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知識の押さえ方(3訂版)【無機】の使い方・レベル・勉強法など特徴を徹底解説!

参考書名
照井式問題集 無機化学 知識の押さえ方(3訂版)
出版社
学研プラス
発売日
2017/4/4
ページ数
214
科目
化学
タイプ
理解本
レベル
基礎ランク
目安時間
27 h

こんにちは、アクシブアカデミーです。プロ講師と、東大・早慶をはじめとする難関大生によるアクシブアカデミーの分析チーム「Axiv Lab」による参考書分析です。今回は「照井式問題集 無機化学 知識の押さえ方」を解説しています。大学受験用の参考書は、たくさんあって現状の自分の学力や志望校にどれがあっているのか選ぶのが難しいですよね。そんな方へ向けて「照井式問題集 無機化学 知識の押さえ方」を参考書のレベル、特徴、使い方、勉強法、を解説していきます!

照井式問題集 無機化学 知識の押さえ方の基本情報

参考書レベル・難易度

基礎ランク

教科書をわかりやすくした説明とそれに対応する問題を掲載した、理解本と問題集の複合形態をとっています。本書を習得すれば、日東駒専・産近甲龍・共通テストレベルの化学力がつきます。化学を始める上でのスタートダッシュ的な位置付けの問題集です。とはいえ、教科書に載っているより情報量が少ないですから、本書のみを用いて化学をゼロから学ぶのは不向きであるといえます。ゼロから化学を学びたい人は「宇宙一わかりやすい高校化学」などの理解本を使っていきましょう。
ちなみに、本書は化学の内容なので、共通テスト対策をしたい文系生にとっては本書はオーバーワークとなります。「リードLight化学基礎」など、化学基礎に特化した参考書や問題集を選びましょう。

習得までに必要な目安時間

27時間

理論編、有機編と合わせると85.5時間となります。一日に2時間ほど進めていくとして二週間程度で終わる分量となっています。授業に合わせて問題集を進めていくでも良いですし、期末テストの直前に取り掛かるでも良いでしょう。化学の基礎の部分ですから、本書を解いただけで二次試験も解けるようになる、という類のものではありません。本書の後には「エクセル」や「化学の良問」といったより難しい問題集に取り組む必要があります。MARCHなどの難関大を志望する生徒であれば高二までに、日東駒専レベルを志望していたとしても夏休み前には終わらせておきたい問題集です。

照井式問題集 無機化学 知識の押さえ方の概要

無機化学を1.典型元素 2.遷移・金属元素 などの5のPartにわけ、それをさらにいくつかのテーマに分割して説明しています。テーマは全部で24です。

それぞれのテーマでは、会話形式の導入部分、そのテーマの基本的な知識、例題、標準演習と応用演習の順番に掲載されています。導入部分においては、問題を解くための考えやつまずきポイントを説明し、その次の「CHECK」というコーナーで、化学知識及び基本的な解法を説明しています。

生徒が化学を学習する上で苦手となりやすいポイントをピックし、詳しく解説するという親切設計になっていますが、教科書に比べて知識のもれも多いので、ゼロから化学を学ぶのには不向きな問題集であると言えます。

照井式問題集 無機化学 知識の押さえ方はこんな生徒におすすめ

  • 日東駒専レベルの大学を志望する生徒
  • 学校の授業の復習をしたい生徒

照井式は教科書をさらに噛み砕いた説明が載っています。教科書や授業で学んだ後にいまいちわからなかった部分の理解を補う、という使い方に向いている問題集です。全くゼロの状態から学ぶのに使う、というよりは、ある程度化学を学んだ上で、より基礎を定着させ、オーソドックスな解法をインプットするのに向いているでしょう。導入の文章にしても、「一度はそのテーマにまつわる問題を解いたことがあり、どの部分がどのように苦手だ、と分かっている」生徒を対象にして書かれています。理論化学を一通り学んだ生徒が問題集に移っていくための橋渡し的な立ち位置と言えます。

