「家では集中できないけど、どこで勉強すればいいんだろう…」受験勉強を始めると、必ず直面する勉強場所選びの悩み。
HUSTAR株式会社が現役東大生100人に実施した調査によると、勉強場所の内訳は、自宅:34%、図書館:25%、学校:18%、塾の自習室:13%、カフェ:8%、その他:2%という結果になりました。

興味深いのは、多くの東大生が複数の勉強場所を使い分けていたという点です。つまり、状況や目的に応じて最適な勉強場所を選択することが、効率的な学習につながると言えるでしょう。
この記事では、受験生におすすめの勉強場所を、無料・有料別にご紹介します。それぞれのメリット・デメリット、実際の活用法、利用者の声まで徹底解説。あなたに最適な勉強場所が必ず見つかるはずです。
参考:マイナビ子育て編集部|東大生に聞いた!「勉強場所ってどこが最適なの?」に現役東大生100人が回答
目次
【無料】受験生におすすめの勉強場所5選
まずは、無料で利用できる勉強場所をご紹介します。費用を抑えながら、効率的に学習を進めましょう。
図書館
全国に約3,300ある公共図書館は、静かな環境と充実した設備が整った理想的な学習スペースです。
【メリット】
- 静かで集中できる
- 冷暖房完備
- 参考書や問題集が無料で利用可能
- Wi-Fiが使える施設も増加中
【デメリット】
- 混雑時は席の確保が困難
- 開館時間が限られる
- 飲食が制限される
《活用のコツ》
平日の午前中は比較的空いているので、学校が休みの日はこの時間帯の利用がおすすめです。また、夏休みや試験シーズンは混雑が予想されるため、開館直後に行くことをおすすめします。
参考:日本図書館協会|日本の図書館統計 公共図書館集計(2023年)
学校の空き教室・自習室
多くの高校が放課後に自習スペースを開放しています。慣れ親しんだ環境で、集中して勉強できる場所です。
【メリット】
- 移動時間が不要
- 教科担当の先生に質問できる
- 友人と情報交換しやすい
- 参考書や問題集を持ち運ぶ必要がない
【デメリット】
- 利用可能時間が限られる(下校時間まで)
- 部活動の音が気になることも
- 長期休暇中は利用できない学校も
《活用のコツ》
放課後1〜2時間を活用して、その日の復習や宿題に取り組むのがおすすめです。また、定期考査前は教科担当の先生が巡回してくれることも。わからない問題は、その場で質問できる貴重な機会です。
【活用例:Aさんの場合】
「部活を引退してからは、放課後に2時間ほど学校に残って勉強していました。自宅だとスマホを触ってしまいがちだったので。わからない問題は先生に質問できたので、勉強がはかどりました」
学校の自習室は、勉強に適した環境が整い、先生のサポートも得られる理想的な学習スペース。ぜひ積極的に活用してください。
人によっては、友人と一緒に勉強することで適度な緊張感が生まれ、モチベーションアップにつながることも。ただし、おしゃべりに時間を取られすぎないよう注意が必要です。
公民館・コミュニティセンター
公民館やコミュニティセンターの学習スペースは、図書館のように混雑することが少なく、静かで落ち着いた環境です。
【メリット】
- 混雑が少なく席が確保しやすい
- 自宅近くにある場合が多い
- 冷暖房完備
- 飲食可能な施設が多い
- Wi-Fiが使える施設も
【デメリット】
- 開館時間が比較的短い
- 参考書などの学習資料は自分で持参が必要
- 学習スペースが限られている施設も
《活用のコツ》
事前に施設のルールを確認しておくことが重要です。多くの施設では「学習室」や「フリースペース」として利用できる部屋を用意していますが、予約が必要な場合もあります。
また、一般の利用者も使用する公共施設のため、私語を慎み、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。
【活用例:Bさんの場合】
「自宅の近くに市民センターがあって、週末はよく利用していました。図書館は混んでいることが多いのですが、市民センターは比較的空いているので、確実に席が確保できます。飲み物を飲みながら勉強できるのも、長時間の学習には助かりました」
高齢者の趣味サークルなどで使用される時間帯を避け、学生が利用しやすい時間帯(平日午後や土日)を把握しておくと、より効率的に活用できます。
フードコート
ショッピングモールなどにあるフードコートは、人の話し声や食器の音が程よいBGMとなり、集中できると感じる人が多い環境です。
【メリット】
- 利用時間が長い(モールの営業時間内ならOK)
- 適度な雑音で集中できる人も
- 飲食自由
- 冷暖房完備
- Wi-Fiが使える施設が多い
- トイレや休憩スペースが近い
【デメリット】
- 土日は混雑して席の確保が困難
- 席の利用時間を気にする必要がある(混雑時)
- 周囲の音が気になる人には不向き
- 電源コンセントが使えない場合も
《活用のコツ》
