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夏休み明けの〝中だるみ〟を防ぐ二つの方法
順調に勉強が進んでいて、精神的に問題がない場合にも、夏休み明けの〝中だるみ〟には注意が必要です。受験生の一部には、3年生の秋口ごろに勉強時間の減少やモチベーションの低下がみられることがあるからです。
多くの3年生は、「1年生、2年生のときのように、さすがに遊んではいられない」と夏休みにはモチベーションを上げて受験勉強に全力を注ぐようになります。すると、夏が終わるころにどうしても疲れが出始めます。その結果、「もうこの程度やれば大丈夫だろう」とつい気が緩み、勉強をやる気が薄れてしまう子どもも出てくるわけです。
しかし、受験まであと数カ月の時期に、こうした〝中だるみ〟の状態が続くことは、決して好ましいことではありません。もし子どもにそのような様子がみられるようであれば、保護者としては何らかの形で〝刺激〟を与えることが必要となるでしょう。
たとえば、志望大学に行ってくるよう促すのも一つの手です。
おそらく、オープンキャンパスが行われた際などにすでに一度は訪れているでしょうが、モチベーションの維持・向上を図るという観点から、志望大学には何度でも足を運ぶべきだと考えています。キャンパスに足を運ぶたびに「よし、この大学に絶対入るぞ」という思いが新たになり、受験意欲が強く喚起されることが期待できるからです。
またもう一つ別の中だるみ対策として、併願校のうちの一つを公募制で受験することも考えられます。先に触れたように、公募制の入試は一般に11月ごろに行われます。公募制を受ける場合は、夏休みが終わった後も、その準備等に追われることになります。つまり、秋になって「なんだか勉強に疲れたなあ」などと気が緩む暇がなくなるわけです。
公募制が終われば共通テストや私大の一般選抜まではもう2、3カ月しかないので、そのままの緊張感で試験に臨むことになります。
このように、あえて公募制を組み入れることで中だるみを防ぐことができるのです。
志望校を変える前に、これまでの勉強の取り組みを見直してみる
夏を過ぎたころになると、模試の点数が思うように伸びない受験生の間では志望校を見直す動きも現れ始めます。子どもが志望校を変えるべきか、初志貫徹するべきかを悩んでいたとしたら、どのようなアドバイスをすればよいのでしょうか。
成績が伸び悩んでいる原因が不得意教科であれば、他の教科で挽回する方法もあります。
たとえば、数学が苦手でどうしても70点以上取ることができないのなら、毎回コンスタントに80点前後を取れている英語の勉強により力を入れて、90点以上をめざすことで全体の点数の底上げを図るという戦略が考えられるでしょう。受験する大学の配点を意識して、配点の高い科目に比重を置くとより効果が発揮されます。
また、それまで過去問の演習をしていなかった、もしくは十分にしてこなかったのであれば、その演習を徹底的に行うことによって、点数が1割から2割伸びることはよくあります。実践的なアウトプットに集中して取り組むことによって、問題を解くコツがおのずと会得できるためです。
このように、今までの勉強への取り組み方を見直してみることによって、点数を伸ばす余地は十分にあります。志望校を変えることを決めるのは、そうした改善の試みを行ってからでも決して遅くはありません。
やむを得ず志望校を変更するときは全面的に肯定する
一方で、改善策を講じても点数を伸ばすことが難しく、志望校変更を決断せざるを得ないこともあります。しかし、そのときに、どうしても志望校変更の踏ん切りがつかず、ためらい続ける子どももいるでしょう。
特に、上位校・難関校を狙っているような、勉強に自信のあるタイプの受験生にはそのような傾向がみられます。さらに言えば、志望校を変えることで「親の期待に応えられなかった」と罪悪感をもったり、「周りからどう思われるだろう」という恥ずかしさ、「負けたような気持ちになる」といった負の感情を抱いたりすると、それが要因となって、受験に対するモチベーションが一気に低下してしまうおそれがあります。
モチベーションを下げないためには、保護者が「今まで一生懸命がんばってきたのだから、何も恥ずかしがることはない。罪悪感をもつこともない」などと伝えて、志望校の変更を全面的に肯定してあげることが必要です。
肯定する際には、「◯◯の施設が充実しているらしいよ! △△に合っているね」などとその大学の良いところや魅力的なところを調べて教えてあげる、大学の資料に興味をもって一緒に見るなどして、「親も志望校の変更に賛同している」という姿勢をぜひ示してあげてください。そうした保護者の言動があるだけで、子どもは「よし、それなら変えよう」と志望校を変更することに前向きな気持ちになれるものです。
特に国公立大学の場合には、共通テストや2次試験の科目や配点で大きく戦略が異なることを先に述べました。したがって、なるべく早いうちに、「合格可能性が○%に届かない場合には、○○大学に変更しよう」「○○の科目ができなかったら、○○大学に切り替えよう」などと、他の志望校を候補として想定しておくのが理想的です。
「○○レベルの大学を滑り止めとして考える」「国公立でも○○大しか行けないのなら、私立の××大に行く」などという検討を前もって行っておくことで、志望校をスムーズに切り替えることができます。
滑り止めはどんな状況でも絶対に合格できるところを選ぶ
行きたい大学が明確に決まっている子どものなかには、「この大学よりも偏差値の低い大学には行かない」と、自分の実力よりも高いところばかりを受験する子どももいます。
確かにストイックに高い目標を掲げて努力すること自体は悪いことではありません。しかし、多くの受験生を見てきてはっきりと言えることは、どこでもいいから確実に合格できるところを必ず用意して受験に臨むほうがよいということです。
たとえ、「志望校以外の大学に行くつもりない」と思っていても、受験の最後の時期になると、〝終わり〟を意識するようになっていきます。終わりが見えた状態での追い込みは、想像以上に精神的に疲れるものです。
「納得がいかない大学しか合格できなかったら浪人する」と決めていれば努力できると思いますが、どこにも合格できずにネガティブな気持ちで浪人をするとなると、翌年も結果が出ない可能性があります。
浪人したら必ず現役よりもいい大学に行けるという保証はありません。一つだけでも合格しておくことで、もう1年がんばるか、大学に進むかの選択ができます。
それでも「受かったらその大学に行かないといけなくなる」と滑り止めをつくることを渋る子どももいるでしょう。それでも「行くか行かないかは後で決めればいいから」などと言って、受験を約束させるべきです。
1校でも受かっていれば、そこから先の受験は気持ちがだいぶ楽になるはずです。受かっているところがなければ、「このまますべて落ちてしまうかもしれない」という不安が募り、そのために本来の実力を発揮できなくなる危険があるでしょう。そうした意味では、受かった大学がいわば〝お守り代わり〟になるといえます。
その際、「どこの大学を選ぶべきか」が問題となりますが、どんな状況でも絶対に合格できるところが一つの基準となります。たとえ風邪を引いて熱が出ているような状態で受験しても、確実に受かるようなところです。点数でいうと、最低合格点のプラス15%を確実に取れるような大学を選ぶとよいでしょう。
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