病院や健康診断でおこなわれるレントゲン検査やCT検査は、診療放射線技師という専門職がおこなうことになっています。診療放射線技師になるには、国家資格である診療放射線技師試験の受験資格が得られる養成校で専門知識や技術を修得する必要があります。高校卒業後に3年制の専門学校や短期大学か4年制以上の大学に進学するのが一般的な方法になります。今回は、診療放射線技師になるには大学と専門学校のどちらに進学するのが良いのか?を解説してきます。
目次
診療放射線技師になるには?難易度で国立大学・私立大学・専門学校を比較
診療放射線技師になるには診療放射線技師試験の受験資格が得られる大学や専門学校に進学する必要があります。進学先を決める基準には個人差がありますが、難易度はかなり重視されるポイントです。ここでは、診療放射線技師になるには大学と専門学校のどちらに進学をするほうが良いのかを難易度で比較していきます。
難易度で大学と専門学校を比較してみよう!
まずは単純に難易度で比較をしていきますが、大学を国公立大学・私立大学にわけて考えていきます。また、私立大学は私立大学(医学部)とその他の大学を区分して比較をします。単純に難易度を考えると国公立大学、私立大学(医学部)、私立大学、専門学校の順になるといえます。私立大学の場合は難易度の差が大きいので一概に難易度を決めるのは難しいですが、中堅レベルの大学という認識で比較していきます。
国公立大学は、基本的に偏差値以上の難易度になります。受験する大学によりますが、受験科目が多いだけに受験対策や受験生の学力が必要です。私立大学(医学部)の多くは大学附属病院のある大学になるので、人気が高い傾向にあります。難易度的に見ると医学部系以外の私立大学の方が、難易度は低めになるはずです。
専門学校の難易度は基本的に低くなっていますが、医療系の専門学校のなかには人気のある専門学校もあるので、定員を超えてしまうと不合格になってしまうこともあるようです。
難易度面で見る国立大学のメリットとデメリット
国公立大学を志望する難易度面のメリットは、受験合格までに充分な受験対策をするので学力面の向上が期待できます。また、国公立大学を受験するためには、事前準備やメンタル面の強化にもつながりますので診療放射線技師の仕事にも良い影響があるはずです。
一方、デメリットは純粋に合格するのが難しいという点になります。国公立大学に合格をするには大学入学共通テストと2次試験の受験も必要なので、早い段階から志望校選定や受験対策を開始する必要があります。
難易度面で見る私立大学のメリットデメリット
私立大学を難易度面のメリットは、比較的に学力にあわせて幅広く選定することができるところです。特に大学附属病院の医学部と一般的な大学にある学部や学科だと難易度も変わります。私立大学の難易度面のデメリットは、大学附属系の私立大学だと難易度が高い傾向にあるところです。ただし、国公立大学のような多くの受験科目で対策をする必要がありませんので、大きなデメリットにはならないと考えられます。
難易度面で見る専門学校のメリットデメリット
専門学校の難易度面で見るメリットは、学力的に難易度が高くないところです。先々を考えて基本的な学力を身につける必要はありますが、大学と比較すると難易度面ではメリットが多いと考えられます。
専門学校を難易度で見ると入学に関するデメリットは、ほとんど存在しません。ただし、入学後は診療放射線技師試験の受験資格を得るために学ぶことが多いので、学習の習慣化という面で苦労してしまう人もいるかもしれません。
診療放射線技師になるには?費用面で国立大学・私立大学・専門学校を比較
診療放射線技師試験の受験資格を得るための進学先を決める時に費用面を考慮することも少なくありません。特に第一志望以外の併願校などは、できるだけ費用を抑えたいものです。ここでは、診療放射線技師試験の受験資格を得るための進学先として、大学と専門学校を費用面で比較していきます。進学先を費用面だけで決めるのはオススメできませんが、基準のひとつにするのは一般的なことです。
費用面で大学と専門学校を比較してみよう!
