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古文の具体的な勉強法−古文勉強法②


古文の具体的な勉強法

全体的な流れ

単語や基本的な文法を押さえたのち問題演習に入るのが大枠の流れになります。その中の細かい詳細な流れは以下の「細かな学習の流れ」で紹介します。

 

学校の授業の活用方法

時間の割きにくい古文では、学校での授業を活用して受験への対応力を高めていくことが理想的です。

授業で単語、文法を重点的に学ぶ場合は授業で配布されるプリントや小テストを用いてカリキュラムにそって基礎知識を増やしていきましょう。ただし学校カリキュラムの難点は多くの学生が目先の小テストや定期テストを意識してしまい、テスト終わりには忘れてしまうことにあります。そのため長期休暇をつかって単語、文法の総復習を心がけましょう。また、日々の授業でわからない文章があれば積極的に疑問を解決するようにし、常に既出の知識とリンクさせるよう心掛けると同時に新しい知識であれば該当部分を自分で学習して可能な限り学習機会を増やしましょう。

まとめると

愚直に学校の授業についていく

長期休暇で既出範囲の復習を欠かさない

ということが大切です。

 

授業だけでは単語や文法の勉強が不十分だと感じた場合自分で勉強を進める必要がありますが、単語と文法は比較的短期間で習得可能な範囲であるのに加えて学習しきれなかった人と大きく差が開く部分ですので、単語帳と詳しい説明のついた理解本式の文法書を中心に早めに勉強を済ませておければ大きなアドバンテージになります。早期に文法、単語を押さえておくことは大きなアドバンテージになるだけでなく、以後の古文読解もより有意義なものになるため授業を活用できるか迷っている人にもこれをお勧めします。この際長期間にわたって計画を組むより1~2か月で単語、文法をおさめましょう。こうした暗記事項は一度では覚えきれないため、複数回のインプット、アウトプットを重ねることで徐々に完成度を高めていくものです。また日々の学校での授業も、自力で品詞分解までできるようになればこれ以上ない演習素材となります。

まとめると

理解本形式の文法書、単語帳を中心に

短期間のサイクルを組む

アウトプットの材料として授業教材を利用する

ということが大切です。

 

学校の授業の詳しい活用方法は古文勉強法④も確認

 

古文の細かな学習の流れ

全体的な学習の流れ

⓪古文常識(ライトver)

①古典文法基礎(歴史的仮名遣い、品詞の分類、活用、係り結び、動詞、形容詞、形容動詞の活用など)

②古文単語

③助動詞一覧表の暗記 + ④各助動詞の詳細

⑤助詞と敬語の理解と暗記

⑥演習part0(文法発展+読解テクニック)

⑦演習part1(精読) (+⑧和歌+⑨古文常識・文学史 ※)

⑩演習part2(問題演習)

※⑧和歌と⑨古文常識・文学史 は演習と並行して進めていきましょう。

 

⓪古文常識(ライトver)

受験生には古文の勉強を本格的に始める前から漠然とした苦手意識を持っている人がおり、その苦手意識が導入部分からなかなか進めない要因となってしまっています。そういった受験生は、古文常識の中でもより重要な「時間の数え方」「天皇の表現方法」「恋愛方法」などの知識にはじめに触れてみましょう。ここでは用語の暗記までする必要はありません。あとでしっかり学習する時間はあります。これから古文に触れるために古文の世界に一度触れるという意図です。漫画のような視覚的に学べるもので学習するのがオススメです。ここで学ぶことになる当時の風習や文化はいわゆる古文常識として後々も有用な知識になります。

 

①古典文法基礎(歴史的仮名遣い、品詞の分類、活用、係り結び、動詞、形容詞、形容動詞の活用など)

古典文法における最大の山場は助動詞ですが、その前に歴史的仮名遣いや品詞の分類、活用についてきちんと整理しておく必要があります。特に活用については助動詞の活用にも適用できるため、おざなりにしてしまうと後々苦戦することになってしまいます。具体的には「ハ行四段活用」であれば活用語尾は「未然形は・連用形ひ・終止形ふ・連体形ふ・已然形へ・命令形へ」、「ク活用」であれば「未然形く,から・連用形く,かり・終止形し・連体形き,かる・已然形けれ,かれ」といった事がぱっと口に出せるように覚えましょう。他にも下二段活用、サ・ナ行変格活用等があります。前述したように古典文法の鍵である助動詞の学習にも生きてくるため初めに理解し、覚えてしまいましょう。

また、古文学習の要点の一つである単語学習にも活用は欠かせません。古文単語の中には同じ言葉でも活用によって意味が異なるものが存在します。

 

(例)

頼む
[マ行四段活用]の場合→あてにする,頼りにする,期待する
[マ行下二段活用]の場合→あてにさせる,頼りにさせる,期待させる

のように主語が自他に切り替わってしまうものや、

 

