教科書を読み込んでアウトプットする
―――名古屋大学合格おめでとうございます。受験お疲れさまでした。振り返ってみると、共通テストが非常に伸びましたよね。
「共通テストは5割くらいからスタートしました。結果はプレテストが630点で、本番が679点です」
―――230点近く上がっていますね。共通テストの勉強で意識したことを教えてください。
「計算能力は周りと比べて差がないので、教科書を覚えるという勉強方法でした。共通テストは教科書から出題されます。今年の生物は難しかったけど、教科書をめちゃくちゃ読んでいたので『ちょっと知っている』という予備知識でつなげながら解きました。共通テストは基礎的な面があれば戦えると思います」
―――教科書をノートにまとめて覚えたんですか?
「ノートまとめはしていないですね。教科書の文章を暗唱できるくらいまで読み込みました。人に説明できるくらいまで覚えられたら身についていると思っていたので、教室でたまに自分の知識をひけらかしていました。その効果もあるのかもしれません」
―――アウトプットもしていたんですね。すばらしいです。
―――現代文がそんなに得意ではなかったと思います。読解力が上がらなくても大丈夫でしたか?
「読解力は絶対に必要です。読解力がダメだと気づいてから1、2カ月間は現代文をたくさん読むようになりました。ちょっとずつ本にも手を出すようになると、英語も同じように伸びました。読むことで結果に直結する何かがあると思います。数Ⅰ・Aのデータも苦手だったんですけど、読解力が身について読み方が分かれば簡単だと気づきました。共通テストでは読解能力が絶対に必要です」
高い目標を掲げると頑張り続けることができる
―――大学受験で「これは大事!」と思ったこと何ですか?
「自分の場合は、大きい目標があったので頑張れました。でも、思ったようにできなくてへこむということが本当にたくさんありました。いろんな人に目標を宣言して、自分でプレッシャーをかけていたので『やるしかない』と追い込まれました。それが忍耐力と継続につながったと思います」
―――漠然と勉強を頑張るより、目標を立てて頑張ることが大事ということですね。
「“○○になりたい”とまでは考えられなくても、“○○の大学に行きたい”までは固く絞った方が勉強を続ける力になります。“○○以上”という目標にしてもいいかなと思いますね。僕も最初は阪大を考えていたんですよね。最終的に名大になりましたが、高い目標があったからこそ折れずに最後まで勉強できたと思います。上を目指すことは悪くないと感じました。
あと、受験だからといって生活を大きく変えるのは良くないと思います。夜中遅くまで勉強して体調を崩したことがあります。その時、生活の中に受験が入ってくるだけで、受験メインで生活するものではないと感じました。それからは12時になる前には寝るようにしています。健康維持が重要だと感じました」
―――どういう基準で名古屋大学を選んだんですか?
「最初は兄に勝ちたい一心で受験を始めたのでネームバリューが一番大きかったです」
―――看護系志望ということは早めに決まっていたので、大学も選びやすかったですよね。
得意な数Ⅱ・Bがスランプに……
―――大学受験で大変だったことは何ですか?
「うまくいく時と、うまくいかない時の差が激しかったんですよね。特に数Ⅱ・Bは90点くらい取っていたのに、一時期70点台まで落ちました。それを戻すのが一番しんどかったです。メンタルが“できないスタンス”に入ってしまっていたので苦労しました」
―――数Ⅱ・Bは得意でしたよね。コツは何ですか?
「数Ⅱ・Bは黄色チャート(『チャート式解法と演習』)しかやってないんですよ。数学にはパターンがあります。まずは解法を覚えて、使い方を考えるようになれば戦えると思います」
―――公式の細かい成り立ちは意識していましたか?
「公式の成り立ちは途中から気にしていました。担当のダイキ先生に『ただ公式を覚えるのではなく、どうして使うのかを考える。答えを知るんじゃなくて過程を自分で考えてやった方がいい』とずっと言われていました。それは本当に大事でした」
―――ダイキ先生に教わったことを意識したんですね。
「ダイキ先生は、自分に一番合っていたと思います。答えをすぐにポイッと言われるのではなく『やってみ』と言われて『そこ違う、そこ違う』と言われながら、先生と一緒に勉強を進めました。自分のやり方に合わせて教わっていたのでやりやすかったです。小手先のテクニックもちょこちょこ教えてくれていたのは、ありがたかったと思います」
―――他にアクシブの良かったところはありますか?
「やっぱり自習室がいつでも開いていたのは良かったです。家では勉強できないし、学校で勉強しようとするとしゃべってしまいます。自習室という場があったから合格できたと思います」
失敗してもいいから努力することが大事
―――最後に受験生へ向けてメッセージをお願いします。
「落ちても死ぬわけじゃないので思い詰めなくてもいいと思います。英語と古典は単語の知識がないとできないので、継続して努力するのがポイントです。僕も『東大英単語熟語 鉄壁』はずっとやっていました。努力は裏切らないです。失敗してもいいと思って前に進むのが一番いいと思います。
そういえば、共通テストが近づくにつれて過去問を解くのが嫌になったんですよ。点数が落ちたら、自分も精神的に落ちるので『やりたくねえ』という気分でやっていました。でも、やらないと結果はついてこないので、自分に負けず勉強するのが大事です。頑張って継続してほしいと思います」
―――ありがとうございます。これからも頑張ってくださいね!応援しています。