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漢文の入試別対策「共通テスト対策」−漢文勉強法③


①共通テスト漢文の特徴

大学入試センターから発表された共通テスト国語の問題作成方針には

「言語を手掛かりとしながら、文章から得られた情報を多面的・多角的な視点から解釈したり、目的や場面等に応じて文章を書いたりする力などを求める」

とあります。漢文もその一環であり、確かな知識に基づいて文章の意味するところを的確に読み取る能力が求められていると言えます。そして大学入学共通テスト問題評価・分析委員会報告書では、

「漢文の句形や語法の理解を直接的に測る形式の問いが比較的多く設けられて

いた。句形や語法の知識が重要であることは言うまでもないが,こうした知識をもとに,

読み取ったことを生かして本文の理解を深めていく学習過程を意図した設問の可能性に

ついて,今後検討していただきたい。」

と令和三年度共通テスト古文を評価しており、前提となる知識事項を重視したうえで文章、文脈を正確に読み取ること、さらにその内容について思考力を働かせることができるかということが共通漢文で求められている要素だといえるでしょう。

とはいえ令和四年度の問題も知識事項のウェイトは重いままであり、基本的な知識をきちんと身に着けているかどうかが得点を一番に左右する要素となっています。そのうえで文章の内容を正しく読み取り、さらに思考力を発揮して筆者の心情や背景にまで論理的思考力を働かせていくことが大切です。

漢文という科目の詳しい特徴や説明はこちら

 

②センター試験との違い

センター試験は令和3年度から共通テストに移行し、思考力重視という方針の下、目立った傾向変化がみられる科目もありましたが、漢文においてはセンター試験からの変化は比較的小さいものでした。

(※2021年度、2022年度の問題構成は以下③設問の構成・対策を参照)

共通テスト漢文は今のところ文章の出題形式に特徴があり、漢文とその文章に関連する漢詩が合わせて出題されています。それぞれの内容を的確に読み取ったうえで、それらの関連や比較を行う必要がある問題が出題されるようになりました。これはセンター試験時代より一歩内容に踏み込んだ設問であり、より深い論理的思考力が問われるようになっています。

しかし依然として問題の半分以上が文法、用語などの基礎知識を問う問題であることからも、基本知識をきちんと身に着けているかどうかということが最初で最大の関門です。次に、それらの知識を使って文章が正しく読み取れているか問う問題まででほとんどであり、対策としてはセンター試験から変わらず句形中心に文法事項を確実に抑えていくこと、演習を通じてその知識を実際の文章を読んでいくために用いることのできるレベルまで昇華することが大切だといえるでしょう。

 

③設問の構成・対策

令和三年度・四年度ともに漢文と関連する漢詩が一つずつ載せられました。センター試験古文では和歌と歌論が同時に出題された年がありましたが、今後はこのようにいくつかの資料を参考に読み解いていく問題が増えていくと思われます。全体的な文量は注釈含めても見開き一ページほどに収まります。白文にして200字前後です。

 2021年 2022年 
漢字語彙(漢字の意味)4点×2問漢字語彙(漢字の意味)4点×3問
傍線部解釈5点×3問漢文法(返り点・書き下し)7点
空欄補充6点傍線部解釈7点
漢文法(返り点・書き下し)6点漢文法(漢詩)5点
傍線部解釈6点漢文法(読み)5点
内容問題9点内容問題6点
× 内容問題8点

 

漢字語彙問題

漢字の意味について五択から選択する問題。難易度は特別高い訳ではなく、漢文において比較的問われやすい、いわゆる頻出漢字が出題されました。演習をある程度行っていれば一度は目にする漢字、意味なので、ここは得点しておきたい問題です。

 

過去二年で出題されたのは

 

 ★「徒」・・・たダ :「ただ~だけだ」

 ★「固」・・・もとヨリ :「もともと、もとから・言うまでもなく、勿論」

 ★「復」・・・まタ :「ふたたび」

 ★「審」・・・つまびラカニ :「くわしく」

 ★「得」・・・う :「手にする・把握する・…」

 

