今回は、「早慶上理での英検利用」について、解説していきます。今まさに、受験に向けて準備をしている方の中には「受験で英検を利用したいけれど、要項が複雑でよく分からない…」という方も多いのではないでしょうか?そこで、早慶上理それぞれの英検利用について、級やスコアなどの情報を交えながらお伝えしていきます。なお、この記事は2022年3月現在の情報です。最新情報は、各校ホームページからご確認ください。
目次
英検に関してのおさらい
「英検」はいくつかの種類がありますが、早慶上理の入試で活用できる英検は、主に以下の試験です。
実用英語技能検定
「実用英語技能検定」(以下:英検)は、日本英語検定協会が主催する検定です。一般的に、大学受験で使用する英検は、この「実用英語技能検定」を指します。級は、5級から1級までの「7段階」です。英検を早慶上理の入試で活用したい場合は、2級〜準1級を目指す必要があります。
受験方法
英検の受験方法は、主に3種類あります。受験方法ごとに、特徴を解説します。
従来型英検(本会場)
個人で申し込み、英検が用意した会場で受験する方式です。実施している級は、「5級、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級」となっています。
1次試験は、リーディング・ライティング・リスニングの3科目。2次試験は、面接官とのスピーキングテストになります。(2次試験は、3級以上の級のみ)2次試験は、1次試験の通過者のみ、受験できます。
従来型英検(準会場)
学校や塾、英会話教室などで行う英検です。実施している級は、「5級、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級」となっています。1次試験は、リーディング・ライティング・リスニングの3科目。2次試験は、面接官とのスピーキングテストになります。(2次試験は、3級以上の級のみ)
準会場で1次試験を受けた場合でも、2次試験は本会場での受験となります。本会場に比べ、移動などの手間がはぶけるため、学校で実施する場合は活用すると良いでしょう。
英検S-CBT
新方式の英検です。CBTとは「Computer Based Testing(コンピュータ ベースド テスティング)」の略称で、コンピュータを使った試験方式のことを指します。実施している級は「3級、準2級、2級、準1級」4段階となっています。出題方法は従来型と変わりませんが、受験方法などに特徴があります。
英検S-CBTの特徴は大きく3つあります。
- 自宅のパソコンから受験ができる
- ライティングは、筆記型とタイピング型を選べる
- 1日で1次試験と2次試験、どちらも受験ができる
特に③の、1次試験と2次試験を同日受験できるのは、大きなメリットです。従来型英検だと2日程になるため、移動時間を考えるとかなり多くの時間を使わなくてはいけません。しかし英検S-CBTであれば自宅から受験でき、忙しい受験期でも時間を有効活用できます。
また英検S-CBTは、試験日程が従来型英検にくらべて多いことも特徴です。基本的に毎週土曜日・日曜日に実施しているので、部活などが忙しい場合でも、予定を組みやすい試験になっています。この試験に合格すれば、従来型英検と同じ資格を得られますので、忙しい方にはこの「英検S-CBT」がおすすめです。ただし、1級は実施していません。1級を取得したい場合は「従来型英検」で受験する必要があります。
早慶上理での英検利用について
ここからは、早慶上理の入試において、英検が利用可能か、みていきましょう。学科や学部により、利用方法や利用基準がこまかく決まっている場合もあります。ある学科で利用可能でも、他の学部だと不可というケースもありますので、注意してください。
早稲田大学の入試では、英検利用が可能なのか?
