大学受験において、GMARCH(学習院大学・明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)は、その知名度や就職の強さから人気の、言わずと知れた難関私立大学です。また、近年では共通テストを大学入試に利用する私立大学も増えており、GMARCHの各大学も例に漏れず、共通テストを活用した選抜方式を導入しています。その一方、各大学が多様な方式で共通テスト利用入試を実施しているため、「複雑で分かりづらい」と感じる方も多いのではないでしょうか。そこで今回の記事では、GMARCHの共通テスト利用入試の特徴や大学・学部別ボーダーラインを紹介しますので、ぜひ志望校選びの参考にしてみてください!
※各大学の偏差値や共通テスト得点率は、大手予備校の河合塾が公表している「私立大 2022年度入試難易予想一覧表」を参照。
目次
GMARCH共通テスト利用入試の特徴(難易度・ボーダーライン等)
難易度は個別入試より高くなる傾向がある
一般的に、GMARCHの共通テスト利用入試は各大学の個別入試と比べて難易度が高いと言われています。理由としてはいくつかありますが、国公立大学を受験する学生が出願することが最大の理由です。国公立大学を志望校に据える受験生は共通テストをほぼ必ず受験する必要があるため、多くの受験生が「どのみち共通テストを受験するのであれば、私立大学の併願校も共通テストを利用して受験した方が効率的」と考えます。共通テスト利用入試では、このような国公立大学受験組も相手にして共通テストの得点を競うことになるため、結果的に個別入試よりも難易度が高くなる傾向があります。
志望校合格の可能性を高める
共通テスト利用入試が個別入試と比べて難易度が高くなる傾向がある点は先述の通りですが、このように聞くと「共通テストは受けずに個別試験に専念した方が良いのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、そのような考え方も戦略の一つとしてあるかもしれませんが、少しでも志望校合格の可能性を高めるため、可能であれば共通テスト利用入試と個別入試を併願することをオススメします。
例えば、個別入試にしか出願していない場合、個別入試当日での一発勝負になってしまいます。万が一、試験当日に体調が悪かったり、電車が遅れた等の理由で浮き足立ってしまったり、たまたま苦手分野ばかり出題されてしまったりした場合、個別入試だけでの一発勝負をしていると、本来の力を出せないまま試験に臨まざるを得ない可能性があります。個別入試だけの一発勝負ではなく、共通テスト利用入試にも併願しておくことでリスクヘッジできますし、精神的にも安心して試験に臨むことができるため、可能な限り併願での出願がオススメです。
効率的な受験が可能
先述した項目とも関係する内容となりますが、共通テスト利用入試を活用することにより、効率的に複数の大学を受験することが可能です。具体的には、個別入試しか受験しない場合は志望校の数だけ試験を受ける必要がありますが、共通テスト利用入試の場合、共通テストさえ1回受験してしまえば、そのテスト結果にて複数の大学に出願することが可能です。
共通テストの結果のみで合否判定される場合は、現地の大学までわざわざ足を運ぶ必要も無いため、複数の大学を効率良く受験したい方は共通テスト利用入試の活用を検討しましょう。
利用科目数が多いほどボーダーラインは下がる傾向
一般的に、利用する科目数が多いほど、共通テスト利用入試のボーダーラインは下がる傾向があります。具体的には、1科目の得点のみで合否判定する場合よりも、6科目の得点で合否判定する場合の方がボーダーラインは下がる場合が多いです。
当然と言えば当然ですが、科目数が少ないほど自分の得意科目のみで勝負でき高得点を取りやすい一方、科目数が増えると自分の苦手科目も含めた総合力で勝負する必要があるためです。そのため、これといった得意科目/不得意科目が無く、どの科目でもある程度の得点が見込める「オールラウンドタイプ」の方は利用科目数を増やすことをオススメします。
志望校の入試要項確認は必須!
