大学受験において「評定」は重要になってきます。志願者の成績や学校生活を数字で評価しているので一目で判断しやすいからです。当記事では、評定の計算方法や、評定をアップさせるための方法、評定が下がる原因などについて細かく解説していきます。評定の計算方法や、評定をアップさせるための方法などを理解しておくことで、効率的に勉強でき、成績アップにつながるでしょう。
目次
評定とは
推薦入試においては、書類選考があります。その際には調査書の提出が必要です。この調査書に記載されるのが、学業成績などを分かりやすく点数化した「評定」です。「評定」とは、高校1年生から高校3年生の1学期までに履修した科目の成績を5段階で表したものを指します。そして、5段階で表した成績の平均が「評定平均」です。大学受験の学校推薦型選抜には評定平均が用いられます。
一方で、推薦ではない総合型選抜においても評価項目のひとつとすることがあります。評定平均を見ることで、その人の学校生活を評価する材料となるのです。特に学校推薦型選抜では、評定平均が重視されます。
評定の計算方法
学校によっては、「全体の評定平均4.0以上」と全体の評定平均を指定するところもあれば、「全体の評定平均4.0以上で、数学は3.5以上」と全体の評定平均と特定の教科の評定平均を指定するところもあります。教科ごとの評定平均は、教科の科目すべてを足して、科目数で割ることで算出できます。評定平均は定期試験の成績が主として扱われますが、授業態度や人間性なども評価の対象となります。評定平均の計算方法は以下の通りです。
評定の計算方法の例
評定平均の計算方法は上記で解説しました「高1~高31学期までに履修した科目の成績」÷「全科目数」=評定平均
具体例をあげてみていきましょう。高校1年次の科目名と評定を以下のものとします。
科目名 | 評定 |
国総 | 4 |
世史A | 3 |
日史A | 4 |
現社 | 2 |
数Ⅰ | 5 |
数A | 3 |
物理基 | 2 |
化学基 | 3 |
生物基 | 4 |
体育 | 3 |
コ英Ⅰ | 5 |
英表Ⅰ | 5 |
社情 | 4 |
すべての評定を足すと47になります。科目数は13なので、評定を科目数で割ると以下のようになります。
47÷13=3.615……
小数点以下第2位は四捨五入するため、高校1年次の評定平均は「3.6」となります。次に、高校2年次の科目名と評定は以下の通りです。
科目名 | 評定 |
現文B | 5 |
古典B | 3 |
数学Ⅱ | 4 |
数学B | 3 |
物理 | 4 |
体育 | 2 |
保健 | 3 |
音楽Ⅰ | 4 |
コ英Ⅱ | 3 |
英表Ⅱ | 2 |
家庭基 | 2 |
社情 | 2 |
すべての評定を足すと37になります。科目数は12なので、評定を科目数で割ると以下のようになります。
37÷12=3.083……
小数点以下第2位を四捨五入すると「3.1」となります。高校1年次よりも評定が下がってしまっていますが、推薦時に用いるのは全学年を合算するので、上記の例では高校2年までの評定平均は以下の計算で求めます。
(47+37)÷(13+12)=3.36=3.4
高校2年までの評定平均は3.4となります。以上の例からも分かるように、評定を上げるためには、高校1年次からしっかりと勉強に取り組むことが大切です。
評定をアップさせる方法
評定をアップさせる方法としては以下の5つがあげられます。
- 副教科に力を入れる
- 学期ごとの成績を考える
- 苦手科目の独学勉強はやめる
- 授業に積極的に参加する
- 提出物の期限は守る
1つずつ詳しくみていきましょう
副教科に力を入れる
評定をアップさせるためには、副教科に力を入れましょう。副教科とは、音楽、技術家庭科、保健体育、美術の4教科を指します。一般的に国語や数学などの主要教科と体育や家庭科などの副教科は同じ基準になります。つまり、主要教科だけ成績が良くても、副教科の成績が悪ければ評定平均は上がらないということです。ほとんどの学生は主要教科の対策に力を入れ、副教科は赤点を取らない程度に勉強するでしょう。
しかし、主要教科だけ成績が良ければいいというわけではないので、副教科の成績が振るわなければ結果的に評定は上がりません。逆を言えば、副教科の成績が良ければ評定はアップできるということです。したがって副教科にも力を入れることをおすすめします。
学期ごとの成績を考える
評定は、高校1年生から高校3年生までの成績を評価します。1学期から3学期まで全ての学期の成績を考えるようにしましょう。「1学期は成績が良かったけれど、2学期は成績が落ちてしまった」では評定は上がりません。すべての学期で成績が上がるよう、勉強や生活を見直すことも必要です。自分の学期ごとの成績を振り返り、反省することで勉強効率も上がり、評定アップに繋がるでしょう。
常に高い点数を維持することは難しいと感じるかもしれません。ダイエットなどと同じようなイメージで、短期間だけ頑張るのではなく、普段から一定のペースで取り組むことを習慣付けることで、無理なく点数を維持するための能力がついてきます。勉強の習慣付けを意識していきましょう。
苦手科目の独学勉強はやめる