費用面で国公立大学、私立大学(医学部)、私立大学、専門学校を少ない順に比較してみます。費用が安い方から順に、国公立大学、専門学校、私立大学、私立大学(医学部)のようになるなると考えられます。
国公立大学が費用面でも良い評価になっています。専門学校は3年制なのでトータル金額は微妙かもしれませんが、4年間ということを考えれば文句なしで一番です。専門学校と私立大学の差は、専門学校が3年制なのに対して大学が4年制ということです。1年間の費用で考えると大きな差がないと考えて間違いありません。
もっとも費用が高くなるのは、私立大学(医学部)です。医学部は医師を除くコメディカルを目指す学科も全体的に入学金や授業料、設備費等が高めに設定されています。費用面の中でも学費で見ると以上のような結果になりましたが、トータル費用で比較をすると一概に国公立大学が安いとは言い切れません。
大学や専門学校は、自宅から通う場合と一人暮らしをする場合で大きく金額に開きがでます。一人暮らしの国公立大学と自宅通学の私立大学だと大きな差がなくなるケースもあります。全ての費用で考えると個人差が出てしまいますので、一応学費面を基準に比較してみました。実際に自分のケースを比較する場合は、できるだけ総額で比較することをオススメします。
費用面で見る国立大学のメリットデメリット
学費面で考えると国公立大学のメリットは、学費がもっとも抑えられているという点になります。自宅から通学ができない場合は費用面で高くなりますが、それでも決してマイナスということではありません。費用面で見る国公立大学のデメリットは、特に見当たらないというのが本音です。通学面で費用が大きくなることは考えられますが、学費面で見ればマイナス要素はないといえます。
費用面で見る私立大学のメリットデメリット
費用面でみる私立大学のうち私立大学(医学部)のメリットは見当たりません。私立大学(医学部)にも良い面はたくさんありますが、少なくとも学費で比較すると厳しいのが本音です。
私立大学の場合は国公立大学よりも費用が高くなりますが、専門学校との比較では年数の差という感じです。費用面のメリットはほとんどありません。私立大学(医学部)と私立大学の費用面のデメリットは、学費の高さになります。特に併願校で入学辞退をしても入学金は返金されないことが多いので注意が必要です。
費用面で見る専門学校のメリットデメリット
専門学校を費用面で見るメリットは、3年間という点になります。大学よりも1年間少ない分、学費やその他の費用も抑えることができます。費用面で見る専門学校のデメリットは、1年間で考えると費用が高いということです。私立大学の1年間と専門学校の1年間を比較すると金額的には同等ですが、専門学校ということを考えると高いといえます。
診療放射線技師になるには?学校生活や就職面で国立大学・私立大学・専門学校を比較!
診療放射線技師になるための進学先を決めるポイントには様々な基準がありますが、最終的に希望する就職先を考える人も多いのではないでしょうか?ここでは、診療放射線技師を目指すときの進学先である大学と専門学校を学校生活や就職面で比較していきます。診療放射線技師として就職を基準に進学先を考えたい人は参考にしてください。
学校生活や就職面で大学と専門学校を比較してみよう!
学校生活面から大学と専門学校を比較すると、日頃の講義や研究室などの面を考えると大学にメリットが大きいと考えられます。友人との時間を楽しみたいという意味では、大きな差はないと思います。学年が上がると大学の方が忙しいと言われていますが、基本的に本人次第というのが本音です。国家試験対策や卒業研究などで忙しくなるのは事実ですが、有意義という意味で個人差があるので比較することは難しいと思います。
講義の面で考えると私立大学(医学部)は大きなメリットを持っています。大学病院系列の医療関連学部や学科は、チーム医療に力をいれている傾向がありますので他の業種を理解することもできます。
診療放射線技師の仕事は実力社会だという人もいるようですが、就職面では大学が圧倒的に有利です。実力社会であることは間違いありませんが、そもそも求人の時点で「大卒」となっていると専門学校の卒業生は応募ができません。
また、年度によって就職率に大きな差が出てしまうのも、診療放射線技師の求人の特徴です。仮に病院への就職が難しくなった場合は、大学であれば大学院をはじめ公務員や一般企業への就職も可能になります。
大学や学科による差はありますが、規定の選択科目を修得すれば、教員という道も開けてきます。このように就職面を考えると大学の方が良いのかもしれません。
学校生活や就職面で見る国立大学のメリットデメリット
学校生活の中でも講義面や就職面で考えると、国公立大学のメリットは大きいといえます。特に就職面での国公立大学のステータスは、専門学校との差は大きくなります。地方国公立大学の場合は、就職面で地元重視という考え方があるかもしれません。特に医療関連の仕事は地元での就職が有利になります。
学校生活や就職面で見る私立大学のメリットデメリット
就職はもちろん講義や研究という意味でも私立大学(医学部)が圧倒的に大きなメリットがあるといえます。特に大学病院系列の場合は、知識と技術面での向上が期待できます。就職面でデメリットがないように思えますが、学生の性格によって環境に馴染めない危険性があるかもしれません。もちろん、良い環境だと感じる学生も多いので判断は難しいと思います。
学校生活や就職面で見る専門学校のメリットデメリット
学校生活や就職面で見ると専門学校のメリットは、大学よりも1年早く就職ができるという点でメリットがあります。とにかく早く現場で働きたいと考えている人の場合は、3年制の専門学校は良い条件のはずです。専門学校のデメリットは、就職面になります。実力主義のイメージがある診療放射線技師の世界ですが、現実社会はそんなに甘くないというのが本音です。
診療放射線技師になるには?総合的に国立大学・私立大学・専門学校を比較!
