佐賀大学とは？偏差値・学部や入試情報など基本情報を解説！

第二次世界大戦後に「一県一国立大学」として佐賀県に新設された佐賀大学について、今回は受験生であれば知っておきたい基礎知識から入試情報、就職情報などまとめてお伝えしていきます。

佐賀大学とは

佐賀大学は1949年の学制改革の際に佐賀県にあった旧制諸学校を包括して、新制大学としてはじまりました。1920年創立の旧制佐賀高等学校や佐賀師範学校、佐賀青年師範学校を母体とし、当時、文理学部と教育学部が開設されました。1955年農学部を増設し、1966年には文理学部が経済学部と理工学部に改組されました。2003年には佐賀医科大学が統合されました。

佐賀大学の学部紹介

続いて、佐賀大学にはどのような学部があるのでしょうか。佐賀大学には6学部設置されています。

教育学部

教育学部では学校教育課程があり、幼小連携教育コースと小中連携教育コースの２コースがあります。将来的に小学校教諭一種、幼稚園教諭一種、特別支援学校教諭の資格を取得することが可能です。

芸術地域デザイン学部

芸術地域デザイン学部では芸術表現コースと地域デザインコースの２つのコースがあります。「地域貢献」をキーワードに地域社会の未来に貢献できる人材の育成が行われています。

経済学部

経済学部は経済学科、経営学科、経済法学科の３つの学科に分かれています。現代社会における経済に関する諸問題について分析·解決する能力を育成するカリキュラムが組まれています。

医学部

医学部では医学科と看護学科の２つの学科があります。医学科では６年制を取っており、４年次末の共用試験（CBT、OSCE）に合格し、Student Doctorの適格認定を受けた人のみが５年次以降の臨床実習に進むことが可能になっています。１年次より段階的に専門教育科目について学んでいきます。

看護学科では看護師教育をベースに保健師教育や助産師教育が選択でき、将来的に看護師、保健師、助産師の資格を取得することが可能です。講義から演習、実習を通して段階的に学べるカリキュラムが組まれています。

理工学部

理工学部は佐賀大学の中で最も学生数の多い学部です。12コースに分かれており、専門的に学んでいくことが可能です。2019年度に７学部に分かれていたのを１学部に集約され、１年次は学部共通の基礎教育が組まれ、２年次よりコース制による専門的な知識や技術が習得できるカリキュラムになりました。また、コースによっては測量士補、一級建築士、甲種危険物取扱者の資格が取得できます。

農学部

農学部では４コース制（生物科学コース、食資源環境科学コース、生命機能科学コース、国際·地域マネジメントコース）をとっています。農学部では「地域創生の中核となる人物」を育成するため2019年度より３学科であったのを１学科に集約し、新たに４つの専門コースを設置されました。１年次に学部共通の基礎教育が行われ、２年次より専門的な知識や技術が習得できるカリキュラムとなりました。

佐賀大学の学生数（男女比）

さて、気になる佐賀大学の学生数ですが、全体で5,802人います。一学年におよそ1,450人程度いる割合になります。また男女比としては、男性3,304人（57％）、女性2,498人（43％）となっています。教育学部や芸術地域デザイン学部、医学部看護学科では女性の割合が高いですが、経済学部や、学生数の多い理工学部では81％が男性、19％が女性であり、全体でみると男性の方が割合が高くなっています。

佐賀大学の所在地（キャンパス）

では、そんな佐賀大学の主要なキャンパスは2か所あり、学部ごとによってキャンパスが分かれています。

• 本庄キャンパス
• 鍋島キャンパス

本庄キャンパス

本庄キャンパスでは、医学部以外の教育学部、芸術地域デザイン学部、経済学部、理工学部、農学部があります。また、本部や図書館本館もこちらに設置されています。JR長崎本線佐賀駅からバスで約15分でアクセスが可能です。

鍋島キャンパス

鍋島キャンパスでは医学部が設置されています。附属病院や図書館があります。さらに2022年４月には附属図書館医学分館がリニューアルオープンしています。JR長崎本線佐賀駅からバスで約25分でアクセスが可能です。

佐賀大学の就職情報/大学院進学率

では、大学入学も重要なポイントではありますが、卒業と同時に重要となってくる、就職状況や大学院進学についても知っておきたいポイントです。ここでは学部ごとに就職率や就職先、大学院の進学率についてみていきます。

教育学部

卒業者の総数は118人で、進学者は5人（4％）、就職者は108人（92％）となっています。そのうち就職者の中でも公務員として就職した人は6人（6％）。教員として就職した人は79人（73％）おり、教員としての就職者数が多いことが分かります。主な就職先としては小学校教員が最も多く、続いて中学校教員、特別支援学校教員、高等学校教員、幼稚園教員となっている人が多いです。

芸術地域デザイン学部

卒業者の総数は112人で、進学者は11人（10％）、就職者は80人（68％）となっています。そのうち就職者の中でも公務員として就職した人は6人（8％）。教員に就職した人は2人います。主な就職先としてはサンコウ、佐賀県庁などです。

経済学部

卒業者の総数は253人で、進学者は5人（2％）、就職者は223人（88％）となっています。就職者の中でも公務員として就職した人は54人（24％）と、公務員に就職している人が多いことが分かります。主な就職先としては公務員として佐賀県職員、福岡市職員、熊本県職員、厚生労働省佐賀労働局に就職しており、九州地方で就職しています。その他の就職先としては、佐賀共栄銀行、佐賀県農業協同組合、佐賀県信用農業協同組合連合会、佐賀銀行、佐賀電産センターなどが多く、地元佐賀県に就職する人が多い傾向にあります。