早稲田大学の入試では、英検利用が可能です。英検の利用方法は学部によって異なり、以下のという2つの利用方法があります。学部や学科ごとに、基準が細かく定められているので、しっかりと確認しておきましょう。ちなみに「英語4技能テスト利用方式」は、英検やTEAP、TOEFL iBTなどの民間試験を利用した入試方法です。
- 基準を満たしていれば、「英語4技能テスト利用方式」へ出願可能。学部により、加点もあり
- 基準を満たしていれば、「学部独自入試」での加点あり
それでは、英検の利用方法を、学部ごとに解説します。
【政治経済学部、法学部、教育学部、スポーツ科学部】
入試での英検は利用なし
【商学部】
利用方法:「一般選抜/英語4技能テスト利用方式」への出願、加点
試験科目:外国語、国語、地歴・公民または数学、英語4技能テスト
利用基準:1級/加点5点、準1級/出願資格のみ
定員:30名
備考:数学型など、他方式との併願不可
【国際教養学部】
利用方法:「一般選抜/大学独自入試」での加点
試験科目:大学入学共通テスト、外国語、英語4技能テスト
利用基準:1級/加点20点、準1級/加点14点、2級/加点7点
定員:175名
備考:総合型選抜・AO入試でも利用可能
【文化構想学部】
利用方法:「一般選抜/英語4技能テスト利用方式」への出願
試験科目:国語、地歴、英語4技能テスト
利用基準:総点/2200、Reading/500、Listening/500、Writing/500、Speaking/500
※総点および各技能点の基準を満たしていれば、出願可能
定員:70名
備考:共通テスト利用方式など、他方式との併願可能・総合型選抜・JCulP日本学生入学試験でも、利用可能
【文学部】
利用方法:「一般選抜/英語4技能テスト利用方式」への出願
試験科目:国語、地歴、英語4技能テスト
利用基準:総点/2200、Reading/500、Listening/500、Writing/500、Speaking/500
→総点および各技能点の基準を満たしていれば、出願可能
定員:50名
備考:共通テスト利用方式など、他方式との併願可能
【社会科学部】
利用方法:社会学科の一般選抜では、利用なし
備考:ソーシャルイノベーションプログラムの入試で利用可能・社会学科の総合型選抜・全国自己推薦入学試験またはグローバル入学試験で使用可能
【基幹理工学部・創造理工学部・先進理工学部】
利用方法:一般選抜では、利用なし
備考:総合型選抜・英語学位プログラム特別入学試験で利用可能
【人間科学部】
利用方法:一般選抜では、利用なし
備考:学校推薦型選抜・公募制学校推薦入学試験(FACT選抜)で利用可能
早稲田大学では、一般選抜のほかにも、総合型選抜など様々な選抜で英検が利用可能です。利用しやすい学部は、「文化構想学部」「文学部」です。この2つの学部は、スコアさえ基準を満たしていれば、2級からでも出願が可能です。また加点がないため、級やスコアで得点差が開かないのも、利用しやすいポイントと言えるでしょう。一方、他としっかり差をつけたい場合は、「商学部」「国際教養学部」など、加点のある学部がおすすめです。特に商学部や国際教養学部を目指す場合は、できる限り英検1級を目指しましょう。
慶應義塾大学の入試では、英検利用が可能なのか?
慶應義塾大学では、英検が利用できる入試方法はありません。FIT入試やAO入試など、評価の参考として利用できるものはありますが、基本的に利用できません。慶應義塾大学の入試では、過去問等で一般的な対策をするしかありません。願校で英検利用が可能な学部があれば、英検の準備もしておくとよいでしょう。
上智大学の入試では、英検利用が可能なのか?
