この記事では、三重県の国立大学である三重大学について解説していきます。三重大学の成り立ちなどの基礎情報や学部の紹介、卒業生の就職情報や大学院への進学率等、三重大学についての知識をある程度網羅して紹介していきます。あなたの参考になるよう、順序立てて話を進めていこうと思います。丁寧に解説していきますので、最後までお付き合いください。
三重大学とは
三重大学は、1949年に国立学校設置法により、三重師範学校、三重青年師範学校、三重農林専門学校を母体として発足しました。「人類福祉の増進」「自然の中での人類の共生」「地域社会の発展」に貢献できる「人材の育成と研究の創成」を理念として掲げています。課題探求心、問題解決能力、研究能力を育て、学際的・独創的・総合的視野で、国際的にも活躍できる人材を育成する、としています。
三重大学の学部紹介
三重大学の学部学科の一覧を以下に示します。人文学部、教育学部、医学部、工学部、生物資源学部の5学部構成になっています。この中で、教育学部の学校教育教員養成課程は25専攻もしくは選修に細分化されており、教育の専門職を養成できるようになっています。どの教科の教員を目指すのか、自分の進む道が明確は専門性を高めるために有効かもしれません。
学部 | 学科 | |
人文学部 | 文化学科 | – |
法律経済学科 | – | |
教育学部 | 学校教育教員養成課程 | 国語教育コース初等教育選修 |
国語教育コース中等教育選修 | ||
社会科教育コース初等教育選修 | ||
社会科教育コース中等教育選修 | ||
数学教育・情報教育コース数学教育専攻初等教育選修 | ||
数学教育・情報教育コース数学教育専攻中等教育選修 | ||
数学教育・情報教育コース情報教育専攻中等教育選修 | ||
理科教育コース初等教育選修 | ||
理科教育コース中等教育選修 | ||
音楽教育コース初等教育選修 | ||
音楽教育コース中等教育選修 | ||
美術教育コース初等教育選修 | ||
美術教育コース中等教育選修 | ||
保健体育コース初等教育選修 | ||
保健体育コース中等教育選修 | ||
技術・ものづくり教育コース初等教育選修 | ||
技術・ものづくり教育コース中等教育選修 | ||
家政教育コース初等教育選修 | ||
家政教育コース中等教育選修 | ||
英語教育コース初等教育選修 | ||
英語教育コース中等教育選修 | ||
特別支援教育コース | ||
幼児教育コース | ||
学校教育コース 教育学専攻 | ||
学校教育コース 教育心理学専攻 | ||
医学部 | 医学科 | – |
看護学科 | – | |
工学部 | 総合工学科 | 総合工学コース |
機械工学コース | ||
電気電子工学コース | ||
応用化学コース | ||
建築学コース | ||
情報工学コース | ||
生物資源学部 | 資源循環学科 | – |
共生環境学科 | – | |
生物圏生命化学科 | – | |
海洋生物資源学科 | – |
三重大学の学生数
三重大学の学生数は、2019年時点で男性3630人、女性2398人の計6028人となっています。三重大学の全学年を総計して計算した男女比は、男性が60.2%、女性が39.8%です。年次別の男女比も同様の傾向で、男性の比率が大きくなっています。日本の大学全体に占める女性の割合は約43%となっているため、三重大学の男女比率は大学全体の比率と似通っていると言えます。
三重大学の所在地
三重大学には1つのキャンパスと4か所のサテライト拠点があります。キャンパスは国立大学法人としての本部所在地でもある上浜キャンパスです。津市栗真町屋町1577が所在地となっており、人文学部、教育学部、医学部、工学部、生物資源学部の全ての学部があります。
サテライトに関しては、日本のモノづくりの神髄を体感し富を生み出す拠点としての「北勢サテライト」、固有文化と地域資源の活用で地域再生に寄与する拠点としての「伊賀サテライト」、歴史ある自然との共生・共存の思想を世界に発信する拠点としての「伊勢志摩サテライト」、地域資源で富を生み力強い子供が育つことを支える拠点としての「東紀州サテライト」の4か所を展開し、企業や自治体との共同研究等を通じて、地域の課題解決に全学的に取り組んでいます。
三重大学の大学院進学率/就職状況
三重大学の大学院進学率及び卒業後の就職状況について、学部別に解説していきます。
人文学部
人文学部の2021年の卒業者総数は281人で、うち6人が進学しています。就職者数は255人で、就職先は三重県職員19、国税庁(国税専門官)6、愛知県職員5、ミエデンシステムソリューション4、三重県警察、住友電装、津市職員、津地方検察庁各3、四日市市職員、名古屋市職員各2などとなっています。
