- 参考書名
- フラッシュ!速攻英文法1
- 略称
- フラッシュ!速攻英文法1
- 出版社
- オー・メソッド出版
- 発売日
- 2004/5/1
- ページ数
- 236
- 科目
- 英語
- タイプ
- 文法・語法
- レベル
- 標準-最難関ランク
- 目安時間
- 1・2計 48時間
こんにちは、アクシブアカデミーです。プロ講師と、東大・早慶をはじめとする難関大生によるアクシブアカデミーの分析チーム「Axiv Lab」による参考書分析です。今回は「フラッシュ!速攻英文法1 」を解説しています。大学受験用の参考書は、たくさんあって現状の自分の学力や志望校にどれがあっているのか選ぶのが難しいですよね。そんな方へ向けて「フラッシュ! 速攻英文法 1・2」を参考書のレベル、特徴、使い方、勉強法、を解説していきます!
目次
フラッシュグラマーの基本情報
参考書レベル・難易度
標準-最難関ランク
どのレベルの大学を目指す人でも使えるシリーズですが、問題を解くことがメインとなっているので、文法の基本的な学習をひと通り終わらせたうえで取り組む参考書です。文法事項がよくまとめられていますが、内容はかなり詳しく、本書一冊を細かいところまでマスターしたら最難関ランクの大学にも対応できるほどの知識がつきます。問題自体のレベルが高いというよりも、別冊に掲載されている文法知識が豊富であるために高いレベルの大学にも対応しているというようなレベル感です。そのため、英文法の重要知識の演習としても使うことができます。
ただし先ほども述べたように、本書一冊を細かいところまでマスターしたら、かなりのレベルに対応できるものなので、難関ランク以上の大学を志望する生徒は別冊でまとめられた細かな文法事項も覚えるようにしましょう(詳しくは後述)。
フラッシュグラマーの習得までに必要な目安時間
1・2計 48時間
文法の問題集の中では少ない時間数で周回することができます。さらにこの時間数は2周している想定の時間数なので、少ない時間数でひと通り文法事項について確認したい人にはかなりおすすめです。ただし、難関ランク以上の大学を志望する人は、別冊のTipsも含めてなるべく細かい部分まで暗記する必要があるので、+20時間弱を見込んでおきましょう。逆に、本シリーズに取り組む前に英文法を殆どマスターしているという人は、全問完璧にするまでそう時間はかからないかもしれません。どちらにしても、この時間数分の学習が終わった後も定期的に復習する時間を取るようにしてください。
フラッシュグラマーの概要
2冊で英文法の全ての単元を網羅した、フラッシュカードの問題集です。
よくある英文法問題集の弱点は、レイアウトで覚えてしまったり、章のタイトル(仮定法、不定詞など)からヒントを得て解いてしまい、本当に自力で解けたのか怪しくなってしまったりする点でした。これらを解決してくれるのがこのシリーズです。一問ずつ切り離せるフラッシュカードになっているので、問題の順番をシャッフルしながら反復して演習することが可能になります。
フラッシュカードは表が四択問題、裏が解答解説になっており、さらに細かい知識をまとめた別冊も付属しているため、英文法の総ざらいには最適です。ただし、問題数がとても多いというわけではないので、文法の単独問題が出題されるレベルの高い大学を目指す人は、余裕がある場合問題数のやや多い問題集か、過去問で演習するような形になります。どちらにしても、知識がまとまっている本書のtipsは有効活用しましょう。
フラッシュグラマーはこんな生徒におすすめ
- 英文法をひと通り理解した生徒
- 頻出の英文法問題をカード式で演習したい生徒
本書は基本的に復習向けの参考書です。英文法の勉強をひと通り終えて、繰り返し問題演習をしたいという人におすすめです。後述する勉強法では単元ごとに学習していますが、単元横断的に全問シャッフルすることができるので、単元にとらわれない総括的な復習をすることもできます。しかし、一度シャッフルしてしまうと単元ごとに戻すのがやや大変なので、単元ごとに学習したい場合はLessonごとに異なるカードの色を手がかりに分類し直すようにしましょう。電車の中や学校の休み時間など、空いている時間にパッと復習できるので、英文法問題集をついついサボってしまう生徒にもぜひ手にとってほしい一冊です。
また、別冊『Flash! Grammar Tips』には難関大学で問われるような文法事項が掲載されているので、より高いレベルを目指す人はこちらまでしっかり目を通して覚えるようにしてください。
