今回の記事では、熊本大学の医療系について、取得できる資格・大学情報・入試情報などをざっくばらんにご紹介していきたいと思います。熊本大学は学部の数こそコンパクトですが、「医学部」「薬学部」と医療系の学部がしっかりと用意されています。
目次
熊本大学で取得可能な医療系資格
熊本大学では「診療放射線技師」「医師」「看護師」「保健師」「臨床検査技師」「助産師」「薬剤師」などの資格を大学内で取得することができます。特に医療系の資格の多さや学びの広さは特筆すべきで、ボリューム感溢れる勉学に勤しむことができます。
熊本大学の学部紹介!どの学部で何の医療系資格が取得できる?
ここからは熊本大学の学部を詳しく紹介していきたいと思います。冒頭にも述べましたが、熊本大学は比較的学部の数が少なめ。その中でも医療系を中心に、お話を展開していきます。
医学部
熊本大学の医学部。学科自体は医学科と保健学科の二つに分かれています。前者の医学科は6年制で、「医師」の国家試験を受験するのに卒業が必須。保健学科は中でも三つの専攻に分かれていて、看護学専攻・放射線技術専攻・検査技術科学専攻となっています。多くの大学と形的には近く、特段で注目すべき変わった仕組みはありません。
薬学部
もう一つの薬学部についてもお話をしましょう。こちらは薬学科と創薬・生命薬科学科の二つに分かれています。「薬剤師」の資格を取るためには前者の6年制が卒業必須となっています。後者は4年制で薬の開発に携わる将来を歩んでいきます。
少人数での教育を重視する方針があり、薬学科では55人。また創薬・生命薬科学科では1学年で30人ほどしか学生がいません。それに対し、教員も30人程度。ほぼマンツーマンのような感じになっています。丁寧な指導は、卒業後の人生にも必ずや役立ちます。
熊本大学の就職情報/大学院進学率
次に、卒業後の進路についてです。令和3年データで見ていきましょう。まず医学部ですが、こちらは医学科以外のデータで出してくれています。というのも、医学科は他の大学でもそうですが、臨床医研修に進む必要があります。そのため、就職にも進学にもならずに、計上に誤差が出やすいのです。
つまり残りの学科・専攻で見られる点でより詳細な内容を知ることができます。実際に進学率は7.7パーセントに留まります。147人の卒業生を輩出する保健学科はやはり4年の学びの後即戦力的に就職することが多くなっています。特に「看護師」などの就職が盛んとなる女性は、4パーセント程度しか進学をせず、その傾向を象徴しています。
ちなみに医学科は114人の卒業生となり、もちろん「その他」の区分に就職される方が全員となります。卒業後の就職進路状況についてさらに詳しく記載があるのが熊本大学の特徴で、一番多いのはもちろん医療福祉系のお仕事。医学部全体で112人がこちらになります。ほぼ全員です。しっかりと入学当時の進路を堅持することができ、自分の夢に向かって邁進することができるのです。
一方の薬学部についても見ていきましょう。こちらはわずか1.8パーセント程度が進学となっていて、残りは就職となります。これはかなり独特の結果と言えますね。なぜならば、多くの大学で薬学部の卒業生、その中でもとりわけ創薬科学科的な、薬の研究をするような学科は大学院で学びを深めることがベタになっています。そんな中で就職者がマジョリティになることはかなりの特殊傾向で、注目しておくべき点だと言えます。
卒業後の就職進路状況についてみていくと、こちらは案外ばらけています。一番多いのは流石に医療福祉系で31人なのですが、次は卸売業・小売業の18人となっています。こちらは創薬・生命薬科学科のいわゆるメーカー的なお仕事になると思われます。薬をつくるメーカーに就職し、薬の研究を進めていくお仕事をしていくのです。文系が営業職として雇われるような企業に、理系ならではの研究職として就職する感じですね。公式ホームページには具体的な就職先企業名も明示されています。特に薬学部を見て見ると、多くの方が知るような薬品メーカーなどもあり、卒業後の安泰な進路を目指すことができます。
熊本大学の資格取得率
次に熊本大学における資格の取得状況を確認していきたいと思います。
2022年度のデータを見ると、「医師」は92パーセントの合格率となっています。また薬剤師の資格は86.6パーセントとなっています。医師の合格率も比較的高いですし、薬剤師も高めになっています。こう言ってはなんですが、熊本大学の大学偏差値を考慮すると入学後の学びでグンと伸びている印象があります。医療系の資格では最難関と言える歯科医師がない(学部がそもそもない)ですが、その分集中的に指導を行ってくれるのです。少数精鋭の手厚い指導力は熊本大学の大きな売りとなってきます。
