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006.最初の選択が合格率を飛躍的に高める / 入試方式ー志望校選び①ー


 受験生や高校生の多くは勉強を始めるときに、まず、「よし! 英語が苦手だから英単語の参考書を買ってこよう!」「学校の数学の問題集の復習からはじめよう!」と現在の自分の学力に注目して勉強を開始します。

 しかし、受験勉強は大学入試で出題される問題の内容やレベルをしっかりと把握した上で進めなければ効率が悪くなります。

 たとえば、社会の配点に比べ英語の配点が10倍高いとしたら、社会ばかり学習しても合格できません。また、数学を一生懸命勉強しても、そもそも数学が受験科目になければ、その勉強は大学合格という観点からは無駄になってしまいます。

 受験生も保護者も先生も、目先の学力を上げることばかりに固執し、「大学に受かるためには何をすべきなのか」という、より重要な分析をしていない場合が非常に多いのです。実際、私が予備校の説明会でこうした話をすると、志望校や受験科目の選び方、受験の対策方法がガラッと変わることが珍しくありません。

 この章では志望校選びの重要性と具体的な戦略を紹介します。それを知ることで、合格の可能性は大きく高まるはずです。

大学入試には大きく3つの種類がある

 志望校選びをサポートするためには、親も大学受験に関して最低限の知識をもっておくことが必要です。そこで、まずは大学受験制度の基礎知識について取り上げましょう。

 大学入試を大きく分けると、次のようになります。

① 一般選抜(旧一般入試)

② 学校推薦型選抜(旧推薦入試)

③ 総合型選抜(旧AO入試)

 入学者全体でみると、国公立大学は一般選抜が約80%を占めます。私立大学は概ね一般と学校推薦型がほぼ同じ割合で、総合型は少数になっています。

 文部科学省によると、国公立大学は174大学(国立82大学、公立92大学)、私立大学は596大学、合計770大学あります(2020年度)。大学に進学する人は約61万人ほどですが、国公立への進学はそのうち約13万人で全体の約20%にとどまっています。

一般選抜(旧一般入試):国公立大学の場合

 国公立大学の入試は、1月に実施される大学入学共通テスト(以下、共通テスト)と2月、3月に実施される個別学力検査(2次試験)や小論文・調査書・面接などを合算して、合否が決定されます。

 2次試験は、前期日程・中期日程・後期日程の最大3回の受験が可能です。他の大学への出願、あるいは同じ大学の別の学部への出願もできます。

 ただし、前期日程で合格し、入学手続きをすると、中期、後期は受験をしても合格が認められない仕組みとなっています。そのため、第一志望の大学は前期日程で受験するのが基本になります。

 続いて、2次試験出願までの流れです。

 まず、共通テストの受験後、自己採点を行い志望校を記入し、学校や大手予備校に点数を提出します。数日後、記入した志望校の判定が出ます。それと同時期にインターネットで共通テストの点数を入力し、全国の国公立大学や私立大学の判定、ボーダーラインを確認することもできます。

 国公立大学の出願期間は、共通テスト後の1週間から10日くらいまでです。共通テストの点数によっては、元々考えていた出願校を変更する必要も出てくるため、事前に候補を複数検討しておく必要があります。

 また、中期と後期は、前期と科目や配点が変わることが多くあります。しかも中期は一部の公立大学が実施しているだけで実施数は少なく、倍率が上がりやすい傾向にあります。近年は後期に関しても難関大を中心に実施数が減少傾向にあります。募集人数も平均して前期が8割と圧倒的に多く、後期は2割ほどです。

 また、中期と後期で複数の大学や学部に合格した場合は、それぞれの合格発表後に入学する大学を選ぶことができます。

 それでは2次試験の科目数や配点はどのようになっているのでしょうか。

 まず、国公立大学は共通テスト5教科7科目900点満点が基本です。募集人数でみると約70%が5教科7科目の受験です。

 2次試験は2~3科目が一般的ですが、旧帝大などの難関大は4科目という場合もあります。後期では試験の科目が減ったり、小論文・面接・総合問題が出題されたりすることも多く、2次試験を実施しない大学もあります。

 また、前期でも科目を減らすことが可能な大学や学部もあります。

 2次試験の科目数が少ない大学もあるので、数学や理科といった特定の科目が苦手であることを理由に、国公立大学を諦める必要はありません。

 ちなみに各大学の入試科目・配点は、入試前年の7月に「入学者選抜実施要項」として発表されます。また、入試科目などが大きく変更される場合には、これより早くホームページ等で公表されることが多いため、随時確認する必要があります。

 それから、一般選抜の共通テストと2次試験の配点比率(二次比率)は大学や学部によって異なります(難関大は二次比率が高い傾向にある)。受験を成功させるためには、この配点比率を早めに理解し、志望大学の受験に必要な科目・配点の高い科目に時間をかけることが重要です。

