- 参考書名
- 数学I+A基礎問題精講(5訂版)の使い方・レベル・勉強法など特徴を徹底解説!
- 出版社
- 旺文社
- 発売日
- 2020/2/20
- ページ数
- 300
- 科目
- 数学
- タイプ
- 問題集
- レベル
- 標準ランク
- 目安時間
- 82時間
こんにちは、アクシブアカデミーです。プロ講師と、東大・早慶をはじめとする難関大生によるアクシブアカデミーの分析チーム「Axiv Lab」による参考書分析です。今回は「数学I+A基礎問題精講(5訂版)の使い方・レベル・勉強法など特徴を徹底解説! 」を解説しています。大学受験用の参考書は、たくさんあって現状の自分の学力や志望校にどれがあっているのか選ぶのが難しいですよね。そんな方へ向けて「数学I+A基礎問題精講(5訂版)の使い方・レベル・勉強法など特徴を徹底解説!」を参考書のレベル、特徴、使い方、勉強法、を解説していきます!
目次
数学I+A基礎問題精講(5訂版)の基本情報
参考書レベル・難易度
標準ランク
分野の基礎の知識のみを持っている状態から、有名私大レベルの問題が解ける状態にまで素早く押し上げてくれる参考書です。『黄チャートⅠ+A』のコンパス2‐4レベルの問題が集まっており、それほど難易度の高い問題集ではないので、数学が苦手な人も、嫌悪感を持たずに早めに終わらせられるでしょう。
問題精講シリーズは入門問題精講から基礎問題精講までののステップアップは小さく、接続しやすいですが、基礎問題精講から標準問題精講までのレベルの差が少し大きく、他の問題集などで間を埋めると躓きにくくなるでしょう。また、上級問題精講はかなりレベルが高く、そこまでのレベルが必要な人はかなり限られてきます。最難関大学を目指す生徒で、特に必要な範囲だけに絞って取り組んでもいいほどです。以上のことを参考にしながら基礎問題精講をはじめとする、問題精講シリーズを使うか、あるいはチャート式のシリーズを使うかを考えて選びましょう。
習得までに必要な目安時間
82時間
標準的なレベルのほかの参考書と比べても、比較的短時間で終わることのできる参考書です。『黄チャートⅠ+A』が171時間であることを鑑みれば、とても短いことがわかるでしょう。しかしながら問題数は『黄チャートⅠ+A』と比べると圧倒的に少なく、かなり問題が厳選されています。そのため、本当に時間がない生徒でなければ、『黄チャート』を使って演習量をたくさんとることをおすすめしますが、逆に、1から復習するために、一分一秒が惜しい生徒にはぜひ使ってほしい参考書といえます。
数学I+A基礎問題精講(5訂版)の概要
この問題集は『入門問題精講』を終え、分野の基礎の理解から発展して、標準的な問題演習に必要な力をつけたい生徒向けの参考書です。「基礎」とありますが、この参考書を終えると日東駒専や産近甲龍が狙えるようになります。問題精講シリーズを使うか、チャート式を使うかのどちらがよいか、迷う生徒がいますが、厳選された問題で短期間に終えたい生徒は問題精講シリーズを、時間はかかるが、汎用性が高く、よりレベルの高い到達地点に向かいたい人生徒はチャート式シリーズを使うのがおすすめです。残り時間があまりない生徒や、もう一度基礎から向き合いたい生徒、数学に苦手意識があり、たくさんの問題がある参考書を終えられる自信のない生徒にとってはぴったりの参考書でしょう。
数学I+A基礎問題精講(5訂版)はこんな生徒におすすめ
- 日東駒専、産近甲龍、私立の中堅医療系学部を第1志望校にする生徒
- あまり数学にかけられる時間が残っていない人
- 1から学びなおしたい人
- 数学に苦手意識があり、問題がたくさん集まった参考書は終える自信がない人
標準的な問題演習ができるようになるための橋渡しにちょうど良いので、苦手な人も簡単にステップアップできます。しかしながら、この参考書の次の、標準問題精講への接続はあまりよくないので、『元気に伸びる数学』などを使って演習をしてから標準問題精講に進みましょう。逆に浪人生などで、ある程度自信があり時間がない人が基礎問題精講から標準問題精講に直接進めば、かなり時間短縮できるでしょう。
数学I+A基礎問題精講(5訂版)の特徴
受験必須のパターン問題
全ての問題をきちんと身につけることができれば、日東駒専レベルの問題で合格が見えてくる、厳選されたパターン問題が集められています。また、パターン問題の理解は、レベルの高い問題と戦うための基礎体力なので、本質を理解して取り組むと、その後より難易度の高い問題に出会ったとしても、躓きにくくなります。
内容の詰まった精講