給ふ
ハ行四段活用]の場合→お与えになる,下さる,~なさる(尊敬の補助動詞)
[ハ行下二段活用]の場合→~しております(謙譲の補助動詞)

のように尊敬、謙譲が切り替わるものがあります。後述しますが敬語も古典文法、読解において大きな役割を果たしています。そして助動詞の識別にも活用の理解が必要となります。

以上より、活用の理解が古文をマスターする第一歩だと分かって頂けたと思います。活用は声に出してしっかり音として覚えるようにしましょう。

 

②古文単語

古文単語の暗記の肝は「原義」です受験生が古文単語の学習で躓く特徴は大きく分けて二つあります。一つは「複数の意味を持つ単語」、もう一つは「現代で用いられる意味と異なる単語」です。原義を介して意味を覚えていくことで複数の意味や、現代とは異なる訳を覚えることが可能になります。とは言いましても、一つの語に対して全ての意味を一度に一気に覚えることは難しいので、まず原義を意識しながら”自分が覚えやすいと感じる意味”を一つ覚えましょう。その後単語帳の周回ごとに覚える意味の数を増やしていきましょう。また、古文単語を漢字表記にすると意味が覚えやすくなるものが多くあるのでこれもまた意識しましょう。

 

こちらのページで詳しく解説してあるため、ぜひ参照してください。

爆速で古文単語を習得!古文単語の暗記方法はこちら!

 

③助動詞一覧表の暗記 

【具体的な手順】

1.接続の暗記(未然形接続の助動詞は「る・らる・す・さす・しむ…」と答えられるように)

2.意味と活用の暗記(「る」は「自発・可能・受身・尊敬」の意味を表し、「れ・れ・る・るる・るれ・れよ」と活用する、などと答えられるようにリズムや型をうまく使って覚える)

 

助動詞は古文文法のキモであり正確な文章読解のためには決して穴を残してはいけない分野ですが、数や種類が多く、活用や意味、接続など、暗記量がなかなかに多いため苦戦しがちな分野です。とはいえ、覚えなくては先に進めない範囲ではあるので、一覧表の形で最初に覚えてしまいましょう。この後各助動詞の詳細を学んでいく際に、「一覧表のあそこの助動詞について学んでいる」という現在地を確認するための地図の役割を果たします。一つ一つの助動詞に関する詳細については後に学習しますので、まずここでは細かいことは気にせず、接続と意味と活用のみ覚えます。まずは未然形に接続する助動詞、連用形に接続する助動詞といったように接続に対応する助動詞を言えるように覚えましょう。次にそれぞれの助動詞の意味、活用を覚えます。ここまでの一連の暗記の結果、助動詞の一覧表の穴埋めができるようになることが目標です。活用に対する助動詞は語呂合わせや歌を使って覚えてしまうのが良いです。活用は形容詞型、形容動詞型などの型を駆使して効率よく行いましょう。何度も口に出して、悩むことなくすらすら答えられるようになるまで繰り返し勉強しましょう。

古典文法書の裏表紙や最初のページに一覧表は載っていることが多いのでぜひ活用してみてください。

 

④各助動詞の詳細 

次に各助動詞について詳しく勉強していきましょう。③の段階で一通りの暗記は済ませたと思いますが、③の工程をしっかり抑えていれば既にいくらかの文法問題には正解する能力は持っているといえるでしょう。ただし文法問題の全てに正解したり、読解において正しい和訳を行うためには、各接続の助動詞、意味、活用をおぼえただけでは十分とはいえません

ここの工程で一つの壁になりがちなのが、「一つの助動詞が複数の意味を持つ場合の意味の判別」や「同じ見た目の助動詞たちの種類の識別」です。これをできるようになるためにはそれぞれの助動詞についていくつかのルールや法則を覚えなくてはいけません。必ず例文を参照しながら詳細な内容と使われ方、判別法や識別法について整理していきましょう。

 

☆一つの助動詞における意味の判別
(例)
・助動詞「べし」は大きく分けて6つの意味を持つ
①推量「〜だろう」・・・主語が三人称の場合が多い
雨降るべし──雨が降るだろう 

②意志「〜よう」・・・主語が一人称の場合が多い
われ行くべし──私が行こう

③可能「〜できる」・・・否定表現が後ろにあることが多い
羽がなければ、空をも飛ぶべからず──羽がないので空を飛ぶこともできない

④当然「〜はずだ・〜なければならない」・・・体言が続くことが多い
必ず来べき人のもとに車をやりて待つに──必ず来るはずの人のもとに車を送って待つときに

⑤命令「〜せよ」適当「〜のがよい」・・・主語が二人称の場合が多い
汝ら、よくよく心得べし──お前たち、よくよく心得よ

 