教育学部
教育学部の2021年の卒業者総数は198人で、うち3人が進学しています。就職者数は189人で、就職先は三重県公立学校73、愛知県公立学校18、三重県職員、津市職員各5、名古屋市公立学校3、四日市市職員、いなべ市職員、岐阜県公立学校、三重県警察本部、三重大学各2などとなっています。
医学部
医学部の2021年の卒業者総数は209人で、うち1人が進学しています。就職者数は198人で、就職先は臨床研修医119、三重大学医学部附属病院39、日本医科大学付属病院、名古屋セントラル病院、淀川キリスト教病院、名古屋市立大学病院、伊勢赤十字病院、名古屋第一赤十字病院、市立四日市病院、名古屋大学医学部附属病院各2などとなっています。
工学部
医学部の2021年の卒業者総数は422人で、うち244人が進学しています。就職者数は169人で、就職先は矢作建設工業、住友電装各4、FUJI、フタバ産業、鴻池組各3、清水建設、トヨタシステムズ、豊田合成、イビデン、シンフォニアテクノロジー各2などとなっています。
生物資源学部
生物資源学部の2021年の卒業者総数は268人で、うち91人が進学しています。就職者数は169人で、就職先は三重県職員9、愛知県職員6、農林水産省、アビ各4、天野エンザイム、名古屋市職員各3、寿がきや食品、岐阜県職員、和歌山県職員各2などとなっています。
三重大学の学部偏差値と倍率
三重大学の学部別偏差値と倍率を一覧にしたものを以下に示します。学部別に偏差値を見ていくと、教育学部の偏差値が比較的低い傾向が見られます。細かく見ていくと、理科教育コース初等教育選修と技術・ものづくり教育コースの偏差値が各学部内で低めのようです。
倍率で見ていくと、あまり特筆すべき傾向はなく、各学部同じような数値となっています。全体的な傾向として、倍率は1~4倍前後となっており、他大学と比較しても平均的な倍率だと考えられます。
学部 | 偏差値 | 倍率 |
人文学部 | 55 | 1.3~3.7(平均2.22) |
教育学部 | 47.5~55.0 | 1.0~8.8(平均4.07) |
医学部 | 50.0~65.0 | 1.5~6.2(平均3.56) |
工学部 | 50.0~55.0 | 1.0~6.0(平均2.58) |
生物資源学部 | 50.0~57.5 | 1.0~4.3(平均2.24) |
三重大学の入試情報と科目
三重大学の入試選抜方法としては、一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜などがありますが、本記事では対象者が最も多い一般選別について解説していきます。また、本記事では入試科目情報を抜粋で掲載していますが、受験希望の学部学科の入試科目情報について、大学発行の要綱にて確認するようお願いいたします。
人文学部
人文学部の大学入試共通テストの利用教科・科目は、5~6教科7~8科目を選択します。個別学力試験は、前期日程の場合、国語と英語もしくは、英語と国語/数学から1教科選択する2教科の学力試験が求められ、後期日程の場合は、小論文とペーパー・インタビューが課されます。ペーパー・インタビューは、面接で聞かれる内容を記述式に置き替えたイメージですので、面接の回答を文章化する訓練が効果的だと考えられます。
教育学部
教育学部の大学入試共通テストの利用教科・科目は、5~6教科7~8科目を選択します。(後期日程の場合は4教科4~5科目から選択する学科もあり)個別学力試験は、受験する学科によって異なりますが、前期日程の場合、国語・数学・英語から選択した学力試験、調査書が課されます。後期日程の場合、小論文、面接、調査書、実技の組み合わせで課題が課されます。どの学科においても調査書が求められるため、入試の際の試験点数だけでなく、学校の試験の点数も影響します。普段から高いパフォーマンスが出せるよう意識することで他の受験者との差別化につながると思います。
参考:人文学部 文化学科/前期 入試科目情報
共通テスト | 5~6教科7~8科目(900点満点) 【必】国語:国(200点) 《選》地歴:世B、日B、地理B(100点) 《選》公民:現社、倫理、政経、倫政経(100点) 【必】数学:数I・A、数II、数II・B、簿記・会計、情報関係基礎 から2科目選択。(200点) 【必】理科:物基、化基、生基、地学基、物、化、生、地学 から1科目選択。※基礎を付した科目は2科目で1科目とする。(100点) 【必】外国語:英、独、仏、中、韓 から1科目選択。※英語はリスニングを含む。(200点 ※1) 地歴、公民から2科目選択。ただし、公民からの2科目選択は不可。 理科(基礎を付していない科目)において2科目受験した場合は、第1解答科目の得点を採用する。 ※1 英語はリーディングを200点とし、リスニング100点との合計300点満点に2/3を掛けて200点満点に換算する。 |
