「看護医療系の面接って、どんなことを聞かれるんだろう」と思ったことはありませんか。他学部とは異なり、看護医療系学部では多くの場合筆記試験とは別に面接試験が行われます。看護師をはじめとする医療職は、患者やスタッフとコミュニケーションを取る機会が多いですが、協調性がなかったり、コミュニケーションが取れなかったりする場合は現場で働いていくのが難しくなります。そのため、受験生の人間性や看護師としての適性があるかどうかを面接試験で判断するのです。本記事では、面接試験の形式や評価ポイント、面接試験でよく聞かれる質問例や注意点についてお伝えしていきます。
目次
看護医療系入試では面接が行われる
看護学部をはじめとする、看護医療系の入学試験では、ほとんどの場合筆記試験に加えて面接が行われます。看護師は不安な精神状態を抱えている患者とコミュニケーションを取ったり、他の医療職スタッフとやりとりをしたりするため、知識や技術と同じくらい人間性や適性が重要です。そういった点からも、学力試験では測れない部分を確かめるために面接試験が行われます。
面接試験の形式
面接試験の形式は学校によって異なるため、事前にどのような形式で行われるかを確認しておきましょう。主な面接の方法としては、以下が挙げられます。
- 個人面接
- 集団面接
- 討論
面接の人数や方法によっては、同じ質問でも求められる回答が異なるケースもあるため、面接方法を確認しておくことが大切です。以下でそれぞれの特徴について解説していきます。
個人面接
面接方法としてはもっとも一般的なスタイルです。受験生1人に対し面接官が1人もしくは2人の形が一般的で、面接時間は10~20分程度となります。
集団面接
受験生が数名と試験官が1名~数名のグループ面接です。試験官が特定の学生に質問を投げかけますが、その回答についてどう思うかを別の学生に尋ねることもあります。自分自身に対しての質問と同様、ほかの受験生に対する質問についても回答を考えておくことが大切です。
面接時間は15~30分位ですが、自分の番ではない時もいつ指名されるか分かりません。気を抜かずに準備しておきましょう。
討論
受験生が数人以上のスタイルで行われるのは集団面接と同じですが、討論では特定のテーマについて20分~30分程度、受験生がそれぞれの意見を述べていきます。その際、ただ自分の意見を主張するのではなく、相手の意見を聞いた上でそれに同意するのか反論するのか決め、論理的に話していくことが大切です。
また、討論では自己主張はもちろんですが、他者との協調性があるかについても見られるため、一方的に自分の意見を押し付けたり、感情的な発言をしたりしないように気をつけましょう。
面接試験の評価ポイント
面接試験は多くの場合、得点形式ではなくA~Cなどの段階評価で判定されます。その際、回答内容はもちろん、言葉使いや面接に臨む態度、身だしなみなども合わせて評価されることがほとんどです。以下で、具体的な評価ポイントについて解説していきます。
大学の志望動機
「なぜその学校を志望したのか?」「ほかの学校ではなくて、その学校に入学したい理由は何か?」について明確に回答できているかどうかが問われます。「看護師になりたいから」というだけでは、その学校でなくてはならない理由にはならないため、志望動機としては不十分です。たとえば、その大学の附属病院でどうしても実習を行いたいとか、知人に卒業生がいてプログラムの良さを知って入学したいと思ったなど、具体的に理由を述べるようにしましょう。
看護の仕事に対する理解や熱意があるか
看護学部は、卒業後は基本的に看護師として働きたい人が学ぶ場所です。そのため、学ぶ内容は看護に特化しており、実習も多いためかなりハードな学生生活になるでしょう。そのため、看護の仕事に対する理解や熱意がないと、とても乗り越えていくことはできません。本当にやる気を持ち続けて学生生活を送れるのか、面接では看護師という仕事についてどう考えているのかを問われることが多いです。
もちろん、まだ看護の勉強をする前なので、正確な知識がなくてもまったく問題はありません。しかし、面接では看護を学び、将来は仕事として真剣に取り組む意志があることをアピールしていきましょう。
受験生の人間性
面接では、受験生の人間性についても評価されます。看護師という仕事は医師の指示のもと、診察や治療の補助を行いますが、知識やスキルが備わっていることだけではなく、患者やほかのスタッフと適切なコミュニケーションが取れるかどうかがとても重要です。
時には、不機嫌な患者と接することもあるでしょう。自分自身の体調やメンタルが本調子ではなく、イライラしてしまうこともあるかもしれません。そのような際にも、臨機応変に対応し、相手を不快にさせないコミュニケーションが取れるかどうかを面接で判断しています。
回答内容に一貫性があるか
面接試験では回答内容に一貫性があるかを判断されます。一見問題なさそうに受け答えをしている学生でも、全体を通して見ると回答内容がチグハグで一貫性がない場合があります。その理由は、質問された内容に対して丸暗記してきた回答で話してしまうからです。
丸暗記で話してしまうと、自分自身の考えではないため、どうしても回答にブレが出てしまいます。上手に話せなくても構わないので、熱意をもって自分の考えを面接官にしっかり伝えることが何よりも大切です。そのためには、焦らず面接官が何を聞いているのかを正確に理解して答えるように心がけましょう。
