「理学療法士に興味があるのだけど、どうやったらなれるのかな?」と思っていませんか。理学療法士は、大学や専門学校など定められた教育機関で3年以上学び、国家試験に合格することで資格を取得することができます。資格取得後は、病院のリハビリ部門などはもちろん、アスリートのケガ予防プログラムに携わるなど、さまざまな場所で活躍できます。本記事では、理学療法士になるために入学する学校にどのような特徴があるのか、国家試験について、また、知識や技術以外に必要なスキルについてもお伝えしていきます。
目次
理学療法士とはどんな仕事?
理学療法士は、リハビリテーションの専門家で、PT(Physical Therapist)と呼ばれています。
病気やケガなどが原因で身体が自由に動かなくなった人が、立ったり歩いたりといった日常生活で、必要な動作を行えるようになるようサポートするのが主な仕事です。体操や器具などを使って患者の関節が動く範囲を広げたり、筋力をつけていったりするほか、電気刺激などの物理療法も用い、痛みや麻痺の改善も目指していきます。
このように、さまざまな原因で身体に悩みを抱える患者のサポートをするのが理学療法士の仕事ですが、けがや病気を防ぐためのプログラムを考案する場合もあります。
理学療法士になるには?
理学療法士になるためには、養成施設で3年以上学んで課程を修了し、国家試験に合格して国家資格を取得しなくてはなりません。
養成施設については次章で詳しく説明しますが、4年制大学、3年制短大、3年制専門学校、4年制専門学校、特別支援学校があります。また、すでに作業療法士の資格を持っている場合は、2年以上学べば国家試験の受験が可能です。
日本理学療法士協会のサイトによると、2022年3月現在、養成校は日本全国に279校あります。
理学療法士の勉強ができる学校
前述した通り、理学療法士になるためには3年以上養成校で学び、国家試験の受験資格を得なくてはなりません。以下で、大学・専門学校・特別支援学校、それぞれの学校でどのように学ぶのかについて解説していきます。
大学
3年制の短大と4年制の大学がありますが、多くは4年制大学です。
理学療法士になるために必要な専門科目を学びますが、一般教養科目や外国語なども履修します。他分野への理解も深められることで、卒業後に理学療法士以外の道を選択した場合でも、一般企業や公務員、教員などさまざまな分野での就職がしやすくなります。また、さらに研究を続けたい場合は、大学院に進学することも可能です。
専門学校と異なる点としては、入学においてより学力面が重視されることや、費用が高くなることなどが挙げられます。しかし大学附属病院がある場合は、附属機関で実習ができるといった利点があります。また、医学部や薬学部など医歯薬系学科が複数ある大学では、共通授業があったり、現場で役に立つチーム医療について学べたりするのも特徴です。
専門学校
専門学校には3年制と4年制があり、昼間部だけではなく、夜間部を設置している場合もあります。
3年制のほうが授業スケジュールがハードですが、4年制と比べると学費が抑えられるメリットがあります。しかし4年制の学生よりも1年早く課程を修了し、国家試験対策をしなくてはならないため、日々の勉強や試験準備が大変になることへの覚悟が必要です。
専門学校は、大学のように学問を追究する場ではなく、実践的な職業教育を目的としているため、一般教養科目はあまりありません。それよりも、医療現場で実践できるスキルや知識を身に付けることに重点が置かれています。
大学と比べると、入学の際に学力面が求められることはあまりありませんが、授業内容が劣るわけではなく、国家試験対策もしっかり行われています。
特別支援学校
特別支援学校は、高校卒業以上の視覚障害者を対象とした学校です。専門学校や大学と同じように、定められた課程を修了すると、理学療法士の国家試験受験資格を得ることができます。
理学療法士の国家試験について
理学療法士の国家試験は、毎年2月の2日間にわたって行われます。1日目は筆記試験、2日目は重度の視力障害者に対して行われる、筆記試験の実地問題に代わる実技試験です。1日目の筆記試験は全国各地で行われますが、2日目の実技試験は東京都のみです。視覚障害があり実技試験を受験する場合は、1日目の試験も東京都で受験した方が良いでしょう。
以下で、試験科目と内容について解説していきます。
試験科目や内容
厚生労働省のページに詳しく説明されていますが、以下が出題範囲となります。
- 一般問題
解剖学・生理学・運動学・病理学概論・臨床心理学・リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む)・臨床医学大要(人間発達学を含む)及び理学療法
- 実地問題
運動学・臨床心理学・リハビリテーション医学・臨床医学大要(人間発達学を含む)及び理学療法
