003.何のために大学受験をするのか?—受験生の動機付け②—


 前回のこちらの記事では、大学受験をする意義について「自らの価値を高める」、「将来の夢を叶える」といった観点から説明しました。

 実はこの他にも大学受験をしたほうがいい大きな理由があります。今回は、実際に保護者の方が受験生にどう向き合うべきか、ということも併せてご紹介していきます。

受験(勉強時間+4年間+学費)=自分の努力で能力証明書を買うこと

 前回の記事でご紹介した、「自らの努力とがんばりによって人生の価値を変えられる」ということの意味を、大学にかかる費用という観点からも説明してみたいと思います。

 国立大学に進学する場合、文系、理系ともに、大学4年間の平均学費は、図表1-2に示したように、242万5200円になります。

 一方、私立大学に進学する場合、大学4年間の平均学費は文系で396万5807円、理系で539万8765円です。

 日本学生支援機構の「学生生活調査(平成30年度)」によると、多くの人が進学する私立大学の場合、学費と生活費を合わせると毎年約200万円(アパート等に一人暮らしの場合では約250万円)かかるとされています。つまり大学を4年間で卒業するまでに約800〜1000万円が必要となってきます。

 これは〝大学で学ぶ資格〟を買う費用ともいえますが、高級外車や中古のワンルームマンションを購入することができるくらい大きな金額です。つまり800〜1000万円を払って手に入れられるという意味では、〝大学で学ぶ資格〟も高級外車もワンルームマンションも〝同じ価値〟と考えることができます

 しかし、〝大学で学ぶ資格〟は、そうした高級外車やマンションなどのモノとは大きく異なる点があります。

 それは、「自分の努力で価値を大きく変えることができる」という点です。

 一般的に偏差値の高い大学のほうが、就職活動でつぶしが利く・有利に働くとされています。その意味では、同じ800〜1000万円でもその後の人生で得られるものが異なってくるといえるのではないでしょうか。

 800〜1000万円を払って〝自分の学力の証明書〟を買う――この高額な買い物の価値を少しでも高めることができるのは自分自身の努力だけです。

 このように「同じお金の価値を変えられる」という視点から、子どもに受験勉強の意味を説明するのも効果的な動機付けになります。

高校生は今、戦後最大の受験改革の真っ只中にいる

 現在、大学入試に関して〝戦後最大〟ともいわれる大きな改革が進められています。

 従来の「大学入試センター試験」は廃止され、2021年からは新たに「大学入学共通テスト」(以下、共通テスト)がスタートしました。この共通テストの中身は、思考力や判断力、表現力を一層重視したものとなっています。

 また、大学ごとの入試においても、受験生を多面的・総合的に評価するものになることが想定されています。

 今、高校生の子どもをもつ親御さんのなかには、このように大学入試が大きく変わる過渡期であることに対する不安や、大学受験という子どもにとって初めての経験を前に「親としてどのような対応をすればよいのか」という思いを抱いている人もいるでしょう。

 しかも、予定されていた英語の民間試験導入や国語と数学における記述式問題の実施が先送りされるなど、共通テストを巡り、混乱した状況がマスコミ報道などで伝えられてきました。そのため、受験生の保護者にとって、大学入試への心配の念は、より強まっているといえます。

高校生は大人でも難しい決断を短期間でしなければならない

 「文系・理系コースのどちらに進むのか(文理選択)」「私立と国公立のどちらに行くのか」「学部の選択は?」「受験方式や受験科目はどうするのか」等々、受験までに決めるべきことは数多くあります。

 特に最も重要な文理選択については、カリキュラムの関係上、高校に入って早い段階で決める必要があります。しかし、その決定はくれぐれも慎重に行わなければなりません。たとえば、「数学が得意だから理系にしよう」などと簡単に決めてしまうと、「やはり英語が好きだから○○大学の国際学部に入りたい」と職業や学部の変更で文転(理系から文系に変更すること)の必要が出た場合、理系科目の勉強時間が無駄になる可能性もあります。また、物理が受験科目に必須なのに得意不得意で生物を選択してしまうなど、選択科目によっては後になって受験しようと思っても受験できない大学や学部も出てきます。

 

 「進路のことは専門家である学校や塾・予備校の先生に任せればよいのでは」と思う人もいるでしょう。もちろん相談には乗ってくれるでしょうが、学校や塾・予備校の先生だからといって皆が皆、受験生の将来を親身に考えて、さまざまな可能性を視野に入れた積極的な提案をしてくれるとは限りません。

 進路は前もって考えておかないと、短期間で決断しなければならなくなるおそれがあります。時間の余裕があるうちに検討することができれば、必要かつ有益な情報を多く集めることができ、有利に受験を進めることが可能になります。

 まずは保護者が正しい情報を取得し、子どもを導いてあげることが大切です。

学歴社会の〝真実〟を教えて子どもの心を揺さぶる

 大学に進学することの意味を伝えるときに、社会では最終学歴が重視されるという現実があることも教えておくことが望ましいでしょう。

 学生の採用活動の際に、多くの企業は志望者の出身大学を非常に重要視します。

 特に社会的評価の高い大手企業、有名企業は、簡単な仕事、誰でもできる仕事を行うのではなく、高度な知識や技術、他の企業ではできない優れたサービスを提供し、そこに会社としての価値を置いています。そうした企業の社員には高い能力が要求されますが、その前提として最低限の情報処理能力や暗記能力、実行力が求められます。

