「一県一国立大学」として鳥取県に新設された鳥取大学について、今回は受験生であれば知っておきたい基礎知識から入試情報、就職情報などまとめてお伝えしていきます。
目次
鳥取大学とは
1949年に国立学校設置法が制定され、鳥取県にあった諸学校(米子医科大学、米子医学専門学校、鳥取農林専門学校、鳥取師範学校、鳥取青年師範学校)が包括されたのがはじまりです。当時は学芸学部、医学部、農学部が設置されました。その後学部の改組や編成などがあり、現在に至っています。鳥大(とりだい)の愛称でも親しまれています。
参照URL:鳥取大学のあゆみ/鳥取大学公式ホームページ (tottori-u.ac.jp)
鳥取大学の学部紹介
続いて、鳥取大学にはどのような学部があるのでしょうか。鳥取大学には4学部設置されています。
地域学部
地域学科では3コース(地域創造コース、人間形成コース、国際地域文化コース)に分かれ、専門性を深めていきます。人間形成コースでは小学校教諭一種、幼稚園教諭一種、特別支援学校教諭、保育士の資格が取得できます。
医学部
医学部では医学科と生命科学科、保健学科の3つの学科があります。医学科では6年制を取っており、4年次末の共用試験(CBT、OSCE)に合格し、Student Doctorの適格認定を受けた人のみが5年次以降の臨床実習に進むことが可能になっています。地域特性に合わせた医療の実践や最先端の医学に精通できる医師の養成を教育目標としています。生命科学科では一般的な基礎医学について学習したうえで、生命の仕組みを遺伝子レベルの観点でみていき、理解を深めていきます。
保健学科では看護学専攻と検査技術学専攻の2つの選考があります。看護学専攻では看護師教育を基盤に、将来的に看護師、保健師、助産師の資格を取得することが可能です。講義から演習、実習を通して段階的に学べるカリキュラムが組まれています。検査技術科学専攻では主に臨床検査技術学を中心に学び、臨床検査技師の資格の取得を目指します。
工学部
工学部には4学科(機械物理系学科、電気情報系学科、化学バイオ系学科、社会システム土木系学科)に分かれています。社会システム土木系学科にて測量士補、一級建築士。化学バイオ系学科にて甲種危険物取扱者の資格が取得できます
農学部
農学部は生命環境農学科と共同獣医学科の2つの学科があります。生命環境農学科では1年次に共通科目を学び、2年次より4コース(国際乾燥地農学コース、里地里山環境管理学コース、食靴菌類生産科学コース、農芸化学コース)に分かれて専門性を高めていきます。将来的に甲種危険物取扱者の資格が取得できます。共同獣医学科では6年制を取っており、高度な獣医学教育を展開するため、鳥取大と岐阜大の教員による授業が行われます。将来的に獣医師の資格の取得が可能です。
鳥取大学の学生数(男女比)
さて、気になる鳥取大学の学生数ですが、全体で5,154人います。一学年におよそ1,300人程度いる割合になります。また男女比としては、男性3,063人(59%)、女性2,091人(41%)となっており、地域学部や農学部などで女性の方が多い傾向にありますが、学生数の最も多い学部である工学部では男性84%、女性16%となっており、全体的にみると男性の方が多くなっています。
鳥取大学の所在地(キャンパス)
では、そんな鳥取大学の主要なキャンパスは2か所あり、学部によってキャンパスが分かれています。
- 鳥取キャンパス
- 米子キャンパス
鳥取キャンパス
鳥取市湖山町南にあります。医学部以外の本部、地域学部、工学部、農学部があります。その他図書館(鳥取キャンパス)があります。アクセスとしては、JR山陰本線鳥取大学前駅より徒歩3分の立地にあります。
米子キャンパス
鳥取県米子市西町の中海からすぐ近くの立地にあります。医学部のキャンパスと附属病院、図書館(米子キャンパス)があり、医療系の施設が集まっています。近くには中海を含め湊山公園や米子城といった自然豊かな環境があり、自然に恵まれた環境で学習をすることができます。JR山陰本線米子駅より徒歩約15分の立地です。
鳥取大学の就職情報/大学院進学率
では、大学入学も重要なポイントではありますが、卒業と同時に重要となってくる、就職状況や大学院進学についても知っておきたいポイントです。ここでは学部ごとに就職率や就職先、大学院の進学率についてみていきます。
地域学部
