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作業療法士になるための大学の選び方とは?メリットやポイントも合わせて紹介


「作業療法士になるには、どこの大学に行けば良いのかな?」と、学校選びに悩んでいませんか?作業療法士になるためには、どの大学でも3120時間以上の履修および101単位以上の取得が求められますが、大学によってカリキュラム内容に特徴があります。本記事では、作業療法士になるために大学でどのような内容を学ぶのか、専門学校ではなく大学を選ぶメリットなどについてお伝えしていきます。

作業療法士になるまでの流れ

作業療法士になるためには、以下のいずれかの養成校で3年以上学んで課程を修了し、2月に行われる国家試験に合格して国家資格を取得しなくてはなりません。

  • 4年制大学
  • 3年制短期大学
  • 3年制専門学校
  • 4年制専門学校

 

本記事では、上記のうち、4年制大学について詳しく解説していきます。

作業療法士になるために大学で学ぶ内容

作業療法士になるためのカリキュラムが20年ぶりに大きく改訂され、2020年4月より新しいカリキュラムで学ぶようになりました

新カリキュラムでは、作業療法士になるために必要な単位数は101単位(改訂前は93単位)、最低履修時間数は3120時間以上が必要です。改訂前は最低履修時間数が定められていなかったため、養成校によってバラつきがありましたが、現在ではどこで学んでも同じ時間数を履修します。

大学では上記のほかに、一般教養や外国語科目を履修します

基礎科目

大学に入学後、まずは基礎科目を学びます。作業療法士として働いていくために最低限の基礎知識となる学問です。基礎科目で学ぶ主な内容は以下の通りです。

  • 解剖学
  • 生理学
  • 運動学
  • 病理学
  • 臨床医学
  • 公衆衛生学など

 

理学療法士学科が併設されている場合は、共通する基礎科目が多いため、一緒に授業を受けることもあります。

専門科目

多くの大学では、基礎科目で学んだ知識をもとに、3年次から本格的に専門科目を履修しますが、専門科目で学ぶ知識や技術を、実習につなげていくことが求められます。専門科目で学ぶ主な内容は以下の通りです。

  • リハビリテーション医学
  • 作業療法評価学
  • 発達障害治療学など

臨床実習

作業療法士になるためには22単位以上(旧カリキュラムでは18単位以上)の臨床実習が必須です。

1年次から見学実習などを経て、実際に患者と関わる臨床実習が学年が上がるごとに増えていきます。大学によりますが、4年次には2~3か月程度の長期の実習が行われるケースが多いです。専門科目など座学で学んだ内容を、臨床実習でアウトプットしていきます。国家試験合格後に一人前の作業療法士としてスタートできるよう、受け持ち患者のリハビリメニューを作成したり、リハビリを担当したりするためハードな内容ですが、大きな学びになることでしょう。

作業療法士になるために大学を選ぶメリット

作業療法士になるために専門学校ではなく大学を選ぶと、さまざまなメリットがありますが、主なものは以下の通りです。

3年制の学校よりもしっかり学べる

リハビリや内部障害、基礎医学や介護予防などの専門科目を、3年制の専門学校よりも時間をかけてじっくり学ぶことができます。3年制の学校では、座学と実習に追われ、国家試験対策も合わせて行うためとてもハードなスケジュールになってしまいます。しかし4年制大学では、勉強とプライベートのバランスを取りながら学べるのが良い点と言えるでしょう。

国家試験へ向けての対策が充実している

4年制大学のほうが、3年制の学校と比べると国家試験へ向けての対策が充実しています。3年制の学校では、時間的な制約があるため、実習と並行して国家試験対策を行うことになります。しかし、4年制大学の場合は、実習が終わってから国家試験対策を行うため集中して勉強できるのがメリットです。

過去問対策はもちろん、集中対策講座が実施されたり、教員によるサポートが多くの大学で行われたりしています。

大学院に進むことができる

大学を卒業後、作業療法士として働く以外に、特定の分野の研究者として活躍したい場合は、大学院への進学も可能です。もちろん、何年間か現場で作業療法士として経験を積んだのちに、大学院に戻り研究活動をすることもできます。

一般教養も身につけられる

大学では専門学校と比べると一般教養を多く履修するため、幅広い知識を身につけることができます。もちろん、作業療法士としての専門知識やスキルを身につけることは重要ですが、一般教養科目で他分野に関する学びを深めることが、将来働くうえで役立つかもしれません。

心理学の知識が患者とのコミュニケーションに役立ったり、マネージメントの知識が将来管理職として部下を持つ際に役立ったりなど、教養としてだけではなく、実際に作業療法士として働いていくうえでも役に立つ可能性があります。

将来の仕事選択の幅が広がる

専門学校で学ぶ場合は、学問よりも職業教育に直結する内容に重きが置かれているため、将来の仕事として作業療法士以外の選択肢を考えるのは難しいかもしれません。しかし大学では、一般教養や外国語など幅広く学ぶことができます。その結果、公務員や教員を目指すこともできますし、大学院への進学も可能です。

一般企業への就職も可能なため、まだ作業療法士として本当に将来働きたいかどうか分からない場合は、専門学校よりも大学で学んでおいた方が、将来の選択肢が広がると言えるでしょう。

作業療法士を目指す場合の大学選びのポイント5つ

作業療法士を目指す場合の大学選びのポイントについて5つ、以下でお伝えしていきます。 

国公立大学か私立大学か

最初に、国公立大学を目指すのか、私立大学を目指すのかを決めましょう。一般的に、国公立大学では入試教科数が多く、受験科目に数学や理科などの理数系科目が複数含まれていることがほとんどです。そのため、純粋な文系受験者が合格するのは難しいと言えます。