平日の午前中や夕方以降など、比較的空いている時間帯を狙って利用するのがおすすめです。また、モール内の比較的静かなエリアを見つけておくと、混雑時の代替スペースとして活用できます。
フードコートは、復習や読書など、比較的リラックスして取り組める学習に適しています。
自宅
自宅は、24時間いつでも勉強できる環境です。ただし、効果的に勉強するには、いくつかの工夫が必要です。
【メリット】
- 24時間好きなときに勉強できる
- 食事や休憩が自由に取れる
- 教材をすべて手元に置ける
【デメリット】
- スマホやゲームなどの誘惑が多い
- 家族の生活音が気になることも
- だらけやすい
《活用のコツ》
自宅学習を成功させるカギは、学習専用スペースの確保です。机の上を整理し、スマホは別室に置くなど、勉強に集中できる環境作りを心がけましょう。
【活用例:Dさんの場合】
「自分の部屋は誘惑が多いので、リビングの一角に勉強スペースを作りました。家族の目があることで、スマホを触ったり、だらけたりすることが減りました」
大切なのは生活リズムの確立です。午前中は図書館、夕方以降は自宅、など、メリハリをつけた学習計画を立てることで学習効率が上がります。
【有料】受験生におすすめの勉強場所3選
続いては、有料で利用できる勉強場所をご紹介します。費用は発生しますが、それぞれの場所ならではのメリットがあります。目的や予算に応じて、使い分けてみましょう。
カフェ・カラオケボックス
東大生の調査でも8%の学生が活用していたカフェ。最近ではカラオケボックスをワーキングスペースや勉強場所として利用する人も増えています。
カフェの場合
料金目安:500円~1,000円/2時間
【メリット】
- Wi-Fi完備
- 飲食可能
- 冷暖房完備
- コンセントが使える店舗も
【デメリット】
- 長時間の利用は費用がかさむ
- 席の確保が難しい時間帯も
- 周囲の会話が気になることも
カラオケボックスの場合
料金目安:400円~800円/1時間(学割プラン)
【メリット】
- 個室で集中できる
- 飲食物の持ち込みが可能な店舗も
- Wi-Fi、コンセント完備
- グループ学習に最適
【デメリット】
- 一人だと費用が高め
- 明るさが十分でない場合も
- 机のスペースが狭い
《活用のコツ》
カフェは2〜3時間、カラオケは友人との学習や集中して問題を解きたいときなど、用途に応じて使い分けるのがおすすめです。多くのカラオケチェーンでは学生応援プランを実施しているので、事前に調べてみましょう。
有料の自習室・個室のワーキングスペース
有料の自習室やコワーキングスペースは、図書館のような静かさと、カフェのような快適さを兼ね備えた学習環境です。最近では駅前に24時間営業の施設も増えており、夜間や早朝の学習にも対応できます。
【料金目安】
・1時間:300円~1,000円
・1日:1,000円~2,000円
・月額会員:7,000円~40,000円
※施設や地域により異なります。
参考サイト
LIBPORT|コワーキングスペースの料金相場を解説|ドロップイン・月額会員・エリア別
【メリット】
- 個室で集中できる
- Wi-Fi、電源完備
- 予約システムで確実に席が確保できる
- ウォーターサーバーや製氷機などの設備が充実
- 防犯カメラ完備で安心
【デメリット】
- 料金が比較的高め
- 場所によっては交通の便が悪い
- 契約が必要な施設も
- 人気施設は予約が取りづらい
《活用のコツ》
多くの施設で「お試し利用」や「1日体験」を実施しています。まずは試しに利用して、自分に合う環境かどうかを確認するのがおすすめです。
また、定期テスト前や受験直前期など、とくに集中して勉強したい時期に利用するのも効果的です。
塾・予備校の自習室
塾・予備校の自習室は、授業料を支払っている生徒なら、多くの場合、無料か格安で利用できます。講師に質問できる環境が整っているのが最大の魅力です。
【メリット】
- 講師に質問できる
- 同じ志望校の仲間と切磋琢磨できる
- 参考書や問題集が充実
- 机が広く使いやすい
- 防犯面が安心
【デメリット】
- 授業がある時間は混雑
- 講師の在室時間が限られる
- 開放時間が限られる場合も
《活用のコツ》
講師が在室している時間帯を事前に確認し、質問したい内容をまとめておくと効率的です。
また、模試の成績データなども蓄積されているため、弱点分析や学習計画の相談にも活用できます。
【活用例:Fさんの場合】
「予備校の自習室では、講師に質問できる時間が決まっていたので、その時間に合わせて難しい問題を解くようにしていました。また、自習室で知り合った先輩から、志望校の情報や効果的な学習法を教えてもらえたのも良かったです」
塾や予備校の自習室は、単なる学習スペース以上の価値があります。専門家のサポートを受けられる環境を積極的に活用しましょう。
高校生が勉強に集中できる場所の選び方・5つのポイント
勉強場所を選ぶ際は、以下の5つのポイントをチェックしましょう。自分に合った環境を見つけることで学習効率が大きく変わってきます。
誘惑が少ないか?
