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010.残された時間を無駄なく効率的に使うー学校、塾・予備校の活用法①ー


 受験には試験日というタイムリミットがあります。勉強のための時間は無限にあるわけではありません。

 しかも、受験勉強は、学校の勉強・宿題・学校行事・部活・友達関係・遊び等々……と並行して進めていかなければならないのです。無為に過ごせば、それらのために時間はどんどんなくなっていきます。

 この章では、そうした厳しい時間の制約のあるなかで、確実に成績を上げるための現実的な方法や、塾・予備校の活用法などについて伝授したいと思います。

合格に必要な勉強時間をまずは把握する

 合格を確実なものにするためには、残された時間を無駄なく使って、効率的に勉強に取り組まなければなりません。受験日までの時間を最大限に使い、志望大学で出題される教科・科目に絞った勉強を行うことが重要になります。

 そのためには、まず「志望する大学に合格するためにはどれだけの勉強時間が必要なのか」を把握することが求められます。

 たとえば高3の時点で偏差値45の状態から勉強して、MARCHや関関同立などと呼ばれる上位の私立大学に合格するために、私が指導している予備校では、およそ1000時間から1200時間が必要になると考えています。もしこれらの私立大学と同レベルの国公立大学をめざすのであれば、それ以上の勉強時間を費やさなければなりません。国公立大学は、私立大学に比べて出題される教科・科目の数が多いのが一般的だからです。

 さらに、受験する大学のレベルを早稲田や慶應などの難関私立大学、あるいは東京大学や京都大学、大阪大学などの旧帝大と呼ばれる国公立大学の最上位校に上げるのであれば、難易度の高い試験に対応するために、より多くの時間が必要になります。

 このように、志望する大学が国公立なのか私立なのか、難関大学なのかなどによって求められる勉強時間は異なってきます。

 実際に不合格になった受験生を見ていると、本人の能力というよりも勉強時間が不足していることが原因になっていることがほとんどです。

 もちろん現時点の学力の程度によっても、合格に必要な時間は変わります。もしすでにMARCHレベルの大学に受かる学力があるのなら、そこから早慶や旧帝大系の国立大学に受かるために必要な勉強時間は、全く一から勉強する場合に比べてより少なくなります。

 私の運営する「アクシブアカデミー」のサイトには、大学レベルに合わせたおすすめの参考書と、その参考書の勉強にかかる時間の目安を記載していますので、ぜひ参考にしてください。

どれだけの勉強時間を確保できるのかを計算する

 合格に必要な勉強時間を把握したら、続いて志望大学の出題教科・科目に絞って実際の勉強に充てられる時間を割り出してみます。

 まず、高校3年生の4月から受験日まで、家庭で学習可能な1日あたりの時間数は、平均で平日が6時間、土日が12時間と考えることができます。すると、平日と土日の学習可能時間の合計は2292時間※になります。

※54時間/週〈1日6時間×平日5日間+1日12時間×土日2日間〉×4週×9カ月〈12月末まで〉+夏30日間×6時間+冬10日間×6時間+1月の2週間。 夏休みは40日間として平日30日間、冬休みは14日間として平日10日間が6時間増えたものとして計算。

 この時間がそのまますべて志望大学の入試で出題される教科・科目に絞った勉強に使えるわけではありません。そのことを、国公立大学の文系を志望した場合を例にして詳しくみていきましょう。

 大学受験では、入試対策として過去問や予想問題を解く時間が必要になります。具体的には、①共通テスト、②2次試験、③私立併願校それぞれの過去問が対象です。それぞれに費やす時間を次のように仮定してみます。

 