 なお、難関大や医学部など、大学によっては「志願者が募集人員の◯倍を上回った場合、第1段階選抜を実施する」という条件が出されることがあります。その場合、共通テストの点数で行われる第1段階選抜で所定の点数に達していないと2次試験を受けることなく不合格になる場合もあります。ちなみに、2020年は前期で2138人(東京大学605人、大阪大学186人など)、2019年で3660人が第1段階選抜で不合格となっています。

 さらに一般選抜を巡る動向についても触れておきます。

 一般選抜に関しては、今後は「主体性」を評価する入試へ変わっていくことが想定されています。具体的には、筆記試験に加え、調査書や志願者本人が記載する資料(エッセイ、面接、ディベート、集団討論、プレゼンテーション、各種大会や顕彰等の記録)などの積極的な活用に努めることが方針として打ち出されています。

 すでに現在、「調査書」を面接と合わせて評価したり、点数化して合否判定に利用したりするなどの活用方法がみられます。

 また、合否ラインで志願者が同点で並んだ場合や、合否ライン付近の志願者に対してのみ調査書等の得点を加点して合否判定する場合もあります。ただし、点数化する場合、配点全体に占める得点の割合は大きくないことがほとんどです。

 

一般選抜(一般入試):私立大学の場合

 私立大学については、国公立大学の志願者も滑り止めとして受験するのが一般的であるため、ほとんどの人が受験することになります。

  私立大学の一般選抜は、基本は3教科です。文系は英語と国語に、地理・歴史・公民や数学から1科目選択(世界史か日本史を受験するのが一般的)、理系は英語、数学、理科です。出題形式はマークシート方式と記述式があり、大学・学部・学科によって異なります。

 また、私立大学入試では、図表3-9にあげたようにさまざまな受験方式があります。

 私立大学の入試は1月中旬の共通テスト後から国公立大学2次試験までの間の1月末から2月中旬が中心になります。前期、中期、後期と試験回数が最大3回と決まっている国公立大学に対し、私立大学は試験日が異なれば、志望する学部・学科を複数回受験できるため、受験機会を増やすことができます。

 2月中旬~3月にかけて、国公立大学と同じように、中期日程や後期日程を実施する私立大学も多くあります。前期の結果を確認してから出願できるところもあり、再挑戦が可能です。募集人数や倍率はまちまちです。倍率が低くなる場合もあるので、最後まで粘って受験を続けることで合格の可能性が広がります。

 私立受験は複数回受験ができるため、一般的には何回くらい受験するのかと気になる親も多くいます。図表3―12は、平成31年度の国公立・私立大学入学者選抜実施状況です。

 国公立も含めた入学者数約61万人に対して、私立大学は約431万人が受験しているため、平均約7回受験していることになります。大学入試センターの数字では、浪人生は約9万人。浪人生を含めたとしても平均で約6回、私立大学を受験している計算になります。それに対し、合格者数は約125万人なので、平均で2回合格していることになります。

 一般選抜だけでみると国公立・私立合わせた入学者数約32万人で約371万人が私立大学を受験しているので、約11回受験していることになります。浪人生約9万人を足したとしても約9回以上受験していることになります。合格者数は93万人なので、平均3回合格していることになります。

学校推薦型選抜(旧推薦入試)

 学校推薦型選抜は、校長の推薦を受けなければ出願できないというのが、一般選抜との大きな違いです。さまざまなタイプがありますが、大きく「指定校制」と「公募制」の二つに分かれます。

「指定校制」は大学が特定の高校を指定する方式で、現役生の専願に限られています。対象は私立大学が中心となっており、国公立大学に関してはほとんど行われていません。基本的には指定校制を利用して受験すれば、よほどのことがなければ合格できるといわれています。ただし、推薦枠は少なく、希望者が多い場合には校内選考が実施されます。具体的には、成績、課外活動実績、生活態度などをもとに評価・選考が行われます。

一方、「公募制」は、大学側によって定められた出願条件を満たした上で、校長の推薦があれば受験できる方式です。評定平均に基準がある場合が多く、私立大学では他大学との併願が可能なところも多くあります。また、学校推薦型選抜は現役生しか利用できないと考えている人もいますが、公募制であれば既卒者(浪人生)でも認められる場合があります。

 仮に不合格だったとしても一般選抜を受験することが可能です。募集要項を確認した上で、十分な対策がとれるようであれば、公募制の利用により受験機会を増やすことを検討してみるとよいでしょう。

 指定校制も公募制もいずれも出願受付は通常、11月に開始し、12月以降に合否が発表されます。また、指定校制で校内選考が実施される場合には、夏から秋にかけて行われます。できるだけ早めに自分が通っている高校はどの大学の推薦枠があるのかを確認しておくと、受験戦略をスムーズに立てられます。

