受験生の8月末までの受験戦略の概要をお伝えしていきます。受験は木を見て森を見ずではうまくいきません。
しっかりと戦略を練って、スケジュールを立てて、詳細に取り組んでいく必要があります。
目次
受験までの受験戦略概要

大きく分けて受験生はこのように3タームで受験までを考えていくと勉強のペース配分がしやすいと思います。
①8月末までは基礎力
ここまでの期間に受験で必要な全科目の基礎レベル(滑り止めレベル)までの要素習得を目指し、8月末までに滑り止めを合格できるようにします。
ここで全科目をやることで、得意不得意を見極めることもできます。苦手科目を捨てるとか、時間がたりないから、この先の参考書を変えるとか、志望校や勉強法を再検討します。
②9月から11月末までは応用力
9月から限界値(=MAX点数)で志望校を突破 → 11月末までに1度でも科目毎にボーダー・最低合格点突破
ここでは過去問に触れたり、問題演習や復習をして、弱点を潰し、各科目のレベルアップを進めます。
それにより、第1志望校の最低合格点を合計ではなく科目毎に突破することを目指します。
③12月から受験までは得点力
12月からボーダー・最低合格点突破の確率を上げる → 合計でコンスタントに最低合格点突破
今回はこの中でもはじめの①8月末までの基礎力完成までの受験戦略をお伝えします。
夏休みまでに志望校の受験制度を調査

受験で使用する科目や配点、推薦などを調査しましょう。毎年5-7月末あたりで受験制度が公開されます。
受験制度のチェック項目

これによって、夏からの勉強が大幅に変わります。
ここの選択で数百時間の勉強時間が削れたり、無駄になったりすることになるため、勉強を本格的に始めるまでに理解しておく必要があります。
そのため夏休み前までには決めておきたいところでしょう。総合型選抜と学校推薦型選抜を受験しようと思っている人は特に対策することが増え、スケジュール把握が重要になるので、もし不合格になっても大丈夫なように一般受験までを含めたスケジュールを考えていきましょう。
夏休みに何の科目を勉強するかが重要になります。
私立は夏休みに理社を深める(物化生日世)

夏休み期間で基礎を完成させることになりますが、国公立と違い、私立志願者は科目数が少ないため、1科目に時間をかけることができます。
夏までは定期テストや模試が頻繁にあったり、英語数学などの主要科目に時間を使うため、なかなかじっくり理社をやる時間はないことが多いです。
そのため、この期間で深くじっくり考え、理解し細かいところまで暗記していきましょう。
たとえば1日6-12時間を日本史に時間を取ったりして、急激に上げていくことがお勧めです。理社中心で、残りの時間に主要科目をすすめるイメージです。科学的には同じことを長時間するよりも分散させる方が記憶に残るという説もあります。
しかし、実際に生徒指導してきた経験上では、特に志望校に対して全体的に偏差値が足りていないE判定D判定の人は、ここで理社に時間をかけて理解し、短期間で点数を急激に上げて、
8月の全統記述模試で志望校偏差値+5を理社で出し、夏で理社を得意科目にすると、志望校を先行できる科目ができ、
残りの時間で志望校に特化した演習を重ねて合格できる場合が多いです。
理社は最後の追い込み科目だから、最後でいいという人も多いです。私もその通りだと思っていますが、理社の取り掛かりが遅くなり、手が回らずにせっかくの稼ぎやすい科目で点数を下げるというケースもあります。
またここで一度学校の進んでいるところまで、志望校レベルを超えるところまで進むことで、あとは学校の定期テストで高得点を出して復習を繰り返すことで、理社の穴がなくなり、高得点科目にしやすくなります。
さらに秋以降に学校で演習に入っていく場合もあるため、その場合に学校の授業で知識を定着させていくことにも繋がります。
そのため、夏休みで志望校偏差値+5を理社を出すというのがおすすめです。
基本的には学校の授業の進んでいる箇所以上に先行して進めてしまうと、効率が落ちるので、学校で学習した分野までで止めておきましょう。
模試の範囲まで学習し、理社の点数が取れるようになったら別の科目へ移行すると良いでしょう。
総合型選抜や学校推薦型選抜の公募制で受験する場合
総合型選抜や学校推薦型選抜の公募制で受験する場合は、小論文、英語や数学、国語など、主要科目を使った受験が近いと思います。
まだ推薦系で使う科目が弱い場合は、その科目を強化し、その場合は理社は最低限にしておくことが必要です。逆に一般受験まで検討している場合で併願校を公募制で狙っている場合は、9月から11月まで公募制の勉強に時間を使っていくことにもなるので、夏の間に公募制で使わない科目(理社)をしっかり時間をつかっておくことが必要です。
現役は7月全統共通+8月全統記述で合計結果