①共通テスト:270時間(20回分。英語、数学、国語は復習や暗記まで含め1回各2.5時間、理科、社会は1回各2時間で計算した場合)。

②2次試験:30時間(5年分の過去問の勉強に、英語、数学、国語について合計6時間を充てると考えた場合)。

③私立併願校:60時間(5つの大学の2年分の過去問。英語、国語、歴史について合計6時間を充てると考えた場合)。

 これら①から③の時間をすべて合わせると360時間に及びます。

 さらに、高校生活で必要となる時間も考慮しなければなりません。主なものとしては、④部活の時間、⑤定期テストの勉強時間、⑥学校の宿題に要する時間、⑦模試の時間があげられます。それぞれに費やされる時間はおおむね次のようになります。

④部活の時間:216時間(5月末に引退〈8週間〉。平日で3時間、土日6時間と考えた場合)

⑤定期テストの勉強時間:216時間(定期テストが4回で期間が延べ2週間、勉強時間が平日3時間、土日6時間と考えた場合)

⑥学校の宿題に要する時間:266時間(夏休み等を除いて延べ38週間で1日1時間を費やすと考えた場合)

⑦模試の時間:180時間(延べ15日間で、復習もしっかり行う〈1回12時間〉と考えた場合)

 これら④から⑦を合計すると878時間になります。

 先の360時間と合わせると1238時間です。これを平日と土日の学習可能時間の合計である2292時間から差し引くと1054時間になります。このように、高校3年生の4月から受験までの間に実際に志望大学の出題教科・科目に絞った勉強に充てられる時間は1054時間になることがわかります。

 特に国公立を志望する場合には、勉強時間を英語、国語、数学、理科、社会の各科目に分散することが必要になるので、1科目に当てられる時間は少なくなります。

 この計算はあくまでも高校3年から受験勉強をスタートした場合を想定したものです。もし、2年生から始めるのであれば、使える時間は当然より多くなります。2年生の4月から3月まで、毎日1時間勉強すれば365時間を、毎日2時間勉強したら730時間を、毎日3時間勉強すれば1095時間をプラスできることになります。

 さらに言えば、高校に入学してすぐの1年生の4月から勉強をスタートすれば、これらのプラスできる数字を最大で2倍に増やすことができるでしょう。そしてもちろん、このように勉強時間が増えれば増えるほど、合格の可能性はより高まります。

 こうした受験勉強に使える時間に対する意識を、子どもにできるだけ早い時期からもたせることが、志望校合格を確実なものとするために、非常に重要になるわけです。

受験日まで「定期テスト前夜の集中力」で勉強する

 E判定は、「あなたはこのままでは合格の可能性が低いです」と言われているのと同じです。裏を返せば「今の勉強の方法では常識で考えると合格が難しい」という意味で、その状態から挽回するためには〝非常識なやり方〟を実行する必要があります。偏差値が50であれば周りの人と同じことをしていては、いつまでたっても偏差値50のままです。偏差値65の大学をめざすのであれば、勉強の環境もやり方も勉強時間も根底から変えなければなりません。

 第一に伝えたいのは、集中力の重要性です。

 予備校で指導しているときに、私が強く感じるのは、集中力を発揮するのが苦手な生徒が実に多いということです。勉強では、単純な暗記の作業のように「覚えていないものを覚えていく」「頭に負荷をかけていく」ことが必要になります。その際には、どれだけ集中力を働かせられるかが重要になります。たとえば部活の試合の前に、「よしここが勝負どころだ!」と気合を入れたり、定期テストの前には「今まで勉強してきた力を存分に発揮するぞ!」と心の底から気持ちを入れたりするはずです。

 本番の集中力は、普段勉強をしているときの集中力をはるかに上回っています。そうした本番の集中力を、日ごろの勉強でも発揮するのです。より具体的に言えば「定期テストの前夜の集中力」を普段から出すということです。

 本気で集中した後は、運動をした後のような疲労感になっているはずです。もし勉強を長時間やっても疲れていない場合は、時間を意識せずにダラダラと勉強していたり、集中力が足りなかったりしている可能性が高いです。その場合は、「何時までにここまで暗記して、テストをする」というように、時間制限と理解度を測るようにすると改善されます。