苦手科目の独学勉強はやめましょう。苦手な科目ができてしまう1つの要因は独学で勉強してきたからだと言ってもいいでしょう。苦手な科目を独学で勉強することで、分からない点が多く、さらに苦手意識を持ってしまいます。これではあまり効率がよくありません。そこでおすすめなのは、インターネットで勉強できるスタディサプリです。学校の授業よりも分かりやすく、効率的に勉強できます。
苦手な科目を独学で勉強していては、分からない点も解決できずに悩んでしまうでしょう。しかし、スタディサプリの利用によって分からない点の解決だけではなく、考え方の違いや解き方など新たな発見もあるかもしれません。苦手科目だからこそ、独学で勉強することはやめましょう。また、スタディサプリに限らず、各社が様々な受験勉強サポートサービスをしています。自分のスタイルに合ったサービスを探してみるのもいいかもしれません。
授業に積極的に参加する
授業には積極的に参加するようにしてください。なぜなら、成績に直結するからです。評定はテストの成績だけで判断するものではありません。普段の授業態度や学校生活も評価の対象となります。自己発言の積極性や、授業態度は教師から見ればすぐに評価がつけられます。また、授業に積極的に参加することで、自分の学力も上がります。学力が上がればテストの成績に繋がるので、自ずと評定もアップします。授業に積極的に参加することはメリットしかありません。
評定をアップさせるためには、授業に積極的に参加することです。授業は受け身になっていると退屈に感じるかもしれませんが、積極的に参加することで楽しく感じてくるものです。自分の時間を使って授業を受けるので、できるだけ楽しむ、と考えるのもいいかもしれません。
提出物の期限は守る
授業態度と同様に、提出物の期限を守ることは大切です。授業態度だけ良くても、提出物の期限を守れなければ評価は下がってしまいます。授業における提出物は、自分の苦手な分野を知るきっかけにもなります。また、先生も、生徒がどのように理解しているか知る材料となります。
どうしても提出期限に間に合わない場合は、早めに相談することが大切です。これは評定に関わらず、今後の社会生活においても常識的に求められるスキルのひとつです。ひとりで抱え込まず、早めに相談し、解決するという流れに慣れておくと、今後のためにもなると考え、前向きに取り組みましょう。
評定が下がる原因と対策
評定が下がる原因と対策について解説していきます。まず、評定が下がる原因としては以下の3つがあげられます。
- 定期テストの点数が伸びない
- 提出物をきちんと提出しない
- 授業態度が悪い
それぞれについて、対策もあわせて、詳しくみていきましょう。
定期テストの点数が伸びない
評定が下がる1番の要因は、定期テストの点数が伸びないことです。評定を算出するには定期テストの成績が大きく関係します。定期テストの成績が伸びないということは、評定が伸びないということです。何度も言うように、評定は高校1年生から高校3年生までの成績を基に算出します。1学期は成績が良くても、2学期は成績が下がってしまった、ではいけません。全ての学期で良い成績を残さなくてはいけません。定期テストの点数が伸びないのは原因があるはずです。
例えば、苦手な科目があるとか、理解できていない分野があるなどです。定期テストを振り返り、自分の苦手な科目や理解できていない分野について復習しましょう。ここで大切なのは、先ほども述べたように独学で勉強しないことです。苦手な科目や分からない点を自分で解決するのは危険です。先生に聞いたり、インターネットでスタディサプリを使用したりして勉強しましょう。定期テストの点数が伸びれば、評定も上がります。
提出物をきちんと提出しない
評定が下がる原因の1つとして、提出物をきちんと提出しないことがあります。先ほどは提出物の期限を守りましょうと言いましたが、提出物を提出しないのはできるだけ避けましょう。提出物はできる限り提出するように心がけ、もし、提出できない理由があるとしたら、先生に前もって相談することが大切です。相談することなく、提出物を出さないことは控えましょう。前日や、前もって提出物を確認する習慣をつけると、無理なく提出できるのでおすすめです。
授業態度が悪い
評定には授業態度も大切な指標となります。授業態度が悪いと先生から見た印象が悪くなり、評定にも反映されてしまうかもしれません。授業には積極的に参加し、分からない点は質問するなど自己発言も大切にしてください。授業態度が悪いと成績も上がりません。なぜなら、授業に耳を傾けていないからです。授業を聞いていないと定期テストの成績も伸びません。つまりは評定が下がります。授業態度を見直し、積極的な態度で授業に取り組むようにしましょう。
評定が出願基準に届いていない場合は出願できない
評定が出願基準に届いていない場合は出願できません。0.1でも要件を満たしていなければ、合格どころか出願も難しい場合もあります。学校推薦入試では学校側が推薦するので成績が悪い生徒や評定が低い生徒は、学校としても推薦しにくいと言えます。まれに、評定が要件を満たしていなくても、出願者がいない場合に合格することはありますが、基本的には合格することは難しい傾向にあります。評定が要件を満たしているか確認することが大切です。自分で成績を確認して評定を計算してみるほかに、先生に評定を算出してもらうようにしましょう。
評定は大学受験に大きく関わる?
