この記事では、沖縄県の国立大学である琉球大学について解説していきます。琉球大学の成り立ちなどの基礎情報や学部の紹介、卒業生の就職情報や大学院への進学率等、琉球大学についての知識をある程度網羅して紹介していきます。あなたの参考になるよう、順序立てて話を進めていこうと思います。丁寧に解説していきますので、最後までお付き合いください。
目次
琉球大学とは
琉球大学は、1950年に連合軍最高司令部の琉球局長等によるジュニアカレッジ設立の指令により、首里城址に開学しました。「地域とともに豊かな未来社会をデザインする大学」、「アジア・太平洋地域の卓越した教育研究拠点となる大学」を長期ビジョンとして掲げており、地域特有の特性や歴史を活かした、学修生本位の教育を行い、優れた人材を社会に排出する としています。
琉球大学の学部紹介
琉球大学の学部学科の一覧を以下に示します。人文社会学部、国際地域創造学部、教育学部、理学部、医学部、工学部、農学部の7学部構成になっています。この中で、教育学部の学校教育教員養成課程は22専攻もしくは専修に細分化されており、教育の専門職を養成できるようになっています。小学校教育コース、中学校教育コース、特別支援教育コースと課程を3つに分割し、それぞれで適した教育免許取得を視野に入れているため、進路が明確な人には適しているかもしれません。
学部 | 学科 | コース・専修 |
人文社会学部 | 国際法政学科 | – |
人間社会学科 | – | |
琉球アジア文化学科 | – | |
国際地域創造学部 | 国際地域創造学科 | 昼間主コース |
夜間主コース | ||
教育学部 | 学校教育教員養成課程 | 小学校教育コース学校教育専攻 |
小学校教育コース教科教育専攻 国語教育専修 | ||
小学校教育コース教科教育専攻 社会科教育専修 | ||
小学校教育コース教科教育専攻 数学教育専修 | ||
小学校教育コース教科教育専攻 理科教育専修 | ||
小学校教育コース教科教育専攻 音楽教育専修 | ||
小学校教育コース教科教育専攻 美術教育専修 | ||
小学校教育コース教科教育専攻 保健体育専修 | ||
小学校教育コース教科教育専攻 技術教育専修 | ||
小学校教育コース教科教育専攻 生活科学教育専修 | ||
小学校教育コース教科教育専攻 英語教育専修 | ||
中学校教育コース教科教育専攻 国語教育専修 | ||
中学校教育コース教科教育専攻 社会科教育専修 | ||
中学校教育コース教科教育専攻 数学教育専修 | ||
中学校教育コース教科教育専攻 理科教育専修 | ||
中学校教育コース教科教育専攻 音楽教育専修 | ||
中学校教育コース教科教育専攻 美術教育専修 | ||
中学校教育コース教科教育専攻 保健体育専修 | ||
中学校教育コース教科教育専攻 技術教育専修 | ||
中学校教育コース教科教育専攻 生活科学教育専修 | ||
中学校教育コース教科教育専攻 英語教育専修 | ||
特別支援教育コース特別支援教育専攻 特別支援教育専修 | ||
理学部 | 数理科学科 | – |
物質地球科学科 | 物理系 | |
地学系 | ||
海洋自然科学科 | 化学系 | |
生物系 | ||
医学部 | 医学科 | – |
保健学科 | – | |
工学部 | 工学科 | 機械工学コース |
エネルギー環境工学コース | ||
電気システム工学コース | ||
電子情報通信コース | ||
社会基盤デザインコース | ||
建築学コース | ||
知能情報コース | ||
農学部 | 亜熱帯地域農学科 | – |
亜熱帯農林環境科学科 | – | |
地域農業工学科 | – | |
亜熱帯生物資源科学科 | – |
琉球大学の学生数
琉球大学の学生数は、2019年時点で男性4336人、女性2804人の計7140人となっています。琉球大学の全学年を総計して計算した男女比は、男性が60.7%、女性が39.3%です。年次別の男女比も同様の傾向で、男性の比率が大きくなっています。日本の大学全体に占める女性の割合は約43%となっているため、琉球大学の男女比率は大学全体の比率と似通っていると言えます。
琉球大学の所在地
琉球大学には2つのキャンパスがあります。1つは国立大学法人としての本部所在地でもある千原キャンパスです。中頭郡西原町字千原1番地が所在地となっており、人文社会学部・国際地域創造学部・教育学部・理学部・工学部・農学部があります。
2つ目は上原キャンパスで、中頭郡西原町字上原207番地が所在地となっており、医学部があります。また、上原キャンパスには地域における保険・医療・福祉の向上、地域医療への貢献を目的とした「琉球大学病院」を設置しており、先端医療技術の開発、応用および評価を行っています。
琉球大学の大学院進学率/就職状況
琉球大学の大学院進学率及び卒業後の就職状況について、学部別に解説していきます。
人文社会学部