一方で、私立大学では総合型選抜や一般選抜などさまざまな入試方法があり、試験科目も理数系の科目が1科目のみで受験できる学校も多いのが特徴です。

学費

国公立大学と私立大学、私立の専門学校の学費は、平均すると以下のようになります。

  • 国公立大学(4年制):約240万円
  • 私立専門学校(3年制):約350~500万円
  • 私立大学(4年制):約550~800万

 

学校によっても費用は異なりますが、私立大学は国公立大学と比べると、倍以上の学費がかかると考えておいた方が良いでしょう

作業療法士を目指す場合、特に私立大学では学費が高額となるため、奨学金制度を設けている大学も多いです。もし経済的な理由で大学進学をあきらめようとしている場合は、奨学金制度がある大学を志望校にすることを考えてみてください。

大学の立地

自宅から大学に通学するか、自宅外で通学するかによって費用が大きく異なります。自宅から通学する場合でも、たとえば大学まで2時間かかるなど遠い場合、通学の負担も増えてしまうため注意が必要です。大学によっては、実習が学校のそばにある病院や施設で行われるため、実習先が自宅から遠くなってしまう可能性もあります。

実習中は、大学の授業とは異なり、毎日朝早く病院に向かわなくてはならないなど、生活スタイルに変化がある場合があるため、無理なく通学可能な大学を選ぶようにしましょう。

カリキュラム内容が合っているか

大学選びをする際は、シラバスを確認して、どのようなカリキュラムを提供しているのか必ず確認しましょう。 作業療法士になるための単位数や履修時間数は全ての学校で同じですが、大学によってカリキュラムの特徴が異なります。

たとえば、医学部や薬学部などとの合同授業を増やし、チーム医療教育に力を入れている大学もあれば、海外医療に重きを置き、海外各国との交流プログラムを重視している大学もあります。また、帝京科学大学の作業療法学科のように、動物を作業療法に活用する方法や介助犬などについての講義を受講できる大学もあります。

パンフレットを見たり、オープンキャンパスに参加して質問したりすることで、カリキュラム内容について理解していきましょう。

設備や学習環境が充実しているかどうか

作業療法士は、大学を卒業するだけではなく、国家試験に合格しなくてはならないため、試験対策サポートを行ってくれ、学習環境が充実している大学を選ぶのがおすすめです。国家試験対策講座や、教員の学習サポートがあるかどうかをパンフレットやオープンキャンパスで確認してください。

また、学部の設備や実習環境についても、志望校を決める際に確認しておいた方が良いでしょう。附属病院がある大学などでは、早い時期からその大学病院で見学実習などを行います。入学後の早い時期から、実際に作業療法士として働いているプロの姿を目にすることができるのはメリットと言えます。

作業療法士を目指せる大学を紹介

それでは以下で、作業療法士を目指せる大学をご紹介していきます。

東京都立大学健康福祉学部作業療法学科(国公立大学)

1949年に設立された公立大学です。2005年に、都立の他3大学と再編統合し首都大学東京と名称を変更しましたが、2020年に再び東京都立大学に変更となりました。国家試験への対策も充実しており、2021年度の国家試験合格率100%を達成しました。総合臨地実習では、身体障害、精神障害、発達障害の3つの領域すべてを経験できるという特徴があります。

大学の基本情報

項目詳細
住所〒192-0397 東京都八王子市南大沢1-1(1年次:南大沢キャンパス)
〒116-8551 東京都荒川区東尾久7-2-10(2~4年次:荒川キャンパス)
電話番号042-677-1111(南大沢キャンパス) 03-3819-1211(荒川キャンパス)
アクセス京王相模原線:南大沢駅徒歩5分 日暮里・舎人ライナー:熊野前駅徒歩3分
入試科目◎3教科4~5科目 【必須】英語、数学IA・数学IIB 【選択】物理基礎・化学基礎・生物基礎から2科目、または物理・化学・生物から1科目 ◎二次試験:面接
募集定員一般選抜:18名(前期日程15名、後期日程3名)
費用入学金:141000円(都内在住者)、282000円(都外在住者) 学費:520800円
ホームページhttps://www.hs.tmu.ac.jp/faculty/sagyo.html

東京医療学院大学保健医療学部リハビリテーション学科作業療法学専攻(私立大学)

2021年に開校した新しい大学です。充実した設備と少人数制教育がポイントで、約23週間に及ぶ実習カリキュラムが組まれています。実習地が遠方になった場合、大学が交通費や宿泊費を負担する制度があるため、費用面での心配をしなくてよいのも特徴的です。

大学の基本情報

項目詳細
住所〒206-0033 東京都多摩市落合4-11
電話番号042-373-8118
アクセス小田急・京王線:多摩センター駅徒歩25分もしくはバス5分
入試科目2教科 【選択必須】英語もしくは国語のいずれか 【選択必須】数学(IA)、生物基礎、化学基礎のうち1科目
募集定員および倍率5名(一般選抜)、倍率1倍
費用入学金:300000円 学費:1922000円
ホームページhttps://www.u-ths.ac.jp/course/healthfaculty/occupational/index.html

まとめ

本記事では、作業療法士を目指すために大学を選ぶメリットや、大学の選び方についてお伝えしてきました。大学は、3年制の専門学校よりもじっくり学べ、設備や実習環境が充実しています。また、卒業後に作業療法士以外の道に進む場合でも、公務員や教員、一般企業などさまざまな選択肢があるのが特徴です。

大学によってカリキュラムに特徴があるため、将来どんな職場で働きたいのか、どんな作業療法士になりたいのかを考え、自分に合う大学を選んでいきましょう。

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