私立大学の最高峰に位置する大学群、早慶。これに唯一対抗できるのが旧帝大となってきます。今回は早慶と旧帝大それぞれの偏差値、レベルの違い、受験科目、どちらにも行ける可能性があるならばどちらに行った方がよいか、解説していていきます。
目次
旧帝大とは
旧帝大とは、明治から昭和にかけて設置された日本にある国立総合大学のことで、北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学をまとめた大学群のことです。一般的に旧七帝大のことを指します。日本国内の大学では最上位に分類されています。
北海道大学
北海道札幌市に設置されています。演習や研究のための施設や広大な森林などキャンパス以外の施設の面積も広いため、日本の国土の570分の1の面積にも及ぶほどの広大なキャンパスを有しています。
東北大学
宮城県仙台市にある大学です。市内4か所にキャンパスが設置されています。旧帝大としては東京大学、京都大学に次いで3番目の帝国大学として設置されました。
東京大学
東京都文京区にあり、1877年に設置されました。明治維新直後に旧幕府管轄であった昌平坂学問所、開成所、医学所を統合して大学校へとなった経緯があります。主に教養課程(1,2年次)を実施する駒場キャンパス、専門教育(3,4年次)を行う本郷キャンパス、主に大学院課程の教育を行う柏キャンパスがあります。また進学選択制度があり、入学後最初の2年間で進路をじっくり選べる一方で、専門教育を学ぶことができないという特徴もあります。
名古屋大学
愛知県名古屋市にあります。学部を超えた全学共通科目(基礎セミナー、専門基礎科目など)を設けており、高度な専門性のみならず、総合的かつ自主的な判断力を持つ豊かな人間性を有する人材の育成を目指しています。卒業後の進路としては、他の旧帝大に比べて一般企業への就職(ランキング上位はトヨタ自動車、デンソー、三菱電機)、特に愛知県内の企業への就職が多いです。
京都大学
明治30年、京都帝国大学として理工科大学を開設されました。創立以来「自由の学風」を継承し、学生の自主学習を促しています。
大阪大学
昭和6年に大阪帝大が設立されました。起源をたどると、大坂商人の象徴である「懐徳堂」、蘭医学研究の第一人者・緒方洪庵の「適塾」、そして実業家・林蝶子女史の寄付をもとに設立された「大阪外国語学校」。これらの3つがあります。自由な気風や先見性、そして学問への情熱が、現在へと受け継がれています。
九州大学
九州大学のルーツをたどると、京都帝国大学の一分科として明治36年に設けられた福岡医科大学が母体となっています。創立にあたって設立された工科大学の2分科大学をもって、明治44年に九州帝国大学として発足しました。現在は、大学院重点化と、学際的な新しい研究・教育分野の創設に柔軟に対応する組織づくりなど、斬新な大学改革を進めている。
参照URL:大学受験パスナビ:旺文社 (evidus.com)
早慶とは
早慶とは日本で初めて私立大学として成立した早稲田大学と慶應義塾大学を指す造語です。
早稲田大学
東京都新宿区にメインキャンパスを設置されている大学です。明治15年、大隈重信により創立された東京専門学校を前身とし、4つのキャンパスがあります
慶應義塾大学
1858年に蘭学の家塾として福沢諭吉により創立されたのが始まりです。本部は東京都港区に設置されています。
旧帝大の偏差値
旧帝大の文系・理系の偏差値を東進からまとめたのが以下の表になります。
文系学部
大学名 | 文系偏差値 |
北海道大学 | 64~64 |
東北大学 | 64~65 |
東京大学 | 72~73 |
名古屋大学 | 63~66 |
京都大学 | 71~72 |
大阪大学 | 68~70 |
九州大学 | 64~67 |
理系学部
大学名 | 理系偏差値 |
北海道大学 | 59~70 |
東北大学 | 59~72 |
東京大学 | 72~76 |
名古屋大学 | 61~72 |
京都大学 | 67~75 |
大阪大学 | 63~74 |
九州大学 | 61~71 |
ここへ偏差値的に文系は一橋大学、理系は東京工業大学を加えて旧帝大+一工とすることもあります。旧帝大の中でも、日本一の大学と呼ばれている東京大学は全体的に偏差値が高く、前期試験のみで見ていくと突出していることが分かります。旧帝大全てにおいて、偏差値70を超える学部があり、最難関大学群であることを示しています。
早慶の偏差値
次に早慶の偏差値ですが、パスナビをもとに学部ごとの偏差値についてそれぞれ見ていきます。
早稲田大学
文系の偏差値は62.5~70、理系は62.5~67.5と文系の方が少し偏差値が高くなっています。
学部 | 偏差値 |
政治経済学部 | 70 |
国際教養学部 | 70 |
商学部 | 67.5~70.0 |
文化構想学部 | 67.5~70.0 |
文学部 | 67.5~70.0 |
法学部 | 67.5 |
社会科学部 | 67.5 |
先進理工学部 | 65~67.5 |
基幹理工学部 | 65.0 |
人間科学部 | 62.5~67.5 |
教育学部 | 62.5~67.5 |
スポーツ科学部 | 65 |
創造理工学部 | 62.5~65.0 |
慶応義塾大学
次に2021年の慶應義塾大学の各学部の偏差値を、偏差値の高い学部から順にまとめました。慶應義塾大学の偏差値は60.0~72.5と学部によって、偏差値に開き幅があります。
学部 | 偏差値 |
医学部 | 72.5 |
総合政策学部 | 72.5 |
環境情報学部 | 72.5 |
法学部 | 67.5 |
経済学部 | 67.5 |
商学部 | 65.0~67.5 |
文学部 | 65 |
理工学部 | 65 |
薬学部 | 62.5 |
看護医療学部 | 60 |
そんなに偏差値差はない?
