薦選抜Ⅰの内容に加え共通テストが課されます。そのため、出願期間や選抜期日が異なってきます。

英検利用

英検®/TEAP/TEAP CBT/IELTS利用入試情報はありません。

一般入試

熊本大学は国立大学なので基本的に共通テストで5教科7科目ですが、学部·学科や日程の違いによって、5~6教科5~8科目であったり配点が違ったりと対策の仕方が異なってきます。そのため、満遍なくどの教科においても苦手分野を作らずに点数を取れるようになっておくことが重要です。苦手分野を把握し、早い段階から取り組んでおきましょう。さらに、2次試験の個別学力試験では、学部学科によって、学力試験が課されるところもあります。共通テストのみではなく過去問を解いて2次試験の対策も手を付けていく必要があります。

参照URL:20210914変更 R4入学者選抜要項 (kumamoto-u.ac.jp)

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は熊本大学の基本的な情報から入試情報までお伝えしてきました。受験を検討している方は今回の内容をぜひ活用して受験に備えていきましょう。

◆ AXIV ACADEMY(アクシブアカデミー)の概要

「生徒の人生を真剣に考え、全力でサポートする」

「変わりたい。」を叶えるを実現するために、今までの常識にとらわれない、新しい形態の予備校を運営しています。私たちは、生徒自らが夢や目標を定め、なぜ勉強が必要かを理解できるように正しい情報を提供し、進路指導に時間をかけて受験戦略を立ち上げ、受験で必要な全科目に対して学習計画を練り、進捗管理を行っています。最高の「環境」「指導」「ツール」を提供すべくWebやiPadを活用し、全国のどの地域からでも受講できるように遠隔での指導を行っています。東大の隣にオフィスを構えており、指導チームを中心に、受験に精通した経験豊富な専属スタッフが受験まで1:1でサポートします。

https://axivacademy.com

◆ AXIV ACADEMY(アクシブアカデミー)へのお問い合わせこちら

私たちといっしょに「質の高い学習時間」を伸ばしませんか?

●30秒で簡単!まずは資料請求・お問合せください →お問い合わせ&資料請求はこちら

●【無料】受験相談と体験授業も実施中 →無料受験相談&無料体験授業に申し込み

●アクシブアカデミー公式LINE登録で書籍無料プレゼント!! →LINE友達登録はこちらから