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理学療法士と作業療法士の違いは?気になるギモンをわかりやすく解説!


超高齢化社会の日本でますます必要性が高まってくる業界、それが医療・介護福祉業界です。厚生労働省からの発表にある海外の研究結果が紹介されています。それは「2007年に日本で生まれた子供の半数が107歳より長く生きると推計された」というものです。人生100年時代を健康に過ごすためにも医療・介護福祉業界は需要の高い職種と言えます。リハビリテーションのスペシャリストと言われる「理学療法士」と「作業療法士」そもそもなにが違うの?将来、医療・介護福祉の業界で活躍したい!だけど理学療法士と作業療法士のどちらの職種が自分に合っている?このようなギモンに対してわかりやすく解説します。

理学療法士と作業療法士はなにが違う?

理学療法士と作業療法士の違いの全体感をまずは知っていきましょう。

 理学療法士 PT:Physical Therapist作業療法士 OT:Occupational Therapist
仕事内容加齢や病気・事故などによって要介護状態から基本的動作能力の回復日常生活で必要な食事や料理・文字を書くなどの応用的動作能力の回復
治療方法按摩やマッサージ・牽引療法や電気療法などの物理療法と運動療法によって身体機能を回復させるリハビリ対象者(患者)が必要とする応用作業のヒアリングを行なったうえで機能を回復させる
勤務場所病院や一般診療所など医療機関や介護福祉施設。そのほかにもスポーツ関係施設にフィットネス施設理学療法士と基本は同じ。スポーツ関係施設や児童福祉施設に病院精神科での勤務もある
国家試験 科目解剖学・生理学・運動学・臨床心理・リハビリテーション医学・臨床医学・理学療法解剖学・生理学・運動学・臨床心理・リハビリテーション医学・臨床医学・作業療法
国家試験 合格倍率受験者数:12,685人 合格者数:10,096人 合格率:79.6%(新卒のみ88.1%)受験者数:5,723人 合格者数:4,608人 合格率:80.5%(新卒のみ88.7%)
資格の 取得者数理学療法士協会会員数 133,133人(2022年3月末)作業療法士協会会員数 63,902人(2021年11月)

※参考:厚生労働省ホームページ
※参考:日本理学療法士協会ホームページ 日本作業療法士協会ホームページ

理学療法士とは?

理学療法士はどのような仕事なのか?勤務場所や給与・待遇、将来性に国家試験合格率を詳しく解説していきます。

理学療法士の仕事は基礎的な身体機能の回復をさせること

理学療法士の仕事は加齢や病気、事故などによって失った身体の基礎的動作能力の回復をさせることです。そのほかにも身体機能の障がいによる悪化の予測をたて予防を目的として治療を行うこともあります。

理学療法士は身体機能や動作のスペシャリストであることからスポーツ分野で活躍する方もいます。アスリートのケガの予防やケガをした後の身体機能回復のためのリハビリテーション、さらにはアスリートのパフォーマンスを向上させるための指導も仕事の一つです。アスレティックトレーナーやメディカルトレーナーと呼ばれる職種も理学療法士の仕事です。

理学療法士の勤務場所の多くは医療施設

理学療法士の職場は医療施設、老人福祉施設、身体障害者福祉施設、児童福祉施設、スポーツ関係施設など様々です。ここでは日本理学療法士協会の会員が所属施設しているからどのような職場に勤務しているかを見ていきましょう。

施設会員数割合
医療施設病院や診療所85,04763.90%
医療福祉中間施設介護老人保健施設など8,4566.40%
老人福祉施設養護老人ホームなど2,2181.70%
介護保険法関連施設地域包括支援センター7770.60%
身体障害者福祉施設身体障害者福祉センターなど2070.20%
児童福祉施設重症心身障害児施設8376.30%
精神障害者復帰施設精神障害者生活訓練施設40.1%未満
知的障害者福祉施設知的障害養護施設110.1%未満
障害者自立支援施設指定障害者支援事業所など1040.1%未満
教育・研究施設学校教員など2,8752.2%
行政関係施設保健所・市町村など3710.3%
健康産業スポーツ・フィットネス施設1090.1%未満
その他リハ関連・一般企業など1,7301.30%
訪問看護ステーション2,2621.7%
所属施設なし28,11521.10%

