「2020年度から大学入学共通テストがはじまります。共通テストよくわかんないから、推薦入試で大学決めちゃいたいです」
「大学入学共通テスト、解いてみたけど難しい…。でも大学に行きたいので推薦入試で受験したいです。」
あなたはこの様に考えていませんか?
大学入学共通テストに2020年度から変更となることで、変化するのは国公立大学の一般入試にとどまらず推薦入試も大きく変わると言われています。
とはいえ、正しい情報がまだ世の中に出きっているわけでもなく、そんな中で現在の高2生や高1生は不安を抱えながら推薦入試の準備(内申点をあげる、課外活動等をする)をしているかもしれまえん。
今回は推薦入試を考えている高校生に向けてわかっている情報をお伝えします。
目次
AO入試・推薦入試とは?
大学入学共通テストがはじまることでどんな影響があるのか考える前に、推薦入試やAO入試について整理していきましょう。
①AO入試
詳細な書類審査(この場合、書類には受験生が書いた「志望理由書」も含みます)や丁寧な面接等を組み合わせ、入学志望する受験生の能力や適性や学習意欲等を総合的に測る試験です。出願は各大学によりますが、8月以降となるケースが多いです。
→硬く表現してしまったのですが、受験生が自分の意思で出願できる入試の1つで、大学が掲げるアドミッションポリシーと合致しているか等の視点でも合否を判定する入試です。
http://axiv-blog.com/2019/12/14/ao%ef%bc%bftest/
※AO入試は今後名称が変わる予定ですが、AO入試について弊社でも記事をまとめています。よければご覧ください。
なおAO入試は2017年度の入試では、入学者が約9%程度にとどまったと言われています。国公立大学に至っては、AO入試による入学者は全体の3.3%程度だそうです。AO入試という言葉自体は広がってきていますが、まだまだ実際の入試では広まりきっていないようです。
②推薦入試
出身高等学校帳の推薦に基づき、原則として学力検査を免除し調査書を主な資料として判断する入試です。出願期間は11月1日からスタートするケースが多いです。
→高等学校の教科の評定平均等が出願の要件になっているケースが多いです。
参考:大学入学者選抜改革の動向
いかがでしたでしょうか?このように、推薦入試やAO入試は、センター試験や共通テストを受験後、2次試験をうける国公立入試に比べ、早い段階で入試があるのが特徴です。そのため、AO入試や推薦入試で受かることでなるべくはやく進路をきめることができます。その一方で、AO入試や推薦入試では「学力不問」(一般入試のように学力検査がないケース)が多いことが課題として指摘されています。今後の入試では、学力検査の代わりとして、大学入学共通テストの活用をする可能性があるそうです。
2020年度以降の推薦入試・AO入試の動き
続いて2020年以降の推薦入試やAO入試の動きについてです。現在でわかっているものを1つひとつ説明します。
①AO入試・推薦入試の名称の変更
まずは、名称が変更するという情報が明らかになっています。名前が変わってしまうだけで生徒は余計混乱してしまうかも知れませんよね…。「AO入試」は「総合型選抜」という名称に、「推薦入試」は「学校推薦型選抜」に変更になります。
②総合型選抜・学校推薦型選抜の定員の見直し
国公立大学全体として総合型選抜・学校推薦型選抜の占める割合を入学定員の30%を目指すと言われています。もちろん30%までに増やすとはいうものの一般入試に比べてまだ主流の入試ではないのですが、徐々に総合選抜型・学校推薦型選抜の入試が入試全体のしめる割合において増加する可能性があるのです。
③各大学が実施する評価方法が変わる可能性
従来の総合型選抜(AO入試)・学校推薦型選抜(推薦入試)では図られてこなかった部分、例えば学力面等もしっかり測っていく可能性があります。例えば、それぞれの大学の裁量にはなりますが、例えば、小論文やプレゼンテーション、口頭試問、各教科や各科目に関係するテスト、資格・検定試験の成績や実技などや「大学入学共通テスト」の活用が必須となる可能性があると言われています。
→今までのAO入試の対策や推薦入試の対策の様に、面接、小論文、志望理由書等や学校の成績向上(内申点向上)だけではなく、大学入学共通テスト等の対策も必要になる可能性があるのです。
④多様な学習や活動に関わる調査書や提出書類の改善
大学側に提出する調査書を含む書類も改善するそうです。具体的には、
①教科科目の学習評価を把握しやすくできるように習得単位数と評定のみを記載するのではなく、各科目の学習評価の観点別評価を記載する予定
②検定のスコアや課外活動の取り組み内容や機関など一定の共通留意事項に書く内容も見直す予定(流れとしては今まで以上に詳細に記載される予定)
③教員によって調査書の情報量のばらつきが生じないように、各評価の考え方や記載内容は多様な例文を用いた上で記載するなども検討されている(今後導入される可能性がある)