評定は大学受験に大きく関わるのでしょうか?答えは入試の方法によって変わってきます。一般入試の場合と推薦入試の場合の違いを以下で解説していきます。
一般入試の場合
基本的に、一般入試の場合は入試の点数によって合否を判断します。評定平均はほとんど関係しません。しかし、学業成績や学校生活における態度などは成績にも大きく関係してきます。例えば先生に質問する、授業に積極的に取り組むことは定期テストの点数が伸びやすい要因となります。また、提出物を期限内にきちんと提出することも大切です。期限を必ず確認し、忘れず提出するようにしましょう。
学校推薦選抜入試(指定校)の場合
学校推薦選抜入試の指定校型は評定平均が大きく関係してきます。その理由としては、この入試形式は大学と高校の信頼の上に成り立つ入試だからです。大学側が高校を指定していること、そしてその高校の校長から推薦を得ることが条件になります。この推薦に関しては大学から高校へオファーされる人数は限られているため、校内選考で選ばれた人のみが推薦を得ることができます。つまり、他に同じ大学を希望している人がいてその人の方が評定平均が高ければ、推薦をもらうことはできません。
必要となる評定平均についてですが、南山大学を例にあげますと、必要になる評定平均は「4.3以上」です。大学によっては先ほどの条件に加えて、英語の評定平均が4.5以上など指定されている場合もあります。高校1年生の1学期から高校3年生の1学期までが評定平均の対象となるので、指定校を狙う場合は、1年生のうちから計画的に勉強して評定平均をとっておかなければなりません。3年生から本格的に頑張ろうとするとかなり厳しいです。3年間を通して優秀な成績を残せるように努力しましょう。
学校推薦選抜入試(公募)の場合
学校推薦選抜入試の公募型も評定平均が関係してきます。指定校型とは違い、そこまでは高い評定平均は必要ありません。しかし、大学や専願か併願かによってかなり変わってきます。上智大学は4.0以上としている学部が多いですが、愛知大学の専願は3.5、併願は3.0以上です。志望大学を早めに決めて計画的に学業に努めましょう。
また注意点として、評定平均の条件を達成していても普段の学校生活における授業態度や素行が悪いと学校長からの推薦がもらえないことがあります。せっかく高い評定平均をとったのに推薦がもらえないということがないように過ごしていきましょう。
総合型選抜の場合
総合型選抜においても、評定平均は重要になります。総合型選抜の特徴は、知識や技能の習得を過度に重視しないことですが、個別検査や大学入学共通テスト・資格や検定試験の成績に加えて、調査書内の評定平均を活用することが求められています。したがって、評定平均が必要になる大学もあるため、評定平均を高く維持していれば間違いはないです。
まとめ
評定の計算方法や、評定をアップさせるための方法、評定が下がる原因などについて解説してきました。評定をアップさせるためには定期テストの成績はもちろん、普段の授業態度や提出物の期限を守って提出するなどいくつかの方法があります。基本的には定期テストの成績が評定に反映されますが、普段の学校生活も評価対象であることを理解しておきましょう。評定が下がる原因やその対策も心得ておき、自分の学校生活や成績を振り返りましょう。
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