こんにちは。神戸大学の理学部に通う大学2年生です。
今回は私の通う「神戸大学 理学部 化学科」について生の声をお届けします。
理学部化学科で学ぶことから、他の学部との違いを説明していきます!そして理学部化学科に入る前に高校の時に何をしておけばいい?物理選択がいい、生物選択がいい?などリアルな話をしたいと思います!
目次
理学部化学科って何してるの?
まず理学部化学科についてご紹介します。
① 理学部について
一口に理学部と言っても、学んでいるものは人それぞれです。
そもそも理学部の「理」ってどういう意味だ?理学部を英語で言うと、”the faculty of science” です。そう、理学部の「理」はサイエンスを表します。自分の興味惹かれる分野について深く探求するのが理学部です。
神戸大学の理学部では、数学科、物理学科、化学科、生物学科、惑星学科と幅広い学問が学べます。
②化学科について
そのうちの一つの化学科について紹介していきます。神戸大学の化学科では、他の大学と同じ様に、化学という学問について深く探求をしていきます。高校で丸暗記していた溶液の色や、分子の形など「なぜ」そうなるのかを追求していきます。
1年生のうちは、教養科目と呼ばれる科目を履修し、芸術、文学、政治学、哲学、倫理学などなど幅広い分野の学問を学べます。それから、数学や物理学など化学科で学ぶために必要な科目について高校の内容の復習から入り、大学での基礎を学んでいきます。復習するとはいえ、高校の内容を忘れていたら、すぐについていけなくなるので注意が必要です。
2年生からは専門的な科目が入ってきて、化学が中心になってきます。
化学と言っても最初は物理学や数学がメインです。なぜなら、理学部は物事の起こる理由を追求する学部なので、何かが起こる根拠を明確に言おうとすると、必ず数式での表記や式での計算が必要になるからです。
高校の化学とのギャップに驚くかも知れませんが、理学部の他の学科も、数学や物理学は必須になります。
そして、物事を追求するためのもう一つの方法は実験です。
理学部化学科では、2年生の後期から実験をします。最初は週1のペースで中和滴定や金属イオンの分類など高校でならったことの延長線上のものを扱います。そして3年生からは週4ものペースで、さらに深く化学を探求していきます。同じ化学でもいろんな分野にわかれ、高校の時の無機化学一つとってもさらにそこから派生していきます。
もちろん、実験は向き、不向きがあるため自分の苦手なことだと失敗もするし、嫌なときもありますが、そのなかで自分にあった化学が見つかります。
③他の学部・学科との違い
神戸大学の理学部化学科に似た学部・学科といえば、工学部応用化学科と理学部生物学科が挙げられます。まず、工学部応用化学科では、化学を実用的に用いることが重視されており、例えば日常で使う石鹸や洗剤など高分子化合物の合成をします。もし、有機化学が好きで化学科に入ろうとしている人がいたとして、その仕組みを追求したいならば、理学部化学科へ、実用的なものを作ることに興味があるならば工学部の応用化学科へ行くことを考えるといいかも知れません。
理学部生物学科と理学部化学科で迷う人も多くいます。
神戸大学では薬を研究する薬学部はありません。薬の研究がしたいという人は、先程の工学部応用化学科あるいは理学部化学科あるいは理学部生物学科に入ることでその研究ができます。それぞれの学部学科によって「薬」へのアプローチは変わってきます。まず、工学部応用化学科では、技術的に実用的な合成法について考え実践していきます。理学部では理論的に効率よく合成する方法や、その薬がもたらす作用を化合物の構造や他の化合物、あるいは天然に存在する化合物から類推することで研究し、新たな薬を見つけたりもします。理学部の生物学科は、薬側の働きよりも生物そのもの、つまり人間の器官の働きから薬の効果を捉えます。このように、同じ「薬」を学ぼうとしても違うアプローチがあるので、どのアプローチが自分にあっているかを考えるのが大切です。
④他の大学との違い
神戸大学理学部化学科の良いところを紹介します。神戸大学の化学科の一番の良さは「教育の質」です。神戸大学の化学科は1学年だいたい30人前後で高校のときの一般的なクラスよりも少ないくらいです。この人数で授業をするので自然と教員とのコミニュケーションが密接になります。教室もコンパクトで教員も全員に気をくばりながら授業ができます。
そのためか自然と教育熱心な先生方が多いような気がします。研究の片手間として学生の指導をしているものの、他の学校とは違い、学生を指導する環境が整っているようです。わからないことがあっても研究室まで質問しに行くと丁寧に教えてくれる先生も多いです。教室のサイズ感や人数といい、高校のようにアットホームな感じで勉強ができます。
そして、これは神戸大学全体に言えることですが、数学など必要とする科目に対して質問できる場所があり、休み時間などに気軽に質問できるようになっています。聞くところによると、こちらもアットホームで気軽に行きやすい雰囲気だそうです。
高校のとき何しておけばいい?