照井式問題集 無機化学 知識の押さえ方の特徴

体系的な暗記

本書のコンセプトは「無機化学の問題ごとの関連性を掴む」というものです。例題の解説は用意されていますが、例題の答えを説明するというよりは、例題に関わりのある分野全般を解説する、という形になっています(どこに答えが書いてあるのかぱっと見ではわかりにくいので、丸つけは少々面倒です)。解説を全部じっくりと読んで、例題にまつわる知識を入れていくという勉強法をとることになります。

知識をまとめた小冊子

無機化学は覚えねばならない反応もたくさんあります。別冊では、無機でよく取り扱われる化学反応がまとめられていて、それにまつわる簡単な説明もついています。日々の暗記にも使えますし、テスト直前の確認にももってこいです。

照井式問題集 無機化学 知識の押さえ方の使い方と注意点

化学は、暗記、思考力の二つが求められる上に、計算の確かさも必要です。解法を思いついただけで終わるのではなく、正しく計算する必要があります。ですから、解き方を思いついたとしてもきっちり最後まで数値を出し切るようにしてください。

化学は大きく「理論」「無機」「有機」の三つに分けられ、無機と有機は理論を土台として成り立っています。本書は「無機」を扱う問題集です。三つの分野の中でも、無機は暗記がとても多いです。本書は、無味乾燥に知識を詰め込むのではなく、知識同士を繋ぎ合わせてくれたり、豆知識的な部分も書いてくれたりと、楽しみながら暗記できるように工夫してくれています。

ただし、本書はなまじっか会話形式になっていて単純に文字数が多いので、ダラダラと読んでいてはなかなか頭に入ってきいません。自分で重要だと思った部分には鉛筆で線をひきながら読むようにしましょう。アンダーラインを引くように意識しながら文章を頭に入れることで主体的に情報を取り込むことができます。

本書の導入部分はあっさりと目を通し、基礎知識の確認部分は読み込んで知識に漏れがないか確認しましょう。その後で例題をまずはヒントなしで解いて、その後に解説を読み、思考プロセスが自分のものとあっているのかどうか確認します。問題を解く際に自分が見落としていた部分があれば、説明のところに戻ってもう一度頭に入れます。本書は暗記が多い問題集となっています。一度で覚えようとは思わず、何度も繰り返し学習することで知識を定着させましょう。

本書は問題が厳選されていて、問題を解きながら知識を定着させる、というコンセプトです。二次試験に対応するためには本書を解くだけではなくある程度の量以上の演習を解く必要がありますから、本書の後には『化学頻出!スタンダード問題230選』『化学 重要問題集 化学基礎 化学(A問題)』など難易度を上げた問題集に取り組みましょう

照井式問題集 無機化学 知識の押さえ方の詳細な進め方

  • 典型・金属元素 問題11題 4.0h
S011.5h
問題1(Ⅰ,Ⅱ),問題2(Ⅰ,Ⅱ)
S021.0h
問題3(Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ)
S031.5h
問題4(Ⅰ,Ⅱ),問題5,問題6
→チェックテストNo.6-1
  • 遷移・金属元素 問題8題 2.5h
S041.0h
問題7(Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ)
S051.5h
問題8(Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ),問題9(Ⅰ,Ⅱ)
→チェックテストNo.7-1
  • 非金属元素 問題26題 9.0h
S061.5h
問題10(Ⅰ,Ⅱ),問題11(Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ)
S072.0h
問題12(Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ),問題13(Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ)
→チェックテストNo.8-1
S082.5h
問題14(Ⅰ,Ⅱ),問題15(Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ),問題16(Ⅰ,Ⅱ)
S091.5h
問題17(Ⅰ,Ⅱ),問題18(Ⅰ,Ⅱ)
S101.5h
問題19(Ⅰ,Ⅱ)問題20(Ⅰ,Ⅱ)
→チェックテストNo.9-1
  • 総集編 問題2題 1.0h
S111.0h問題21,22
  • 生活と無機物質 問題2題 1.5h
S121.5h
問題23(Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ)問題24
→チェックテストNo.10-1
  • 復習 9.0h
S131.0h
S01-03の復習→チェックテストNo.6-2
S141.0h
S04-05の復習→チェックテストNo.7-2
S151.0h
S06-07の復習→チェックテストNo.8-2
S161.0h
S08-10の復習→チェックテストNo.9-2
S171.0h
S11-12の復習→チェックテストNo.10-2
S183.0h別冊100題暗記
S191.0h
PartテストNo.2-1を解く
→合格なら間違えた箇所を確認して次の講へ進む

