理解するまで解き直すことで、合格までの道筋を辿ることができた
なぜ名古屋大を目指したのか
行きたい学部学科があったからです。志望校を決めるころに、雑誌で見た研究に心惹かれ、その研究に携わっておられる教授が在籍されている大学を探しました。元々関西に住んでいましたが、関西圏には興味のある研究をしているような大学がほとんどなかったことと、学力的に地方旧帝大学レベルを目指したいと考えていたことが主な理由で、地方旧帝大学で一番面白そうな研究をしている大学を探した結果、名古屋大の理学部を目指すことに決めました。
受験勉強を始めるまで
受験勉強を始めるまでは、定期試験前ですらほとんど勉強しないような生活をしていたため、成績は学年の下位4分の1でした。部活動はバスケ部に所属しており、熱心に活動していました。コロナ期間でアメリカのバスケットボールのプロリーグであるNBAにハマったことで、高校1,2年生の頃は毎日のように何時間も試合観戦をしていたように記憶しています。
受験勉強を始めたきっかけ
高2の文化祭が秋にありましたが、行事が終わった後の教室の雰囲気に違和感を感じました。周りのクラスメイトの中で休み時間にも勉強している生徒がいたり、友達との会話にも受験の話が多く挙がったりしたのが最初のきっかけです。
きっかけが行動に変わったのは、高2の冬の時期です。化学の先生が毎回の授業で高3の春の模試が受験の結果に直結するぞ!と熱弁されており、その言葉に刺激を受けたことで早く勉強を本格的に始めないとという意識を持ちました。何か始めないといけないと思い、英語は英単語から、物理はエッセンスで基礎の勉強をすることから始めました。
アクシブアカデミーとの出会い
元々、最寄り駅にある自習中心の塾に通っていたのですが、その塾は休日に自習室を開いていなかったので、自分の自習時間が多くとれるような新しい塾を探していました。
その頃に、一つ年上の知人が通っていたアクシブの評判を聞き、体験に行きました。先生方も親身になって話を聞いてくださり、何より集中して勉強できる環境が整っていると感じたので、高3の5月ごろから通い始めました。
名古屋大に向けた受験戦略
私は研究したい分野が決まっていたのと、その研究をしている大学が限られていたので、名古屋大学理学部のみに合格するための受験戦略を立てました。具体的には、名古屋大学に共通テストを使った推薦で受験すること、私立大学を受けずに一般試験で名古屋大学に合格することの二つに絞りました。
名古屋大学の理学部は、共通テストを使った推薦で50人が合格します(本試験で220人が合格)。さらに、この半数の25人は、共通テストと志望理由書の選考のみで合格が決まります。名古屋大学理学部に合格する可能性を少しでも高めるために、推薦の受験を決めました。結果は、面接に呼ばれたものの不合格でした。ただ、推薦受験をするにあたって準備していた際に、自分がいかに名古屋大学に合格したいかを再確認できたので、本試験まで以前にも増して頑張れたように感じます。
また、私は私立を受けずに名古屋大学の受験に的を絞って対策しました。理由は、金銭的な問題で通うことのできない私立の受験をするのはお金の無駄だと考えたのと、推薦の準備にも時間を使わなくてはいけなかったことから、私立の対策をする時間が惜しいと思ったからです。
名古屋大に向けた対策
夏(6月末)までの受験戦略と対策
5月まで部活をやっていたのと、6月に体育祭(私が通っていた高校はかなり体育祭に力を注いでおり、授業時間を削ってまで放課後に時間を作って、練習をしていた)がありその練習でへとへとになっていたのを覚えています。そのため、夕方から夜にかけての勉強時間がうまく取れていませんでした。時間がなかったとはいえ、学校の宿題は必ず期限内に提出できるようにしていたことに加え、英単語と英文解釈は毎日やるようにしていました。
夏休みの受験戦略と対策
夏休みは毎日、自習室で勉強するようにしていました。モチベーションが高かった時期なので、一日8時間は勉強していました。模試が多い時期だったので、それぞれの模試に向けて、ある程度目標を定めてノルマをこなすようにしていました。私の場合、理科の完成度が他の科目と比べて低いという自覚があったので、多く時間をとって学習しました。
物理は、良問の風を使って総ざらいしていく中で出てきた出来の悪い分野を、エッセンスで復習して理解しなおすことを繰り返しました。また、慣れてきた単元については、名問の森を使って演習しました。化学は、学校の補習と並行して有機化学を勉強するとともに、重要問題集で理論化学と無機化学を復習し、出来ないところを納得できるまで粘り強くやり直しました。数学と英語については、足を引っ張らない程度に毎日触れるようにしました。この時期は、塾で集中して勉強する代わりに、家では自分の時間をきちんと取るようにしていました。
