みなさんはこれまで何度か耳にしたことがあると思います。
“ガムを噛むと集中できる”
もうすでに、ガムを噛みながら勉強するのが習慣という人もたくさんいることでしょう。
テレビでも、プロ野球選手などがガムを噛みながらプレーをしている光景を見たことがあると思います。
もともと「噛む」という行為自体に、食べ物を飲みこみやすくしたり、唾液が出て消化を助けたり、歯・骨・関節・筋肉を強くしたりと、健康につながるメリットに関しては多く存在しています。
では集中力がほしい場面では、実際のところどうなのでしょう。
本ブログでは科学的な検知から、ガムのもたらす効果について解説していきます。
目次
受験生必見。正しい勉強のしかたの前にできること!
さあ実際のところ、ガムを噛むと集中できるというのは本当なのでしょうか。
結論から言えば、本当です。
ガムを噛むと、集中力や気分の向上に効果があると示されています。
ガムの効用に関しては、ドイツ、イギリス、日本など世界各国の研究者たちが実験し、脳科学に基づく根拠を導き出しました。
一例をあげると、イギリスのカーディフ大学の実験では、ガムを噛むことで脳への血流の流れが良くなり、その結果覚醒度や知的能力が向上すると明らかにしました(→参照)。
またストレス軽減の効果も報告されています。
たとえばガムを噛むことで、別名ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの値を下げたり、全体的な不安の軽減をもたらすことがわっています(→参照)。
日本の研究でも、長時間のガム咀嚼が脳の一部(前頭前野の腹部)を活性化し、それがうつ病の感覚を抑え込む可能性があるとも示唆されています。
さらに、記憶力の一時的な向上に有効であるとの見方もあります。
一般的に記憶力には短期記憶と長期記憶の2種類があり、学習ではこの2種類の記憶は短期から長期に変わっていきます。
こうした過程を「ワーキングメモリー」と呼びますが、脳が疲れてしまうと「ワーキングメモリー」の機能は低下して覚える事ができなくなります。
しかしガムを噛めば、記憶を司る脳の「海馬」といわれる部分が活性化してワーキングメモリーの低下を抑えることにつなげられるのです。
また店頭では、味付けで脳のはたらきをよくするガムも生まれていて、記憶力の維持の効果があるというイチョウ葉抽出物が配合されたガムもあります。
実際の勉強への活かし方
それでは勉強のとき、どのようにガムを活用したら最も良いのでしょうか。
ガムを噛んでいるベストの時間は、20分といわれています(→参照)。
20分を過ぎると、脳が刺激に慣れてしまったり、あごが疲れてしまったりします。
加えてガムも味が無くなってそれがストレスとなり、リラックス効果も減少していってしまうのです。
以上のように20分を過ぎると、ガムを噛み続けるのはデメリットの方が大きいですね。
またガムの種類によっても活用法は変わってきます。
ミント味やフルーツ味などガムのフレーバーにはたくさんの種類がありますが、メーカー側も用途に応じて味を調整しています。
例えば虫歯予防を目的にしている場合はキシリトールが配合されているガム。
眠気覚ましであればミントが通常より倍も配合されている品が多いです。
勉強のための専用の商品もありますが、脳の疲れをリフレッシュさせたいなら、眠気覚まし用の刺激が強いガムがおすすめされています。
刺激が強さは疲れた脳に新感覚をもたらすうえに、その味を長時間も維持できるからです。
もっとも、どんなガムにするかは結局個人の嗜好次第であるのが実際のところと言えます。
ガムについて調べた研究の数々
前半部分でも触れていますが、科学的な検知からの報告はまだまだなされています。
ドイツでは、30代から70代の男女20名に協力してもらい、10人にガムを噛ませ、残りの10人にはガムを噛ませずに45分間の授業を受けてもらったところ、前者のガムを噛んでいた人たちの集中力の向上が確認されました。
日本では、生理学研究所の柿木隆介教授と坂本貴和子研究員の実験、そして放射線医学総合研究所の小畠研究室と小野塚實教授が行ったfMRIを用いた共同実験が有名です。
前者は脳波を調べ、後者は病院の検査でよく使用されるMRIによる撮像法の1つで、主に脳に酸素を運ぶヘモグロビンの変化を調べます。
その変化をキャッチする事で、脳の信号値が分かりやすくなります。
結論から言えば、脳波はP300という脳の活性化の証拠である特殊な反応を、後者は脳活動を反映する信号の向上もしくは回復を確認したと報告しました。
他にも、ガムを噛む行為自体の意味を検証した法政大学のチームの研究があったり、文京学院大学ではベストな噛むタイミングについて調べられていて、国内だけでも様々な大学や研究所が科学的なデータを集めています。
まとめ
ガムを噛むと集中力が上がる、というのは事実でしたね。
知的能力のほかにも、ストレス軽減の効果もあるということがわかりました。
そして勉強を目的にする場合、ガムを噛んでいる時間は20分程度にとどめましょう。
明日からでもぜひ、実践してみてください!
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