「工学部に進学したいけど学科が多すぎてどれを選べばいいのかわからない」
「似たような名前が多すぎてなにをやっているのかわからない」
という人もいるのではないでしょうか?
「システム環境バイオ化学なんとか学科って一体何をしているところなんだ?」
「情報系に進みたいけど情報~学科とか~情報学科とか多すぎる!」
そんな声に応えるため、今回は現在東大工学部に通う筆者が工学部のそれぞれの学科でやっていることや進学後に身につくこと、就職先について紹介していきます。
最後まで読めば自分に合った学科がきっと見つかると思います。
目次
主要な学科の学ぶ内容と就職先
実は日本の大学には工学部だけでも合わせて500種類以上の学科がありますが、大きくまとめるとほとんどがこれから紹介するいくつかの分類に分けられます。
これらの学科について、どういう学科なのか・なんの資格が取りやすいのか・どこに就職できるのかなど解説していきます。
①情報系
昨今のIT産業・AI技術の発展によって情報系は今まさに絶賛人気急上昇中です。
情報系といってもたくさんの名前の学科がありますが、どこの学科でもまずは基礎的なプログラミングとパソコンの仕組みについて学びます。いわゆるソフトウェアとハードウェアですね。そこから応用的・専門的な内容について学んでいきます。例えば、「人工知能」、「機械学習」、「音声処理」、「無線通信」などです。
主な資格としては『基本情報技術者』と『応用情報技術者』の2つが挙げられます。これらは経済産業省によって認定されている国家資格で毎年3~5万人が受験しています。国家資格であるので情報技術者としての一定の能力を十分に保証するものとして活用されています。
就職先について、一般的に工学部の卒業生は大学で得た専門知識が活かせる仕事に就くことが多いです。具体的には、ソニー・日立などの電子機器メーカー、Yahoo・Googleなどの情報サービス系、KDDIなどの通信系が多いですが最近はベンチャー企業に就職する人も多く見られます。
②機械系
機械系はその名の通り機械を扱う学科です。機械といってもロボットだけでなく、扱う範囲は自動車や船舶にまで及びます。これらを設計・製作し、制御・運用するのが機械系学科です。学ぶ内容としては主に作るための技術と動かすための技術に分けられます。具体的には、四力学(熱力学・機械力学・流体力学・材料力学)を基礎として機械を製作する方法を学び、制御工学やソフトウェアに関する知識を学ぶことで機械を上手く動かすことができるようにしていきます。
主な資格としては『技術士』があります。こちらは国家資格であり、難易度も高く、取得すると可能になる事柄も多く、とても権威ある資格となっています。取得には高難度の筆記試験の通過と実務経験が必要なため、学生のうちから知識をしっかりつけて筆記試験の準備をしておくのが重要となります。
就職先としては、製造業に就職する人が多く、その中でもトヨタなどの自動車メーカー、東芝などの電子機器・精密機器メーカーが多くなっています。
③電気系
電気系は電気に関するもの全般を扱う学科です。半導体部品や電子回路といったものから発電所やプラズマといったものまで扱います。さきほど解説した情報系や機械系も電気を使ったものを扱う学科ではあるので部分的にこれらの学科とやる内容が被ります。このように扱う範囲が非常に広いので学ぶ内容も極めて多岐に渡ります。例えば、「電子回路」、「制御工学」、「ソフトウェア」、「高電圧工学」などです。これらの中から自分のやりたい専門分野を見つけていくことになります。大学によってはこれらが最初からいくつかの学科に区分されていることがあります。
主な資格としては、『電気工事士』、『電気主任技術者(電験)』などがあります。いずれも国家資格であり電気設備を設置したり管理する際有資格者が必要となるので建設会社、電力会社等では重宝されます。
就職先としては、日立・東芝などの電機メーカー、NTTドコモなどの通信系が多くなっています。
④建築系
建築系は建築物を扱う学科ですが、家やビルを扱う場合建築工学科・ダムや道路や鉄道を扱う土木工学科と分けられます。また、建築物の構造や材料を学ぶ分野・デザインを学ぶ分野・都市計画を学ぶ分野などがあり、これらで学科がさらに細分化されている場合もあります。デザイン等は建築の芸術的な側面ですが、構造を決定したり設計したりするには数理的な能力が大いに必要で、複数の分野にまたがって学ぶ必要があります。このように分野があまりに多岐に渡るので実際に研究するに当たっては細分化された分野を専門とします。