フラッシュグラマーの特徴
全ての問題がフラッシュカードに
全問フラッシュカードになっており、切り離して使うことができます。対応する解説の番号も書かれているため、詳しく復習したいときは別冊を確認できるようになっており非常に便利です。また、単元ごとにまとめて解くだけでなく、復習したい範囲の単元をシャッフルして解くこともでき、復習したい範囲だけ持ち運ぶなど工夫次第で様々な復習方法ができます。
各問題の裏面に詳細な解説も
裏面の解答解説も充実しています。周辺知識まで詳しく確認したい場合は別冊を参照しますが、スキマ時間での学習なら裏面を見るだけでも十分確認になります。熟読し、正解できた問題は「なぜ正解できたのか」、間違えた問題は「なぜ間違えてしまったのか」、自分で解説できるまでやり込むのが望ましいです。
『Flash! Grammar Tips』で発展的な学習
本シリーズには、別冊で『Flash! Grammar Tips』という冊子が付属しています。難関大学の入試やTOEIC・TOEFLで問われるような「鋭い問題」にも対応できる発展的な内容をまとめたものになっており、ハイレベルな大学を志望する人には是非覚えておいてほしい文法事項が詰まっています。まずは基礎レベルを身につけたい人も、軽く目を通しておくと理解が深まります。
フラッシュグラマーの使い方と注意点
1周目はまず切り離さないで単元ごとにどのくらい解けるかをチェックします。本書の問題は全て4択形式がとられています。「なぜこの選択肢を選ぶのか」という理由をよく考えながら解くように意識してみましょう。解き終わったら必ず別冊のtipsまで確認して、間違えやすい事項や覚えていなかった内容にマーカーを引く、付箋を貼っておくなどしてチェックしておくのがおすすめです。その日の学習の最後に切り離してシャッフルした状態でセルフテストをするのも忘れないようにしましょう。
セルフテストをする際、正解した問題と解けなかった問題のカードは分けておき、後で解けなかったものだけを繰り返し復習できるようにしておきましょう。理由が曖昧だったけど正解はした、というような問題については「解けなかった問題」として復習の対象にしてください。また、解けたものであっても正解したからと放置するのではなく、解説やTipsを読み込んで周辺知識も確認し、その選択肢が正解である理由を自力で完璧に解説できるようにするのが望ましいです。よりハイレベルな大学を志望している人は、別冊のTipsも含めてどこまで細かい部分まで覚えられるかが鍵となります。
英文法を全体的におさらいしたい場合はこのようにシャッフルして解く方法もおすすめです。一度シャッフルしてしまうと単元ごとにまとめ直すのがやや面倒ですが、色や番号を頼りに元に戻せるとまた単元ごとに使えます。また、自分が間違えた問題だけを集めてスキマ時間に繰り返し解き、苦手分野を重点的に復習する作業も定期的に行うようにしてください。間違えやすいカードに印をつけるなどして、少しずつ苦手なカードを減らしていきましょう。
フラッシュグラマーの詳細な進め方
※目安時間:1.5h/Lesson
1周目 Flash! Grammar1 1Lessonペース 14.5h
S01 | 1.5h | Lesson1 Verb①[動詞](30題) |
S02 | 1.5h | Lesson2 Verb②[動詞](30題) |
S03 | 1.5h | Lesson3 Tense[時制](30題) |
S04 | 1.5h | Lesson4 Auxiliary Verb[助動詞](30題) |
S05 | 1.5h | Lesson5 Voice[態](30題) |
S06 | 1.5h | Lesson6 Verbal①[準動詞](30題) |
S07 | 1.5h | Lesson7 Verbal②[準動詞](30題) |
S08 | 1.5h | Lesson8 Subjunctive Mood[仮定法](30題) |
S09 | 2.5h | Part復習 Lesson1-8 |
2周目 Flash! Grammar1 2Lessonペース 7.5h
S10 | 1.5h | Lesson1 Verb①[動詞](30題)Lesson2 Verb②[動詞](30題) |
S11 | 1.5h | Lesson3 Tense[時制](30題)Lesson4 Auxiliary Verb[助動詞](30題) |