秋(9月〜11月末)の受験戦略と対策
秋は、体調を崩し病院に通院していたこともあり、明らかに勉強時間が減っていきました。また、この時期くらいから共通テスト形式の模試だと判定が低くなることがあり、落ち込むことが多くなりました。そのため、共通テスト模試で足を引っ張っている教科は、二次の勉強時間を減らして共通テストレベルの問題で基礎を固めました。特に、地理や現代文には時間をかけました。また、英語は共通テストやセンター試験の問題を解きました。
冬・直前期(12月〜受験)の受験戦略と対策
12月の期末テストが終わると、本格的に共通テストに向けた対策をしていきました。英語や地理、国語は秋からと変わらぬ対策を進め、理科は共通テスト形式の問題をたくさん解き、知識が抜けていないか確認しました。数学は模試でも良い点を取れていたので、ほとんど時間を充てず、点数が安定しない科目の対策に集中しました。
共通テストが終わった後は、前述したとおり私立の対策をしなくてよかったので、名大の対策に集中できました。理科は、かなりの時間を使って勉強できていたこともあり、最終確認をするために名大の入試問題と秋に使っていた参考書や学校の補習プリントの復習をしました。英語と数学、現代文は名大の過去問で勉強し、自由英作をトレーナーに、現代文は学校の先生に添削してもらいました。この二つは受験直前でどんどんできるようになっていく実感がありました。また、直前期にトレーナーが数学や物理の問題をピックアップしてしてくださり、自分では気づけなかった穴を見つけることができたので、有難かったです。
受験前後に感じたこと
共通テスト前は、非常に緊張していました。なぜなら、そもそも共通テスト形式のテストが苦手だったこともありましたし、私の一つ上の学年の代の共通テストが非常に難しく、どんな難易度のテストになるのかが予想しにくかったからです。共通テスト直前に解いたパック問題集でも、なかなか点数の安定しない教科があり、不安になったこともありましたが、力がついていると自信がついた教科も出てきたので、自分の力を信じてテストに臨みました。共通テスト後のリサーチでは、名古屋大学理学部はA判定やB判定が出たのでかなり安心しました。
名古屋大学の本試験直前は、共通テストの時ほどは緊張しませんでしたし、今までやってきたことを発揮する舞台にワクワクしていました。受験当日も、名古屋の人の多さに圧倒されたり、名古屋人は電車の場所取りが自分とは違うなと感じたりと、受験に関係のないようなことを考えながら受験会場に向かったことを覚えています。程よくリラックスして受験できたからか、よほどのことがない限り合格を頂けたのでは、と思えるほどに自分の力を存分に出し切れ、ホッとしました。
受験校併願校選定
私は、前述したように私立は受験しなかったのですが、浪人をしたくなかったので、後期は確実に受かる大学を受験しようと考えました。大阪公立大学の農学部緑地環境科学科は、共通テストだけで受験できるほか、私自身かなり興味のあった森林について学べるとのことだったので、そこを後期の受験校としました。
科目別戦略
名古屋大に向けた英語の対策・参考書・勉強法
アクシブに通っていなかった頃(高2の冬~高3の春)は、”システム英単語”を使ってひたすら英単語を頭に入れていきました。毎日、電車の中で覚えるようにしていました。また、”英文解釈の技術100”で英文の構造が取れるように練習しました。
アクシブに入った後、シス単を使いすぎて飽きていたので、夏から”鉄壁”を使い始めました。鉄壁を見ていなかったら知らなかった単語もありました。長文の演習には、学校でもらった問題集やプリントと、夏から”英語長文問題精講”を使って勉強しました。名大に向けた英語の対策としては、長文はひたすら過去問を解き、自由英作文に関しては同じような形式の問題(北海道大学や広島大学が似たような問題を出していたので、参考にさせてもらっていました)を見つけてきては、書いてみて添削してもらっていました。
名古屋大に向けた数学の対策・参考書・勉強法
数学に関しては、チャートを使いつつチャート以外の問題集(”やさしい理系数学”や”数学Ⅲ上級問題精講”)で苦手な単元だけピックアップして使っていました。高3の頃に学校で宿題として出ていたプリントは毎回自力で頑張っていました。そのプリントで、数Ⅲの全範囲を演習できたので、苦手な単元を改めてチャートなどで復習でき、全然知らなかった考え方も身につけることができました。
名大の対策には、秋から少しずつ”名古屋大の理系数学15カ年”を使って演習しました。名大の問題は、時間をかけて考えさせる問題が多くとても難しかったですし、独特な問題(確率漸化式や見たことのないような整数問題)が多く、点数が最後まで安定しませんでした。ただ、高3でそれなりの演習はしていたので自信を持つようにしていましたし、難しすぎる問題は合否に影響しないだろうと思って、問題を見極めて解くようにしました。