 学校の授業でも、先生の話をただ聞き流すのではなく、その場で暗記してしまうぐらいの意識で授業中に復唱して覚える、あるいは類題に取り組むなどの工夫をして集中力を高めることが重要になります。

 この集中力の改善によって、惰性で勉強をしている場合に比べて勉強の効率が上がり、短期間で次のレベルへと進むことができ、ひいてはより多くの学習時間の確保が可能になるはずです。

勉強時間を増やす学校の授業活用法

 第二に、学校の授業の活用法についてです。具体的には、学校の授業を受験勉強の時間として活用することです。学校の授業の時間は、週にすると25時間以上になります(50分授業を1日6時限、週5日あるとした場合)。この学校の授業時間を受験勉強の時間に〝転用〟し、なおかつその質を高めることで合格の可能性を高めることができるのです。

 学校の授業は集団授業です。そして集団授業という性質上、教師が意図するレベルの幅が必ず存在します。

 たとえば、すでに共通テストの範囲を終えた高校3年生の文系数学の授業で、生徒の学力や目標を考慮し、次のような二つのクラスに分けるとします。

① 1年生、2年生で学んだ公式の確認から始めて、さらに共通テストで平均点を確実に取れるような授業をする。

② 1年生、2年生で学習した内容が十分に頭に入っていることを前提に、旧帝大2次試験レベルの大学に合格できるような授業をする。

 教師は、①では「共通テストでいかに多くの生徒に平均点を取らせるか」、②では「いかに多くの生徒を難関大に合格させられるか」を考えて授業をします。そしてそれを実現するために、「どの教材を使用するか」や「過去問や予想問題などの演習をいつから開始するか」などについても考えます。

 そのため、生徒にとっては、学校が意図しているレールに自分が乗ることができているかどうかが重要になります。より詳しく言うと「進度」と「目標」が、学校が求めているところに到達しているかどうかということになります。

 ただ、学校の授業を受験勉強に活用するとしても、そもそも子どもが授業についていけていないケースも考えられます。その原因は、「授業の進度に追いついていない」または、「授業のレベルと目標とする大学のレベルの間にずれがある」のどちらかになります。

 これらの原因を踏まえて考えられる具体的な解決策は次のようになります。

❶ 授業の進度に追いついていない場合

 たとえば、まだ基礎的な数学の公式が頭に入っていない状態で学校の授業を受けているとしましょう。その状態で、授業が入試問題の過去問演習に進んだ場合、現在の子どもの学力と授業の進度に大きな乖離が生じることになります。

 この場合、子どもは授業を聞いていても全然理解できない状況になっています。こうした状況に陥った生徒は「学校から出される予習の宿題が多すぎて、受験勉強の時間が取れない」と言うことがあります。

 子どもの立場からすれば、問題も解けない、解説を聞いても理解できない、ただ時間を無駄にし、「自分は勉強ができない」とネガティブな気持ちになってしまう、得られるものがあまりない状態です。

 この状態を改善するためには、まずは時間を確保し、進度を速めて授業に追いつく必要があります。1、2カ月間、短期集中の形でその科目の勉強に取り組むことを子どもにすすめましょう。どうしても時間がない場合は、授業に追いつくまでの間、授業の予習を友だちに見せてもらうなど、時間を確保するための工夫をする必要があります。

 もちろん、過去問の演習は非常に大切です。しかし学力が追いついていない状態でやるよりも、基礎をしっかり習得してから演習に取り組むほうが、力がつきます。

 逆に言えば、この段階で学力が学校の授業に追いつくと、家で必死に演習を積まなくても、学校で行われる過去問演習によって受験勉強の効率は自然に上がっていきます。

❷ 授業のレベルと目標とする大学のレベルの間にずれがある場合

 たとえば、子どもが国公立大学を志望しており、数学が出題されるのは共通テストのみだとします。にもかかわらず、学校の授業では旧帝大レベルの2次試験の過去問演習を行っているような場合です。