→不合格ならS13に戻る(時間は同じ)
→PartテストNo.2-2
  • MARCH関関同立以上めざすならやる 2.5h
S202.5h
チャレンジ問題1,2,3,8,10,13,20
  • 修了後に復習する場合
R0112.5h
問題集の△☓?が2つある箇所(無機)

 

照井式問題集 無機化学 知識の押さえ方の具体的な勉強法

解法20分→問題20分→解法暗記20分→間違えた問題復習20分

  1. 理論化学:『解法』2,3『問題』7ページ、無機:『解法』2,3,6,7『問題』7ページ、有機:『解法』2,3,6,7『問題』7ページを読み(それぞれ冊ごとに確認)、参考書の構成を理解
  2. 『解法』を理解しながら読む→「解法カード」で確認
  3. 『問題』の「知識」をみてから「例題」を解く。「例題」以外を隠して問題をノートに解く。
    理論化学:応用問題は単元の最後にやるので飛ばす。
    無機:チャレンジ問題は単元の最後にやるので飛ばす。

    答え合わせをして、アクシブチェック。【無印】△×?をつける。
    <アクシブチェック>問題を解いた時のチェック記号
     【無印】:初見で解けた
     △:方向性はあってたけどケアレスミスなどで間違えた
     × :解けなかったが指針・解説・映像授業を見ると理解できた
     ?:解説や映像授業を見ても理解できなかった
  4. △×の場合はもう一度、解答などを隠して問題をノートに解く。(?の場合は戦略面談または個別指導で質問し、理解する)ここではアクシブチェックは不要。何も見ずに自力で正解できるまでやりこむこと。この一手間で化学の力は上昇しやすい。
    有機:知識をまとめた別冊があるので、それも良く理解すること。
  5. もう一度『解法』を読んで暗記する。
  6. 『問題』を「【無印】は解かずに復習、△×?は解いて復習」
  7. チェックテストで間違った問題はもう一度確認して、もう一度解く。
  8. S◯の復習はそれまでの復習。「【無印】は解かずに復習、△×?は解いて復習」で復習を実施し、チェックテストNo.◯-2を実施。アクシブチェックの記号をもう一つつける。
  9. Partテストや修了テストで80%正解で合格!
  10. 合格できない場合は間違った問題に該当する箇所を復習「【無印】は解かずに復習、△×?は全部解く」
  11. 模試などで公式が抜けているなと感じたらR01を実施

 

照井式問題集 無機化学 知識の押さえ方の分析者コメント

導入部分や例題の解説部分の会話形式の説明は正直なところまだるっこしいと感じる人もいるかもしれない。私もまだるっこしいと感じた。相性がわかれる問題集だと思うので買う前に見定めておくと良いと思う。演習問題の解説はとても丁寧でわかりやすい。(東京大学理学部)

 

化学の無機分野は暗記すべきことが多く、非常に厄介です。細かく分野わけされていることを活かして確実に苦手をつぶしていける参考書になっているので、自身の学習に活かしていきましょう。照井式シリーズの文章が肌に合えばきっと役立つはずです。 (東北大学工学部)

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