収入や福利厚生、待遇などの条件も良い公務員ですが,旧帝大で公務員になる人は多いのでしょうか。本記事では旧帝大の大学情報やどのくらいの割合で公務員になっているのか、また、公務員になりやすい学部などについてお伝えしていきます。
目次
旧帝大とは
旧帝大とは、一般的に旧七帝大のことを指します。明治から昭和にかけて設置された日本にある国立総合大学のことで、北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学をまとめた大学群のことです。日本国内の大学では最上位に分類されており、毎年全国から多くの受験生がやってきます。
旧帝大の偏差値
旧帝大の文系・理系の偏差値を東進からまとめたのが以下の表になります。
文系学部
大学名 | 文系偏差値 |
北海道大学 | 64~64 |
東北大学 | 64~65 |
東京大学 | 72~73 |
名古屋大学 | 63~66 |
京都大学 | 71~72 |
大阪大学 | 68~70 |
九州大学 | 64~67 |
理系学部
大学名 | 理系偏差値 |
北海道大学 | 59~70 |
東北大学 | 59~72 |
東京大学 | 72~76 |
名古屋大学 | 61~72 |
京都大学 | 67~75 |
大阪大学 | 63~74 |
九州大学 | 61~71 |
偏差値的にここに、文系は一橋大学、理系は東京工業大学を加えることもあります。旧帝大の中でも、日本一の大学と呼ばれている東京大学は全体的に偏差値が高く、前期試験のみで見ていくと、突出しています。東大のみならず、旧帝大全てにおいて、偏差値70を超える学部があり、最難関大学であることを示しています。
旧帝大で公務員になる割合
では、旧帝大の大学ごとに就職者や公務員の人数や割合をパスナビをもとにみていきます。
北海道大学
まずは北海道大学ですが、2021年度の卒業者2592名に対して、就職者は872名(進学者は含まず)でした。そのうち全学部で公務員になった人は147名でした。ここから就職者全体でみると17%の人が公務員になっており、就職者が半分以下であることもあり公務員になる割合が高いです。
東北大学
まずは東北大学ですが、2021年度の卒業者2431名に対して、就職者は756名(進学者は含まず)でした。そのうち全学部で公務員になった人は176名でした。ここから就職者全体でみると23%の人が公務員になっています。理系学部では進学者が大半を占めており、就職者は半分以下であるため、結果的に公務員になる割合が高くなっています。
東京大学
まずは東京大学ですが、卒業後の進路についてのデータがありませんでした。
名古屋大学
まずは名古屋大学ですが、2021年度の卒業者2222名に対して、就職者は851名(進学者は含まず)でした。そのうち全学部で公務員になった人は126名でした。ここから就職者全体でみると30%の人が公務員になっており、公務員になる割合が高いです。
京都大学
まずは京都大学ですが、2021年度の卒業者2836名に対して、就職者は882名(進学者は含まず)でした。そのうち全学部で公務員になった人は96名でした。ここから就職者全体でみると11%の人が公務員になっており、他の旧帝大と比較すると割合は少なくなっています。
大阪大学
まずは大阪大学ですが、2021年度の卒業者3432名に対して、就職者は1420名(進学者は含まず)でした。そのうち全学部で公務員になった人は128名でした。ここから就職者全体でみると9%の人が公務員になっています。全体数が多く就職数も多いため、人数的には他の旧帝大と同じくらいの人数ですが、割合としては低く出ています。
九州大学
まずは九州大学ですが、2021年度の卒業者2630名に対して、就職者は921名(進学者は含まず)でした。そのうち全学部で公務員になった人は169名でした。ここから就職者全体でみると18%の人が公務員になっており、公務員になる割合が高いです。
国家公務員(総合職)とは
「公務員」と一口にいっても、2種類の公務員があります。「国家公務員」と「地方公務員」と呼ばれている2種類です。それぞれの公務員の役割やなり方などお伝えしていきます。
国家公務員
国家公務員とは中央省庁や出先機関などで働いている公務員のことです。さらに「総合職」と「一般職」の2種類があります。
まずは「総合職」ですが、中央省庁の幹部候補(官僚)として、政策立案、法案作成、予算編成などに携わり、国家の中心で活動しています。その一方で「一般職」とは主に事務処理などの業務に従事する職員のことを指します。それなので、一般職の主な仕事は、総合職が立案した政策の実行をしたり、企画立案を支えたりするのがメインになってきます。
試験方法ですが、総合職と一般職で異なります。一般職の試験は「大卒程度試験」と「高卒者試験」のほかに、「社会人試験(係員級)」がありますが、総合職の場合は「院卒者試験」と「大卒程度試験」のみです。特に「総合職」は応用的に考える必要がある問題が多いのが特徴的です。一般職と総合職で学習するべき科目や量自体に大きな違いはありませんが、応用力が求められるため、司法試験と比較されるほど難易度が高く、長期間の学習が必要になってきます。
地方公務員
次に地方公務員ですが、こちらの方がみなさんもイメージしやすいのではないでしょうか。市役所や県庁などで働く公務員や警察官・消防官などのことを指します。
地方公務員の試験ですが、まず1次試験を受けていきます。地方公務員試験上級(1類)、地方公務員試験中級(2類)、地方公務員試験初級(3類)、または市役所試験、警察官・消防官などを受けることになります。合格者は2次試験以降へと進み、最終合格すると公務員になれます。また、市役所の公務員試験は、22~30歳という年齢制限を設けていることが一般的です。
国家公務員(総合職)になる割合
2021年度の国家公務員(総合職)になった割合の表をご覧ください。
大学 | 国家公務員採用総合職試験の合格者 |
東京大学 | 256 |
京都大学 | 115 |
北海道大学 | 80 |
岡山大学 | 78 |
早稲田大学 | 77 |
慶應義塾大学 | 68 |
東京工業大学 | 67 |
東北大学 | 65 |
千葉大学 | 57 |
中央大学 | 56 |
九州大学 | 56 |
広島大学 | 54 |
引用URL:リセマム
このように東大が圧倒的な差をつけて、2位以下の京都大学、北海道大学を引き離しています。他の旧帝大もランクインしていますが、他にも難関私立大学や国立大学がランクインしており、非常に難易度が高いことが分かります。
- 北海道大学
3位に北海道大学はランクインしています。80名が国家公務員総合職に合格しており、東大や京大に次ぐ合格者数です。
- 東北大学
8位に東北大学がランクインしています。65名が合格しています。
- 東京大学
ダントツで一位に君臨しているのが東京大学です。合格者は256名です。
- 名古屋大学
36名が合格して16位にランクインしています。
- 京都大学
東大の次ぐ2位で115名が合格しています。
- 大阪大学
15位に大阪大学がランクインしています。
- 九州大学
11位に九州大学がランクインしています。
どんな公務員になっている?
