大学受験において、知名度の高さや就職の強さから人気のGMARCH(学習院大学・明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)ですが、どの大学も言わずと知れた難関校です。そのため、GMARCH受験で一般選抜への出願だけでなく、公募推薦での出願も検討したいという方も多いのではないでしょうか。そこで今回の記事では、GMARCHの一部の大学で実施されている公募推薦入試に関して、その概要や他の選抜方式との違い、具体的な流れや対策について紹介しますので、ぜひ志望校選びの参考にしてみてください!
目次
GMARCHの入試制度(一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜)
GMARCHの一部大学でも実施されている公募推薦ですが、「指定校推薦」・「学校推薦型選抜」・「総合型選抜」など似たようなワードが他にもあり、具体的にどのような制度なのかイマイチ分かりづらいかと思います。そこで本項では、公募推薦の概要について解説します。
GMARCH入試には大きく3つの選抜方式がある
大学入試には、大きく分けて「一般選抜」「総合型選抜」「学校推薦型選抜」の3つの選抜方式があります。公募推薦は「学校推薦型選抜」の種類の1つで、一定の出願条件を満たしてさえいれば、学校から推薦してもらったうえで誰でも出願可能です。少し余談となりますが、先述した3つの選抜方式は各大学が好き勝手に設定している訳ではなく、文部科学省からの通知に基づいて各大学が設定しているものです。
この通知は例年6月頃に出されており、各大学が入試要項を作成するにあたっての指針や共通テストの実施日など、大学入試に関する様々な事項が掲載されています。つまり、通知内容を見ればその年度の大学入試の方向性をある程度把握できるため、興味がある方は6月頃に文部科学省のホームページをチェックしてみる事をオススメします。話を戻して、以下では先述した3つの選抜方式について概要を解説します。
一般選抜とは
「入試」と聞いて真っ先にイメージするような、主に筆記テストの結果により合否判定をする選抜形式です。大学によっては、筆記テストに加えて小論文等の課題が課されることもあります。
総合型選抜とは
先述した、文科省から各大学への通知では下記のように定義されています。
詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせることによって,入学志願者の能力・適性や学習に対する意欲,目的意識等を総合的に評価・判定する入試方法。
文部科学省「令和4年度大学入学者選抜実施要項について(通知)」(3文科高第284号・令和3年6月4日)より引用
簡単にまとめると、「志望理由書や調査書などによる書類審査」と「小論文審査・面接審査・プレゼンテーション審査・筆記テストや共通テストの結果」等を組み合わせて、総合的に合否判定をする選抜方式です。筆記テストだけでは測れない学力以外の要素を考慮した選抜方式として近年導入する大学が増えていますが、選抜項目は大学によって異なるため、事前のチェックが必須と言えます。
学校推薦型選抜とは
先述した、文科省から各大学への通知では下記のように定義されています。
出身高等学校長の推薦に基づき,調査書を主な資料としつつ(中略)評価・判定する入試方法。
文部科学省「令和4年度大学入学者選抜実施要項について(通知)」(3文科高第284号・令和3年6月4日)より引用
簡単にまとめると、学校からの推薦を出願条件として、「志望理由書や調査書などによる書類審査」と「小論文審査・面接審査・プレゼンテーション審査・筆記テストや共通テストの得点による審査」等を組み合わせて、総合的に合否判定をする選抜方式です。総合型選抜と類似していますが、学校からの推薦の要否が異なります。また、詳細は後述しますが「学校推薦型選抜」には「公募推薦」と「指定校推薦」の2種類があります。
GMARCHの公募推薦と指定校推薦を比較
前項では、公募推薦と指定校推薦はいずれも「学校推薦型選抜」の種類であるとご説明しました。本項では、両者の類似点や相違点について解説します。
公募推薦と指定校推薦の類似点とは?
【類似点①】学校からの推薦が必要
公募推薦・指定校推薦のどちらも学校から推薦してもらう必要があります。これは、そもそも「学校推薦型選抜」という選抜方式が「学校が推薦してきた学生であれば、基本的な学力や学校生活に対する姿勢等に問題は無いはずだ」という前提に立った制度であるためです。
すなわち、公募推薦・指定校推薦のどちらにおいても、「その生徒が優秀であることの担保」として学校からの推薦が必要となります。
この仕組みは、文字通り学校(高校)と大学の信頼関係の上で成り立っており、学校が推薦した学生に問題があると大学からの信頼を失い、次年度以降、その学校からの推薦が通らなくなる可能性さえあります。そのため学校側としても、ある程度成績優秀で学校生活に真面目に取り組んでいる学生にしか推薦を出さないため、公募推薦・指定校推薦での受験を考えている方は、成績面だけでなく日々の学校生活の過ごし方についても意識する必要があります。
【類似点②】専願が基本
大学・学部・学科にもよりますが、学校(高校)が大学へ学生を推薦するという構造上、公募推薦・指定校推薦は専願(=合格した際はその大学への進学を約束すること)が基本となっています。一般選抜と違い、複数の大学を併願して公募推薦・指定校推薦で出願することは基本的にできないため、早い段階から志望校を絞っておくことをオススメします。
【類似点③】小論文試験・面接・レポートなどが課される場合が多い
大学・学部・学科にもよりますが、調査書や志望理由書などによる書類審査とは別に、小論文試験や面接、レポートなどによる審査が行われるケースが基本です。共通テストの受験が必要となるケースもあるため、事前に入試要項を確認しておきましょう。
公募推薦と指定校推薦の異なる点とは?
