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文理選択の決め方とは?いつまでに決めるべき?気をつけるべき点も含めて解説します


「文理選択って、いつ頃するものなの?」「文理選択って、何がそんなに大事なの?」と思ったことはありませんか。将来の大学進学で、文系学部に進むか理系学部に進むかを決めるのが文理選択です。高校1年の秋頃から冬頃にかけて決めることが多いため、まだ高校に入ってから半年しか経っていないのに早すぎると思うかもしれません。しかし、高校2年次から文系コース、理系コースに分けて授業を行う学校も多いため、この時期に文理選択をするのは自然な流れなのです。本記事では、文理選択の決め方や文系・理系の特徴やメリットについてお伝えしていきます。

文理選択とは

文理選択とは、大学進学で文系学部と理系学部のどちらに進むかを選ぶことです

文理選択は将来に関わってくるため、かなり重要です。文系を選ぶか理系を選ぶかによって学ぶ分野や入学する学部が変わり、将来の職業も変わってきます。たとえば、医師になりたい、看護師になりたいなど医療系の職業を希望するのであれば理系になりますし、弁護士になりたいと思うのであれば、法学部に進む必要があるので文系になります。

ちなみに、最近では文理融合系の学部(情報学部など)も増えており、この場合は文系でも理系でもどちらでも受験可能です。そうは言っても、大半の学部は文系もしくは理系にきっちり分かれています。

 

「とりあえず決めておいて、あとで希望が変われば文転・理転すればいい」という発想は危険です。文系と理系では科目ごとの必要単位数に差があり、途中で進路を変えることは大変だからです。特に文系から理系へ変わる理転の場合、理科を2科目と数学IIIを新たに勉強しなければならなくなるので、負担が大きく、受験勉強がかなり厳しいものとなるため注意してください。

文系の特徴

文系コースでは、英語や国語、地歴公民の社会科を重点的に学びます。国立大学を受験する場合は数学や理科も必要になりますが、英国社の学習により比重が置かれるということです。

大学受験では、文系学部と呼ばれる以下の学部を受験することになります。

  • 文学部
  • 法学部
  • 経済学部
  • 商学部
  • 社会学部
  • 国際学部
  • 教育学部
  • 外国語学部など

理系の特徴

理系コースでは、数学や理科を重点的に学びます。国立大学を受験する場合は国語や社会も必要になりますが、英数理の学習により比重が置かれるということです。文系コースと比べると理系コースの方がより多くの学習時間が必要と言われています。

大学受験では、理系学部と呼ばれる以下の学部を受験することになります。

  • 理学部
  • 工学部
  • 理工学部
  • 建築学部
  • 農学部
  • 医学部
  • 看護学部
  • 薬学部など

文理選択の決定時期

文系にするか、理系にするかを決める時期はいつ頃なのでしょうか。少し古いデータになりますが、2012年に国立教育政策研究所が行った「理系文系進路選択に関わる意識調査」によると、7割近くの学校が、高校2年次から文系・理系のコースに分けた授業を開始していました。

つまり、高校1年生の秋頃から冬頃にかけて、文系にするか理系にするかを決定していくと考えておきましょう。高校に入学したばかりで、まだ先のことは考えるには早いと思うかもしれません。しかし、早めに進路を考えるきっかけになるよう、高校1年生の夏休みに、大学へのオープンキャンパス参加とレポート執筆が宿題になる学校もあります。

文理選択の決め方

それでは、文系と理系のどちらに進むかについては、どうやって決めていけば良いのでしょうか。以下で詳しく解説していきます。

将来やりたい仕事・職業をもとに決める

自分が将来やりたい仕事や就きたい職業が決まっている場合は、それをもとに文系・理系を選択するとよいでしょう

たとえば、弁護士になりたいのであれば、司法試験を目指せる法学部。臨床心理士を目指すのであれば、心理学科に行くことになります(文系)。医師になりたいのであれば医学部、薬剤師になりたいのであれば薬学部(理系)です。

このように、将来やりたい仕事がすでに決まっている場合は、進学する学部も自動的に絞られてくるため、文系・理系のどちらにするかの判断はしやすいでしょう。 

勉強したい内容をもとに決める

高校1年生の段階では、将来つきたい職業が決まっていない人も多いでしょう。まだ将来の仕事について具体的にイメージできない場合は、勉強したい内容をもとに文系に進むか、理系に進むかを決めることをおすすめします

その場合、自分が好きな科目や得意な科目をもとに考えると、スムーズに決めることができます。「英語が好きだから外国語学部がいいかな」「化学が大好きだから、化学科を目指そうかな」など、漠然としたイメージでも構いません。

文系から理系(理転)、理系から文系(文転)へと変更するのはとても大変なのでおすすめできませんが、文系を選んで外国語学部ではなく法学部を志望する、理系を選んで化学科ではなく薬学部を志望するなど希望学部が変わっても、受験勉強の内容に影響が及ぶことはほとんどないため安心です。

文系と理系のメリット

将来やりたい仕事が明確に決まっている場合は良いですが、まだ決まっておらず文系にするか理系にするか悩んでいる場合は、以下で説明するそれぞれのメリットを知って、文理選択の参考にしていきましょう。

