「学校課題があるのに、やる気わかないな」
「俺、締め切りまだまだだから課題まだやんなくていいかな…。やばいかな?」
あなたはこんなお悩みはありませんか?
学校課題、テスト勉強などやらなければならないことに対して、やる気がわかない日もあると思います。しかも、やる気が湧かず、やりたくないと感じ、日がへると「ま、明日でいっか」とどんどん先送りにしていく可能性があります。
そんな方々に、少しでもやる気の持てる「自己決定理論」という魔法の理論についてご紹介します。
目次
自己決定理論とは 自己決定理論のポイント3つ
自己決定理論とは、人間の動機づけ(モチベーション)の理論の1つです。自己決定理論によれば、どのように動機づけすればよいかを決める要素に3つあります。
①自律性…自分の行動を自分自身で決め、自分の行動は自分で責任を取りたいという思い。
②有能性…自分はできる、能力があると感じたいという思い。
③関係性…他人と仲良い関係を作りたい、集団に属したい、社会の役に立ちたいという思い。
これらの3つの「気持ち」や「思い」を高めることでモチベーションが上がると考えている理論です。
やる気を取り戻すために…。やる気の出し方の背景について考えてみよう
さて、自己決定理論によれば、動機を高めるには、3つ(自律性、有能性、関係性)を高めることが重要であると伝えました。
例えば、学校課題ではこのように考えます。
学校の先生に、山のように出された課題。
課題をやっていき、ちょっとずつ課題が終わっていき、解くスピードも上がっていき(有能性)、
課題で困っている友達と一緒に喋りながら勉強して楽しくなり(関係性)
成績が上がったため、自分が進路選択をする際に、教員が志望校をいくつか提示した中から自分がやりたいことを考えた上で志望校を選べた。(自律性)
このように、自己決定理論は利用されています。
とはいえ、これらの理論は、実際に「勉強する」と決めた高校生が、どれくらい勉強に対してやる気があるかよっても効果が変わります。
「やる気がない」から「好きだからやる」という動機の違いによって、自己決定理論を使った際にも、やる気のみなぎり方は違います。そのため、自発的に行動するために、有能性、関係性、自律性の3つを高めるように勉強を工夫するだけでなく、一体自分がどの段階にあるか考える必要があります。
自己決定理論では、「無動機づけ」から「内発的動機づけ」の6段階があり、それぞれに、学習をする理由があります。続いてそれぞれ、勉強に対してどんな動機づけで頑張っているのか、段階ごとに考えていきましょう。
①無動機づけ:勉強等に対して、動機付けがない状態
②外的調整:授業としてやらなければならないからやる、先生に指導者に叱られるからやる、のように外部の力によって、自分は強制的にやらされているというような動機づけの状態
③取り入れて的調整:一応自分で勉強しようと決めたけど、それでも仕方ないなという気持ちや、好きな先生にいわれたから、仕方ないなと思いながら頑張る気持ちレベルの動機づけの状態
④同一化的調整:積極的に自分で勉強しているが、それ自体が面白いというわけではなく、何かを成し遂げるための手段として勉強するという動機づけの状態
⑤統合的調整:やりたいと思うからやるという動機づけの状態
⑥内発的動機づけ:面白いから、やりたいからやるという動機づけの状態
もしあなたが、②の外的調整段階でも、ちょっとずつ勉強をしていく(自分できめて自分のやった勉強の結果を振り返る)など自律して勉強を行ったり、友達や先生などと一緒に勉強をし、関係性を作っていくことで、少しずつ勉強に対してやる気が湧いてくるかもしれません。ただ、もとから、④の「何かを成し遂げたい。だから勉強しなきゃ」と思っている人と比べれば、自発的に行動するための3つの要素(有能性、関係性、自律性)を高める勉強法をしても、変化はゆっくりかもしれませんが確実に変わります。
「自分は変われるんだ」と思いながら頑張ってみてください。
やる気を取り戻すために…。やる気を取り戻すコツ
最後にやる気を取り戻すコツについて考えていきましょう。
①有能性
自分が成長しているんだと感じられるしかけを自分で作りましょう。例えば、1ヶ月ごとに、自分が1ヶ月前にできなかったことと、1ヶ月かけて今できるようになったことを比べて、「自分は成長しているんだ」と実感できる仕組みを作りましょう。
②関係性
自分が仲良くしている友人と勉強会をして、教えあってみる、お互い教えたことで、お互いが「おしえてもらってよかった」と思えるような体験をしていくこともよいかもしれません。
③自律性
自分で今日やる勉強の順番を決めてみる、自分が勉強する場所を決めてみるなど、自分で決められる範囲で自分で何かを決めてみることが良いかもしれません。その上で、自分が決めたことに関して振り返りをし、自分がやっていることがどんな影響があったのか考えて振り返るとよいでしょう。
理論の背景
自己決定理論については、メタ解析といい、いろいろな研究をもとに組み合わせて生まれた仮説なのですが、皆さんに役に立つ興味深い研究を、自己決定理論を検討したデシ教授が考えています。
ある大学生にパズルを解いてもらう課題を与え、問題の取り組みの姿勢は、報酬があるかないかで変わるかどうか検討した。その結果、報酬を与えられた群は、報酬がないと頑張れなくなってしまい、やる気が低下してしまいました。また、お金を得る手段としてパズルをするので、ズルをする人が増加したそうです。
一方で、報酬なしでパズルを解いてもらった群は、報酬あり群のように意欲が低下することなく淡々と課題を解いていったそうです。
ここから、デシさんは、「外から動機づけられるよりも、自分できめて自分で動機づけるほうが、責任感や、やる気等を持ち続けられた」のではないかと考えました。
これらの研究からわかったことも、自己決定理論を理論化する際に使ったそうです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
勉強のやる気がでないという際、「自分でなにかを決めてみる」、「信頼できる人と一緒にやってみる」、「振り返りをすることで『自分はやったらできたんだ』と気づく」などを通して、少しずつ、やる気をためていってください。
参考文献
池畑裕介(2012) 2012年度第1回中等教育機関日本語教師研修会 学生のやる気を引き出す動機理論
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