目次
センター試験と共通テストでどう変わる?
化学は比較的センター試験と比べてあまり変わらない科目になります。
そのためセンター過去問などで対策がしやすいといえるでしょう。
しかし試行問題からは図表からの読み取りの問題が出ることが予想されます。
プレテストではそうした問題が取り上げられていました。
ただ、これも基礎的な知識を身につけていれば問題なく説くことができるため、特別な対策をするよりはまず基礎力をきちんと身に着けるようにしましょう。
選択問題がなくなる
センター化学では最後の問題は高分子化合物の分野からなる選択問題でしたが、共通テスト化学ではこういった出題は無くなると予想されています。
平成29年度、30年度の施行調査ともに選択問題がなくなっていました。
共通テスト化学では、選択問題がなくなることにより高分子化合物についての知識も漏れなく把握する必要があります。
30年度共通テスト 化学 試行調査問題の特徴分析
共通テスト試行問題では、全体的に問題の文章量が多くなり、思考力を問う問題が多くみられます。
とはいえ、知識問題も一定数出題されており、そこは通常のセンター試験と変化ない出題でした。全体的な難易度は高くなっています。
共通テスト試行問題のなかで3点ほど着目しておきたい傾向の変化がみられました
グラフや表の読み取り
グラフや表の読み取りにより正解に導く問題が多くみられました。
後の対策の項目で詳しく述べていますが、グラフ・表・実際の現状を相互に照らし合わせて、何が起きているのかをイメージしなければなりませんでした。
難易度は高く、普段からグラフの意味を理解してなければ正答は難しかったでしょう。
さらに特筆すべきは、常用対数表が与えられ、その表をもとに計算値を導く問題です。
読み取り方も記載されているものの、数学になじみの薄い受験生は戸惑うことが予測されました。
↑30年度共通テスト試行問題で与えられた常用対数表(前ページに読み取り方が記載されている。)
学習指導要領を超えた出題
さらに、2つ目の大きな変化としては、学習指導要領外の事柄の出題です。
第2問 Bの問題でイオンの電荷の偏りとその組み合わせによる溶解度の変化という事柄に関して思考する問題が出題されました。問6に関しては、問題文を適切に読むことさえできれば、ほとんど化学を勉強していない人でも解くことができるのではないかという問題でした。
加えて、第3問のBでは、理科課題研究という名のもとに、生徒が自分で合成の研究をするという問題が出題され、実験によって何が生成する可能性があるかを自分で判断しなければならない問題が出題されました。
これまでは、結果が与えられその反応の種類を答えさせるものや逆に、反応のヒントから結果を推測するものが出題されていましたが、ほとんどヒントのない状態で化合物Xを推測しなければなりませんでした。その中の呈色反応を予測する問題も応用力が問われ、正答率は24%と低くなっています。
↑30年度共通テスト試行問題 第2問 Bで出題された、学習指導要領外の問題を文章から読み解く問題。
↑第3問Bで出題された「理科課題研究のテーマ」をもとに出題された問題。自分で、なんの変化がおき何ができるかを推測しなければならない応用的な問題
多分野にわたる出題
そして最後の変化としては、異分野が混合された幅広い分野での出題です。
これまでは、一つの大問に対して、理論化学・無機化学・有機化学の分野がほとんどハッキリと分かれていましたが、今回の試行テストでは、有機化学の問題の中に、無機の知識を問うものや、理論的な内容を問う問題がみられました。
第5問は、有機化合物をテーマにしながらもコロイドの知識(無機化学)とその分離の方法(理論化学)の内容が問われ、アミノ酸の問題も出題されるなど多岐にわたっています。
全体の問題構成の変容からみられるように共通テストでは、分野は関係なく一定の話題をもとに幅広い分野の内容を聞く問題構成となるかもしれません。
↑30年度共通テスト試行問題で出題された多分野が混合された問題
よくあるQ&A
センター試験の過去問題は使えますか?
センター試験の過去問題も共通テスト対策にはとても有効です。
共通テストになったことで思考力を問うような問題が増えることが試行調査からも明らかになっています。しかし思考力を問う問題では前提としてセンター試験に出ているような問題の知識がなければいけません。
そのため、センター試験を演習として利用するのはとても有効な対策方法といえます。
しかし、センター試験過去問問題の優先順位はそれほど高くないことには注意しましょう。
共通テスト対策のために使える問題として、センター試験の過去問題・共通テストの試行調査・市販の予想問題集の3つが挙げられます。
理科・社会は比較的傾向の変化は少ないですが、まずは試行調査の内容をしっかりと理解するようにしてください。
その次におすすめなのが市販の予想問題集です。
傾向が変わることを考えるとセンター試験の過去問題よりもこちらのほうがおすすめといえます。
そして最後にセンター試験の過去問題ををしましょう。そのため優先順位は
- 施行調査
- 市販の予想問題集
- センター試験過去問
になります。
共通テストの予想問題集は使ったほうが良いですか?