文系のメリット3つ

ここからは文系のメリットを3つ解説していきます。

理系と比べて時間に余裕がある

文系学部に進学すると、一般的には理系学部と比べると時間に余裕があります。理系学部は実験などで拘束時間が長く、朝から晩まで大学にいることも珍しくありません。しかし文系学部の多くは拘束時間がそこまで長くないため、サークルやアルバイトなど学業以外の活動もしやすい傾向があります。

私立大学は理系より学費が安い

私立大学に進学する場合、文系学部は理系学部よりも学費が安くなります

一般的に、私立大学の文系学部では、100万円を少し上回るくらいの学費が必要です。一方で理系学部では、150万円~200万円程度の学費がかかります。看護学科や理学療法学科など、医療系のコースを選択すると200万円を超える場合もあるため、文系学部と比べると倍の学費がかかる可能性があるのです。

国公立大学では、文系学部でも理系学部でも授業料は均一のため変わりませんが、私立大学を選ぶ場合は、文系学部の方が学費が安いというメリットがあることを覚えておきましょう。

学部や就職先の選択肢が多い

文系学部には、伝統的な法学部や文学部、経済学部などのほかに、国際系、情報系などさまざまな学部があります。そのため、大学で学びたい内容が変わった場合でも学部選びに困ることはあまりないでしょう。

また、就職の際にはほぼ専門職限定となる理系学部と比べて、文系学部はさまざまな業種や職種を選ぶことができます。SEなど、理系学部出身者ばかりかと思われるような職種にも、文系学部出身者が就職しています。もちろん医師など、特定の理系学部を出て国家試験に合格しないとなれない職業もありますが、一般的には、文系学部の方が就職先が狭まらず選択肢が多いといえるでしょう。

理系のメリット2つ

ここからは理系のメリットを2つ解説していきます。

就職先が決まりやすい

理系学部の出身者は、大学あるいは大学院時代に専門性が確立されているので、就職が決まりやすい傾向があります。もちろん、文系学部の出身者は就職が決まりにくいということではありません。

ただ、一般的に文系学部の学生は、さまざまな業種の企業を数多くリサーチし、多くの企業のテストを受けたり面接を受けたりする傾向があります。しかし、理系学部の場合は専門職としての就職となることが多いので、大学の研究室に来ている求人募集に直接応募したり、ゼミの担当教授から推薦を受けたりなどして、いくつも企業をまわる必要もなく、早期に内定が出る傾向があるのです。

就職活動は、長引けば長引くほど体力、メンタルともに消耗します。希望の職場に早く決まるのであれば、大きなメリットといえるでしょう

専門分野を深めやすい

理系学部は文系学部よりも専門分野を深掘りして学んでいきます

座学だけではなく、実験や実習が多いのも特徴です。ゼミや研究室などで、リサーチやプロジェクトを行うために長時間活動します。その結果、学部期間だけでも専門性が高まりますが、より研究分野を深めたいと、大学院へ進学する学生も多いです。

理系学部に進学すると、専門分野を深め、教授や同期、先輩後輩など同じ研究室にいる人たちとのつながりも深くなり、密度の濃い大学生活を送ることができるでしょう。

文理選択で気をつけるべき2つのポイント

ここまで、文理選択のポイントや文系・理系のメリットについてお伝えしてきました。しかし、間違った選択をしてしまわないよう、以下の2点に気をつけるようにしてください。

苦手科目を基準に文理選択をする

「数学が苦手だから文系にしよう」「国語が苦手だから理系はやめておこう」など、苦手科目を避ける形で文理選択をするのは避けてください

最終的には、共通テストを受験する際に、苦手科目のスコアも関係してきます。「国公立大学は受けないし苦手科目は関係ないよ」と思うかもしれませんが、私立大学でも共通テスト利用入試を使う場合など、一般受験では不要な科目(=苦手科目)が必要になってくる場合があります。

つまり、得意でないからというマイナスの理由で文理選択をしても、苦手科目から逃げられるとは限らないということです。また、文系学部のくくりに入っている経済学部では、入学後に数学的思考力が必要になるため、入試科目に数学を必須としている場合もあります。数学が苦手だからと文系を選択し、数学の学習をおろそかにした場合は、経済学部へ進学したくてもできない可能性があるわけです。

このことから、文理選択では、苦手科目を避ける形で決定するのはおすすめしません。

他人の意見に流されないようにする

「周りが理系だから自分も理系にしよう」「親が弁護士になった方がいいと言うから、文系コースにしようかな」など、周りの意見に流されて安易に文理選択をしないようにしてください。

進学校では、周りの生徒が当然のように難関国立大学を目指しているような場合もあります。そのような環境では、自分が本当に将来どうなりたいのか、何をしたいのかを考えないで、偏差値が高い大学や学部を目指そうとしてしまいがちです。

あとから、文転や理転をするのは至難の業です。文理選択をする際に、自分がやりたいことをしっかり考え、他人の意見に惑わされずに決定するようにしてください

まとめ

本記事では、高校1年生の秋から冬にかけて行われる文理選択について解説してきました。文系にするか理系にするかを決定することで、将来の仕事や職業選択の範囲がおおよそ決まってしまいます。そのため、なんとなく決めるのではなく、自分がどんな勉強をしたいのか、社会人になったらどんな仕事をしたいのかを真剣に考え、決定するようにしてください。

本記事が、文理選択について考えている皆さんのお役に立てば幸いです。

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