また看護師や保健師、助産師もすべてほぼ100パーセントとなっています。医療系の進路を目指す方にとっては非常にオススメできる大学だと言えますね。
熊本大学·医療系の学部別偏差値と倍率
次に熊本大学の各学部の偏差値と倍率についてお話をしていきたいと思います。偏差値47.5~52.5辺りが中央値となっている熊本大学において、やはり抜けている難易度となっています。その点も注意して見ていきましょう。
医学部
医学部ですが、偏差値的には50.0~65.0程度と言われています。「医学科」は偏差値が65.0ですが、保健学科は偏差値50.0が一般的となっています。放射線技術科学専攻のみが52.5となっています。もちろん医学科が抜けて人気で、数字にも如実に表れています。一方の倍率も、となっています。明らかに人気や難易度の差があると言え、医学科受験生は極めて注意が必要です。
薬学部
また薬学部については55.0~57.5となっています。薬学科の偏差値が57.5、創薬・生命薬科学科が55.0です。こちらは、医学科との差が大きくなっている印象です。というのも、他の大学では薬学部はもっと人気が高まり、医学科との人気がかなり拮抗する場合もあるのですが、熊本大学では医学科の間にそれなりの差が認められます。関係があるかはわかりませんし仮説の段階のお話ですが、卒業後の進路でストレート就職が多いというやや特殊な薬学部であるという点も寄与しているのかもしれません。
もちろん絶対評価で見るとそれなりの難易度と言え、警戒は必要ですが。倍率は高めに出ていて、前者が4.3倍、後者が2.1倍です。お話にも取り上げている通り、進学をしない創薬・生命薬科学科という点で、少し人気が下がっているのかもしれません。難易度は易しいと言えばそれまでですが、しっかりと薬の研究をしたい方にとっては、違った選択肢があるかもしれません。
熊本大学·医療系の入試情報や科目
最後の項目として、入試情報と科目を取り上げていきたいと思います。受験される予定のある方は必見です。なお全ての情報を網羅的に完全に取り扱うことは不可能ですので、さらに調べてみたい点は、公式ホームページなどをご覧くださいね。
医学部
まずは医学部の入試情報からです。熊本大学の医療系はどれも前期のみになっていて、一発勝負となっています。そのためしっかりと対策をして、周到な用意で臨まねばなりません。医学部は、医学科と保健学科の専攻ごと(看護学・放射線技術科学・検査技術科学)に受験の方式が違ってきます。
とは言っても共通テストのレギュレーションはどこも一緒になっています。5教科7科目が統一で地歴公民の中から一科目選択、理科から二科目が必須となっています。他の大学では基礎科目も選択不可ですが、こちらは特にそこまでの縛りはありません。
違うのは配点と二次試験の科目。医学科・検査技術科学なら、「数学」「理科」「英語」の三教科+面接となります。配点は前者が共通テストの倍ほどで後者はフィフティフィフティです。放射線技術科学は「数学」「理科」「英語」の三教科のみで共通テストの半分ほど。
そして注目すべきは看護学専攻ですが、こちらは国語と数学と英語の二次試験になります。理科を排除し、国語が課されるのはかなり稀有になっています。そのため、こちらを志望される方はやや特殊な対策が必要です。共通テストの得点率は医学科が78パーセント、それ以外は全部60パーセント程度。
薬学部
次に薬学部ですが、こちらも6年制の薬学科と4年制の創薬・生命薬科学科で分かれています。
しかしながら受験の形はどちらも一緒です。5教科7科目で理科から二科目選択・化学は必須になります。一般的な医療系の受験の形をなぞります。二次試験についてもお話をしていきますが、こちらはなんと二教科。「数学」「理科」のみになっています。理科は基礎を含めて、好きなものを2科目選択可能です。受験の幅も広く、理系科目だけで勝負ができるのは面白いです。配点は600点でとほぼ5割を占めます。創薬・生命薬科学科は面接が必要でありません。
後期もなく、形式も科目も配点も全部一緒になっています。非常にシンプルでわかりやすいです。ちなみに共通テストの得点率は薬学科が70パーセント、創薬・生命薬科学科は68パーセントです。拮抗しているのはなかなか面白く、創薬・生命薬科学科の難易度の高さをうかがわせます。一般的に薬剤師への道が開かれる薬学科の方が人気になりやすいことは自明の理です。しかしこういった傾向があるということは、頭に入れておきたいところです。
さいごに
ここまでお読みいただきありがとうございました。熊本大学はしっかりと広い進路を目指していける大学になっています。少数精鋭の盤石指導で、自分の人生を切り拓いていきましょう。
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