勉強をする際、参考書を読んだり、問題を解く際に文章を読んだり、たくさんの文章に触れます。
もともと読書が好きな人は良いのですが、そうでない人は、たくさんの文章に触れ、それらを読解していくだけでも疲弊します。
最近の研究では、効率よく本を読む方法がわかってきています。効率よく本をよむ方法を参考書を読む際にも使ってみたら、効率よく勉強できるかも知れません。
今回は本の読み方のコツについて振り返りながら、参考書を効率よく読む方法について一緒に考えていきましょう。
目次
正しい勉強の仕方してますか?受験生が身に付けたいテキストの読み方
正しい本の読み方にはいくつかのコツがあります。今回は本の読み方にコツとして代表的なものについて1つひとつ説明していきます。
①全部読むときのコツ
本を読んでいく際、ポイントとして注目することは2点です。1個目は、本のメインテーマ(その本で言いたいこと=主張)や事実を細部の情報よりも大事にし、どんな話なのかという流れを意識した上で本を読みすすめていきます。2個目は、その文の単語を覚えていくよりも、全体の文の構造を理解した上で読んでいきます。
②本を読むのにどれくらいかかるか見積もる
本を読みはじめる際、読む時間を設定します。もしあなたが正確に自分はどれくらい本を読むのにかかるのかわかっていれば、1冊の本にどれだけの時間投下すべきか分かります。また制限時間を設定することで、本を読む際により効率的に本をよもうという意欲が湧きます。
③目的と戦略をもつ
本を読む際に、なぜこの本を読むのか、そしてあなたがどんなつもりで本を読むのか考える必要があります。その際以下の点を意識しながら読むと、効率的に本を読むことが出来ます。
- 作者は誰ですか?
- 読んでいる本で展開される議論はなんですか?
- 本で展開された議論を裏付ける科学的根拠(証拠)はなんですか?
- 本の議論、証拠、結論の弱点はなんですか?
- 著者はこれらの結論の弱点をどのように説明していますか?
これらの視点を意識すると読んでいる本の理解が進みやすいでしょう。そして、これらの視点を意識しながら本を読む方法として、以下の3つを連想しながら読みすすめるとよいかもしれません。
①読んでいる本を誰かに紹介する場合
②この本について誰かと特定の話題で議論をしている場合
③この本を読んだあとテストを受けると想像しながら読む場合
これら3つをイメージしながら読み進めていくことで、理解が進むかも知れません。
④活動的に読む
受動的にただ本を読むのではなく、常に、「本の要点はなんだろう…?」、「著者はどうやってそれを知ったのだろう?」と考えながら読んでみましょう。常に疑問を持ちながら、メモ(なぜ〇〇なんだろう?という疑問や、本を読んで気づいたことなどをまとめるメモ)をとりつつ、本を読んでいきましょう。疑問に対する答えが書かれていたら、すかさずメモをすることで、読んでいる本の内容が記憶に残りやすいです。
⑤3回読む
本を3回読むことで本を最大限活かすことが出来ます。毎回違う目的を意識しながら本を読むと良いでしょう。
1 概要:発見
1回目は、とにかく素早く本をよみます。1回目では、目的や方法、結論など本のメインテーマなどを流し読みで読んでいきます。その際、写真などにも目を通していきます。そして、最後に、1回読んだだけでは分からなかった疑問点を洗い出し、問いを生成しておきます。
2 詳細:理解
時間内でもう1度本を読んでください。その際、1章1章丁寧に読み進めていってください。また、最初に本を読んだ際に考えた質問の答えも見つけ出しておいてください。
3 メモ
3回目に本を読む時、本から読み取れる理論や背景等をメモし、自分で理解したことを自分の言葉で書き込んで見ることで、自分がわかったことを言語化してみます。
⑥情報量の多い部分に焦点を当てる
ノンフィクション(ストーリー性のある小説文等ではない文章)では、一般的に、当たり前と言われている情報は本の先頭に書かれていることが多いです。一方で、目次や写真や図表等には筆者が伝えたい情報がたくさん書かれています。そのため、目次や写真や図表について注目してみましょう。
⑦自分の言葉のメモを活用する
読書する際に、重要だと思った文章や、気になった文章を蛍光ペンで線を引いたり、メモを残すと良いです。2回目以降に振り返るときに、その時の記憶を思い出しやすくとても便利です。
⑧著者をしる
本をかいている人がどんな人か知ることも大切です。どんな人がかいたのか、性別や専門知識、どんな職業の人なのか等の背景も知りながら読んでいくと、よりその本が深く学べます。
⑨無意識のうちに精神力を使うため、短いスパンで本を読んでいく
本を読む際、気が付かないうちに人々は思考や情報処理に時間を使います。そのため、本を読んでいくうちに、どんどん忘れていってしまいます。
→忘れないために、短いスパン、例えば1時間などで本を読んでいく必要があります。
⑩複数の感覚器官を使って学習する
脳の様々な機能をフルで使うために、本をただ読むだけでなく、書き込みをしたり、実際に話してみたり、メモにまとめてみるなどして、見る、聴く、話すといった様々な手段で本から学んでください。本をただ見るだけでなく、声に出して読んで見る、聞いてみる、話してみるなどすることで記憶に残りやすくなります。
勉強への活かし方
続いて勉強への活かし方についてご紹介します。こちらの理論は、論文を読むとき等にも使われる理論なので、一般的に参考書を読むときに利用できる部分はいくつかしかありません。今回はそれらについて整理していきます。
①批判的に本を読む
受け身で本を読むのではなく、「なんで筆者はこう主張するのだろう?」、「一般論はこうで、筆者はこう考えているけど、その根拠はどこにあるんだろう?」等本で書かれている内容を整理しながら読んでいきましょう。
②短いスパンで本を読んでいく
長時間(10時間等)で一気に本をよむのではなく、短いスパンで区切りのつきやすいところで1つずつ文章を読んでいきましょう。短いスパンで読むことで、「今何を読んでいるのか」というメタ認知を働かせながら読み進めていくことが可能です。
③複数の感覚器官を使って本を読む
ただ本を読むのではなく、声に出して読んで見る、メモを残してみる、自分で本を読んで感じた問いを考えそれの答えを本から探し出す、実際に本の内容を討論する、誰かに本の内容を説明するなど、様々な方法を使って本を読んでみたり本と関わってみましょう。
これら以外にも勉強に活かす方法もあると思います。ぜひ最初の理論について意識しながら勉強に活かしてみましょう。
科学的根拠
科学的根拠はいくつか存在します。例えば、メモや蛍光ペンでチェックしながら本を読んでいく場合、近年の研究では以下のことがわかっています。蛍光ペンやメモを残すことで脳の記憶痕跡に残り、次に読書する際に読みやすい(手がかり記憶をみつけやすく、記憶を思い出しやすくする)と言われています。また蛍光ペンを持ちながら、「重要なところはどこだろう?」と考えながら読むことで、より集中して本をよむことができます。
まとめ
人の脳は繰り返すことで学習と記憶が強化されることからも、読書するということはとても重要で効率のいい方法といえます。本を読むことで多くを学び、自問自答を繰り返してみたり、誰かと議論を交わしてみたりと、読書によって様々な学習法を学べる良い機会となります。読んだ内容について他人に話し、自分の意見や人の意見を交わしたり、授業などで発表したりすることで、より効果的に物事を記憶でき、幅広い知識を養うことだってできるのです。
そしてこれらのメソッドは参考書を読む際にも利用できます。ぜひ利用してみてください。
参考文献 How to Read a Book,
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