共通テスト利用入試には、大きく分けて「共通テスト単独型」と「個別入試併願型」の2パターンがあります。前者は共通テストの得点のみで合否判定を行い、後者は大学の独自試験の得点と共通テストの得点を総合して合否判定を行います。これらのパターンは大学・学部・学科・選抜方式によって異なり、場合によっては「英検のスコアも合否判定に加味する」等の派生パターンや、特定日程でのみ共通テスト利用入試を実施する学部もあるため、自分の志望校がどのような形式をとっているのか、必ず入試要項を確認するようにしましょう。
GMARCH・共通テスト利用入試のボーダーラインまとめ
次にGMARCH各大学の共通テスト利用入試のボーダーラインについて紹介していきます。
学習院大学の共通テスト利用入試のボーダーライン
学習院大学の共通テストのボーダーラインは約78%(全学部平均)です。学部・学科・利用方式によって多少の幅がありますが、文学部の哲学科・史学科・フランス語圏文化学科(3教科型)のボーダーラインが81%と最も高いです。共通テストのボーダーラインが極端に高い/低い学部が無い点が学習院大学の特徴です。
学部 | 共通テストボーダー(得点率) | 平均 |
文学部 | 75~81% | 79% |
国際社会学部 | 75 | 75% |
法学部 | 81% | 81% |
経済学部 | 73~77% | 75% |
理学部 | 72% | 72% |
全学部 | ― | 78% |
明治大学の共通テスト利用入試のボーダーライン
明治大学の共通テストのボーダーラインは約79%(全学部平均)です。ボーダーラインが最も高い政治経済学部政治経済学科(3科目方式)が88%である一方、ボーダーラインが最も低い農学部生命科学科が71%であり、得点率だけ見れば20%近い差があります。利用する科目数が異なるため一概に比較できませんが、学部・学科・利用方式によって共通テストのボーダーラインに差がある点が明治大学の特徴です。
学部 | 共通テストボーダー(得点率) | 平均 |
文学部 | 78~86% | 82% |
国際日本学部 | 79~84% | 82% |
法学部 | 76~81% | 79% |
政治経済学部 | 76~88% | 83% |
経営学部 | 80~81% | 81% |
商学部 | 73~75% | 74% |
総合数理学部 | 73~76% | 75% |
理工学部 | 72~79% | 75% |
農学部 | 71~79% | 74% |
情報コミュニケーション学部 | 76~83% | 80% |
全学部 | ― | 79% |
青山学院大学の共通テスト利用入試のボーダーライン
青山学院大学の共通テストのボーダーラインは約80%(全学部平均)です。ボーダーラインが最も高い文学部フランス文学科(個別入試併用・B方式)が92%である一方、ボーダーラインが最も低い経営部経営学科(個別入試併用・B方式)・理工学部物理科学科(個別入試併用・B方式)が68%であり、得点率だけ見れば20%以上の差があります。利用する科目数が異なるため一概に比較できませんが、学部・学科・利用方式によって共通テストのボーダーラインに差がある点が青山学院大学の特徴です。
なお、文学部フランス文学科の共通テストのボーダーラインが92%と非常に高い理由は、その選抜方式にあります。ボーダーラインが92%のフランス文学科(個別入試併用・B方式)では、青山学院大学の独自問題(総合問題(論述))に基準点を設け、基準点に達した受験生のうち、共通テストの「外国語」の得点の上位者が合格となります。すなわち、独自問題である程度受験生数を絞り込んだうえで、共通テスト1科目のみの得点で最終的な合否を判定するため、共通テスト複数科目で合否判定する場合と比べてボーダーラインが高くなるというカラクリがあります。
学部 | 共通テストボーダー(得点率) | 平均 |
文学部 | 74~92% | 83% |
教育人間学部 | 78~84% | 81% |
総合文化学部 | 86~88% | 87% |
地域社会共生学部 | 81~84% | 83% |
国際政治経済学部 | 77~89% | 84% |
法学部 | 73~84% | 79% |
経済学部 | 79~80% | 80% |
経営学部 | 68~83% | 76% |
理工学部 | 68~80% | 74% |
コミュニティ人間科学部 | 80~82% | 81% |
社会情報学部 | 69~87% | 82% |