卒業者の総数は184人で、進学者は7人(4%)、就職者は153人(83%)となっています。就職者の中でも公務員として就職した人は45人(29%)。教員に就職した人は29人います。主な就職先としては鳥取県教育委員会、鳥取県職員、鳥取市職員、岡山市教育委員会、鳥取大学、島根県教育委員会、鳥取県警察各、ウッズカンパニー、大山乳業農業協同組合、豊岡市役所などがあります。
医学部
医学科では大半が臨床研修医に進んでいます。生命科学科の卒業者は40人で、進学者は33人(83%)、就職者は4人(10%)となっています。また保健学科では104人の卒業者に対して進学者は5人(5%)。就職者は93人(89%)となっています。主な就職先としては鳥取大学医学部附属病院をはじめ、鳥取赤十字病院、神戸大学医学部附属病院、神戸市医療センター中央市民病院、鳥取県立中央病院、島根大学医学部附属病院など、島根県を中心に周囲の県の病院に就職している人が多い傾向にあります。その他イービーエム、EP綜合、カワニシ、ポープなどに就職しています。
工学部
卒業者の総数は422人で、進学者は225人(53%)、就職者は186人(44%)となっています。その中でも公務員として就職した人は38人(20%)います。就職者より進学者の方が上回っているのが工学部ならではの特徴となっています。主な就職先としては鳥取県庁、兵庫県庁、愛知県庁、島根県庁などで公務員として就職していたり、アルプス技研、西日本旅客鉄道、ウエスコ、池田糖化工業、太陽日酸、大鉄工業などに就職しています。
農学部
卒業者の総数は240人です。共同獣医学科では卒業者37人に対して、進学者0人。就職者35人(うち公務員7人)となっています。生命環境農学科では卒業者203人に対して進学者57人(28%)。就職したのは136人(67%)で、そのうち、公務員として就職したのは36人(26%)います。主な就職先として、生命環境農学科では鳥取県職員、島根県職員、兵庫県職員やアウトソーシングテクノロジー、阪神園芸、敷島製パン、福栄肥料などに就職しており、共同獣医学科では小動物臨床、地方公務員、大動物臨床、民間企業、準公務員に就職しています。
鳥取大学の学部別偏差値
次は、受験生の皆さんにとっては非常に気になってくるであろう学部別偏差値や倍率について、河合塾の情報をもとに見ていきます。
学部別偏差値(共通テスト得点率)
- 地域学部 47.5 (54~63%)
- 医学部 47.5~65.0 (54~75%)
- 工学部 45.0~47.5 (50~61%)
- 農学部 47.5~62.5 (55~72%)
医学部医学科の偏差値は65.0、獣医師の資格の取得できる農学部共同獣医学科の偏差値は62.5となっており、他の学部から突出して2つの学科の偏差値が高くなっています。この2学科を除いた全体の偏差値は45.0~50.0となっており、偏差値が10以上変わってきます。共通テストの得点率も医学部医学科や農学部共同獣医学科で7割以上必要になってくるのに対し、他の学部は5~6割程度と得点率も下がってくるため、難易度が下がってきます。
倍率
- 地域学部
2021年の一般選抜合計では1.9倍、学校推薦型選抜合計は2.5倍、総合型選抜合計は4.2倍でした。一般選抜(前期日程)では2倍弱程度の倍率で推移していますが、学校推薦型選抜や総合型選抜では3~4倍程度で推移しています。しかし、2021年の人間形成コースの総合型選抜では8.3倍あり、年によって倍率が高くなることも十分に考えられるため、倍率に惑わされずに取り組んでいきましょう。
- 医学部
2021年の一般選抜合計(2段階)は3.9倍、学校推薦型選抜合計は2.0倍となっています。2021年の医学部の前期日程の倍率は1.7~4.5倍となっており、特に医学科では例年4倍以上あり非常に人気があります。
- 工学部
2021年の一般選抜合計は2.6倍、学校推薦型選抜合計は2.1倍、総合型選抜合計は3.5倍となっています。大半の学科で2~3倍程度で推移しています。
- 農学部
2021年の一般選抜合計は1.7倍、学校推薦型選抜合計は1.9倍、総合型選抜(生命環境農学科のみ)は4.9倍となっています。2021年の共同獣医学科は4~6倍程度ありますが、他の学科では1~2倍程度となっています。
参照URL:鳥取大学/入試結果(倍率)|大学受験パスナビ:旺文社 (evidus.com)
鳥取大学の入試情報や科目
最後に入試情報、科目についてみていきます。総合型選抜、学校推薦型選抜、一般選抜にそれぞれ焦点を当てて、各学部の募集内容についてみていきます。また、詳細については大学の募集要項で確認しましょう。
総合型選抜