面接試験でよく聞かれる質問例
それでは以下で、実際の面接試験でよく尋ねられる質問例をいくつか紹介していきます。
大学や入試について
- なぜその大学を志望したか
- 筆記試験の出来はどうだったか
志望動機については必ずと言っていいほど質問されますので、あらかじめ答えを考えておきましょう。ただ、前述した通り、丸暗記はせずに自分の言葉で答えてください。また、筆記試験の出来については、「できました」「あまりできませんでした」とだけ答えるのではなく、具体的に何の分野の問題はできたけれど、何の分野に関する問題は難しかったなど具体的に答えるようにしてください。そのように答えることで、自己分析力が備わっていると判断されるからです。
看護師について
- なぜ看護師になりたいのか
- 大学卒業後はどのような進路を希望するか
看護医療の面接では必ず聞かれる質問です。将来は看護師になりたいと思っているので試験を受けに来ているはずです。この質問についても、事前に回答を準備しておきましょう。大学卒業後の進路希望については、まだ漠然としており決まっていない人も珍しくありません。その場合は正直に「まだよくわかりません」と答えて構いませんが、それに加えて「大学で学びながら、実習などの機会を通して将来の進路について考えていきたいです」と付け加えると良いでしょう。
性格や適性について
- 自分の長所と短所
- 看護師として向いていると思うところ
- 休日はどう過ごすか
受験生の人間性や看護師としての適性を見るために、上記のような質問がなされます。基本的には、自分をよく見せる必要はなく素直に答えて問題ありませんが、たとえば「休日に何をして過ごしていますか?」という質問に対して「一日中テレビを見て過ごしています」と答えるのはあまり良い回答ではありません。
もし実際は一日中テレビを見て過ごしている場合は、「休日には疲れが溜まっていて、ついテレビを見て過ごしてしまいますが、これからは早起きをして、朝に運動や読書など生産的な活動をしていきたいです」といったように今後の抱負を付け加えると、試験官が受ける印象も変わるでしょう。同じことを答える場合でも、できるだけ相手に良い印象を与えるよう、伝え方に気をつけていきたいものです。
高校生活について
- 高校生活で印象に残っていること
- 友達から自分はどう思われているか
高校生活についての質問は、受験生ひとりひとりで回答が大きく異なります。そのため、性格や人間性が表れやすい質問です。実際は上記の質問と少し違ったものになるかもしれませんが、高校時代に打ち込んだことや頑張ったこと、あるいは友人について聞かれるケースは多いです。特に、表彰されるレベルの活動でなくても構いません。自分が一生懸命頑張ったことについて話をできるようにしておきましょう。
その他
- ボランティア活動をしたことがあるか
- 最近気になるニュースはあるか
看護医療系の面接に限らずですが、ボランティアに関する質問は近年増えています。もしボランティア活動をしたことがない場合は、正直に経験がありませんと答えて構いません。しかしそのひと言で終わりにするのではなく、「実際に活動はしたことがありませんが、友人から聞いた○○の活動に興味があるので、入学後は学業と並行してやってみたいと思います」など、今後の抱負につなげた回答の仕方をするのが良いでしょう。
面接試験の注意点
面接試験を受ける際には、回答内容だけではなく、以下の点にも注意してください。
待ち時間も面接の一部と考える
面接は部屋の中に入ってからがスタートではありません。学校に到着し、順番を待っている間の行動も見られていると考えて待機しましょう。受験会場には、指定された時刻の30分ぐらい前に到着しておくと安心です。早めにトイレに行き身支度を整え、待機場所に向かいましょう。たとえば友人が一緒の部屋にいる場合でも、私語は控えてください。
スマホを触る、飲食するなどもマナー違反ですので要注意です。静かに席に座って待つようにしましょう。大学によって、待機時のルールが異なりますので、事前に必ず確認してください。
入退室や面接中のマナー
いよいよ面接開始です。自分の名前を呼ばれたら返事をしましょう。そしてドアをノックしてから入室します。入室したらおじぎをして、席まで行って椅子の横で再度おじぎをします。「どうぞ座ってください」と面接官から指示があってから着席してください。背筋を伸ばして足はそろえましょう。
面接中は、相手の目を見てハッキリとした大きな声で受け答えをしてください。下を向いてモゴモゴと話していると、自信がないように思われてしまいます。緊張すると早口になりがちな場合は、意識してゆっくり話すようにすると良いかもしれません。もし答えに詰まった場合でも、ずっと黙り込むことは避けましょう。
面接が終わったあとは、必ず「ありがとうございました」とお礼を言ってから退室するようにしてください。
まとめ
本記事では、看護医療の面接形式や評価のポイント、具体的にどのような質問がなされるのかなどについてお伝えしてきました。看護師は患者やスタッフとのコミュニケーションが多く発生するため、適正や人間性が大切な職業です。面接では看護師になりたい思いを熱意をもって伝え、真面目に勉強に取り組む姿勢をアピールしてください。この記事が、看護師を目指す方にとって、お役に立つと幸いです。
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