診療放射線技師試験の受験資格を得るための養成学校を大学と専門学校で、難易度・費用(学費)・学校生活と就職を基準に比較してみました。ここでは、これまでの比較を総合的に考えて大学と専門学校を比較していきます。最終的な判断は、実際に通う受験生自身の考え方が重要ですが参考にしてくだい。
診療放射線技師の受験資格は大学と専門学校のどちらでも得られる!
診療放射線技師になるには、国家資格に合格する必要があります。国家試験を受験する資格を得るには、指定されている大学か専門学校等で専門知識や技術を学ぶ必要があります。受験資格を得るには大学と専門学校のどちらでも得られるという点だけを考えると、無理に大学受験をして難しい大学に入学する必要がないように感じます。
家庭の経済状況や個人の性格も重要な判断基準になる!
家庭の経済状況が厳しいという理由で大学進学を断念する人には、奨学金を利用するという考え方もあります。もちろん、奨学金も利用額が大きくなると返済時に厳しくなるので、積極的にオススメできるものではありません。
周りの環境に流されやすいような性格の人は、できるだけ難易度の高い大学を目指すことをオススメします。特に費用面で問題がなければ、私立大学の医学部系が良いと思います。国家試験の合格は最終的に自分自身との戦いになりますが、学習環境や友人関係で就職先まで決まってしまうケースも少なくありません。
就職や学習環境面での有利不利を考えると・・・!
学習環境面を考えると大学の講義や研究室で得られる知識や技術は専門学校で修得するのは難しいといえます。また、就職面でも大規模病院や大手一般企業への就職を目指している人は大学に進学することを強く推奨します。診療放射線技師にかかわらずコメディカルの就職状況は、安定しているわけではありません。特にここ数年はコロナ過の影響もあり、即戦力を求める病院も多くなっています。
大学に進学をいていれば、病院への就職が厳しくなったときに一般企業への就職先変更や大学院に進学をして専門知識と技術を向上させることもできます。様々な面を総合的に考えると可能な限り大学へ進学することが望ましいといえます。専門学校を否定する気持ちはありませんが、診療放射線技師を目指すのであれば大学進学がオススメです。
診療放射線技師試験の受験資格が得られる大学・専門学校一覧
診療放射線技師の国家試験の受験資格を得られる養成学校を掲載しておきます。国公立大学10校、私立大学23校、専門学校13です。近年は大学や専門学校の学部統合などを機に受験資格を得ることができなくなることも考えられます。一方で、新設大学や新設学部も存在するので実際の公式サイトや受験情報などを確認することをオススメします。
診療放射線技師試験の受験資格が得られる国公立大学
- 東京都立大学
- 岡山大学
- 弘前大学
- 大阪大学
- 茨城県立医療大学
- 金沢大学
- 徳島大学
- 福島県立医科大学
- 北海道大学
- 群馬県立県民兼呼応科学大学
診療放射線技師試験の受験資格が得られる私立大学
- 京都医療科学大学
- つくば国際大学
- 純真学園大学
- 鈴鹿医療科学大学
- 日本医療科学大学
- 国際医療福祉大学
- 順天堂大学
- 神戸常盤大学
- 川崎医療福祉大学
- 岐阜医療科学大学
- 帝京大学
- 新潟医療福祉大学
- 森ノ宮医療大学
- 日本医療大学
- 藤田医科大学
- 杏林大学
- 群馬パース大学
- 徳島文理大学
- 北里大学
- 北海道科学大学
- 駒澤大学
- 大阪物療大学
- 広島国際大学
診療放射線技師試験の受験資格が得られる専門学校
- 中央医療技術専門学校
- 東京電子専門学校
- 城西放射線技術専門学校
- 大阪行岡医療専門学校長柄校
- 専門学校 東洋公衆衛生学院
- 専門学校 静岡医療科学専門大学校
- 東海医療技術専門学校
- 北海道医薬専門学校
- 大阪ハイテクノロジー専門学校
- 福岡医療専門学校
- 神戸総合医療専門学校
- 清恵会第二医療専門学院
- 鹿児島医療技術専門学校
まとめ
診療放射線技師になるには、国家試験で診療放射線技師の資格を取る必要がります。この資格をとるための受験資格は、養成学校に定められている大学か専門学校で専門知識や技術を学ぶ必要があります。高校卒業後の進学先は、大学か専門学校のどちらが良いのかを比較しました。総合的に判断をすると大学を目指すほうが、メリットが多いという結果になっています。
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