上智大学の入試では、英検利用が可能です。しかし、「CEFRスコア」というものを基準にしており、他大学に比べるとスコア算出が複雑になっています。
英検の利用方法は以下の通りです。
【全学部共通・共通テスト併用型・学部学科試験】
利用方法:共通テスト併用型・学部学科試験」での、共通テスト・外国語(英語)得点への加点
試験科目:学部により異なる
利用基準①:3級は利用不可、準2級/CSEスコア1700から、利用可能
利用基準②:CEFRスコア換算で、A2/加点5点、B1/加点10点、B2/加点20点、C1とC2/加点30点
加点上限:大学入学共通テスト・外国語得点との合算で、上限が200点(超えた分は切り捨て)
備考:共通テストで「英語」を選択した場合のみ利用可能
〈CEFRスコア換算〉
C2:CSEスコア換算では、該当なし
C1:CSEスコア2600〜3299、1級程度
B2:CSEスコア2300〜2599、準1級から1級程度
B1:CSEスコア1950〜2299、2級、準1級程度
A2:CSEスコア1700〜1949、準2級程度
【全学部共通・共通テスト利用型】
利用方法①:共通テスト・外国語(英語)において、みなし得点として利用。
利用方法②:共通テストの得点と、英検CEFRスコア換算でのみなし得点で、高得点の方を採用
試験科目:学部により異なる
利用基準①:3級〜2級は利用不可。準1級/CSEスコア2300から、利用可能
利用基準②:CEFRスコア換算で、B2/180点、C1・C2/200点
備考:共通テストで「英語」を選択した場合のみ利用可能
〈CEFRスコア換算〉
C2:CSEスコア換算では、該当なし
C1:CSEスコア2600〜3299、1級程度
B2:CSEスコア2300〜2599、準1級から1級程度
上智大学では、「TEAPスコア利用型」という選抜方法もありますが、これは「TEAP」「TEAP CBT」という試験のみ利用可能です英検しか持っていない方は、準1級程度だと「共通テスト併用型・利用型」で有効活用できるでしょう。上智大学の受験のために、これから外部試験を受ける方もいらっしゃると思います。その場合、もしCEFRスコアC2を狙うのであれば、「ケンブリッジ英語検定」などを受験する必要があります。また「TEAP」などしか利用できない選抜もあります。上智大学が第一志望の場合は、英検だけでなく、その他の外部試験も視野に入れて準備する方が良いでしょう。
東京理科大学の入試では、英検利用が可能なのか?
東京理科大学の入試では、英検の利用が可能です。
【理学部第一部、薬学部、工学部、理工学部、先進工学部、経営学部】
利用方法
「一般選抜・グローバル方式」への出願、加点
試験科目
学部により異なる
利用基準①
CSEスコア1400以上
利用基準②
1400〜1699/加点0点
1700〜1949/加点10点
1950〜2299/加点15点
2300〜2599/加点20点
2600〜3299/加点22点
3300〜3400/加点25点
【薬学部・経営学部(ビジネスエコノミクス学科及び国際デザイン経営学科)】
利用方法
学校推薦選抜(公募制)での、参考に利用
利用基準
基準なし
東京理科大学の「一般入試・グローバル方式」では、英検のスコアにより加点があります。また、受験科目が同じであれば、2学科まで受験することができます。「A方式」「B方式」との併願も可能なため、東京理科大学への入試を考えている場合は、英検を受験しておくのが望ましいでしょう。また、薬学部や経営学部の学校推薦選抜でも、参考資料として利用できます。
CEFR、TEAPとは?
CEFRやTEAPについて、ご存知ない方も多いかと思います。「CEFR」とは、「Common European Framework of Reference for Languages」の略で、「ヨーロッパ言語共通参照枠」の意味。「語学の学習状況をはかる、国際的な基準」と言えます。今回の記事では「CEFR換算」という単語で登場しました。これは、文部科学省が定めたもので、様々な語学試験のスコアを、CEFRに当てはめたものです。
またTEAP(ティープ)とは、日本英語検定教会が主催する試験です。大学入試および大学入学後の、効果測定としての利用を想定し開発されています。TEAPと英検の違いは、TEAPは「日本の大学で求められる英語力を測る検定」なのに対し、英検は「日本の中学・高校で求められる英語力を測る検定」という点です。
まとめ
早慶上理の英検利用について、各大学・学部ごとに解説しました。慶應義塾大学など、英検利用がほぼできない大学もあります。しかし、早慶上理レベルを受験するにあたり「英検準1級程度」を持っておくことは、かなり有利になると言えるでしょう。また、併願校などで英検を利用できる場合もあります。併願校を英検利用で余裕をもって受験できれば、第一志望の大学対策により多くの時間を使うことができます。そのため、早慶上理への受験を考えている方は、英検を受験しておくことがおすすめです。
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