国公立型の場合は共通テストを意識すると7月末から8月上旬にある第2回全統共通テスト模試で点数を狙いたいところですが、現役生は夏休み前に全科目の勉強を完成させるのは難しいのが現実です。そのため現役生は7月全統共通+8月全統記述の合計結果で考えましょう。それぞれの模試で総合偏差値を狙わずに、科目毎の偏差値のみを見ましょう。この科目は共通テスト模試、この科目は記述模試で偏差値を取りに行くと決めて、夏休みの戦略を組み、2回の中で、どちらか1回でも良い偏差値が出たら良いと考えてみましょう。
組み合わせの例

英語は記述模試でとるようにし、7月の共通テスト模試では狙わない、なので8月に入ってから時間を使いましょう。現社などの共通テストでしか使わない科目は記述模試では出ないので、共通テスト模試で狙う、そのため、6月から勉強をやっておくことにして、8月には対策しない、このように夏休みの勉強の科目の時間の分配を早めの段階でしていきましょう。
ここで結果が何も出てなければ軌道修正が必要になります。私立専願で模試と形式が違うことで、結果がでないということであれば過去問で試してみましょう。その際は8月末の日曜日など日程を設定して、模試と同様に緊張感を持って挑戦します。狙った模試や過去問に向けて問題演習を入れていくといいでしょう。
共通テストに関してもし試験慣れしてなくて緊張して時間が足りなくて偏差値が低かったということであれば、ここに向かうまでの実戦問題集や過去問で目標に対して到達しているか確認しましょう。
第2回全統共通テスト模試の範囲

第2回全統記述模試の範囲

滑り止めを時間無制限で合格
受験で必要な科目の要素(英語だと単語、熟語構文、文法、解釈、読解、長文、リスニング、英作文など)が完成したら、
8月末までに滑り止めと想定している大学を時間無制限で解いて合格することを目指します。
最低でも合計ではなく、科目毎にMAX点数で共通テストボーダーや最低合格点を突破します。はじめに概要でお伝えした、
②9月から11月末までは応用力
9月から限界値(=MAX点数)で志望校を突破 → 11月末までに1度でも科目毎にボーダー・最低合格点突破
こちらを滑り止めで3ヶ月前倒しするということです。滑り止めと志望校は2ランクほど違う場合が多いです。
受験において自分の志望校を希望校、挑戦校、実力相応校、合格確実校(≒滑り止め)の4つのグループに分けて考えるとわかりやすいです。