などがすでにわかっています。今まで以上にただの学力評価にとどまらず、総合的に評価される可能性があるのです。
いかがでしたか?難しい言葉もあったとは思うのですが、
- AO入試・推薦入試の文言が変わる
- AO入試や推薦入試の募集定員が増加する可能性がある
- 評価方法が変わる可能性がある
- 大学に送る調査が今まで以上に詳細に記載される可能性がある
の4点が大きな変更点です。
2020年度以降の総合型選抜(旧AO入試)について|わかっている情報について
続いて、総合型選抜(旧AO入試)についてご紹介していきます。
①総合型選抜の出願期日は2020年9月1日以降、合格発表時期は11月1日以降とするそうです。
学校推薦型入試との時期も考慮し、2020年度の総合型選抜入試は、2020年9月1日以降で、合格発表は11月1日以降だそうです。
② 調査書等の出願書類だけでなく各大学が実施する評価方法等又は「大学入学共通テスト」のうち、少なくともいずれか一つの活用を必須化する可能性があります。
先程も少し触れましたが、総合型選抜入試では、学力を測定するために、これらの評価が加わる可能性があります。総合型選抜入試では大学教育を受けるために必要な「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」も適
切に評価するため上記の評価方法を使用する可能性があります。例えば、自らの考えに基づき論を立てて記述させる評価方法(小論文等)、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績などです。それ以外でも「大学入学共通テスト」が使用される可能性もあります。
③本人の記載する資料(活動報告書、大学入学希望理由書、学修計画書等)を積極的に活用する予定です。
総合型選抜では、志願者自らの意思によって受ける試験であることを鑑みて、本人が記載する試料等も試験に積極的に活用していきます。以下の情報を記載する可能性があります。
- 大学入学者選抜実施要項において、活動報告書の記載内容や様式のイメージを例示すること。例えば、「総合的な学習の時間」等において取り組んだ課題研究等学校の内外で意欲的に取り組んだんだ活動等。(例:部活動、ボランティア活動、生徒会活動、資格・検定、各種大会・コンクール、留学・海外経験等)
- 大学入学希望理由書や学修計画書の内容について、各大学が、学部等の教育内容を踏まえ(a)入学希望理由(b)学びたい内容・計画(c)卒業後を見据えた目標等を記載させること。
- 各大学は、志願者本人が記載する資料の積極的な活用に努めること。特に総合型選抜や学校推薦型選抜において、これらの資料に関するプレゼンテーションなどにより積極的に活用すること。
これらの情報を記載する可能性があるため、受験生本人が記載できるように高校生等の間にたくさんの経験をしておく必要があるのかもしれません。
参考:大学入学者選抜関係資料
2020年度以降の学校推薦型選抜について|わかっている情報について
一方で学校推薦型入試についてもわかっている情報が徐々に増えてきています。順にご紹介していきます。
①学校推薦型選抜についての出願期日は2020年11月1日以降、合格発表時期は12月1日以降とします。
「学力の3要素」を多面的・総合的に評価するために必要な期間として、また総合型選抜との日程の調整も兼ねて、上記の日程で行う予定です。なお、「学力の3要素」とは、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」の3つのことを言います。
②推薦書に、本人の学習歴や活動歴を踏まえた「学力の3要素 」に関する評価を記載すること及び大学が選抜でこれらを活用することを必須化するそうです。
学校長からの推薦書の中で、本人の学習歴や活動歴を踏まえた「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」に関する評価を記載したり、大学が選抜する際にこれらを活用することを必須化します。
③学校推薦型選抜については一般選抜の試験期日の10日前まで(学校推薦型選抜で「大学入学共通テスト」を活用する場合は前日までのなるべく早い期日)に発表になります。
学校推薦選抜の結果発表が送れると、受験生にとって不利益が多いのではないかという考えから、今回改定となり、一般選抜の10日前までには、合否を発表する予定だそうです。
参考:大学入学者選抜関係資料
まとめ
ここまでお読みいただきありがとうございます。今後随時大学入学共通テストと推薦入試(総合型選抜・学校推薦型選抜)についての情報を更新していきます。ただ現在の流れとしては、学力を測る可能性があり、共通テストや外部試験も使用する可能性があるため、推薦入試を狙っている高2生も学校の勉強にとどまらず対策をすることが必要です。
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