全学部 | ― | 80% |
立教大学の共通テスト利用入試のボーダーライン
立教大学の共通テストのボーダーラインは約79%(全学部平均)です。ボーダーラインが最も高い異文化コミュニケーション学部異文化コミュニケーション学科(3科目型)・経営学部経営学科(3科目型)及び国際経営学科(3科目型)が90%である一方、ボーダーラインが最も低い理学部物理学科(6科目型)及び生命理学科(6科目型)が68%であり、得点率だけ見れば20%以上の差があります。利用する科目数が異なるため一概に比較できませんが、学部・学科・利用方式によって共通テストのボーダーラインに差がある点が立教大学の特徴です。
学部 | 共通テストボーダー(得点率) | 平均 |
文学部 | 73~86% | 80% |
現代心理学部 | 74~85% | 79% |
異文化コミュニケーション学部 | 82~90% | 86% |
社会学部 | 71~88% | 81% |
観光学部 | 72~85% | 79% |
コミュニティ福祉学部 | 69~84% | 78% |
法学部 | 72~85% | 80% |
経済学部 | 71~84% | 78% |
経営学部 | 78~90% | 84% |
理学部 | 68~76% | 72% |
全学部 | ― | 79% |
中央大学の共通テスト利用入試のボーダーライン
中央大学の共通テストのボーダーラインは約77%(全学部平均)と、GMARCHの中ではやや低めです。ボーダーラインが最も高い法学部法律学科(3教科型)が85%である一方、ボーダーラインが最も低い商学部フリーメジャー(学科自由選択)コース(共通テスト併用方式)が67%であり、得点率だけ見れば20%近くの差があります。利用する科目数が異なるため一概に比較できませんが、学部・学科・利用方式によって共通テストのボーダーラインに差がある点が中央大学の特徴です。
学部 | 共通テストボーダー(得点率) | 平均 |
文学部 | 77~81% | 79% |
法学部 | 74~85% | 80% |
総合政策学部 | 77~80% | 79% |
経済学部 | 71~82% | 78% |
国際経営学部 | 76~83% | 80% |
商学部 | 67~78% | 75% |
理工学部 | 71~81% | 74% |
国際情報学部 | 76~80% | 78% |
全学部 | ― | 77% |
法政大学の共通テスト利用入試のボーダーライン
法政大学の共通テストのボーダーラインは約73%(全学部平均)と、GMARCHの中で最も難易度が低いと言えます。ボーダーラインが最も高い法学部国際政治学科(B方式(3教科型))が86%である一方、ボーダーラインが最も低い理工学部機械工学科(航空操縦学専修)が54%であり、得点率だけ見れば30%以上の差があります。利用する科目数が異なるため一概に比較できませんが、学部・学科・利用方式によって共通テストのボーダーラインに差がある点が法政大学の特徴です。
学部 | 共通テストボーダー(得点率) | 平均 |
文学部 | 67~85% | 76% |
グローバル教養学部 | 85% | 85% |
社会学部 | 71~82% | 77% |
現代福祉学部 | 62~82% | 73% |
国際文化学部 | 83% | 83% |
法学部 | 69~86% | 78% |
経済学部 | 65~83% | 74% |
経営学部 | 71~84% | 78% |
デザイン工学部 | 68~78% | 72% |
理工学部 | 54~72% | 66% |
生命科学部 | 64~69% | 66% |
スポーツ健康学部 | 81% | 81% |
キャリアデザイン学部 | 72~77% | 75% |
人間環境学部 | 73~83% | 78% |
情報科学部 | 69~73% | 72% |
全学部 | ― | 73% |
まとめ
ここまでGMARCHの共通テスト利用入試の特徴や大学・学部別のボーダーラインを紹介してきましたが、志望校選びの参考になったでしょうか。いずれの大学も受験生から人気の難関校であり、共通テスト利用入試を利用すれば簡単に合格できるという訳ではありませんが、同制度を上手く活用すれば志望校合格の可能性を高めることができるため、この機会に出願を検討してみてはいかがでしょうか。
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