※ 日本理学療法士協会ホームページ参考(2022年3月末時点)

待遇は良い?理学療法士の平均年収は約410万円

厚生労働省から発表されている賃金構造基本統計調査では理学療法士の平均年収は約410万円(平均年齢33.3歳)となります。月給与換算しますと約29万円(賞与で約65万円)です。日本人の年収の中央値は約399万円と同じ統計調査の結果として公開されています。理学療法士の年収は平均から見ると高くも低くもないと言えるでしょう。

理学療法士の国家資格合格率は約80%

2022年に実施された「第57回理学療法士国家試験」の受験者数は12,685人でした。その中で試験に合格したのは10,096人でしたので合格率は79.6%となります。2018年までの過去5年の合格率は下記のとおりです。

  • 第56回(2021年):合格率79.0%
  • 第55回(2020年):合格率86.4%
  • 第54回(2019年):合格率85.8%
  • 第53回(2018年):合格率81.4%

 

年によってバラツキはありますが80~85%ほどの合格率になります。

将来性はある!超高齢化社会で活躍する仕事が理学療法士

2030年には3人に1人が65歳以上の高齢者になると厚生労働省から発表されています。超高齢化が進む日本において専門性の高い理学療法士の資格はますます需要が高まっていくことが予想されます。理学療法士の有資格者も毎年1万人近く増えていることからも需要の高さがわかるでしょう。

その一方で理学療法士の将来性を不安視する意見もあるのは事実です。一つは理学療法士の有資格者が増えすぎて飽和してしまうのではないかということ。もう一つはAIや機械技術の発展によって仕事がなくなるのではないかという不安です。しかしこのような不安は理学療法士に限らずどのような職種でも同じことが言えます。

理学療法士の中でも得意分野(例えば、アスリート分野を極めていく)がありますので自分の強みを磨くことで競争環境を生き抜く方法はあります。また有資格者が増えたとしても超高齢化の流れは変わりませんし理学療法士の需要が減少していくことはありません。このようなことからも理学療法士は今後も必要とされる仕事であるといえるでしょう。

作業療法士とは?

作業療法士はどのような仕事内容なのか?勤務場所や給与・待遇、将来性に国家試験合格率を詳しく解説していきます。

作業療法士の仕事は応用動作の回復で豊かな生活をサポートすること

作業療法士の仕事は基本的な動作能力の改善を行うだけでなく、日常生活の中にある応用動作能力の改善を行う仕事です作業療法士の「作業」とは食事や料理、掃除にトイレといった日常生活で必要となる動作のことを指しています。作業療法を行う対象は心身に障害がある子供や高齢者、加齢や病気によって心身機能が衰える患者さんが作業療法の対象者となります。

作業療法士の仕事は治療対象者の身体機能の回復だけではありません。治療対象者のそれぞれが望んでいる生活を得られるためにはどのような動作が必要かを丁寧に聞き取り、治療対象者の個人個人に合わせた支援をすることが作業療法士の仕事です。

作業療法士の職場は病院から児童福祉施設に精神科と幅広い

作業療法士の職場は病院や一般診療所などの医療機関から児童福祉施設に介護施設と幅広い職場で活躍しています。ここでは日本作業療法士協会から公表されている統計情報をもとに勤務先割合を紹介します。

施設会員数割合
医療施設病院や診療所35,04156.3%
身体障害者福祉施設身体障害者福祉センターなど610.1%未満
精神保健福祉施設精神保健福祉センター340.1%未満
児童福祉施設児童福祉施設・相談所1,2412.0%
知的障害者福祉施設知的障害者構成相談所20.1%未満
老人福祉施設老人デイサービスなど2,2743.7%
介護保健施設介護老人保健施設など6,1479.9%
障害者総合支援施設指定障害者福祉サービスなど5510.9%
教育研究施設特別支援学校・養成校1,5812.6%
その他訪問看護ステーション9371.5%
所属施設なし12,31319.8%

※日本作業療法士協会ホームページ 統計情報より参考(2019年時点)

待遇は良い?作業療法士の平均年収は約419万円

厚生労働省から発表されている賃金構造基本統計調査では作業療法士の平均年収は約419万円(平均年齢33.9歳)となります。月給与換算しますと約29万円(賞与で約70万円)です。理学療法士の平均年収が約410万円ですので、理学療法士よりやや高い収入になります。