ここでいう滑り止めとは
多くの人が現実的に滑り止めになる大学は、自分が行きたいと思える大学でない場合が多いです。
滑り止めはなにが起こっても合格できるような大学です。ここまでに行けたらいいなという大学は滑り止めではなく、自分の実力相応校の可能性があります。模試でB判定やC判定が出ている大学が実力相応校です。行きたい、目指している大学は挑戦校か希望校になっていることが多いです。つまりここでの滑り止めは、自分の志望校としている大学よりも2ランクくらい下げて考える大学です。基礎力を完成させたあとの夏以降の模試でA判定かB判定の上位をとる大学くらいをイメージしましょう。目標の大学から偏差値-7.5した大学が滑り止めくらいです。むしろ基礎力を完成させたこの8月末で合格できない大学は滑り止めにはならないくらいの意識を持ったほうがいいでしょう。ここで合格できないとここから各科目の底上げ+復習+過去問演習は時間が足りなくなります。
理社はまだすべての範囲を学習終えていない場合があるため、今まで学習した範囲で過去問に挑戦すると良いです。
夏からは限界値(=MAX点数)を常に意識
夏から少しずつ過去問に挑戦しだしたら、その過去問と自分との差を分析していく必要があります。
それを分析するためにはこのMAX点数を意識すると、参考書が正しいのか、復習をすべきかそれとも応用に取り組むべきかなど、志望校との距離をはかることができます。
MAX点数とは
問題を解いた際に今まで学習した知識(見たことある、参考書に書いてある、計算ミスは正解にする)を正解にした得点のこと。
MAX点数との差はどれほどあるか
志望校の合格点(合格者平均)にMAX点数が届いている場合
新しい参考書を入れずに使用している参考書の精度を上げましょう。
志望校の合格点(合格者平均)にMAX点数が届いていない場合
使用している既存の参考書や範囲だけでは合格できないため、新しい参考書や範囲を追加する必要があります。その新しい参考書はもちろん難易度の高いものになるでしょう。その際の参考書の選択方法は、できなかった問題や用語をまとめておき、その用語が学べるものを選ぶといいでしょう。
このMAX点数を目標点数+10%出せることを意識し続けましょう。MAX点数は自分の限界の点数です。
参考書:限界値を底上げするもの
参考書復習:現状と限界値の差を埋めるもの
予想問題・過去問:あと一歩(20%差以内)の限界値に届かせ、覚醒させ、限界値を突破させるもの
夏休みで400時間

現役生は高校3年生の4月から受験までの間に最大のまとまった時間が取れるのが夏休みです。冬休みは受験直前なので、過去問演習や受験校を決定したりと忙しくなります。多くの学校で、文系は社会、理系は数Ⅲと理科が秋から冬まで進んでいるため、予習復習や定期テスト勉強で時間が取られますし、学校行事等もあるため、秋以降は思うように時間が取れないことが多いです。そのため、この夏休みの勉強時間を最大化して、効率化していく必要があります。
夏休みの40日間で1日10時間、合計400時間は勉強時間を確保しましょう。学校の課題や、学校行事などのイベントもあり、実際に勉強できる時間は減るでしょう。そのため、最低12時間勉強を意識して過ごしましょう。
一番のポイントは学校と同じ時間に起きて寝ること。
高校の始業時間は、学校にもよりますが8時20分〜40分ぐらいであることが多いと思います。
そのため、普段と同じ6から7時に起きて12-1時くらいで寝ましょう。
この生活リズムを40日間繰り返すことが成功のポイントです。また、いつも学校で勉強していた人が急に家で勉強できない場合は8:30までに図書館や自習室にいくようにするといいでしょう。無理はしないように、1日休んだら取り戻すのに時間が必要になります。
ほとんどの受験生が満足行く状態で受験を迎えることはありません。時間はほとんどの場合足りなくなります。ここが正念場です。
まとめ
【8月末までの戦略】をお伝えしました。
①夏休み前までに志望校の受験制度を確認し、何月にどんな対策をするか戦略を練る
②私立は夏休みに理社を深める(物化生日世)
③現役は7月全統M+8月全統Kで合計結果
④滑り止めを時間無制限で合格
⑤夏からは限界値(=MAX点数)を常に意識
⑥夏休みに400時間確保
特に①次第でやるべきことが大きく変わります。ここに時間をかけてしっかりと戦略をねってください。
もし志望校の受験制度がわからない、自分に合わせた戦略を相談したいという場合は、アクシブアカデミーの各教室とオンラインで無料受験相談や無料体験にお越しください。
◆ AXIV ACADEMY(アクシブアカデミー)の概要
「生徒の人生を真剣に考え、全力でサポートする」
「変わりたい。」を叶えるを実現するために、今までの常識にとらわれない、新しい形態の予備校を運営しています。私たちは、生徒自らが夢や目標を定め、なぜ勉強が必要かを理解できるように正しい情報を提供し、進路指導に時間をかけて受験戦略を立ち上げ、受験で必要な全科目に対して学習計画を練り、進捗管理を行っています。最高の「環境」「指導」「ツール」を提供すべくWebやiPadを活用し、全国のどの地域からでも受講できるように遠隔での指導を行っています。東大の隣にオフィスを構えており、指導チームを中心に、受験に精通した経験豊富な専属スタッフが受験まで1:1でサポートします。
https://axivacademy.com/