の二文字。多くは一般的な漢字の用い方では想像もできない意味ですが、参考書や模試で漢文に触れる中で一度は目にすることがある漢文語彙です。また、漢文を受験で用いるならどちらかは触れるであろう『漢文早覚え速答法』や『ハンドブック 古文・漢文の要点整理』にも重要単語として登録されています。語彙問題は基礎学習の際にしっかりと暗記し、演習の都度確認していけばしっかりと得点出来る難易度ということです。

また令和四年度の「得」は、「得」の意味は様々ですが、文脈からここでの使われ方を問う問題が出されました。文章の流れも確認して正しい選択肢を選ぶ必要があります。

配点も4点と現代文の漢字の二倍あります。必ず得点出来るようにしましょう。

 

漢文法、漢文解釈問題

漢字一、二文字が指定され本文中におけるその部分の解釈を問う問題。句形の一部からの出題が中心的ですが、単なる本文中の一節からも出題されました。漢文句形、句法の基礎知識は勿論、漢文読解の力も問われる問題です。ここも比較的得点しやすく、落とすと差がついてしまう問題となります。

 

今回出題されたのは

 

★「何」・・・ナンぞ:「何ぞ~~乎」で疑問、反語、詠嘆を表す。三つの意味の見分け方は後ろに続く形もあるが、文脈で判断するしかない場面もある。

★「周」・・・アマネく:現代でも使われるように「あらゆるところで」の意。「周知」などの熟語を思い浮かべることができれば解答はしやすい。

★「至哉」・・・「哉」は詠嘆「~かな」で最も重要な漢字の一つだが、疑問・反語「~や・か」にも用いられるため判別は必要。ここでは文脈を踏まえての判断が求められた。

 

基本的な漢文語彙に関してはきちんと押さえておく必要がありますが、それ以外の語彙に関しては熟語を使って連想するやり方が一番メジャーです。慣れていく必要がありますが、演習を重ねて得点できるよう演習を積みましょう。

 

読みを問う問題

句法について正しく理解出来ているかを問う問題でした。特に「何」は様々な句法で用いられており、読み方もそれぞれ変わるため特に注意が必要な漢字の一つです。句法は意味だけでなく読みや語順にも気を付けて学習するようにしましょう。

 

★「奈~何」・・・ヲいかんセン:をどうしたらよいか(疑問)

               :をどうしたらよいだろうか、いやどうしようもない(反語)

 

本文穴埋め問題

漢文の内容から漢詩中の空欄一文字に当てはまる漢字を選択する問題で、二年連続で出題されています。漢詩における押韻はセンター試験からも頻出していた漢文における重要知識の一つです。漢詩の基礎知識はその形式から規則まできちんと押さえておくべきでしょう。文脈からの判断も併せて求められ、漢文読解の力も問われます。

 

書き下し文問題

漢詩中の白文に対して正しく返り点をつけ書き下している文を選択する問題です。漢文における典型的な出題パターンの一つではありますが難易度は低くなく、演習を重ねて解きなれていく必要があります。第一に句法に注目する必要がありますが、それに加えて文脈判断が必要となる問題です。

 

過去二年で出題されたのは

★唯・・・タだ~のみ:限定を表す。累加

★欲・・・~(せ)んと欲す:願望形「~しようとする」「~したいと思う」。下の動詞から返読するところがポイント。

★敵・・・①かなフ②ゆク:以上二つが選択肢の候補としてありますが、どちらともとることができるため文脈判断となります。文章全体を把握しておくことが大切です。

★有~者・・・者~有り

 

傍線部解釈問題

本文中の指定部分の解釈として正しいものを選ぶ問題。こちらも典型的な出題パターンの一つです。句法や基本的な漢文知識をもとに現代語訳を行う問題ですが、令和三年度では漢詩における重要知識である対句という形式も問われており漢文における総合的な力が問われます。

 

解釈問題

漢文と漢詩を通して本文中で触れられた語句の意味や筆者の心情などを答えさせる全体的な内容説明問題。両方の文を正しく読解し、差異はどこなのか理解しなければならない問題です。問題文で触れられていない要素がかかれている選択肢をきちんと消去していけばおのずと答えにたどり着く問題ですが、難易度は低くはありません。文章を正しく読み取る必要がある総合的な問題ですので、演習を積むことで漢文を読みなれておく必要があります。

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