作業療法士の国家資格合格率は約80%

2022年に実施された「第57回作業療法士国家試験」の受験者数は5,723人でした。その中で試験に合格したのは4,608人でしたので合格率は80.5%となります。2018年までの過去5年の合格率を紹介します。

  • 第56回(2021年):合格率81.3%
  • 第55回(2020年):合格率87.3%
  • 第54回(2019年):合格率71.3%
  • 第53回(2018年):合格率76.2%

 

年によってバラツキはありますが75~85%ほどの合格率になります。理学療法士と比較すると受験者数合格者数共に少なく合格率も低くなっています。

医学の発展で必要性が増してくる仕事が作業療法士

超高齢化の社会において理学療法士と同じように作業療法士の必要性もますます増えていきます医学の発展によりこれまで解明されていなかった個性や性格が精神疾患として顕在化することによって作業療法士の治療対象者が増えてくるということも予想されています。

その一方で作業療法士の中でも有資格者の飽和状態が起こるのではないかとの不安があります。理学療法士と同じように毎年6,000人以上の有資格者が増えることによって仕事がなくなるのではないかとの不安です。

作業療法士の職種の中でも「福祉用具の専門」や「認知症患者を専門にしている」など様々な専門を磨いていくことができます。有資格者が飽和し競争が高まったとしても自分の得意分野を作ることで生き残ることのできる職種と言えます。そもそもの治療対象者が増えていく日本社会ですので「将来性のある職種」の後押しにもなっています。

理学療法士・作業療法士はこんな人におすすめ!

理学療法士や作業療法士はの仕事は治療対象者が身体機能の回復という目標に向けて根気強く治療を続けていくことです。専門的な知識を活用しながら医師や看護師など様々な医療スタッフともコミュニケーションをとり連携して仕事をしていかなければなりません。

理学療法士や作業療法士には日々進歩するリハビリテーションや医学に対しての知見を広める「追求心」も必要でしょう。またリハビリテーションは単回治療では完治することはほとんどありません。患者さんによっては何度も根気強く治療する必要がありますので「忍耐力」も必要です。患者さんの話をじっくり聞くことや他の医療スタッフとの連携を取るためにも「コミュニケーション力」は必要でしょう。

理学療法士と作業療法士を目指せる大学は?

理学療法士や作業療法士になるには国家資格を取得する必要があります。国家試験を受験するためには養成校(4年制大学、短期大学、専門学校3年制または4年制)で学ぶ必要があります。

4年制大学

有名国公立大学で理学療法士・作業療法士を目指すことができます北海道大学や名古屋大学、京都大学に広島大学と国立大学では医学部内に保健学科や人間健康科学科が設置されており理学療法士や作業療法士の受験資格が得られます。その他にも神奈川県立保健福祉大学や大阪府立大学などの公立大学でも資格取得を目指すことができます。

短期大学

理学療法士・作業療法士の受験資格が取れる短期大学は少なく全国に数件しかありません2022年に募集があるのは仙台青葉学院短期大学、平成医療短期大学、愛知医療学院短期大学、白鳳短期大学、福井医療短期大学、岐阜保健短期大学の6短大のみとなります。短期大学は4年制大学とは異なり3年間でカリキュラムを組み込まれますので早く卒業できる一方で短い期間で学習する大変さもあります。

専門学校

専門学校は3年制と4年制があり2つの違いは取得できる称号が異なります。3年制では「専門士」、4年制「高度専門士」と呼ばれます。高度専門士は大学卒の称号「学士」と同じように考えられるため卒後の進路に大学院で専門的に学びたいという方は4年制を選択します。

理学療法士・作業療法士になれる専門学校数は大学や短期大学と比較して多く、全国に約150校以上ありますので出身地域により選択をすることができます。大阪リハビリテーション専門学校、神戸医療福祉専門学校、東京メディカル・スポーツ専門学校などの専門学校があります。

まとめ

これまで理学療法士と作業療法士の仕事内容や給与、合格率などの違いを紹介してきました。どちらの職種も今後の超高齢化の日本社会を考えると需要のある職種であることは間違いありません。どちらの職種が自分にあっているか?資格を取得できる大学や専門学校はどこか?その志望校の入学難易度は?など、今後の進路を決めていくうえで本記事が参考になったことを願います。

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