S12 | 1.5h | Lesson5 Voice[態](30題)Lesson6 Verbal①[準動詞](30題) |
S13 | 1.5h | Lesson7 Verbal②[準動詞](30題)Lesson8 Subjunctive Mood[仮定法](30題) |
S14 | 1.5h | Part復習 Lesson1-8→PartテストNo.1-1を解く |
1周目 Flash! Grammar2 1Lessonペース 14.5h
S15 | 1.5h | Lesson9 Relatives①[関係詞](30題) |
S16 | 1.5h | Lesson10 Relatives②[関係詞](30題) |
S17 | 1.5h | Lesson11 Comparison[比較](30題) |
S18 | 1.5h | Lesson12 Conjunction[接続詞](30題) |
S19 | 1.5h | Lesson13 Article & Noun[冠詞・名詞](30題) |
S20 | 1.5h | Lesson14 Pronoun, Adjective, Adverb①[代名詞・形容詞・副詞](30題) |
S21 | 1.5h | Lesson15 Pronoun, Adjective, Adverb②[代名詞・形容詞・副詞](25題) |
S22 | 1.5h | Lesson16 Miscellaneous Grammar Topics[語順・倒置・否定・省略・代用](30題) |
S23 | 2.5h | Part復習 Lesson9-16 |
2周目 Flash! Grammar2 2Lessonペース 7.5h
S24 1.5h | Lesson9 Relatives①[関係詞](30題) |
Lesson10 Relatives②[関係詞](30題) | |
S25 1.5h | Lesson11 Comparison[比較](30題) |
Lesson12 Conjunction[接続詞](30題) | |
S26 1.5h | Lesson13 Article & Noun[冠詞・名詞](30題) |
Lesson14 Pronoun, Adjective, Adverb①[代名詞・形容詞・副詞](30題) | |
S27 1.5h | Lesson15 Pronoun, Adjective, Adverb②[代名詞・形容詞・副詞](25題) |
Lesson16 Miscellaneous Grammar Topics[語順・倒置・否定・省略・代用](30題) | |
S28 1.5h | Part復習 Lesson9-16→PartテストNo.2-1を解く |
全体復習 4h
S29 | 2.0h | Flash!Grammar1、2の弱点パックをランダム復習(前半) |
S30 | 2.0h | Flash!Grammar1、2の弱点パックをランダム復習(後半) |
→ 修了テストNo.1 | ||
→合格なら次の参考書へ進む または復習する | ||
→不合格(90点未満)なら S27 に戻る(時間は同じ)→ 修了テストNo.2 |
3周目以降
7.0h Flash! Grammar1、2をランダムで解く→間違えたものを複数周回する+Tips確認
難関大ランク以上を目指す場合
tipsを読み・暗記していく
フラッシュグラマーの具体的な勉強法
この参考書で重視してほしいこと
- 選択肢のリーズニングができるか
- Tipsを理解できるか(難関ランク以上を目指すなら細かい箇所まで暗記できるか)
S01-08,S15-22 1周目 L1ペース 単元別
①カードを切り離さず、ノートやルーズリーフに1題ずつ解く。(目安時間:25分以内[45秒/問×30])
※解答時間はやや短いが焦らずに、各単語の文法的な用法やイディオムなど、解答の根拠を自分の中で明確にしてから次の問題へ進む。
②該当範囲を解き終わったら、解説をよく読み答え合わせをする。
※同じTipsから出題される問題も多くあるため、関連づける作業もできるとよい。
※間違えた問題は理解度別マーク法に沿って記号を記入し、解説や文構造を確認する。
★復習のやり方を変えて効率アップ-理解度別マーク法
問題を解いた時のチェック記号
◯:解説の通り正解できた
△(アウトプット不足):理解してるけど間違えた
✕ (インプット不足):知識がない、暗記できてなくて間違えた
?:解説みても理解できない → 先生に質問!