解答の前の精講には、問題の中で使われている基礎知識、問題を解く上での指針やポイントがまとめられています。これにより、解答を見る前に頭の中が整理され、解答の意図や意味がより理解しやすくなっています。また、解答の後のポイントでは、精講とは逆に端的に一言でまとめられており、大事な部分のみが頭に入りやすくなるよう工夫されています。定期テストなどの試験直前にパッと見返して、どういうところが問題でポイントになるのか確認する、などの使い方もできます。
問題同士のリンク
精講やポイント、注などの中に関連する問題が示されており、わからなくなった際の戻るべき場所がわかりやすくなっています。これにより、とりこぼしなく次へと進んでいくことができるようになっています。また、問題同士の関連がわかることで、問題がどのような知識の組み合わせで作られやすいのかがわかり、知らない問題に出会った際に、このパターンが多い、と自分で分析して解法を見つけやすくなります。
数学I+A基礎問題精講(5訂版)の使い方と注意点
分野の基礎の知識は、教科書や入門問題精講などで身につけた状態でこの参考書に手をつけるようにしましょう。わからない部分があってもすぐに解答は見ずに10分程度は考えましょう。その後精講の部分を確認しもう一度考えてみましょう。また、解答を見なくても問題が解けた場合、解答を書き終わった際にもまず精講を確認し、自分の考えを体系的に整理し一般的にすることで、他の問題でも指針を適用できるようにしましょう。
解答を見る際には、解答を書いた人はどうしてその解法を選択したのか、自分の解法ではなぜダメなのか考えてみましょう。その上で自分の解法で同じ答えが出そうなら最後まで計算を続けてみましょう。そして、自分がどうしてその解法で、解答を見る前に答えを出し切ることができなかったのか、考えてみましょう。
解答を読み終えたらポイントを確認し、問題の重要な点を頭に入れましょう。その後、その下の演習問題または次の基礎問に移りましょう。この参考書に載っている問題は全て必須のパターン問題なので、繰り返し取り組み、全てを漏らさず理解するように心がけましょう。
特に、数学が苦手な人は、自分の解答と模範解答を見比べて考える時間をたくさんとるように意識しましょう。また、わからない部分があれば放置するのではなく、基礎問題精講の前に使っていた参考書に戻り、自分の理解できていない部分を必ず確認しましょう。
時間がないためにこの参考書を選んだ人は、考える時間を長くとることは難しいかもしれませんが、その分精講の部分を何度も繰り返し読み、必ず頭の中にしっかりと残し、他の問題で応用が利かせられるようにしてください。そのためには問題全体が何を要求しているのか、どのような技能を試しているのか、見抜こうと意識して常に問題に取り組む必要があるでしょう。
数学I+A基礎問題精講(5訂版)の詳細な進め方
1日1から2セクションを目安に進めていきましょう。
数学Ⅰ
1章 数と式(24問) | ||
S01 | 2.0h | 基礎問 1~6(6題) |
S02 | 2.0h | 基礎問 7~13(7題) |
S03 | 2.5h | 基礎問 14~20(7題) → チェックテスト No.1-1 |
S04 | 2.0h | 基礎問 21~24(4題) → チェックテストNo.2-1 |
2章 2次関数(25問) | ||
S05 | 2.0h | 基礎問 25~30(6題) |
S06 | 2.0h | 基礎問 31~36(6題) |
S07 | 2.0h | 基礎問 37~42(6題) |
S08 | 3.0h | 基礎問 43~49 (7題) → チェックテスト No.3-1 |
4章 図形と計量(23問) | ||
S09 | 2.0h | 基礎問 64~69(6題) |
S10 | 2.0h | 基礎問 70~75(6題) |
S11 | 2.0h | 基礎問 76~81(6題) |
S12 | 2.0h | 基礎問 81~85(5題) → チェックテスト No.4-1 |
5章 データの分析(16問) | ||
S13 | 3.0h | 基礎問 130~137(8題) |
S14 | 3.0h | 基礎問 138~145(8題 ) → チェックテスト No.5-1 |
復習 | ||
S15 | 2.0h | S01,S02の復習(アクシブ復習法) |
S16 | 2.5h | S03,S04の復習(アクシブ復習法) →チェックテストNo.1-2,No.2-2 |
S17 | 2.0h | S05,S06の復習(アクシブ復習法) |
S18 | 2.5h | S07,S08の復習(アクシブ復習法) →チェックテストNo.3-2 |
S19 | 3.0h | S09,S10の復習(アクシブ復習法) |