スマートフォン、ゲーム、テレビなど、気が散る要素が少ない環境を選びましょう。
自宅で勉強する場合は、スマートフォンを別室に置くなど、誘惑を遠ざける工夫が必要です。
自宅から近く通いやすいか?
移動時間が長すぎると、それだけ学習時間が減ってしまいます。なるべく自宅から30分以内で行ける場所をおすすめします。
また、天候に左右されにくい場所なら、継続的な学習が可能です。
長時間利用できるか?
集中が途切れないよう、最低でも2~3時間は継続して利用できる環境が理想的です。
営業時間や閉館時間、混雑状況などをチェックしておきましょう。また、座席の快適さも重要なポイントです。
環境が自分に合っているか?
人によって、集中できる環境は異なります。完全な静寂が必要な人もいれば、適度な雑音がある方が集中できる人も。実際に利用して、自分に合う環境かどうかを確認することが大切です。
必要な設備が整っているか?
Wi-Fi、電源、空調、トイレ、休憩スペースなど、必要な設備が整っているかをチェック。また、参考書を広げるスペースや、オンライン講座を受講する際の通信環境なども確認しておきましょう。
勉強場所で集中力を高めるテクニック
ここでは、集中力を高めるテクニックを4つご紹介します。
環境を整備する
まずは机の上を整理し、必要な教材だけを残しましょう。スマートフォンは視界の外に置き、水やお茶を用意して集中力が途切れないようにします。
また、適度な明るさと温度を確保することも重要です。周囲の音が気になる場合は、イヤーマフやノイズキャンセリングイヤホンの活用も検討してみましょう。
勉強前ルーティンを決める
決まった準備動作を行うことで、脳が「今から勉強モード」と認識しやすくなります。たとえば、机を拭く、タイマーをセットする、学習計画を確認する、深呼吸を3回行う、軽いストレッチをするなど、自分なりの儀式を決めておきましょう。
同じ動作を繰り返すことで、自然と集中モードに入れるようになります。
「5分だけ」勉強法
「とりあえず5分だけ」と始めると、そのまま集中が続きやすいとされています。医師・吉田たかよし氏が提唱する「5分間勉強法」は、脳科学の作業興奮という仕組みを活用した学習法です。
まず「5分だけ」と決めて始めると、脳のやる気を生み出す中枢が刺激され、自然と学習意欲が高まります。最初は教科書を読むだけでもOK。5分経つ頃には脳が活性化し、「もう少し続けてみよう」という気持ちが湧いてくるでしょう。
この方法の魅力は、「たった5分」という手軽さです。やる気がでない日でも、5分なら始められます。気負わず取り組めるので習慣化にも効果的で、多くの受験生が「気づいたら1時間以上集中していた」という経験をしています。
参考:YouTube 東大赤門前 本郷赤門前クリニック 吉田たかよし|やる気のでない脳が驚くほど変わる「5分間勉強法」
ポモドーロテクニック
25分の集中と5分の休憩を1セットとする時間管理術です。25分間は集中して勉強し、5分間は完全に休憩を取ります。
4セット終わったら、15~30分程度の長めの休憩を取りましょう。タイマーで管理すると効果的で、明確な区切りがあることで達成感も得やすい方法です。
まとめ・自分に合った勉強場所で集中して勉強しよう!
ここまで、受験生におすすめの勉強場所をご紹介してきました。時間帯や目的に応じて複数の場所を使い分けることで、効率的な学習が可能になります。
新しい場所は試しに利用してみて、集中できる場所が見つかったら定期的に活用しましょう。環境整備や時間管理の工夫を組み合わせることで、どの場所でも集中して勉強に取り組めます。
最も重要なのは「継続して通える場所」を選ぶことです。自分の生活リズムや予算に合わせて、長く続けられる場所を見つけていきましょう。