【相違点①】推薦枠の有無
公募推薦と指定校推薦の最大の違いは「学校ごとの推薦枠(=定員)の有無」です。公募推薦の場合、大学が定める出願条件さえ満たしていれば、同じ学校から何人推薦しても問題ないケースが多いですが、指定校推薦の場合は学校ごとに推薦枠が決まっており、学校側はその枠の人数を超えて推薦することができません。そのため、指定校推薦の推薦枠を超えて受験希望者が集まった際は、事前に学校内で選抜を行い、推薦枠の人数に収まるように絞り込むことが多いです。
【相違点②】合格率
公募推薦と指定校推薦では試験合格率も異なります。公募推薦の場合、大学・学部・学科によっては一般選抜と同等以上の倍率となり、不合格となるケースも珍しくありません。その一方、語弊があるかもしれませんが、指定校推薦では余程のことがない限り不合格にはなりません。これは、指定校推薦の制度上、各学校(高校)に決まった推薦枠が割り振られており、その枠内で推薦されてきた学生は大学側も不合格にしづらいという構造上の理由があるためです。そのため、もし自分が公募推薦と指定校推薦のどちらも利用可能な状況であれば、指定校推薦で出願した方が合格率をグンと上げることが可能です。
GMARCH受験生が公募推薦を受ける際の流れと対策
GMARCHの公募推薦の流れ
大学・学部・学科によって異なりますが、一般的な公募推薦の流れは下表の通りです。一般選抜は2月~3月にかけて試験が実施されることが多いのに対し、公募推薦の場合は10月~11月に試験が実施されることが多く、スケジュールが全く異なるため注意が必要です。
<一般的な流れ>
- 入試要項公開 :6月~9月頃
- 出願 :9月~10月頃
- 試験 :10月~11月頃
- 合格発表 :11月~12月頃
GMARCHの公募推薦対策は何をするべき?
志望理由書・面接・小論文など
公募推薦の対策は、学校の先生や塾・予備校の先生など、周囲の方々の力を借りながら対策を行うことが非常に重要です。例えば、志望理由書は書類審査の合否を左右するうえ、面接が実施される場合は志望理由書の内容を踏まえて話をするケースもあるため、まさに合否に直結する重要な書類と言えます。
そのため、学大学のアドミッションポリシー(=入学者の受入方針)の内容を踏まえつつ、記載内容をしっかりと練り上げる必要がありますが、自分で書いた文章を自分で客観的に評価することは思いのほか難しいものです。だからこそ、学校の先生や塾・予備校の先生といった「専門家」の力を借り、第三者の目で見て改善のアドバイスをもらうことが非常に重要となります。面接や小論文なども同様で、「自分のパフォーマンスがどの程度か」「何を改善すべきか」といった点を自分一人で把握することは困難なため、早い段階から志望校を定め、学校の先生や塾・予備校の先生に指導をお願いすることをオススメします。
課外活動
部活動や委員会活動、学校外でのボランティア活動といった課外活動は、公募推薦の選考に臨む上で大きな武器となります。全国大会出場やコンテスト入賞といった何らかの実績がある方は、推薦書を学校で書いてもらう際などに、「◯◯の実績は記載してください」としっかりとお願いするようにしましょう。また、公募推薦のためだけに課外活動を行うのは本末転倒ですが、もし「以前から興味があったものの、なかなか手を出せていなかった活動」がある場合は、この機会にチャレンジしてみることをオススメします。
資格試験
英検などの資格・検定は自身の能力を客観的に示す指標となるため、出願条件に組み込まれている(出願条件:英検2級以上保持など)ケースがあるほど、公募推薦で大きなアピールポイントとなります。資格試験や検定試験は試験を受けられる機会が限られているため、出願の直前になって慌てて受験しようとしても間に合わない可能性があります。狙っている資格や出願に必要な検定がある場合は、高校2年次など、可能な限り早い時期に取得しておくと良いでしょう。
GMARCH受験生が公募推薦で注意すべき点
これまでにも記載しましたが、公募推薦は指定校推薦と比べて倍率が高い事が多く、不合格になる可能性も十分あります。また、たいていの場合は専願で出願するため、複数の大学に公募推薦で出願してリスクヘッジすることも難しいです。避けるべき最悪のケースとしては、公募推薦の対策に全ての時間を費やしてきたものの不合格となり、一般選抜を受験することにしたものの対策時間が足りずに不合格になるといったものです。万が一、公募推薦で不合格になった場合に備えて、「同時並行で一般選抜の学習も少しずつ進めておく」「公募推薦で併願可能な大学・学部・学科を探しておく」といった対策をすることをオススメします。
まとめ
ここまで、GMARCHの一部の大学でも導入されている公募推薦入試について説明してきましたが、志望校選びの参考になったでしょうか。何度も書いている通り、「公募推薦=簡単に合格できる」という訳では決してありませんが、上手く活用することで志望校合格の可能性を高められますので、興味がある方は各大学の入試要項を確認してみてはいかがでしょうか。
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