名古屋大に向けた物理の対策・参考書・勉強法
個人的に物理は一番伸びた教科だと思っています。二年生の頃に受けた共通テスト本番模試では25点を取ったものの、本番では満点を取れましたし、名大物理でも8割を超えました。物理は、共通テスト本番模試で2割を取ってしまったこともあり、基礎から勉強しなおす必要性を感じ、二年生の冬から三年生の夏前にかけて、”物理のエッセンス”を勉強しました。この頃は、まだエッセンスを難しく感じていた時期です。夏休みの受験戦略と対策でも書きましたが、夏休みは”良問の風”で演習量を増やし、苦手な単元や見直したい単元をエッセンスで確認していました。エッセンスは、二周目、三周目で深く理解できるようになる参考書だと思いますし、演習をある程度した後に、基礎を勉強しなおすことで成績が上がったように感じたので、おすすめです。また、この頃から秋にかけて”名問の森”でさらに演習していきました。名問の森も赤く塗られていた問題や、重要だと思った問題は何周もしました。
名古屋大に向けた化学の対策・参考書・勉強法
化学は、受験生の一年で一番好きになった教科だったので、勉強時間を確保しやすかったです。
理論化学や、無機化学は”リードα”を終わらせたのち、高3の春から夏にかけて”重要問題集”をやりこみました。高1から高2の途中まで真面目に勉強していなかったこともあり、解答の行間を読むのが難しかったことも多かったのですが、粘り強く取り組んでいた記憶があります。有機化学に関しては、学校の進度が遅く夏休みの時点で範囲が終わっていなかったので、夏休みにスタサポを使って予習し、リードαで定着するまで何度も勉強しました。有機化学は、前提知識をつけるための暗記が大変でしたが、なるべく複数のことを繋げて覚え、思い出すときに連想して思い出せるようにしました。
化学は、二次テスト向けの勉強をしているだけでは共通テストで良い点数を取れない教科の一つなので、共通テストのための勉強は念入りにしておくことをおすすめします。私は、共通テスト用の問題集を、12月、1月に一周し、覚えていない範囲の復習と、共通テストならではのグラフ問題を対策しました。
名古屋大に向けた現代文の対策・参考書・勉強法
現代文は、共通テストが終わった後に名大の過去問を解き、学校の先生に添削してもらいました。もともと読書が好きなこともあり、現代文に苦手意識はなかったので、ストレスなく勉強できました。対策したのは最後の1ヶ月だけでしたが、一対一で指導してもらったことで、出来ていない部分が浮き彫りになり、文章力が上がった実感がありました。
今だから言える受験や勉強で伝えたいこと
勉強法
細かな部分の勉強法は、三者三様だと思うので私が言うものではないです。ただ、私が勉強に関しておすすめしたいのは、問題を解く時間、解説を読んで解法を自分のものにする時間と再び問題を解く時間を大切に取ってほしい、ということです。授業を聞くなどしてインプットする時間ももちろん大事ですが、入試では結局自分で問題を解かなければいけないので、やはり問題を解く時間を大切にしてほしいです。また、解説を読んでその問題だけ解けるようにするだけでは物足りなくて、その解説から得たものを別の問題にも活かせるような勉強が好ましいですね。
学校との付き合い方
学校のレベルも違えば、目指している学校も人それぞれだと思うので、これに関しては一概に言えないことだらけです。ただ、共通して言えることは、自分が頼れる、あるいは頼りたいと思った人(先生方ももちろんですが、友人もです)には、とことん力を貸してもらいましょう、ということです。分からない問題があれば、先生に質問すればよいですし、進路のことなどで困れば、先生や友達に話を聞いてもらいましょう。
息抜き・休憩の仕方
これも、各々がリラックスできるものを見つけるしかないとは思いますが、大事にしてほしいのは、適度な睡眠、趣味の時間、ご飯の時間、友人との時間くらいですかね。
最後に
受験は、個人戦だの、団体戦だの言われていると思いますが、私が考えるに結局のところ、受験は孤独な戦いです。自分がどれだけの問題をより効率良くできるかの勝負が受験なので、自分の理解度が重要だし、そのためにはいかに多くの時間を自分の苦手に向き合うために費やせるかが大事です。ただ、合格を掴み取るには、周りの多くの人の手を借りる必要があり、自分が精一杯頑張れるための手助けをしてもらわなくてはいけません。アクシブは、ひとりひとりの不安に向き合って、一緒に考えてくださる頼もしい塾です。皆さんも、アクシブの先生方にたくさん手助けしてもらいながら、地道に努力すれば、望む結果がついてくるはずです。陰ながら応援しています。