 このような場合、❶と同様、宿題で時間を使うのは効率的ではありません。そこまでのレベルを必要としないのに、過度に時間を使うべきではないのです。共通テストを解く上で役立つ問題だけを解き、それ以外は思い切って捨てることも検討しましょう。難易度の高い問題を解くことで、目標とするレベルが解けるようになることも十分にあるため、授業が無駄ということではありません。時間が無限であれば、もちろんすべての課題に対して努力すべきですが、時間が足りない状態では、一にも二にも効率を重視しなければ合格はできません。

理科と社会が初めて出される模試は好成績を狙えるチャンス

 時間を効率的に使うという意味では、「模試と定期テストを受験にどのように役立てていくのか」という視点をもつことも求められるでしょう。

 先に触れたように、受験生としての1年間だけで、模試に180時間、定期テストに216時間という膨大な時間を費やすことになるのですから、それらを最大限に受験勉強に活用する意識をもつことが非常に重要になります。

 まず、模試に関しては、高校2年の11月までは出題教科が英語と国語と数学の3つに限られています。つまり、理科と社会は高校2年の11月以降に初めて出題教科となるわけです。

 この理科と社会が初めて出題される模試ではぜひ、子どもに好成績を狙わせてください。理科と社会が初めて模試に出される段階では、試験範囲は広くないので覚えるべきことはさほど多くありません。しかも、その時点ではまだ勉強をしていない人も多いはずです。そのため、これまで学校の定期テストで出題されてきた内容を復習するだけでも他の受験生より高得点、つまりは高い偏差値を得ることができるのです。

 もし11月までに理科と社会で苦手な範囲があったとしても、この模試の勉強が復習になり、理科と社会をひと通り学習したことになります。それ以降も、学校の定期テストのたびにしっかりと勉強し、模試でその復習をするというサイクルを繰り返していけば、高い偏差値を維持しやすくなるのです。それまで英語、数学、国語の偏差値が45付近の生徒でも、社会や理科で偏差値65オーバーを取るのは不可能ではありません。

 図表5-1は、実際にこの時期に社会を中心に対策した生徒の模試の結果です。文系の国公立大学を受験する場合、このように社会や理科の偏差値を取ることで、英語、数学、国語の偏差値がすべて45付近だったとしても、文系総合や私立文系の数値が底上げされます。

 偏差値が高い科目が増えたことや、理科と社会を重点的に勉強して成果が出せたという成功体験から、「やればできる。さらに他の科目もがんばろう」と、勉強に対するモチベーションが上がることも期待できます。

 高校2年の段階ではすべての科目で高い点数を狙う必要はありません。大学受験の当日に、総合して合格できるレベルに達していればよいのであり、「今回は○○の科目で高得点をとる」と特定の科目に絞って模試を活用することも受験戦略上は必要です。

1年生の定期テストで英語と古文、数学の基礎をしっかりとおさえる

 次に、定期テストを受験に最大限に役立てるためのポイントについて触れておきましょう。定期テストに関しては、まず高校1年生のときからの英語と古文、数学に対する勉強の取り組みが大切になります。

 英語と古文は、1年生の段階でそれぞれ英文法、古典文法など最も基礎となる知識を学び、定期テストでもそれらに関する問題が出題されます。また、数学もほぼ同様です。

 そして2年生からは、そうした基礎的な知識を土台として、演習を行っていきます。1年生での勉強が不十分な生徒は、基礎的な知識が身についていないままそのような応用的な問題に取り組まなければならなくなり、2年生以降の模試で英語、数学、国語で偏差値を上げるためには復習に時間を使うことになります。そうしなければ、定期テストにも十分に対応することが難しくなるはずです。

 したがって、子どもに対しては高校1年の段階で特に英語と古文、数学をしっかりと勉強するように促すことが重要です。

 これらの科目において、もしわからない箇所があれば、教科書の内容をより噛み砕いて解説した参考書を利用する、あるいは映像授業アプリなどを使って学習の補強を図るなどするとよいでしょう。

 

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