とても有効です。しかし、予想問題集として発売されていても内容は異なることがあるので、注意するようにしてください。
具体的には
センター試験の過去問題を扱っている場合
試行調査を扱っている場合
オリジナルの予想問題を扱っている場合
の3つがあります。
「予想問題」という言葉だけを見て買うのではなく、内容もきちんと確認するようにしましょう。
前の質問で述べたように、この3つの優先順位は
- 施行調査
- 市販の予想問題集
- センター試験過去問
となりますので、自分に必要なものを確認してから使うようにしましょう。
予想問題集や過去問題に取り組むのはいつ頃がいいですか?
早ければ早いほど良いです。
しかし基礎的な知識を十分に身につけられていない段階では問題を解いても意味がありません。
こちらの記事ではゼロから早慶まで対応するための参考書のルートを紹介しています。
https://axiv-blog.com/2020/06/16/chemistry_texts/
各参考書がどのレベルに対応するものかなのかや、終了後に取り組んでほしい参考書なども紹介されています。
こちらの記事を参考にしながら、日東駒専・大東亜帝国レベルの参考書までやってから予想問題集や過去問題に取り組むのがおすすめです。
【化学】共通テスト対策におすすめの参考書一覧
教学社 共通テスト問題研究 化学基礎 化学
河合塾 共通テスト攻略レビュー 化学基礎 化学
河合塾 共通テスト総合問題集 化学
Z会 共通テスト実践模試 化学
Z会 はじめての共通テスト対策 化学
駿台 共通テスト問題集 センター過去問編 化学
KADOKAWA 大学入学共通テスト予想問題集 化学
教学社 大学入学共通テストスマート対策 化学
駿台 共通テスト問題集 マーク式実践問題編 化学
各参考書の特徴を紹介!
上では共通テストで使える参考書一覧を記載しましたが、出版社によって参考書には違いがあります。
そこでここでは各参考書ごとの特徴をご紹介します!
科目ごとに収録内容には多少のばらつきがあります。そのためここではおおまかな傾向を挙げますが、実際に購入する際には自分に必要な参考書の中身を確認するようにしてください。
「数学社 共通テスト問題研究」の特徴
試行問題
2回分
センター過去問
本試験8年分(2013年~2020年)
追試験2年分(2018年・2019年)
オリジナル問題
2回分
「河合塾 大学入学共通テスト攻略レビュー」の特徴
試行問題
1回分(2018年実施分)
センター過去問
本試験6年分(2015~2020年)
追試験3年分(2017~2019年)
オリジナル問題
なし
「河合塾 共通テスト総合問題集」の特徴
試行問題
1回分(2018年実施分)
センター過去問
なし
オリジナル問題
5回分
「Z会 共通テスト実践模試」の特徴
試行問題
1回分
センター過去問
なし
オリジナル問題
収録あり
「Z会 はじめての共通テスト対策」の特徴
試行問題
2回分
センター過去問
なし
オリジナル問題
収録あり
「駿台 共通テスト問題集 センター過去問編」の特徴
試行問題
2回分
センター過去問
本試験5年(2016~2020)
追試験3年(2017~2019)
オリジナル問題
なし
「教学社 大学入学共通テストスマート対策」の特徴
試行問題
1回分
センター過去問
収録あり
オリジナル問題
収録あり
「駿台 共通テスト問題集 マーク式実践問題編」の特徴
試行問題
2回分
センター過去問
なし
オリジナル問題
収録あり
他科目の共通テスト対策情報の紹介
アクシブアカデミーでは各科目の共通テスト分析記事を作成しています。
ぜひ参考にしてみてください。
https://axiv-blog.com/2020/08/23/common_test_assortment/
共通テストは一人ひとりに合わせた対策が重要
共通テストは「論理的に本質的な理解をすること」が重要となります。そのため受験生一人ひとりがわからないことをしっかりと理解する必要があり、それぞれに合わせた対策が重要です。
アクシブアカデミーでは、1:1の個別授業+志望校選びや出願時のサポートなど、総合的な受験サポートを実施しています。
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