試験時間は午前2時間40分、午後2時間40分です。問題数や配点は以下をご覧ください。
- 一般問題→計158問(配点1点、158点満点)
- 実地問題→計38問(配点3点、114点満点)
合格するためには、一般問題と実地問題の合計272点のうち、最低6割(164点以上)が必要です。また、実地問題の得点が40点以上あることが求められます。
国家試験の合格率
1日で200問近くを解き切らなくてはならない理学療法士の国家試験ですが、厚生労働省の発表によると、令和4年2月に実施した国家試験合格率は79.6%でした。また、そのうち新卒者が88.1%を占めています。
例年の合格率は75~90%ほどで、平均して80%前後と高めですが、20%程度は不合格となるため事前準備が大切です。また、新卒者の合格率が90%近くを占めているということは、一度不合格になると、2回目以降の受験で合格することが大変な試験であると言えるでしょう。
理学療法士免許の申請
晴れて国家試験に合格したら、そのまま仕事ができるわけではありません。理学療法士としての免許申請を行います。
以下を、住所がある保健所に提出してください。
- 免許申請書
- 診断書(発行日から1ヶ月以内)
- 住民票の写し(発行日から6ヶ月以内)
- 9000円分の収入印紙・登録済証明書用はがき
免許証が交付されるまでには、2か月~3か月ほどかかります。
理学療法士に必要な4つのスキル
理学療法士は、専門分野の知識が必要なのはもちろん、それ以外にも以下のようなスキルを身につける必要があります。
体力とメンタル力
理学療法士は、訓練や治療の際に患者の身体を支えたり、力を加えたりする機会がたびたびあります。一日の中で複数の患者を担当するため、疲れたと感じることがあるかもしれません。しかし、患者に不安を感じさせないよう、安定感をもって仕事をするためには強靭な体力が必要です。
また、担当する患者が増えて、お昼休みや休日などが思うように取れない時もあるかもしれません。勤務スケジュールが過密になると、気持ちに余裕が持てずイライラしてしまいがちです。このような時にもメンタルを保てるように、自分自身のメンタルをコントロールする力も必要でしょう。
コミュニケーション力
理学療法士は、日々実際に患者と対面して治療に当たりますが、ただ決められたプランをこなしていれば良いわけではありません。実際に患者がどのような状態なのかをよく観察し、話をして気持ちを聞いたり、不満や質問がある場合は遠慮なく伝えたりしてもらえるよう、日ごろからコミュニケーションを取っておくことが重要です。
理学療法士には専門的な知識やスキルが大切なのはもちろんですが、人を相手にする仕事です。小さな子どもから高齢者まで、さまざまな年代の人と接するため、相手によってコミュニケーションの仕方を変えることも意識していきましょう。
向上心
必要な教育課程を修了し、国家試験に合格したら理学療法士として働くことができますが、いったん国家資格を取得したら、もう勉強しなくても良いわけではありません。医学の進歩は目覚ましいため、理学療法士として働き始めてからも、セミナーに出席したり先輩や仲間と勉強会を開くなど、新しい知識を学んだり、スキルを身につけようとする向上心が大切です。
理学療法士は、医師や看護師など他の医療職と連携して仕事に当たりますが、必ずしも医師が患者のリハビリに詳しいとは限りません。患者の状態を把握した上で、理学療法士が主体となって最適なリハビリ計画を作成する場面もあるでしょう。その際に適切な判断をするためには、経験に加えて最新の知識も必要となります。
理学療法士として働いていく以上、常に向上していく気持ちを忘れないようにしてください。
思いやりの気持ち
毎日のリハビリや治療の際に、身体の痛みや、精神的にダメージを受けているなどさまざまな理由で、前向きに治療に取り組めない人もいるでしょう。そういった時に、「決まっているプラン通りに進めなくては!」と焦るのではなく、患者の気持ちに寄り添って「今は何をしたら一番良いのか」を考えて判断することが重要です。
人間は機械ではありません。時にはモチベーションが下がってしまうことがあるのも当然です。身近にいる理学療法士が、患者の気持ちに寄り添い、思いやりをもって接することで、回復も早くなることでしょう。
まとめ
本記事では、理学療法士になるためにはどのようなステップを踏む必要があるのかについてお伝えしてきました。理学療法士は、養成校で3年以上学び既定の課程を修了したのちに、国家試験を受験し合格することで資格を取得できます。大学や専門学校などで知識を学び、実習や演習を通して技術を身に付けることができますが、それに加えて必要な4つのスキルについても解説しました。本記事が、理学療法士を目指す人にとってお役に立てば幸いです。
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