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生物基礎とは−大学受験の生物基礎勉強法①


生物基礎の特徴

生物基礎は、生物学の基本的な知識と概念を学ぶ科目です。この科目では、生命の基本的な仕組みや生物の多様性、環境との相互作用などを学びます。定型的な問題が多く、暗記が得意であれば演習を重ねることで安定した得点が期待できる科目です。数学や計算に苦手意識がある人でも取り組みやすい点や、苦手分野が全体に大きく影響しにくい点も大きな特徴です。基礎知識や解法の理解・暗記・整理が重要になります。

 

 生物基礎で学習すること

生物基礎の内容は大きく分けると3つの分野で構成されています。

生物の特徴

この単元では、生物の共通性と多様性が重要なテーマです。生物は細胞から構成され、エネルギーを必要とします。具体的には、原核生物と真核生物の違いや、細胞内でのエネルギー代謝(呼吸と光合成)について学びます。また、酵素の役割やATP(アデノシン三リン酸)の重要性も取り上げられます。

学習内容

  • 生物の共通性と多様性: 原核生物と真核生物の比較
  • 細胞とエネルギー: 呼吸、光合成、ATPの役割
  • 遺伝子とその働き: DNA構造、遺伝情報の分配

 

ヒトの体の調節

この単元では、体内環境の維持に焦点を当てます。ヒトは神経系と内分泌系を通じて体内環境を調節します。具体的には、ホルモンによる調節や免疫系の機能について学びます。血糖値の調整や糖尿病に関する知識も重要です。

学習内容

  • 体内環境: 体液の成分、腎臓・肝臓の役割
  • 調節機構: ホルモン、自律神経系
  • 免疫: 免疫細胞の働き、抗原抗体反応

 

生物の多様性と生態系

この単元では、生物多様性とその保全について学びます。植生や遷移、生態系における物質循環(窒素循環など)やエネルギー移動が中心テーマです。また、生態系のバランスや外来種による影響についても考察します。

学習内容

  • 植生と遷移: 植生の成り立ち
  • 生態系と物質循環: エネルギー移動、窒素循環
  • 保全活動: 外来種問題、森林伐採の影響

 

基礎科目内での生物基礎の位置づけ

まず、暗記が必要な知識量について見てみると、このようになります。

生物基礎>化学基礎>物理基礎

つぎに、計算問題の分量を比較します。

物理基礎>化学基礎>生物基礎

 

このように生物基礎は、計算力や思考力よりも暗記力が問われます。基礎知識と典型問題の解法の理解と暗記を徹底することが重要です。

 

下の表に、過去3年の共通テストにおける理科の各科目の選択者数と平均点を示しています。理科基礎科目の中では、いずれの年度も最も多くの受験者が生物基礎を選択しています。

理科1
共通テスト
令和4年度
 受験者数[%]平均点
物理基礎19,3956.7%60.8
化学基礎100,46134.7%55.46
生物基礎125,49843.4%47.8
地学基礎43,94315.2%70.94
合計289,297100.0% 
令和5年度
 受験者数[%]平均点
物理基礎17,9786.5%56.38
化学基礎95,51534.6%58.84
生物基礎119,73043.3%49.32
地学基礎43,07015.6%70.06
合計276,293100.0% 
令和6年度
 受験者数[%]平均点
物理基礎17,9496.7%57.44
化学基礎92,89434.5%54.62
生物基礎115,31842.8%63.14
地学基礎43,37216.1%71.12
合計269,533100.0% 

 

生物基礎の参考書の種類と使い方

教科書

基本的には、学校で配布された教科書を使用しましょう。教科書が使いにくい、教科書では理解が難しいと感じる場合は、4.3で紹介する市販の理解本を教科書の代わりとして使用しても構いません。教科書を一通り終えた後も、問題演習の際にわからない箇所が出てきた場合はその都度教科書に戻って復習し、理解や暗記が不十分な箇所をなくすようにしましょう。

演習本

基本的には学校で配られた問題集に取り組みましょう。どうしても苦手意識がある場合は、『必修整理ノート生物基礎』(文英堂)などのシンプルな穴埋め形式の演習本に取り組むのもおすすめです。基礎を固めるために、1冊を繰り返し解くことをおすすめします。

・リードLightノート生物基礎(改訂版)
ISBN-10: 4410283464
・セミナー生物基礎(2023・2024新課程版)
ISBN-10: 4804047301
・必修整理ノート生物基礎
ISBN-10: 4578244334

 

理解本

教科書が使いにくい、教科書では理解が難しいと感じる場合に教科書の代わりとして使用します。どの本を選んだ場合も、選んだ1冊を完璧に仕上げるようにしましょう。

・田部の生物基礎をはじめからていねいに(改訂版)
ISBN-10: 489085956X
・共通テスト生物基礎の点数が面白いほどとれる本(改訂版)
ISBN-10: 4046063653

