体調が悪いときに病院に行くと診断をする前に検査をすることが多いと思います。また、学校や会社で定期的におこなわれている健康診断も病気の早期発見に役立っています。今回は、医療従事者の中でも検査のスペシャリストである臨床検査技師について説明をしていきます。将来臨床検査技師を目指したい人は必見です!
目次
臨床検査技師とは?臨床検査技師の基本知識と仕事を解説!
病気の診断や治療は医師がおこないますが、正確な診断や適切な治療のためには検査が必要です。また、日頃の健康の維持にも健康診断などを受ける人が多いと思いますが、検査に欠かせない専門職が臨床検査技師になります。
ここでは、臨床検査技師の基本知識と仕事について説明をしていきます。臨床検査技師を目指すのであれば、理解しておくことをオススメします。
臨床検査技師とは?
臨床検査技師は、医師がだす検査依頼書の内容に従って検査をおこなう専門職になります。その他にも検査センターで、多くの検査データをあつかう臨床検査技師も存在します。
元々検査は医師がおこなっていたものですが、検査に対する技術や専門性の高さを考慮して医師との分業の意味で臨床検査技師が誕生しました。実際に臨床検査技師が患者に病名診断や検査結果を伝えることはありませんが、病気の診断や治療方針になくてはならない存在です。
臨床検査技師の主な仕事とは?
臨床検査技師の仕事は、「病院」「検査センター」「医療機器メーカー」「一般企業」などへの就職が一般的です。その中でも多くの人が、病院や検査センターへの就職を希望しています。今回は、総合病院などで働く臨床検査技師と臨床検査センターに努める臨床検査技師の一般的な仕事について紹介します。
総合病院などに勤める臨床検査技師の仕事
臨床検査技師の仕事は検査業務であることは既に説明しましたが、仕事の内容も検査内容に応じて検体検査と生体検査の2つに分類できます。一定規模の病院だと完全に分業しているケースも少なくありません。
検体検査は、血液検査や尿検査などのように患者さんから採取した検体を使用する検査になります。一方、生体検査は生理機能検査とも呼ばれていて、心電図検査やエコー検査のように医療機器を使用した検査をおこなう部門です。
各部門でおこなわれている検査内容は以下のとおりです。
検体検査
- 一般検査
- 血液学検査
- 生化学的検査
- 微生物学的検査
- 免疫学的検査
- 血清学的検査
- 病理検査
- 細胞診検査
- 遺伝子検査
- 染色体検査
- 輸血検査
生体検査
- 超音波検査(エコー検査)
- 心電図検査
- 脳波検査
- 磁気共鳴画像検査(MRI検査)
- 熱画像検査(サーモグラフィー検査)
- 聴力検査
- 味覚検査
- 嗅覚検査
- 呼吸機能検査
- 眼底写真検査
臨床検査センターに務める臨床検査技師の仕事
一定以上の検査環境が整っている医療機関であれば、施設内で検査結果をだすことが可能です。小規模な医療機関やクリニックだと血液検査などの結果も外部機関に委託することになります。基本的な仕事内容は病院と同じですが、臨床検査センターの特徴は膨大な検査データを取り扱うことです。どちらが良いかは個人の考え方次第なので優劣はつけられませんが、環境的な違いは双方にあるので事前確認をオススメします。
臨床検査技師と臨床工学技士の違い
臨床検査技師に似ている名称の仕事に臨床工学技士という職業があります。両者の仕事は名称こそ似ていますが、業務内容はまったく異なるので簡単に違いを説明していきます。既に説明していますが臨床検査技師は、病気の診断や治療に必要な検査をするスペシャリストです。臨床工学技士は、医療機器や生命維持装置の保守や点検をおこなう専門職になります。
臨床工学技士の仕事をもう少し具体的に説明しておきます。心臓手術で利用する人工心肺やコロナで有名になったECMO(エクモ)などの医療機器の操作や保守が主な仕事です。臨床検査技師と臨床工学技士は、まったく別の資格が必要になります。教育機関に関しても学部や学科が異なるので、進学先の選択時には注意が必要です。
臨床検査技師になるには?学歴・資格・就職状況は?
臨床検査技師を目指すためには、学歴や資格は必要なのでしょうか?結論から言えば、定められた知識や技能の修得と資格の取得が必要になります。ここでは、臨床検査技師になるために必要な学歴や資格について解説をしていきます。就職状況についても触れているので、参考にしてください。
臨床検査技師になるには資格が必要!?
臨床検査技師になるには、国家試験の臨床検査技師に合格する必要があります。臨床検査技師は治療行為こそおこないませんが、病気の原因や治療に必要な検査をおこなう人材なのですから特定の資格所有者がおこなうのは当然のことだと考えられます。臨床検査技師は、女性が多い職業のひとつになります。理由のひとつにあげられるのは、検査内容の中にエコーや心電図といった脱衣が必要になる検査があるからです。
臨床検査技師になるために必要な学歴とは?