S20 | 2.0h | S11,S12の復習(アクシブ復習法) →チェックテストNo.4-2 |
S21 | 2.0h | S13,S14の復習(アクシブ復習法) →チェックテストNo.5-2 |
→個別授業をチェックテストで間違えた問題や範囲を中心に実施 |
数学A
6章 順列・組み合わせ(16問) | ||
S22 | 3.0h | 基礎問 98~105(8題) |
S23 | 3.0h | 基礎問 106~113(8題) →チェックテストNo.6-1 |
7章 確率(16問) | ||
S24 | 3.0h | 基礎問 114~121(8題) |
S25 | 3.0h | 基礎問 122~129 (8題) →チェックテストNo.7-1 |
3章 図形の性質(14問) | ||
S26 | 2.5h | 基礎問 50~56(7題) |
S27 | 3.0h | 基礎問 57~63(7題) →チェックテストNo.8-1 |
5章 整数の性質(12問) | ||
S28 | 2.0h | 基礎問 86~91(6題) |
S29 | 2.5h | 基礎問 92~97(6題) →チェックテストNo.9-1 |
復習 | ||
S30 | 2.5h | S30 2.5h S22,S23の復習(アクシブ復習法) →チェックテストNo.6-2 |
S31 | 3.0h | S31 3.0h S24,S25の復習(アクシブ復習法) →チェックテストNo.7-2 |
S32 | 3.0h | S32 3.0h S26,S27の復習(アクシブ復習法) →チェックテストNo.8-2 |
S33 | 3.0h | S33 3.0h S28,S29の復習(アクシブ復習法) →チェックテストNo.9-2 |
S34 | 1.0h | S34 1.0h 修了テストNo.1-1を解く →不合格ならS15,S30に戻る(時間は同じ) →修了テストNo.1-2 |
修了後に復習する場合
R01 | 8.0h | S15-21(数Ⅰ) |
R02 | 6.5h | S30-33(数A) |
数学I+A基礎問題精講(5訂版)の具体的な勉強法
S01-S14,S22-S29
- 基礎問の精講と解答を隠して問題をノートに解く。
- 答え合わせをして、アクシブチェックを本書に書き込む。(無印△×?をつける)
<アクシブチェック>問題を解いた時のチェック記号
無印:初見で解けた
△ :方向性はあってたけどケアレスミスなどで間違えた
☓ :解けなかったが指針・解説・映像授業を見ると理解できた
? :解説や映像授業を見ても理解できなかった → 質問をして解決すること - 【無印】△×?に関係なくその範囲のページの精講・解答を読み、理解を深める。
- △×の場合は今一度、基礎問の精講と解答を隠して問題をノートに解き、答え合わせ。(?の場合は学校の先生や校舎の先生に質問して理解する)この際にはアクシブチェックは不要。間違えたら、正解するまで解く。
※何も見ずに自力で正解できるまでやりこむこと。この一手間で数学の力は上昇しやすい。 - 正解したら次の問題へ。①〜③をループして、テスト範囲まで到達したらチェックテストを実施。
- チェックテストで間違った問題は今一度確認して、もう一度解く。
S15-S21,S30-S33
- 【無印】は解かずに頭の中で解法の流れを再現できるか確認する。
- △×?は再度解いて復習する。
- チェックテストNo.◯-2を実施。全て理解できたら次のステージに進む。
S34
- 修了テストで8問中6問正解で合格!
- 合格できなかった場合は間違った問題が該当する章を復習「【無印】は解かずに復習、△×?は全部解く」
R01,R02
- 模試などで公式が抜けているなと感じたらR01,02を実施
※チェックテストは黄チャートので代用
数学I+A基礎問題精講(5訂版)の分析者コメント
かなり厳選された問題のみの参考書であるので、時間のある高1生や高2生には積極的にはすすめませんが、時間がない人にはかなりおすすめできます。しかし問題数が少ない分、演習量が少ないままよりレベルの高い問題に挑むことになるので、それ相応の覚悟は必要でしょう。(東京大学理科一類)
非常に広い範囲である数学Ⅰ・Aを網羅している参考書です。問題数が少ないといっても同じ分野の問題数が少ないだけで実際にやればかなり細かいところまで知識を付けられるでしょう。演習不足になりやすいので他の参考書を併用して使いましょう。軽くて持ち運びのしやすい網羅型参考書として使用するのがおすすめです。(東京工業大学生命理工学部
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