 

過去問・共通テスト対策問題集

演習本も一通り終わったら、過去問や予想問題集などで共通テスト形式の問題演習に取り組んで実際の試験形式に慣れる訓練をします。過去問を解くことで出題傾向を理解し、予想問題集で新たな知識を補完することで、得点力をさらに向上させることができるでしょう。間違えた問題があれば、必ずその分野の教科書や理解本に戻って復習をしましょう。

・共通テスト過去問研究 物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎 (2025年版共通テスト赤本シリーズ)
ISBN-10: 4325266518
・2025-大学入学共通テスト実戦問題集 生物基礎 (駿台大学入試完全対策シリーズ)
ISBN-10: 4796164707

 

資料集

共通テストで高得点を目指す場合は、資料集を使用しましょう。理解本を進める中でわからない箇所が出てきた際に参照します。基本的には学校で配布されたものを使用してください。どの資料集でも、項目ごとに生物の範囲か生物基礎の範囲かが明記されているので活用しましょう。共通テストで平均点前後を目指す場合は、必携ではありません。

・視覚でとらえるフォトサイエンス生物図録(改訂版)
ISBN-10: 4410281682
・スクエア最新図説生物(新課程2訂版)
ISBN-10: 4804047441
・サイエンスビュー生物総合資料
ISBN-10: 4407363150

 

生物基礎のよくある質問

Q. 生物基礎は暗記科目?それとも背景の理解が重要?

  • 両方です!生物基礎では暗記すべきことも多いですが、単に暗記するだけでなく、仕組みを理解すると覚えやすくなります。例えば、なぜ細胞内に「ミトコンドリア」があるのかを考えると、ただの暗記よりもイメージがつかみやすくなり覚えやすくなります。理解することで応用力も身につくので、テストはもちろん、実生活でも役立つ学びになります。

Q. 生物を勉強したら、生物基礎は勉強する必要がない?

  • 理系の生物選択者にとって生物基礎は、学習しなくていい科目ではありません

確かに、生物基礎をきちんと学んでいなくても中学理科を終えていれば、生物の暗記をすることはできます。物理にとっての物理基礎や化学にとっての化学基礎とは位置付けが異なります。

しかし、生物基礎のほうが詳しく学習する分野もあること、生物基礎をきちんと理解していなければ、生物を本当の意味で理解することは難しいことなどから、時短でも必ず取り組みましょう。生物の教材に生物基礎が範囲として含まれていることも多いので、まとめて学習することも可能です。

Q. 将来生物基礎が役に立つのか分かりません

  • 生物基礎で学ぶ内容は、医療や農業、環境保護などさまざまな分野で役立ちます。また、病気のしくみや食品の安全性、環境問題の理解にもつながります。今は実感が湧かなくても、将来「学んでおいて良かった!」と思える内容がたくさん含まれていますよ。

Q. 何から学習を始めればいいですか?

  • 教科書及び理解本を一から学習し直すことから始めましょう。その後問題集で演習をし過去問演習に移ります。

具体的な勉強法は生物基礎の具体的な勉強法−生物基礎勉強法②でお伝えしているのでぜひご覧ください。

 

生物基礎の具体的な勉強法−生物基礎勉強法②はこちら

生物基礎で身につくこと

生物基礎を学ぶと、高校生活や大学受験だけでなく、将来にも役立つ次のような知識や力が身につきます。ぜひ、理科基礎科目の選択肢に加えてみてください。

  1. 身体や自然についての「基礎知識」が身につく
    生物基礎を学ぶことで、私たちの体がどのように機能し、自然界がどのように成り立っているかについての基本的な知識が身につきます。これは、健康に対する意識の向上や、日々の生活において自然の成り立ちを意識するきっかけになります。
  2. 論理的思考力
    生物基礎では、原因と結果を結びつけて考える問題が多く出題されます。例えば、「なぜエネルギーが必要か?」「細胞はどう働くのか?」といった問いに答える力が養われます。これは、科学への理解を深めるだけでなく、他の科目での問題演習や社会生活でも役立ちます。
  3. 情報を読み取る力と解釈する力
    生物基礎では、グラフや表、実験結果を基に考える問題が多く、情報を読み取り、そこから必要な結論を導き出す力が鍛えられます。これは共通テストに役立つだけでなく、実社会でもデータを使った仕事や研究に必要なスキルです。
  4. 環境問題や社会問題を理解する視点
    生態系や遺伝、生命の循環について学ぶことで、環境問題や食の安全、医療問題など、私たちが直面する社会課題を理解する基礎が身につきます。これは将来、社会活動に関わる場面でとても役立ちます。

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