 その土台があるかどうかを判断する上で、学歴は企業にとって大きな指標の一つとされているのです(もちろん学力がすべてではありませんし、採用の場面ではコミュニケーション力や大学時代の努力なども判断材料になります)。

 また、「難易度の高い大学に入った学生は、受験勉強をがんばったといえる。同じように仕事もがんばるはずだ」と考えられています。

 社会に出たら自分がしたいことだけをして生きていけるわけではありません。嫌なこと、つらいことを受け入れたり、我慢したり、やりたくないこともやらなければなりません。受験勉強は多くの人にとっては、嫌なこと、つらいこと、やりたくないことです。それでも勉強をがんばってきた人は、すでに高校生のときから努力を惜しまなかったといえます。だからこそ難易度の高い大学の学生は企業に評価されるのです。逆に言えば、受験をがんばらなかった人は、仕事もがんばらないだろう、とみなされるおそれがあります。

このように難易度の高い大学に入れたということは、努力ができる人であることの証明書を手に入れることでもあるのです

 この証明書を後から書き換えることはできません。入った大学を後から変えることは、そう簡単なことではないのです。最終学歴はその後の人生において非常に重要なものになるということを、しっかりと子どもに認識させておく必要があります。その際には、「自分が採用する側になって考えてごらん」などと言ってみると、よりイメージしやすくなるでしょう。

親の気持ちをぶつけることで子どもの気持ちが動きだす

 ここまでに述べたようなことを子どもに話すときには、向かい合って座り「今日はちょっとまじめな話をしよう……」と切り出すなど、できるだけ普段話すときとは違う雰囲気を作ってほしいと思います。ただならぬ緊張感を与えることによって、親の真剣な思いが子どもにも伝わるはずです。親の気持ちを隠さず、なるべくストレートな言葉で子どもに伝えることが大切です。そうすることで、親の思いに応えようと、子どもの心には「だらだらしていてはいけない。将来に向けて真剣に考えて、改善して、勉強をがんばろう」という強い気持ちが自然に生まれます。

 

 また、受験に関して子どもと真剣に話をする機会は一度だけではなく、繰り返し、できれば定期的にもつことをおすすめします。受験勉強を続けていくなかで、子どもは精神的に疲れたり、「もう勉強をしたくない」とやる気を失いかけたりすることがありますが、このような改まった場をもつことで、子どもの気持ちを引き締め、もう一度モチベーションを高める効果が期待できます。

 子どもの気持ちを大学受験に集中させるためには、今、社会問題化している〝若者のスマホ依存〟の問題についても把握しておく必要があります。

 図表1-3は、内閣府による青少年のインターネット利用時間についての調査結果です。

 高校生がインターネットを利用するのに使っている機器の大半はスマートフォンです。多くの高校生がスマホに毎日4時間以上も大切な時間をとられています。

 不明点を検索したり、YouTubeや学習アプリで学習したり、有効に利用している場合もありますが、統計でみると満10歳から満17歳までの青少年の平均利用時間は約30分と短く、スマホが使われている時間の大部分は、友達とインスタグラムやLINEなどのSNSでだらだらとメッセージのやりとりをしたり、娯楽系の動画サイトを見たりするなど、受験勉強を進める上で〝無駄な時間〟となっています。

 テレビゲームやテレビは親も、「どれだけの時間を費やしているのか」を把握しやすく、また、子ども自身も「もう○時間もゲームで遊んでいる」などと自覚しやすいものです。しかし、スマホはいつでもどこでも簡単に、スキマ時間でゲームやさまざまな娯楽に触れられます。そのため、本人も無自覚にゲームやアプリに費やす時間が長くなってしまうのです。

 スマホに1日平均4時間を費やすと、1年間で約1500時間になります。これは私の経営する予備校のなかで、基礎的な学力のある高校生が、いわゆるMARCH(マーチ)(明治・青山・立教・中央・法政)や関関同立(かんかんどうりつ)(関西・関西学院・同志社・立命館)と呼ばれる私立上位校に合格するまでに必要とする勉強時間よりも多くなります。逆に言えば、スマホに費やす時間をどれだけ減らすことができるか、適切にするかが、今の時代には受験の成否を分ける非常に大きなポイントになるのです。

 

 ただ、スマホが当たり前のように生活のなかに浸透している現代の子どもが、自らスマホの使用時間が多いことに気づいたり、危機感をもったりすることは難しいでしょう。だからといって保護者が「スマホを見る時間を減らして勉強しなさい」と注意すれば、勉強に気持ちが向かうかと言えば、そうとは言えないのが難しいところです。

 将来について真剣に考えるよう話し、そのためにはスマホの時間を減らして勉強時間を増やす必要があると、対話のなかで自然と促していく必要があります。

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