受験勉強も大変だけど、ギリギリで入ったとしても大学の勉強についていけるのかな?高校の時何をしていればいいのかな?など疑問に思っているみなさんに向けて現役生からのアドバイスをしたいと思います。
① 物理選択?生物選択?
理系ならば、高校の時に悩む理科の選択、神戸大学の理学部化学科に行くなら物理と生物どっちがいいのでしょうか。入試の問題の難しさや解きやすさを考えずに、考えると圧倒的に物理をおすすめします!
理学部全体に言えることですが、科学的に証明するときに、数式での表記や計算は必須になります。大学で習う化学のほとんどが物理学で使う公式を用います。そのため、生物選択で化学科に入ったほとんどの人が授業の最初でつまづき、結局高校の物理から学ぶことになります。もちろん生物の知識を使う授業もありますが、それはごく僅かです。生物化学という分野はありますが、やっていることは基本的に物理学に基づいています。名前だけにつられないようにしましょう。
というわけで、おそらく神戸大学に限らず化学を勉強するためには物理の選択をおすすめします。
とはいえ、もうすでに生物を選択してしまった!という人も大丈夫です。
神戸大学の1年生の授業では、数学や物理の基本を高校範囲から復習する授業を履修することができます。もちろん概論なので、深く理解できるとは言わないまでも、大学の化学で必要なことは学ぶことができます!
ただ、生物を選択している人も物理が必要だと覚えておいてください。
②文系科目は必要?
国語や英語が苦手だから理系を選んだ方も多いはず。大学に入ってら文系科目はいらない?と思いきや、一年生の最初は教養科目と呼ばれる文系中心の科目や英語や第2外国語を学びます。余談ですが、神戸大学では他のところでは珍しくロシア語も選択できます。
理系だからといって、文系科目を学べないというわけではなく、自由に選択をすることができます。逆に言えば文系科目を高校の時に学んでおかないと大学で苦しむときがあるともいえます。
専門科目では、特に英語が重要になってきます。英語で化学の講義をする特別授業があったり、英語での論文を読んだり、国際化の流れで、化学科など研究者を目指す人も英語が必要とされてきました。この意味で英語も学んでおいたほうがいいといえるでしょう。
しかし、概して言うと大学に入って一年目の間は、専門的な科目も少なく高校で苦手だったことをもう一度学ぶ機会があると言えます。文系科目、数学科目、選択していなかった理科科目など自分の苦手なものを学び直す機会があります。そういう意味では、ギリギリでも神戸大学にチャレンジするのをおすすめします。
神戸大学 理学部化学科の就職先は?
4年間の学部での学習をしたあと、半数以上の人は大学院に行きます。数人は教員になり、他の人は就職活動をして会社で働きます。就職先としては食品メーカーが多いです。
大学院の修士課程(博士課程前期課程)を終えた後、ほとんどの人は就職をします。就職先としては、食品メーカー、化粧品メーカー、薬品メーカーなどがあります。
ただ、昨今の研究者不足のため、博士課程後期課程まで修了したほうがいいという動きもあるので、少しずつ博士課程後期まで研究を続けるものも増えてきています。
博士課程後期修了後は、博士研究員(いわゆるポスドク)になり大学など特定の機関で研究をする人がほとんどです。
神戸大学理学部化学科の科目・配点・偏差値・倍率・合格最低点・受験日程を確認しよう
神戸大学理学部の偏差値は
○数学科
偏差値 64.4
センター試験得点率(%) 78.4~86.9
○物理学科
偏差値 65.6
センター試験得点率(%) 80.0~87.5
○化学科
偏差値 65.6
センター試験得点率(%) 80.0~87.8
○生物学科
偏差値 66.4
センター試験得点率(%) 81.2~85.9
○惑星学科
偏差値 65.6
センター試験得点率(%) 80.0~85.8
となっています。これらも学部学科選びの参考になるのではないでしょうか
詳しい受験日程や科目・配点などはこちらからご覧いただけます
https://axivacademy.shinroshidou.net/univ_detail/315?fi=1081&ex=1
まとめ
以上が神戸大学理学部化学科の現役生から見た印象です。
もう一度言いますが、教育熱心な先生が多く、勉強の環境が整っていることが一番の魅力のように感じます。みなさんも、関心をもって神戸大学のHPなどを見てみてもらえると嬉しいです!
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