学校推薦型選抜:国公立大学の場合

 国公立大学の学校推薦型選抜は、募集人数はそこまで多くありませんが、全大学の90%以上が実施しています。出願条件は「学習成績概評A以上」など厳しい基準を設けている大学がある場合や、一つの高校からの推薦人数が制限される場合もあります。別に共通テストが課される場合もあれば、課されない場合もあります。

 また、一部の国公立大学医学部では、地方の医師不足緩和のため、卒業後に一定期間地元の医療に従事することなどを条件とした地方枠推薦選抜を行っています。さらに、医学部に限らず公立大学では、県内・市内の高校を対象とした推薦選抜を行う場合もあります。

 文部科学省によって、調査書等の出願書類だけでなく、①各大学が実施する評価方法(小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績等)もしくは、②「大学入学共通テスト」の少なくともいずれか一つによる評価を必須とすることが求められています。

 このように調査書などの書類を提出するだけでなく、教科試験への対応などさまざまな対策も必要になってくるため、一般選抜のことも考慮しながら早めに募集要項を確認して戦略を立てる必要があります。

学校推薦型選抜:私立大学の場合

 私立大学の学校推薦型選抜は、入学者比率が40%以上を占めています。出願条件は国公立大学ほど厳しくなく、成績基準を設けない大学もあります。

 選抜方法は、調査書や書類などの他に、小論文や面接、基礎学力試験や適性検査などの学科試験等々をさまざまに組み合わせて行われます。併願が認められている場合には、公募推薦を複数受験することも可能です。

 なお、公募制の一種として公募制特別推薦選抜もあります。

 これは、英検などの英語外部資格試験の結果を重視する選抜方法や、スポーツや文化活動で優秀な成績を収めたこと、委員会やボランティア、地域活動などに取り組んだことなどが合否の判定において重視されるタイプです。

 商業科や工業科などの専門学校や総合学科高校出身者を対象に定員枠を設けている場合や、成績基準がない場合などもあります。

総合型選抜(旧AO入試)

 最後に総合型選抜の概要を確認しておきましょう。

 総合型選抜は大学・学部が求める学生像(アドミッション・ポリシー)にマッチした受験生を採用する方式です。全体の受験者数からすると利用者は少数ですが、年々増加傾向にあり、国公立大学全体の50%以上、私立大学全体の80%以上で実施されています。

総合型選抜では校長の推薦は基本的に不要で、専願がほとんどです。出願者を現役に限っている大学もありますが、既卒者(浪人生)も出願できる大学が少なくありません。

 出願条件は学校推薦型選抜よりも緩やかな場合が多く、選抜方法は書類選考と小論文、面接などが中心で、学力試験を課す大学と課さない大学があります。

 出願時に受験生自身が作成して提出する書類が多いことも特徴の一つといえます。

 国公立大学の総合型選抜では、出願9~10月、合格発表11~12月上旬といった入試日程が一般的です。共通テストを受験後1月に出願し2〜3月に合格発表というパターンや、9月に出願し、共通テスト受験後、2月に合格発表になるパターンもあります。

 私立大学の場合は、夏前からエントリーが始まる大学もあれば、2月まで実施される大学もあり、選抜が長期化することもあります。

各試験制度の利用時のポイント

 一般選抜、指定校制、公募制、総合型選抜のポイントについてまとめておきましょう。

 一般選抜は、大学によって科目と配点が大きく異なります。

 得意な科目の配点が高く、苦手な科目が不要かもしくは配点が低い受験方式で受験する場合と、逆に苦手な科目の配点が高い方式の場合とでは、合格する可能性は大きく変わってきます。

 配点や方式を理解し、得意な形で受験ができるように大学・学部を選択するか、志望校の科目・配点に合わせて勉強時間を分配するかを早い段階から検討していく必要があります。

 また、指定校制を利用するのであれば、まずは子どもが通っている高校ではどの大学・学部に出願できるかを確認し、1年生から調査書の数字を上げることに努めましょう。

 一方、公募制の場合には、選考基準を早い段階から確認し、書類の準備を始め、小論文や科目試験の対策をすることが必要です(公募制であれば一般選抜の併願として検討することも可能)。

 総合型選抜は、3年生の5、6月から動き出すことが必要です。国公立大学では一般選抜よりも試験科目が少ない場合があります。

 一般選抜では苦手科目や勉強時間の関係で志望大学に受かることが難しくても、学校推薦型と総合型選抜を使うことで合格が可能になることもあります(その場合、1、2年生のうちに英検などの外部検定で加点を狙っていくことも戦略として必要)。

 このように、さまざまな受験方式を視野に入れながら複数の大学を比較検討しつつ、最善のルートを選択していくことが受験成功への近道になります。

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