受験勉強した方がいいとわかっているけど、なかなか取り掛かることができない人も多いと思います。でも、理解している通り受験勉強のスタートは早ければ早いほうがいい!皆さんの背中を押して、本日から本気で勉強してもらうために、今回はその理由を様々な角度からお伝えしていこうと思います。
受験勉強の定義
定期テストのために一生懸命勉強しているのも立派な受験勉強だと思います。しかし、ただ流れで定期テストだけ、テスト週間だけ、宿題だけしているのは私の中では受験勉強と呼んでいません。私は「目標を明確にし、志望校と向き合い、分析し、能動的に継続して勉強をしている状態」を受験勉強と呼んでいます。つまりそれを開始したところからが受験勉強の開始だと定義しています。そのため、戦略的にみて必要な科目の対策として定期テストの勉強をすることも立派な受験勉強だと思っています。
目次
復習範囲を最小限にできる
受験勉強を高校3年生からスタートすると、志望校との差がある場合は、1、2年生の2年間で習ったことの復習から始める必要があります。それと平行して3年生で新たに習うことも対策しなければならないため、学校の勉強と受験勉強の両立が、志望校と学力差があればあるほど難しくなります。その一方で、たとえば2年生の夏に勉強を始めたら復習する範囲は1年半分、2年生の初めなら1年分、1年生の夏なら半年分というように、始める時期が早ければ早いほど復習範囲はより少なくすみます。志望校を差の開いている部分を解消できれば、もちろん勉強していくことは必須ですが、その後の勉強で高い水準で推移していくことができるようになります。受験は知識の積み重ねです。科目の初期や基礎でわからない箇所を放置すると、その後の勉強の効率が悪化します。
偏差値を上げやすい
模試の偏差値は、ライバルとの学力の差がどれだけあるかを数値化したものです。受験勉強を始めている高校生がまだ少ない、模試の平均点が低い段階で、努力して点数を上げれば、偏差値は飛躍的に向上します。その結果、「勉強をがんばれば成績が上がる」という実感を得ることができ、モチベーションも上がっていきます。逆に、周りが当たり前のように受験勉強をしている3年生の段階では偏差値を上げることが難しくなります。
勉強時間の総量を増やせる
学校の小テストや定期テストのように、勉強をやりきった!これで満点だ!という状態になることは受験ではほぼないでしょう。つまり勉強時間が足りなくなることが多いと言えます。どれだけ時間を限界までやったとしても、1日にできる時間には限界があります。受験勉強を始めてから勉強時間を最大化することは当然ですが、いかに早く勉強を開始することの重要性に気づき、開始できるかで勉強時間の総量は増やすことができます。
高校3年生の4月から共通テストの受験日まで、家庭で学習可能な1日あたりの時間数は、平均で平日が6時間、土日が12時間と考えると、合計は2292時間※になります。
※54時間/週〈1日6時間×平日5日間+1日12時間×土日2日間〉×4週×9カ月〈12月末まで〉+夏30日間×6時間+冬10日間×6時間+1月の2週間。 夏休みは40日間として平日30日間、冬休みは14日間として平日10日間が6時間増えたものとして計算。
ここから学校関係で使用する時間を削っていきます。
部活の時間:216時間(5月末に引退〈8週間〉。平日で3時間、土日6時間と考えた場合)
定期テストの勉強時間:216時間(定期テストが4回で期間が延べ2週間、勉強時間が平日3時間、土日6時間と考えた場合)
宿題の時間:266時間(夏休み等を除いて延べ38週間で1日1時間を費やすと考えた場合)
模試の時間:180時間(延べ15日間で、復習もしっかり行う〈1回12時間〉と考えた場合)
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合計878時間
4月からの合計2292時間から引くと1414時間になります。特に国公立のような多くの科目を必要とする場合は、1科目に当てられる時間は少なくなります。もしここから過去問演習の時間を除くと、国公立の場合は実際には1000時間少ししか残らなくなります。
国公立の8科目場合
1414時間÷8科目=176時間
実際には配点を考えて科目比重を動かしますが、等分で考えると1週間54時間計算しているので、目安として過去問演習込みで1科目3週間ほどで完成させていく計算になります。
私立の3科目場合
1414時間÷3科目=471時間
環境が異なるので、全員がこの数字になるわけではないですが、一つの目安として見ていただくと、高校3年生から勉強開始がどれほど時間がないかを理解しておきましょう。この総量を早く勉強して増やしていく必要があります。時間は有限です。受験日は決まっています。自分が行動しなければ時間を増やすことはできません。