個別学力試験 | 2教科2科目(600点満点) 【必】国語:国総(300点) 【必】外国語:コミ英I・コミ英II・コミ英III・英表I・英表II(300点) |
個別学力試験 配点比率 | 40% |
医学部
医学部の大学入試共通テストの利用教科・科目は、5教科6~7科目を選択します。個別学力試験は、前期日程の場合は、医学部は3教科4科目の学科試験、看護学科は2教科2科目の学科試験が課されます。後期日程の場合は小論文、面接が課されます。医学部の場合は、大学入試共通テスト後の個別学力試験でも3教科4科目もの学科試験が課されます。気が抜けませんが、うまく体調管理し、本来の力が発揮できるようにしていきましょう。
参考:医学部 医学科/前期 入試科目情報
共通テスト | 5教科7科目(600点満点) 【必】国語:国(100点) 《選》地歴:世B、日B、地理B(100点) 《選》公民:現社、倫政経(100点) 【必】数学:数I・A、数II・B(100点) 【必】理科:物、化、生 から2科目選択。(200点) 【必】外国語:英、独、仏、中、韓 から1科目選択。※英語はリスニングを含む。(100点 ※1) 地歴、公民から1科目選択。第1解答科目の得点を採用する。 ※1 英語はリーディングを200点とし、リスニング100点との合計300点満点に2/3を掛けて200点満点に換算し、さらに100点満点に換算する。 <2段階選抜>志願者数が募集人数の5倍を超えた場合のみ、第1段階選抜を行う(倍率については緩和することがある)。 |
個別学力試験 | 3教科4科目(700点満点) 【必】数学:数I・数II・数III・数A・数B ※数Bは数列、ベクトル。(200点) 【必】理科:物基・物、化基・化、生基・生 から2科目選択。(200点) 【必】外国語:コミ英I・コミ英II・コミ英III・英表I・英表II(200点) 【必】面接(100点) |
個別学力試験 配点比率 | 54% |
工学部
工学部の大学入試共通テストの利用教科・科目は、5教科7科目を選択します。個別学力試験は、前期日程の場合は数学、理科の学科試験が課され、後期日程の場合は、理科の学科試験と調査書、実技、面接の組み合わせで課題が課されます。前期日程の場合は、学科試験のみになるため、ケアレスミスでの失点で他の受験者との差が開いてしまわないよう注意して解答していきましょう。
生物資源学部
生物資源学部の大学入試共通テストの利用教科・科目は、5教科7科目を選択します。個別学力試験は、前期日程の場合は数学、理科の学科試験が課され、後期日程の場合は数学/理科の1教科を選択する学科試験とペーパー・インタビューが課されます。個別学力試験で課される学科試験は理系の教科のみとなるため、理系科目の強化を普段から進めておくと有利だと思います。
参考:工学部 総合工学科総合工学コース/前期 入試科目情報
共通テスト | 5教科7科目(550点満点) 【必】国語:国(100点) 《選》地歴:世A、世B、日A、日B、地理A、地理B(50点) 《選》公民:現社、倫理、政経、倫政経(50点) 【必】数学:数I・A、数II・B(100点) 【必】理科:物、化(100点) 【必】外国語:英 ※リスニングを含む。(200点 ※1) 地歴、公民から1科目選択。第1解答科目の得点を採用する。 ※1 リーディングを200点とし、リスニング100点との合計300点満点に2/3を掛けて200点満点に換算する。 |
個別学力試験 | 2教科2科目(500点満点) 【必】数学:数I・数II・数III・数A・数B ※数Bは数列、ベクトル。(300点) 【必】理科:物基・物、化基・化 から1科目選択。(200点) |
個別学力試験 配点比率 | 48% |
おわりに
本記事では、三重大学についての成り立ちについて触れ、また、学部構成や学生数、およびキャンパス所在地やサテライトの機能について解説しました。大学院進学率や就職状況についてまとめ、大学卒業後のあなたの姿がイメージできるように記事を構成していきました。三重大学の受験の際にも参考にできるよう、学部別の偏差値や倍率、入試情報についても整理していきました。この記事では、三重大学に関する基本情報から受験情報まで抜粋してポイントをまとめました。記事の内容があなたの進路設計の参考になれば幸いです。
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