人文社会学部の2021年の卒業者総数は380人で、うち18人が進学しています。就職者数は228人で、就職先は民間162、公務員59、教員7、県外就職者は学部全体で66などとなっています。
国際地域創造学部
国際地域創造学部の2021年の卒業者総数は151人で、うち2人が進学しています。就職者数は108人で、就職先は民間99、公務員9、県外就職者は学部全体で33などとなっています。
教育学部
教育学部の2021年の卒業者総数は139人で、うち7人が進学しています。就職者数は113人で、就職先は教員70、民間31、公務員9、県外就職者は学部全体で25などとなっています。
理学部
理学部の2021年の卒業者総数は175人で、うち58人が進学しています。就職者数は83人で、就職先は民間51、公務員22、教員10、県外就職者は学部全体で22などとなっています。
医学部
医学部の2021年の卒業者総数は179人で、うち7人が進学しています。就職者数は164人で、就職先は臨床研修医121、民間39、公務員4、県外就職者は学部全体で10などとなっています。
工学部
工学部の2021年の卒業者総数は250人で、うち85人が進学しています。就職者数は153人で、就職先は民間154、公務員26、県外就職者は学部全体で94などとなっています。
農学部
農学部の2021年の卒業者総数は140人で、うち40人が進学しています。就職者数は78 人で、就職先は民間57、公務員23、県外就職者は学部全体で32などとなっています。
琉球大学の学部偏差値と倍率
琉球大学の学部別偏差値と倍率を一覧にしたものを以下に示します。学部別に偏差値を見ていくと、国際地域創造学部および工学部の偏差値が比較的低い傾向が見られます。中でも国際地域創造学部の国際地域創造学科夜間主コースおよび、工学部学科全般が低めとなっています。また、医学部は、保健学科は偏差値50.0前後で他の学部と同様もしくは若干高い値となっていますが、医学科は65.0と琉球大学の中で最も高い数値となっています。
倍率で見ていくと、医学部はすべての学科において高めの倍率で、最小でも2.1となっています。特に医学科に関しては、一般選抜の場合、約5倍の倍率となっており、他大学の医学部と比べても高い傾向です。
学部 | 偏差値 | 倍率 |
人文社会学部 | 45.0 | 1.0~3.2(平均2.10) |
国際地域創造学部 | 42.5~45.0 | 1.4~4.0(平均2.42) |
教育学部 | 45.0~50.0 | 1.0~5.0(平均2.33) |
理学部 | 45.0~47.5 | 1.0~4.4(平均2.26) |
医学部 | 50.0~65.0 | 2.1~5.6(平均3.33) |
工学部 | 42.5 | 1.0~5.0(平均1.84) |
農学部 | 45 | 1.2~6.7(平均2.23) |
琉球大学の入試情報と科目
琉球大学の入試選抜方法としては、一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜などがありますが、本記事では対象者が最も多い一般選別について解説していきます。また、本記事では入試科目情報を抜粋で掲載していますが、受験希望の学部学科の入試科目情報について、大学発行の要綱にて確認するようお願いいたします。
人文社会学部
人文社会学部の大学入試共通テストの利用教科・科目は、5~6教科6~7科目(一部後期試験で4教科4科目の場合あり)を選択します。個別学力試験は、受験する学科によって、英語、調査書、小論文、面接の組み合わせで課題が課されます。調査書が求められる場合は、入試の際の試験点数だけでなく、学校の試験の点数も影響しますので、普段から高いパフォーマンスが出せるよう、意識していくといいでしょう。
国際地域創造学部
国際地域創造学部の大学入試共通テストの利用教科・科目は、5~6教科6~7科目(一部後期試験で4教科4科目の場合あり)を選択します。個別学力試験は、受験する学科によって、英語、数学、調査書、小論文の組み合わせで課題が課されます。個別学力試験で学科試験が課されない科もありますが、調査書や小論文など、自分だけで判断せず、担当の先生に相談し、きっちり対応すると安心です。
教育学部
教育学部の大学入試共通テストの利用教科・科目は、5~6教科6~8科目を選択します。個別学力試験は、受験する学科によって、数/理/国/英、調査書、小論文、面接、実技の組み合わせで課題が課されます。面接、実技など、担当の先生によく相談し、過去の出題傾向から想定練習をすることで、本番も落ち着いて対応できると思います。
参考:人文社会学部 国際法政学科/前期 入試科目情報