難関大学の第一志望合格者は4247時間
旧帝大や難関国公立、MARCH関関同立以上の難関大合格のうち、第一志望に合格した人と、第一志望に合格できなかった人の比較の結果が東進さんで毎年されています。それによると高校3年間の勉強時間の差は349時間あるとのことです。この差は【合否別 難関大現役受験者の1日あたりの学習時間】の高3の勉強時間で埋めようとすると約51日(1ヶ月半)の勉強時間が必要だということでした。
【合否別 難関大現役受験者高校3年間の総合学習時間(学校の授業以外)】
第一志望現役合格者 | 第一志望不合格者 | 差 | ||
高3 | 2,474時間 | 2,326時間 | 148時間 | |
高2 | 1,012時間 | 905時間 | 107時間 | |
高1 | 761時間 | 667時間 | 94時間 | |
合計 | 4,247時間 | 3,898時間 | 349時間 |
【合否別 難関大現役受験者の1日あたりの学習時間(学校の授業以外)】
第一志望現役合格者 | 第一志望不合格者 | 差 | ||
高3[1日あたり] | 6時間47分 | 6時間22分 | 25分 | |
高2[1日あたり] | 2時間46分 | 2時間29分 | 17分 | |
高1[1日あたり] | 2時間5分 | 1時間50分 | 15分 |
この表で感じてほしいのは、第一志望に合格できてなかったとしても難関大学の合格者は、高校生のうちに学校の授業以外で勉強時間をしっかり確保しているということです。土日や夏休みも入っていると思いますが、高3の段階で1日6時間47分という数字はほぼ限界の勉強量です。1月や2月の勉強時間も入っていると思うので、正確なことはわかりませんが、合計2474時間というのは現役生のほぼ限界の数字で、前述した高校3年生の4月から共通テストの受験まで合計2292時間と同じかそれ以上に限界まで勉強しているということ、そして、それだけでは足りなくて、高2高1でここまで勉強するのが難関大に合格する人の平均なんだということを理解しましょう。
平日1日6時間の生活リズム例
6:30-7:30 | 起床・準備 |
-8:30 | 移動・勉強(+0.5h) |
-16:30 | 学校 |
-17:00 | 移動 |
-24:00 | 勉強(+7h) 夕食・入浴・準備(-1h) 休憩(-0.5h) |
学校行く前に30分勉強して、学校から帰って17:00-24:00まで勉強して7時間、夕食・入浴でマイナス1時間、勉強の間の休憩でマイナス30分。これで6時間の勉強量になる。これを高3になってから休まず継続している数字です。1日休むとそれを取り戻すためには、すでに限界まで勉強しているので、1日1時間余分に睡眠時間を削って勉強しないといけない。受験勉強はいかに継続できるかが重要になります。
習慣化まで2ヶ月以上必要
習慣が定着するまで平均66日必要という研究結果があります。つまり約2ヶ月間かかります。実際に指導の現場でもそれはよく見られる光景です。高3の部活が6月くらいで引退すると、集中力がMAXでない状態で、夏休みに突入し、習慣化されていない状態で1日の勉強時間が長くなるため、集中力が続かずに、夏休み明けに受験相談を受けることもしばしばあります。つまり、勉強を始めようと気持ちを高めても、気持ちで自分を高め、律してもそれが当たり前化するまでは苦労するものです。そのため、うちの予備校でもはじめの2ヶ月に一番時間をかけて強制的に自習室に来てもらったり、時間計測したり、スマホ時間測ったりして、勉強を当たり前にしていきます。この習慣化されるまでの2ヶ月間の集中力や、うまく勉強が進まない期間も考えて、早めに勉強を始める必要があります。
後半のプレッシャーが減少する
受験生の後半は受験のプレッシャーで思うように勉強に集中できなくなることがあります。受験直前期になってくると、特に志望校との差が開いているほど、合格できるのか不安になり、先生と友達の言葉や、模試や過去問の点数で気持ちが続かなくなってしまう人がでてきます。受験生の悩みや不安は、勉強をして学力を上げて問題を解けるようにならないと解決できない問題が多いです。厄介なのが、その不安は一時軽減されても何度も何度も受験日まで続くことです。根本的には合格できるまで解決できない問題です。
もちろん勉強を早くからやって、この不安が消えることはありません。しかし、早くから勉強をやって、模試でA判定B判定など合格者平均に乗せることができれば、不安との戦いに勝ちやすくなります。それによって悩む時間、心配事を考えて集中力が分散することも減らせることができます。