臨床検査技師になるためには国家資格の取得が必要だと説明しましたが、国家資格を受験するには定められた教育機関で知識や技能を修得する必要があります。臨床検査技師を目指すには、高校卒業後の進路は以下の3つの方法があります。これらの教育機関の修了によって、国家資格への受験資格を得ることができます。
臨床検査技師を養成する大学・短期大学・専門学校で専門課程を修了する。
臨床検査技師を養成する大学は、臨床検査学科や検査技術かなどの学科であることが多くなっています。受験を予定している人は、受験資格を得られることを確認する必要があります。
医学部及び歯学部で正規の課程を修了する。
大学で医学部や歯学部で学ぶ正規課程を修了することで、臨床検査技師試験の受験資格を得ることができます。医師免許や歯科医師免許とのダブルライセンスを目指すことも可能です。
獣医学部、薬学部、保健衛生学系学部の大学を修了して、臨床検査技師を養成する学校で所定の科目を修了する。
獣医学部、薬学部、保健衛生学系学部の場合は、臨床検査技師の受験資格に必要な科目が一部不足しているので、修了後に大学や専門学校で受験資格に必要な科目の修得が必須になります。臨床検査技師を目指す人が一般的に選択するルートは、臨床検査技師を養成する大学、短期大学、専門学校が多いようです。大学、短期大学、専門学校による違いは省略しますが、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
臨床検査技師の就職状況について!
臨床検査技師の就職状況は他の医療関連資格と同様の時期に国家試験をおこなうので、新卒者は受験前に就職活動をしなければなりません。従って、国家資格を取得できない場合は、内定が取り消しになることが多いようです。
臨床検査技師の主な就職先は、総合病院や中小規模病院などの医療機関と健診センターや臨床検査センターなどへの就職者が多くなっています。その他にも医療機器メーカーや製薬会社といった就職先もあります。
新卒者の就職状況は、決して良いとは言えません。コロナ過による人で不足もありますが、機械化や専門性の高い職種という理由から経験者が優遇されるケースが多いようです。特に病院関係は毎年求人をおこなっているわけではありませんので、はやめに就職活動に向けた情報収集が必要になります。もちろん、今後の状況次第で変わることも考えられるので注意が必要です。
臨床検査技師の試験に関する基本知識
ここまでは、臨床検査技師になるために必要な学歴(受験資格)や資格取得に関する情報を説明してきました。大学や専門学校で必要な知識や技能を学び、国家資格に合格するのが一般的な流れになります。ここでは臨床検査技師の国家試験に関する基本知識を説明していきます。合格率や試験内容の説明もしているので、参考にしてください。
受験資格・概要
臨床検査技師試験の受験資格は、文部科学省が指定した学校や臨床検査技師養成所で知識や技術を修得したものとなっています。一般的には臨床検査技師の受験資格が得られる学科のある大学や専門学校を進学先にする人が多いようです。医学部や歯学部をはじめ獣医学部や薬学部からでも受験資格を得ることはできますが、大学受験前に臨床検査技師を目指している人の場合は、一般的なルートを選択することをオススメします。
臨床検査技師国家試験概要
:申し込み期間
12月中旬~翌年1月上旬
:試験日
2月中旬(年1回)
:合格発表
3月下旬
臨床検査技師試験の試験内容
臨床検査技師試験の試験内容は、大学や専門学校で学ぶ科目が基本になります。以下に科目を掲載しておきますので、参考にしてください。
- 医用工学概論(情報科学概論、検査機器総論を含む)
- 公衆衛生学(関係法規を含む)
- 臨床検査医学総論(臨床医学総論、医学概論を含む)
- 臨床検査総論(検査官理想論、医動物学を含む)
- 病理組織細胞学
- 臨床生理学
- 臨床化学(放射性同位元素検査技術学を含む)
- 臨床血液学
- 臨床微生物学
- 臨床免疫学
臨床検査技師試験の難易度
臨床検査技師の国家試験は合格率が約80%程度なのでイメージ的に簡単だと感じる人も多いようですが、大学などの多くの養成機関で卒業試験として足切り試験を実施しています。足切り試験に合格することが受験資格の最終テストになるので、合格率を鵜呑みにして安易に考えていると受験資格を得ることもできなくなる危険性があります。
出題形式は例年大きく変動はないようですが、科目数が多いので受験対策は計画的におこなうことが重要になります。
まとめ
今回は臨床検査技師になるために必要な学歴や資格を中心に説明をしました。就職状況にも触れているので、臨床検査技師を目指したい人は参考にしてくだい。臨床検査技師の業務は、病気の診断や治療に必要な検査を正確におこなうことです。近年は医療機器の進化による高度な技術力も必要になっていますので、医療従事者としてやりがいのある専門職だといえます。
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