医学部

医学科の卒業者の大半は臨床研修医に進んでいます。看護学科では卒業者数57人の中で進学者は1人で、55人（96％）が就職しています。また、その中でも公務員として就職した人は10人（18％）います。主な就職先としては佐賀県医学部附属病院、九州大学病院、九州医療センター、国家公務員共済組合連合会浜の町病院、聖マリア病院など、九州地方にある病院に就職しています。

理工学部

卒業者の総数は497人で、進学者は209人（42％）、就職者は264人（53％）となっています。その中で公務員として就職した人は26人（10％）います。主な就職先としては佐賀県職員、佐賀電算センター、松尾建設、木村情報技術、ミゾタ、アソウ・アルファ、国土交通省九州地方整備局などです。

農学部

卒業者の総数は160人で、進学者は45人（28％）、就職者は110人（69％）となっています。就職者の中でも公務員として就職した人は23人（21％）います。主な就職先としては佐賀県職員、福岡県職員、アウトソーシングテクノロジー、正晃などです。

佐賀大学の学部別偏差値

次は、受験生の皆さんにとっては非常に気になってくるであろう学部別偏差値について、河合塾の情報をもとに見ていきます。

学部別偏差値（共通テスト得点率）

• 教育学部　　　　　　　　50.0～52.5（53～65％）
• 芸術地域デザイン学部　　50.0　　　（56～66％）
• 経済学部　　　　　　　　47.5　　　（57～61％）
• 医学部　　　　　　　　　62.5　　　（57～81％）
• 理工学部　　　　　　　　45.0～52.5（52～56％）
• 農学部　　　　　　　　　47.5～50.0（52～57％）

医学部を除く全学部の偏差値は45.0～52.5です。共通テストの得点率も52～66％（医学部医学科を除く）となっており、医学部以外の学部ではやや難易度が下がっています。

佐賀大学の入試情報や科目

最後に入試情報、科目についてみていきます。総合型選抜、学校推薦型選抜、英検利用、一般入試にそれぞれ焦点を当てて、各学部の募集内容についてみていきます。また、詳細については大学の募集要項で確認しましょう。

総合型選抜

総合型選抜は教育学部、芸術地域デザイン学部、理工学部、農学部で実施されています。理工学部、農学部では書類選考と面接、適性試験、これに教育学部では小論文が追加され、選考が行われます。

芸術地域デザイン学部の総合型選抜は調査書、志望理由書、活動実績報告書（地域デザインコース）、ポートフォリオ（芸術表現コース）の準備が必要です。入試方法としては各コース、面接、適性試験があり、地域デザインコースでは小論文が課されます。また、地域デザイン学部が最も早く出願期間を設けており、出願期間は9月中旬、10月中旬に選考を実施し、他の学部の出願期間が始まる11月上旬には結果発表があります。

参照URL：総合型選抜 ｜ 佐賀大学入試案内 (saga-u.ac.jp)

学校推薦型選抜

学校推薦型選抜は全学部で実施しています。共通テスト課されるのは医学部医学科のみでそのほかの学部では課されません。選考内容として多くの学部で書類選考、面接、小論文、基礎学力·学習力テストが実施されます。試験科目は学部学科によって異なりますが、1～2科目となっています。芸術地域デザイン学部有田セラミック分野では実次試験が実施されます。11月上旬に出願期間があり、選考日は11月下旬、合格発表は12月中に行われます。

医学部医学科では一般枠の他に佐賀県枠、長崎県枠があり、地元の学生にやや有利な募集となっています。ただ、募集枠の人数自体がそんなに多くはないので、倍率は高くなりがちです。また書類選考や面接、小論文の他に共通テストが課されるため、難易度は高いです。

参照URL学校推薦型選抜 ｜ 佐賀大学入試案内 (saga-u.ac.jp)

英検利用

学校推薦型選抜（経済学部〈商業系〉）

学校推薦型選抜では経済学部（商業系）が使用することが可能です。優遇対象は総合点で最大40点まで加点がもらえます。

一般入試（教育学部、芸術地域デザイン学部、経済学部、医学部、理工学部、農学部）

一般入試では、英検CSEもしくはTEAPのスコアによって共通テストの英語の点数が高くなる場合があります。英検® / TEAP / TEAP CBT / IELTS 利用入試を使用した場合に、換算点より共通テストの方が点数が低い場合に換算点が適用されます。英検CSEが2250点以上もしくはTEAP270点以上で90％。英検CSEが2150点以上もしくはTEAP235点以上で80％。最後に英検CSEのスコアは2050点以上もしくはTEAP220点以上で70％の換算を受けることが可能です

一般入試

佐賀大学は国立大学なので基本的に共通テストで5教科7科目ですが、学部·学科や日程の違いによって、5～6教科5～8科目であったり配点が違ったりと対策の仕方が異なってきます。

例えば、受験科目数の多い教育学部学校教育学科〈幼小連携教育〉では以下の通りの科目、配点となっています。

このように共通テストで５教科７科目程度必要になってくるため、満遍なくどの教科においても苦手分野を作らずに点数を取れるようになっておくことが重要です。苦手分野を把握し、早い段階から取り組んでおきましょう。さらに、２次試験の個別学力試験では、学部学科によって、学力試験が課されるところもあります。教育学部学校教育学科〈幼小連携教育〉でも学科試験がありますが、共通テストのみではなく過去問を解いて２次試験の対策も手を付けていく必要があります。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は佐賀大学の基本的な情報から入試情報までお伝えしてきました。受験を検討している方は今回の内容をぜひ活用して受験に備えていきましょう。

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