学校が有効活用できる
学校の授業時間は、50分授業を1日6時限、週5日あるとした場合、週にすると25時間以上になります。1日6時間土日で12時間勉強すると54時間なので、週で考えると勉強時間の3分の1から多いところで半分ほどを学校の授業が占めます。そこから宿題や予習復習、テストの勉強で多くの時間を使います。この学校の時間を受験勉強にも活かし、かつその質を高めることが合格に重要になってきます。
受験勉強を開始するということは、目的目標を明確にして、志望校の分析をしています。自分に必要な科目、要素(英作文、リスニング、記述式など)や受験制度を知ることで、普段の宿題や定期テスト勉強の位置付けや臨み方が明確化できます。これによって、全科目で平均的に点数を上げに行くのではなく、受験で使わない科目の勉強時間を、受験で使う科目や要素に振り分け、優先して勉強し、その分高得点を狙うことができます。この受験科目や要素に応じた比重のことを考えれば、普段の宿題や小テストや復習に関しても、取り組み方を変えていくことができます。
一通り学習範囲が終わると学校の授業は復習や演習に入ると思います。その際に、そのレベルに到達できていないと、その演習系の授業で得られるものが減ってしまい、自分ができないことを再認識させられる機会が増えていきます。しかし逆にそこまでに演習に入れるレベルに到達していれば、自分で演習をしなくても、学校の授業で演習や知識の定着が自然と行われていきます。そのため、早ければ早いほど、学校の授業で定着させていくことができます。もちろん学校から出される復習や演習系の宿題の時間も時間がかからなくなります。このように早く勉強することで学校の勉強時間や、普段の勉強時間への影響も効率化していくことができます。
急に頭はよくならない
「3年生になったら勉強する」「◯月になったら勉強する」「部活が終わったら勉強をする」。。。このように今できないことを肯定し、未来の自分に責任を丸投げする人も多いと思います。ですが、いざその時期になったからと言って、自分はそんな簡単には変わりません。急に別人になったように1日何時間も自分を律しながら勉強できたり、自分の今までやっていたスマホや娯楽を0にするなんてよほどの外部の影響がない限りできません。もちろん勉強せずに時間が経過し3年生になったらからといって、解けなかった問題が急に解けるようになるわけでもありません。このようにやらないといけないと思っているのに、今始めずに後回しにしていて、最後に時間が足りないと言っている人を私は多く見てきました。未来の自分に期待するのではなく、今の自分の行動で未来を変えましょう。
まとめ
E判定は、「あなたはこのままでは合格の可能性が低いです」と言われているのと同じです。裏を返せば「今の勉強の方法では常識で考えると合格が難しい」という意味で、その状態から挽回するためには〝非常識なやり方〟を実行する必要があります。偏差値が50であれば周りの人と同じことをしていては、いつまでたっても偏差値50のままです。偏差値65の大学をめざすのであれば、勉強の環境もやり方も勉強時間も根底から変えなければなりません。周りに流されるのではなく、自分をもって常に考えながら行動していきましょう。
無理せずに1日30分でいいから机に向かうようにしようという人もいますが、私は違うと思っています。思い立ったときが気持ちがMAXです。そこで自分の限界まで勉強をして、それを継続していくんです。人間どうしても気持ちの上下はありますし、自分の気持ちだけなく、様々な環境によって勉強時間も左右されます。受験は人生をかけた挑戦です。自分の目標を掴み取るためにも、これでもかというくらい勉強時間をとりましょう。
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「変わりたい。」を叶えるを実現するために、今までの常識にとらわれない、新しい形態の予備校を運営しています。私たちは、生徒自らが夢や目標を定め、なぜ勉強が必要かを理解できるように正しい情報を提供し、進路指導に時間をかけて受験戦略を立ち上げ、受験で必要な全科目に対して学習計画を練り、進捗管理を行っています。最高の「環境」「指導」「ツール」を提供すべくWebやiPadを活用し、全国のどの地域からでも受講できるように遠隔での指導を行っています。東大の隣にオフィスを構えており、指導チームを中心に、受験に精通した経験豊富な専属スタッフが受験まで1:1でサポートします。
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