共通テスト | 6教科6~7科目(800点満点) 【必】国語:国(200点) 【必】地歴:世B、日B、地理B から1科目選択。(100点) 【必】公民:現社、倫理、政経、倫政経 から1科目選択。(100点) 【必】数学:数I・A、数II・B、簿記・会計、情報関係基礎 から1科目選択。(100点) 【必】理科:物基、化基、生基、地学基、物、化、生、地学 から1科目選択。※基礎を付した科目は2科目で1科目とする。(100点) 【必】外国語:英、独、仏、中、韓 から1科目選択。※英語はリスニングを含む。(200点) 理科の「基礎を付していない科目」から2科目受験した場合は、第1解答科目の得点を採用する。 数学の「簿記・会計」「情報関係基礎」で選択解答できる者は、高等学校等でこれらの科目を履修した者に限る。 |
個別学力試験 | 1教科1科目(250点満点) 【必】外国語:コミ英I・コミ英II・コミ英III・英表I・英表II ※リスニングは除く。(200点) 【必】調査書など ※調査書。(50点) |
個別学力試験 配点比率 | 24% |
理学部
理学部の大学入試共通テストの利用教科・科目は、5教科7~8科目を選択します。個別学力試験は、受験する学科によって、数学、理科、調査書、小論文の組み合わせで課題が課されます。面接はありませんので、人前で話すことに慣れていない場合は少し気が楽かもしれません。小論文については、担当の先生と相談し、過去の傾向分析と、文章構成を練習し、当日に落ち着いて試験に臨めるよう、準備を進めていきましょう。
医学部
医学部の大学入試共通テストの利用教科・科目は、5教科7科目を選択します。個別学力試験は、数/理/英の学科試験および、面接、小論文の組み合わせで課されます。医学科に関しては、他の学科に比べ、個別学力試験の配点比率が高い傾向が見られます。気が抜けませんが、両試験ともに高い点数が取れるよう、健康管理と無理のない範囲での学習など、自己管理をしながら準備を進めましょう。
参考:医学部 医学科/前期 入試科目情報
共通テスト | 5教科7科目(900点満点) 【必】国語:国(200点) 《選》地歴:世B、日B、地理B(100点) 《選》公民:現社、倫政経(100点) 【必】数学:数I・A、数II・B(200点) 【必】理科:物、化、生 から2科目選択。(200点) 【必】外国語:英 ※リスニングを含む。(200点) 地歴・公民から1科目選択。第1解答科目の得点を採用する。 <2段階選抜>入学志願者が募集人数の約5倍を超えた場合には、第1段階選抜を行う。 |
個別学力試験 | 3教科4科目(800点満点) 【必】外国語:コミ英I・コミ英II・コミ英III・英表I・英表II ※リスニングは除く。(200点) 【必】数学:数I・数II・数III・数A・数B ※数Bは数列、ベクトル。(200点) 【必】理科:物基・物、化基・化、生基・生 から2科目選択。(200点) 【必】面接(200点) |
個別学力試験 配点比率 | 47% |
工学部
工学部の大学入試共通テストの利用教科・科目は、前期は5教科7~8科目を、後期は3教科5~6科目を選択します。個別学力試験は、数学、理科の学力試験と調査書が課され、後期の場合は調査書が求められます。どちらも調査書が材料となっているため、普段の学校で課される試験についても、よい結果が残せるよう、学習習慣が大切です。
農学部
農学部の大学入試共通テストの利用教科・科目は、5教科7~8科目を、後期は3教科5~6科目を選択します。個別学力試験は、数学、理科の学力試験と調査書が課され、後期の場合は面接、調査書が求められますので、後期試験を受験する可能性がある場合は、担当の先生と相談し、過去の面接の傾向を調べ、本番に自分の良さがきちんと伝えられるように準備を進めていきましょう。
参考:工学部 工学科/前期 入試科目情報
共通テスト | 5教科7~8科目(1000点満点) 【必】国語:国(200点) 《選》地歴:世B、日B、地理B(100点) 《選》公民:現社、倫理、政経、倫政経(100点) 【必】数学:数I・A、数II・B(300点) 【必】理科:化基、生基、地学基、物、化、生、地学 から2科目選択。ただし、物は必須。※基礎を付した科目は2科目で1科目とする。(200点) 【必】外国語:英、独、仏、中、韓 から1科目選択。※英語はリスニングを含む。(200点) 地歴・公民から1科目選択。第1解答科目の得点を採用する。 |
個別学力試験 | 2教科2科目(650点満点) 【必】数学:数I・数II・数III・数A・数B ※数Bは数列、ベクトル。(300点) 【必】理科:物基・物(200点) 【必】調査書など ※調査書。(150点) |
個別学力試験 配点比率 | 39% |
おわりに
本記事では、琉球大学についての成り立ちを説明し、また、学部構成や学生数、およびキャンパス所在地について解説しました。大学院進学率や就職状況についても触れ、大学卒業後の見通しがつくよう気を付けて記事を構成していきました。琉球大学の受験の際にも参考にできるよう、学部別の偏差値や倍率、入試情報についても解説しました。この記事では、琉球大学に関する基本的な情報から入試の情報まで網羅したものを目指しています。本記事があなたの役に立つ内容となっていることを願っています。
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