③解説を読んでもあまり理解できない場合(周辺知識も含めて)は、別冊の『フラッシュ英文法 Tips』で確認する。
④弱点パックを作成
カードを切り離し、◯と、それ以外(△✕?)に分けて袋に入れる。
※弱点パックは単元ごとに作成する。
⑤弱点パック(△✕?の袋)をシャッフルして、もう1周解く。
※翌日に弱点パックを持ち運び、スキマ時間にヘビロテする。
S09,23 Part復習 単元別弱点ランダム
①該当パートすべての弱点パック(△✕?の袋)をもう一度解く。(目安時間:120分[問題30秒/問])
※目安時間は半数△✕?(120問)と想定して計算。
※解説を読む際もだらだらと読んだり適当に飛ばしたりせずに、ポイントを絞って確認する。
②理由を説明できないような問題は、必ずTipsを確認する。(目安時間:30分)
S10-13,S24-27 2周目 L2ペース 単元別ランダム
◯の袋と、弱点パック(△✕?)を混ぜる。→単元毎にカードがランダムになっている状態
①Lesson2つ分を1問ずつ30秒/問で解き、解答も30秒目安で確認していく。(60問×1分=60分)
※間違えた問題は理解度別マーク法に沿って記号を記入し、解説や文構造を確認する(1周目と2周目のペンの色を変えておくとよい)。
※単元ごとに◯と、弱点パック(△✕?)に分けて袋に入れる。
②曖昧な知識はTipsを確認する。
※何回も間違えている問題や項目があれば、総合英語の教材で周辺知識も含めて詳しく確認する。参照した項目には付箋やマーカーで印をつけておく。
③弱点パック(△✕?の袋)をもう1周解く。
※翌日に弱点パックを持ち運び、スキマ時間にヘビロテする。
S14,28 Part復習 単元別弱点ランダム
※手順は1周目(S07,21)と同様のため、目安時間を参照してください。
①該当パートすべての弱点パック(△✕?の袋)をもう一度解く。(目安時間:60分[問題30秒/問])
※目安時間は1/4が△✕?(60問)と想定して計算。
※解説を読む際もだらだらと読んだり適当に飛ばしたりせずに、ポイントを絞って確認する。
②理由を説明できないような問題は、必ずTipsを確認する。(目安時間:30分)
Partテストの手順
★コース生のみ
①Partテストを解き、丸つけをする。
②9割以上取れた場合、間違えた箇所や曖昧な箇所の復習をして次のステップに進む。9割未満の場合、間違えた箇所が多い章を確認して、Partテストのパターン2を解く。
全体復習 弱点ランダム
①フラッシュ英文法1、2の弱点パック(△✕?の袋)をすべて混ぜ、ランダムにして30問1セットで1問ずつ解く。(3分の1が△✕?と想定して80問。問題20秒/問、解説20秒/問。目安時間:60分)
②間違えたものを複数周回する
③曖昧な知識はTipsを確認する。
3周目以降 全体ランダム
①フラッシュ英文法1、2の◯の袋と弱点パック(△✕?の袋)をすべて混ぜ、ランダムにして30問1セットで1問ずつ解く。(475問。問題20秒/問、解説20秒/問。目安時間:20分1セット×16セット)
②間違えたものを複数周回する
③曖昧な知識はTipsを確認する。
難関ランク以上を目指す場合
tipsを読み・暗記していく。以下の手順を1Lessonごとに繰り返す。1日1Lessonを目安に確認できるとよい。
①1Lesson分のtipsを一つずつ読んで確認する。例文が書かれていたら繰り返し音読するなどして、暗記する。
②1Lesson分の該当フラッシュカードを解いていく。
※1問ずつ20秒/問で解き、解答も20秒目安で確認していく。
※間違えた問題は理解度別マーク法に沿って記号を記入し、解説や文構造を確認する(1周目と2周目のペンの色を変えておくとよい)。
③tipsに戻り、△✕?をつけた問題のtipsや問題に問われなかった部分の細かい知識事項も含めて、暗記できているか再確認する。
※△✕?をつけた問題のtipsで覚えていなかった箇所は、マーカーを引いたり付箋をつけるなどしてすぐに確認できるようにしておく。
フラッシュグラマーの分析者コメント
文法書を丸ごとフラッシュカードにしているものは極めて珍しく、総合的な復習をしたい人にはうってつけのシリーズであるといえるでしょう。ただ、この記事の中で何度も触れているように、一度シャッフルすると単元ごとの学習に戻りにくいので、英文法は本シリーズのみでの学習ではなく別の文法書を使いながらの学習が効果的です。(慶應義塾大学文学部)
基本的には文法の確認を行う演習問題としての使用が中心であると思われます。フラッシュカードとなっているため一つの単元に偏らず総合的な確認作業が行えるほか解説要素も充実しているため演習教材としては有用ですが、これから文法を学ぶ受験生やまだ基本的な知識に不安がある受験生は『Next Stage』や『チャート式 基礎からの新々総合英語』などの文法書と併用する形で使うとよいでしょう。(東京大学経済学部)
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