これまで旧帝大と早慶の偏差値についてみてきましたが、いかがでしょうか。あんまり、偏差値変わらないじゃないか、と思われた方も多いのではないでしょうか。しかし、実際の学力としては比較が難しいです。というのも、受験科目や対策の仕方が全く異なるためです。
受験科目が全く違う!
そもそも旧帝大は国立大学なので、大学入学共通テストでは主要5科目全ての対策が必要になってきます。その一方で早慶は私立大学なので、主要3教科で済みます。2次試験はほとんどの場合3教科(文系:英語・国語・社会、理系:英語・数学・理科)の学力が問われることになります。また、広範囲から出題されるため1次試験で総合的に基礎力を身につけたうえで、2次試験では難易度の高い問題の対策が必要になってきます。
さらに東京大学・京都大学では2次試験でも4教科課しており、より早く対策を取っていく必要があります。また、旧帝大はその地元で絶大な知名度を誇るため、難易度、レベル感ともに下がる可能性は低いでしょう。
旧帝大と早慶どっちが上か?
旧帝大と早慶、実際にどちらが上なのか、さまざまな観点から比較していきます。
文系で旧帝大と早慶どちらが上?
文系学部の場合、偏差値的には早慶の法学部や経済学部などの方が上ですが、東大の文科一類や京大法学部は偏差値67.5と科目数が多い仲での平均偏差値が67.5手であることを考慮するとかなり難しいです。共通テストで平均80%強を確保して二次試験に臨まないと苦戦を強いられるでしょう。このように単純な偏差値勝負であれば、早慶の方が上かもしれませんが、2次試験まで考慮すると、求められる勉強量は旧帝大の方が上と考えられます。
理系で旧帝大と早慶どちらが上?
理系の場合は、偏差値面でも旧帝大と同じくらいもしくは、東大や京大の方が上のケースもあります。科目数が多いうえで早慶の偏差値を上回ることを考えると、理系の方がより明確に差がある可能性が考えられます。また、東大の理科一類、理科二類では90%レベルの得点率がボーダーとされており、文系よりも得点率を確保していく必要があります。
人気面
人気面では東京大学の人気が高く、それに大阪大学や東北大学と地方にある大学の人気が目立ちます。早慶は他の私立大学と比較すると人気が低いですが、旧帝大の間でも人気にばらつきがあり、一概に早慶が旧帝大より人気がしたということはないでしょう。
世間イメージ面
世間的には、旧帝大は勉強を一生懸命にやってきた真面目な人が多い印象で、早慶は私立大ということもあり少し軽いイメージを持っている人が多いようです。しかし、どちらも勉強ができ、趣味に熱中する人もおり、世間的なイメージが当てはまるわけではありません。
学費面
旧帝大は国立大学であり、学費は年間50万円台に抑えられます。一方、私立大学である早慶は平均100万円程度かかります。学費面で見ていくと国立大学の方が費用を抑えられるでしょう。
学生生活面
大学によって立地の違いはありますが、キャンパス周辺には住みやすい物件や飲食店などがあり、旧帝大も早慶もどちらも過ごしやすく、キャンパスライフという面では充実した日々を過ごせるでしょう。
就職先
旧帝大では大学院に進学する人、理系学部の半数以上いる場合が多く、大学4年間を終えてすぐに就職を考えている人であれば、早慶の方がよいでしょう。また、首都圏で就職を考えている場合、東大強大早慶の方がOB・OGが多く活躍しており、地方の旧帝大よりも就職に有利でしょう。また、東海三県であれば名古屋大学、関西圏であれば大阪大、九州地方であれば九州大学など、特定のエリアで特定の大学の就職が強くなります。どのエリアで就活を考えているかがポイントになります。
旧帝大と早慶行けるならどっちに行った方がいい?
大学で研究に専念したい人にとって旧帝大の方が歴史も長く施設も整っているため、旧帝大の方がいいでしょう。また、東京で就職を考えている場合には、早慶の方が関係者も多く、就活で有利になる可能性があります。これらのことを踏まえても、自分が何を重視したいかによって、どこに行くべきか変わってきます。学費面なのか、就職面なのか何を重視するかが重要になります。
まとめ
今回は旧帝大と早慶の偏差値やレベルの違い、受験科目、どちらにも行ける可能性があるならばどちらに行った方がよいかなどお伝えしてきました。旧帝大といっても7校あり、その中で比較されてしまうところは致し方ない部分はありますが、5教科7科目、もしくは8科目の勉強をしなくてはならないため、旧帝大の方が難しく感じる人も多いでしょう。いずれにしても、旧帝大と早慶は難易度が高いことには変わりありませんので、勉強を頑張っていきましょう。
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