総合型選抜は地域学部、工学部社会システム土木系学科、農学部生命環境農学科で実施されています。いずれも1次選考、2次選考があり対策が必要となってきます。1次選考では書類選考、面接が実施され、2次選考では書類選考や面接や、グループディスカッションや小論文などが学科により課されます。9月上旬から出願が始まり、1次選考は9月下旬に、2次選考は10月中旬にあり、11月上旬に合否が分かります。
参照URL:学生募集要項|鳥取大学入学試験情報 (tottori-u.ac.jp)
学校推薦型選抜
学校推薦型選抜は2種類の方法を取っており、共通テストが課される学校推薦型選抜Ⅰと課されない学校推薦型選抜Ⅱがあります。
学校推薦型選抜Ⅰでは地域学部、工学部、農学部で実施しており、学科については実施していない学科もあるため注意が必要です。さらに農学部生命環境農学科では募集方法が5種類あり、それぞれ募集人数も異なってきます。また農学部生命環境農学科の募集方法Cにて出願時英検2級以上を持っている必要があります。
学校推薦型選抜Ⅱでは、共通テストをはじめ、学部によって書類選考や小論文、面接が課されます。また、医学部医学科·保健学科に関しては一般枠や地域枠、特別養成枠などがあり、他の学部と異なってきます。
一般入試
鳥取大学は国立大学なので基本的に共通テストで5教科7科目ですが、学部·学科や日程の違いによって、5~6教科5~8科目であったり配点が違ったりと対策の仕方が異なってきます。例えば、受験科目数の多い地域学部地域学科〈人間形成〉では以下の通りの科目、配点となっています。
- 共通テスト
5~6教科7~8科目(900点満点)
【国語】国語(200)
【数学】数IA必須、数IIB·簿記*·情報*から1、計2科目(200)
【理科】物基·化基·生基·地学基から2、または物·化·生·地学から1(100)
※理科は、「基礎2科目」または「発展1科目」から選択
【外国語】英·独·仏·中·韓から1[リスニングを課す](200[40])
《地歴》世B·日B·地理Bから選択(100)
《公民》現社·倫理·政経·「倫理·政経」から選択(100)
(注)地歴・公民の選択について:公民からの2科目選択は不可
選択→地歴·公民から2科目
- 個別学力試験
1教科(210点満点)
【調査書】<10>
【本人記載の資料等】<10>
《数学》数I·数A(場合の数と確率・図形の性質・整数の性質)・数II·数B(数列・ベクトル)(200)
《外国語》コミュ英語I·コミュ英語II·コミュ英語III·英語表現I·英語表現II(200)
選択→数学·外国語から1科目
このように共通テストで5教科7科目程度必要になってくるため、満遍なくどの教科においても苦手分野を作らずに点数を取れるようになっておくことが重要です。苦手分野を把握し、早い段階から取り組んでおきましょう。さらに、2次試験の個別学力試験では、学部学科によって、学力試験が課されるところもあります。地域学部地域学科〈人間形成〉でも学科試験がありますが、共通テストのみではなく過去問を解いて2次試験の対策も手を付けていく必要があります。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は鳥取大学の基本的な情報から入試情報までお伝えしてきました。受験を検討している方は今回の内容をぜひ活用して受験に備えていきましょう。
◆ AXIV ACADEMY(アクシブアカデミー)の概要
「生徒の人生を真剣に考え、全力でサポートする」
「変わりたい。」を叶えるを実現するために、今までの常識にとらわれない、新しい形態の予備校を運営しています。私たちは、生徒自らが夢や目標を定め、なぜ勉強が必要かを理解できるように正しい情報を提供し、進路指導に時間をかけて受験戦略を立ち上げ、受験で必要な全科目に対して学習計画を練り、進捗管理を行っています。最高の「環境」「指導」「ツール」を提供すべくWebやiPadを活用し、全国のどの地域からでも受講できるように遠隔での指導を行っています。東大の隣にオフィスを構えており、指導チームを中心に、受験に精通した経験豊富な専属スタッフが受験まで1:1でサポートします。
◆ AXIV ACADEMY(アクシブアカデミー)へのお問い合わせこちら
私たちといっしょに「質の高い学習時間」を伸ばしませんか?
●30秒で簡単!まずは資料請求・お問合せください →お問い合わせ&資料請求はこちら
●【無料】受験相談と体験授業も実施中 →無料受験相談&無料体験授業に申し込み
●アクシブアカデミー公式LINE登録で書籍無料プレゼント!! →LINE友達登録はこちらから