主な資格としては、『建築士』、『宅地建物取引士(宅建)』などがあります。いずれも国家資格で、建築士は取得すると建物の設計や工事の内容の確認を行うことができるようになります。宅建は取得すると宅建士になり不動産の取引のができるようになります。
就職についてですが、建築士を目指す場合令和2年度より実務経験なしでも受験可能になったので在学中または卒業後に受験しその後実務経験を積むことで建築士の免許を取得でき、設計事務所や工務店、建設会社に就職することになります。宅建を取得すれば建設会社や不動産管理会社に就職することになります。
⑤化学系
化学系では理学部化学科と同じく基礎学問である化学について学んでいきますが、工学部は最終的な目的が理学部とは異なり化学技術を活かして社会や人間のためになるモノを作ることです。そのため、化学の勉強をしていった先でエネルギー問題・環境問題を解決するために太陽電池や燃料電池を開発したり、より便利で環境にやさしい素材を開発したりといった風に応用的な研究に進んでいきます。
主な資格は『危険物取扱者』、『技術士』などです。危険物取扱者は取得すると危険な薬品が扱えるようになります。基本的に工場や研究所でしか必要ありません。技術士は機械系の項で述べたものの化学分野版です。こちらはそこで述べたように難易度は高いですが権威ある、メリットの大きい資格です。
就職先は、旭化成・東レなどの化学メーカー、昭和シェル石油などの石油・ガスメーカーが多くなっています。
⑥その他
今まで挙げたもの以外の中で比較的メジャーな学科として生物系・材料系・経営工学系があります。こちらも少しずつ解説したいと思います。
・生物系
生物工学科や生命工学科と呼ばれ、化学系と同じく、生物学を応用して最終的に人間や社会に役立つものを作っていきます。具体的には、遺伝子操作を行ったり再生医療の研究をしたりします。
・材料系
材料といっても金属や半導体やポリマーなどのたくさんの種類があるが、現代では、すべてのモノづくりの基盤となる材料というもの自体の重要性が高まり材料について横断的に学ぶ学科が設けられた。そういう経緯なので物理も化学も広く学んで便利な新材料の開発を目指す。
・経営工学系
経営工学科では企業や工場といったシステムに対して工学的な数理手法を用いて分析して生産性を工場させていくことを学ぶ。実験というよりも実際の企業をモデルにした演習が多い。
よくわからない学科の中身を知る方法
①わかりづらい単語の意味
工学部の中には名前だけ見てもなにをやっているのかよくわからない学科がよくありますよね。
その原因となっているいくつかの単語についてどのような意味をもっているのか解説します。
・「社会基盤」「環境」「都市」
これらは建築学科の周辺でよく見かけます。実はこれらは全部「土木工学科」の言い換えです。土木という言葉に3K(きつい・汚い・危険)のイメージが定着してしまい人気が落ちたので改名して人気回復を狙ったというわけです。
・「システム」
これはいたるところで見かけますし一番意味不明な言葉でもありますよね。
これは日本語で言い換えると、「連動して作用しあう人やモノの1つの集まり」です。
機械系や情報系、電気系で出てきたときはモノです。いくつかの部品でできたモーターなどの大きな機械部品や1つの検索エンジンや1つの回路です。
経営工学系で出てきたときは人や企業です。人同士企業同士作用しあって変化していきます。
②大学のHPを見よう
そこがどんな学科なのか、一番簡単に調べる方法が当たり前のようですがHPを見ることです。ポリシーや目的を読んでもわかりにくいかもしれませんが研究紹介や時間割に載っている授業名を見るとイメージが湧きやすいかもしれません。また、オープンキャンパスに行ってみるのもいいですね。
まとめ
今回は工学部の各学科について少し詳しくいろいろ解説してみました。自分が志望しようか悩んでいる学科が何系に分類されるかは分かってもらえたんじゃないかと思います。しかし、その大学のその学科だからこその特徴はそれぞれあると思います。なのでHPを見たりオープンキャンパスに行ったりして自分自身でよく調べてみてください。
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