最後に、旧帝大ではどのような公務員になっているのでしょうか。国家公務員(総合職・一般職)や地方公務員といった、公務員とひとくくりに言っても、形態は様々あります。各大学の進路をパスナビで見ていきます。また大学ごとの特徴についても見ていきましょう。
北海道大学
北海道大学は、国家公務員総合職に合格する人数が東大や京大に続き3番目に多い大学です。就職先も総務省や経済産業省など中央省庁に就職する人が多いです。その一方で、地元北海道に就職する人も多く、札幌市役所や北海道庁に就職する人も多いです。また、公務員になる人の多い学部としては法学部、文学部、経済学部、工学部、農学部で多い傾向にあります。
東北大学
東北大学は地元、東北地方に公務員として就職する人が多い傾向にあります。具体的に岩手県や宮城県に地方公務員として就職しています。学部としては法学部をはじめ、経済学部や文学部で公務員になる人が多い傾向にあります。
東京大学
就職先についてのデータが記載されていなかったため、詳細については不明ですが、かつては東京大学から霞が関というエリートコースがあり、今でも国家公務員総合職の合格者数が多いことから、現在でも同じ傾向があると考えられます。
名古屋大学
就職者は851名(進学者は含まず)に対し、公務員になった人は126名で、30%の人が公務員になっており、公務員になる割合が高いですが、主な就職先は地元である愛知に公務員として就職する人が多く、愛知県職員、名古屋市職員などに就職する人が多いです。また学部としては法学部、文学部や経済学部で公務員になる割合が高い傾向にありました。
京都大学
就職先についてのデータが記載されていなかったため、詳細については不明です。学部としては法学部と文学部で公務員になる割合が高かったです。また、国家公務員総合職の合格者数は東大に次ぐ2位であり、115名の人が合格しています。これもあり、地方公務員よりも国家公務員として就職している人が多いと考えられます。
大阪大学
大阪大学は母体数が旧帝大の中で卒業者数や就職者数が最も多く、就職者数は1000人を超えて1420名(進学者は含まず)でした。その一方で公務員になる人数としては他の旧帝大と同程度のため、公務員の就職率としては9%と低めに出ています。就職先も見ていても企業が多く、公務員になる人は少ない傾向にあります。法学部や文学部で裁判所に就職している人がおり特徴的です。また、地元である大阪に大阪府職員として就職している人も少なからずいます。
九州大学
全学部で公務員になった人数は169名と、就職者921名に対して18%の人が就職しており決して少なくありません。就職先を見てみると九州地方に就職する人が多く、特に地元、福岡県に就職する人が多いです。福岡県職員は文系学部では上位の就職先です。
他にも長崎県職員、佐賀県職員、福岡市職員など九州の公務員として活躍する人が多い傾向にあります。その一方、国税庁や厚生労働省など国家公務員として就職する人もいますが少数です。また、法学部や文学部、経済学部、工学部、農学部で公務員になる人数が多い傾向にありました。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事では旧帝大の卒後公務員になる割合や、公務員になりやすい学部などについてお伝えしてきました。旧帝大といっても各大学に特徴があったのではないでしょうか。是非この記事を参考にして、受験活動などの参考にしてください。
◆ AXIV ACADEMY(アクシブアカデミー)の概要
「生徒の人生を真剣に考え、全力でサポートする」
「変わりたい。」を叶えるを実現するために、今までの常識にとらわれない、新しい形態の予備校を運営しています。私たちは、生徒自らが夢や目標を定め、なぜ勉強が必要かを理解できるように正しい情報を提供し、進路指導に時間をかけて受験戦略を立ち上げ、受験で必要な全科目に対して学習計画を練り、進捗管理を行っています。最高の「環境」「指導」「ツール」を提供すべくWebやiPadを活用し、全国のどの地域からでも受講できるように遠隔での指導を行っています。東大の隣にオフィスを構えており、指導チームを中心に、受験に精通した経験豊富な専属スタッフが受験まで1:1でサポートします。
◆ AXIV ACADEMY(アクシブアカデミー)へのお問い合わせこちら
私たちといっしょに「質の高い学習時間」を伸ばしませんか?
●30秒で簡単!まずは資料請求・お問合せください →お問い合わせ&資料請求はこちら
●【無料】受験相談と体験授業も実施中 →無料受験相談&無料体験授業に申し込み
●アクシブアカデミー公式LINE登録で書籍無料プレゼント!! →LINE友達登録はこちらから