「結局共通テストは記述問題でないの?どうして」と怒っている受験生へ
「私の息子が受ける年の共通テストでは記述問題出るのよね…。どうしましょう」とお悩みの保護者様へ
今回の記事では、あまり情報の少ない大学入学共通テストについて、記述問題が延期されたことの理由について、ご紹介していきます。
目次
大学入学共通テストと記述問題
大学入学共通テストとは、大学入試センター試験に変わるテストのことです。大学入学共通テストに変わった目的として文部科学省によれば、出題する各科目の特徴や性質に応じて、大学教育を受けるのにふさわしい、思考力や判断力や表現力をもっているのか判断するためと言われています。具体的に、問題作成の方向性としては以下が存在しました。
①大学入試センター試験での問題等を改善する
センター試験が択一式問題のみで、単に知識のみを問うている問題が出題されるケースが有りました。また、数学等では解法を暗記してしまえば解けてしまう問題等もセンター試験では出題されるケースもありました。また、英語の試験においては、「読む力」、「聞く力」の2要素のみでした。これらの状態では、受験生の学力を多面的・総合的に判断できないのではないか?という問題からセンター試験の出題の方向性からガラリとかえ、思考力・判断力・表現力を問うような出題にかえたのが大学入学共通テストです。大学入学共通テストの出題は今までのセンター試験の問題点を解決するためにうまれたテストだったのです。
②受験生の知識や技術を活かす
共通テストでは、授業で生徒が学習する場面、例えば授業でプレゼンをする場面や発表する場面を題材にしながら、資料やデータをもとに考察する問題、社会や日常生活の中での問題を発見し考える問題などが出題されています。これらの意図として、教科書で書かれていないことも、今までの高校生までの学びを利用することで、社会や日常の問題を考えるきっかけを作ること、資料やデータをもとに考える耐久力をつけるなどの意図があるそうです。
これらの2点を中心に、センター試験とは違った形のテストとなったのが大学入学共通テストになります。
そして大学入学共通テストになり導入したこととして以下の3つがありました。
それが
- 国語と数学の一部で記述式を導入する
- マーク式の問題でも各科目の出題において、知識や解き方ではなく思考力判断力表現力を問う問題を出題する。
- 英語は英語4技能を民間試験で測定
の3つでした。
続いて国語と数学の記述式についてどんな問題が出題される予定だったのか記載していきましょう。
大学入学共通テストの国語と数学の記述式の概要について
続いて共通テストの国語と数学の問題作成の方向性についてです。
国語
実用的な文章や論理的な文章を題材としたもので、記述問題を出題予定。それぞれ、20字〜30字、40字〜50字、80字〜120字での出題とされています。試験時間は国語の現行のセンター試験に比べ、20分延長して100分で行われます。成績評価は記述問題を段階評価すると言われていました。
採点については、処理能力や信頼性から民間事業所等に委託し、採点してもらう予定でした。
数学
数式を記述する問題や数学の問題を解く際の問題解決の方法を短い文で記述する問題を記述問題として出題予定でした。マーク式の問題同様に得点を与える予定でした。
参考:「大学入学共通テスト」における問題作成の方向性等と
本年11月に実施する試行調査(プレテスト)の趣旨について概要②(平成30年6月18日大学入試センター公表)
しかし、令和1年12 月 17 日、萩生田文部科学大臣は、「2021 年 1 月実施の大学入学共通テストでは記述式問題の導入を見送る」と発表しました。
採点の体制上記述式問題見送り?気になる見送り理由
大学入学共通テストは本来は、受験生の学力を多面的・総合的に判断する素晴らしいテストでしたが、来年度記述問題は見送りとなりました。
なぜ記述問題は見送りとなったのでしょうか?理由をあげていきます。
①採点体制上の問題
現在、記述問題を採点する採点者を採用している最中でした。採点事業者(センター試験等ではなく外部の民間企業)で、質の高い採点者候補の選抜は行われるめどは立っていましたが、実際に採点者を選抜するのは2020年の秋頃の見込みとなっていて、選抜後、研修し最終的に採点者を決定するため、現時点で採点者の能力や採点の体制を正しく世に伝える事ができないため、記述問題を実際に採点できるのか不安が残ることも、記述問題導入見送りの理由の1つです。
②採点の制度の問題
様々な工夫を凝らした結果、試行調査段階に比べ、採点ミスが減るような施策を考えることは可能ですが、しかし採点ミスを0にすることは今の時点では難しいため、記述問題は見送りとなりました。
③自己採点と採点結果が一致しない問題
採点者と受験する受験生の採点結果の不一致が起こる可能性があります。そして、採点者の力量によって採点結果の公平性が担保されていないのではないかという意見も出ております。そして、受験生が記述問題の点数がわからない(採点者と受験生で点数が一致しない可能性があるため)状態で国公立大学等を出願する可能性があり、自己採点と採点結果が一致しない問題は受験生の人生をもかえてしまう可能性があるため、一旦記述問題は見送りとなりました。
これらの理由から記述問題は一旦は見送りとなりました。
まとめ
いかがだったでしょうか?記述問題導入は一旦は延期となりました。しかし、完全に記述問題導入が立ち消えたわけではないので、またいつの日か復活する可能性もあります。私たちも、最新の情報が入り次第具体的な情報をお伝えできればと思っています。ぜひご覧ください。
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