★同じ形だけど種類が違う助動詞の識別
(例)
・「なり」の識別

「なり」には、断定の「なり」と伝聞・推定の「なり」が存在します。例文を見て識別を行ってみましょう。

 「男もすなる日記といふものを女もしてみむとてするなり。」

この文章には二か所「なり」が登場します。基本的に識別は接続を元に行います。それぞれの「なり」の接続を見てみると

 断定の「なり」→体言・連体形に接続
伝聞・推定の「なり」→終止形に接続

二つの「なり」の本動詞はどちらも~するという動詞

 「す」[サ行変格活用](未然 せ・連用 せ・終止 す・連体 する・已然 すれ・命令 せよ)

です。文中の活用形と接続を参照することで前者は伝聞・推定の「なり」、後者が断定の「なり」であると識別できます。 

 

⑤助詞と敬語の理解と暗記

助動詞を乗り越えると残された文法事項は助詞と敬語のみになります。これらは暗記も必要ではありますが、理解しているかどうかが問題の争点になることが多いため、参考書を読み込むことをまず行った後に、一覧表を用いて繰り返し暗記していきましょう。ここでは助動詞とは逆の手順を踏んでいるわけですが、これは分量が少ないことや助動詞ほど複雑ではないことから理解本を中心とした学習を進めることが最適であるためです。この際も必ず例文を参照しながら実際の文中における働きや形を参考にしながら理解を深めていきましょう。

助詞や敬語をしっかり理解し覚えることをしないと、この後の工程で登場する「品詞分解を介しての現代語訳」という作業が正しく行えません助詞を正しく理解し暗記できていないと、文それぞれの役割やその文たち同士の繋がりで出来上がる文脈が把握できないですし、敬語がわからなければせっかく単語の意味を知っていても、その動作主や状態主がわからないからです。

助詞や敬語の重要性をしっかり理解した上で学習を進めましょう。

 

⑥演習part0(文法発展・読解テクニック)

読むための基礎知識(単語文法)を身に着けたら、それに加えて実践に対応するための古文読解に対するテクニックを身に着けておかなければなりません。

単語、文法を一通り押さえさえすれば、それ以前と比べれば世界が変わったように古文が読めるようになっていきます。しかし、勉強法①でもお話ししたように文の読み方がある程度わかるようになると、今度はそれで読みづらい難しい文章に出会ったり、読むのに苦労するほどの長文といったさらに高いレベルでの読解の壁に当たることになります。このような壁の一つとして勉強法①では「主語の省略」を例にあげました。これらの壁を突破するために講義形式の読解対策参考書を学習しましょう。読解においてどのように今まで学習した知識を利用するのかを学んでください。なので文法の知識について不明点や忘れている点が見つかり次第、今まで学習した文法教材を調べたり再度暗記し直すことも欠かさないようにしましょう

 

・共通レベルの理解本…

「きめる!共通テスト 古文・漢文」

「高校の古文読解が1冊でしっかりわかる本」

 

・二次レベルの理解本…

「山村由美子 図解古文読解講義の実況中継」

 

⑦演習part1(問題演習+精読)

単語文法に加え読解法まで抑えたのならば、次にそれらの知識を実践レベルまで最適化していく必要があります。「⑥演習part0(文法発展・読解テクニック)」で学んだことを意識しながら実際の問題に取り組んでいきましょう。このパートでの一番の目標は問題文をきちんと正確に読み進められること、つまり「品詞分解を介して、全文の文法的要素を分析し、主語を補い、正しい現代語訳ができる」ということです。共通テストでのポイントとして時間制限が挙げられますが、この段階では速読より精読を心がけた勉強を進めていきましょう。このパートで大切なことは落ち着いて問題文を読み、現代語訳できなかったところ、訳はできたが構造など曖昧にしか読み取れなかったところを正確にあぶり出し、復習に臨むことです。具体的には演習時には品詞分解のスラッシュ、省略の補足、敬語の記入を行い、復習では和訳を傍に置いて、それらの確認、修正を行いましょう。

 

☆精読について

古文における精読のキモは「品詞分解」です。文章を品詞レベルで分解し、解答の現代語訳が自分で再現できるようすべての疑問点を明らかにし解決することが目的です。

 

(例)
・いづれの御時にか、女御、更衣あまた候ひ給ひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて 時めき給ふありけり。(源氏物語)

・いづれ/の/御時/に/か、/女御、/更衣/あまた/候ひ/給ひ/ける/中/に、/いと/やむごとなき/際/に/は/あら/ぬ/が、/すぐれ/て/時めき/給ふ/あり/けり。

・いづれ(代名詞)/の(格助詞)/御時(名詞)/に(断定の助動詞「なり」・連用形)/か(係助詞)、

女御(名詞)、/更衣(名詞)/あまた(副詞)/候ひ(ハ行四段活用「候ふ」・連用形)/給ひ(尊敬の補助動詞・ハ行四段活用「給ふ」・連用形)/ける(過去の助動詞「けり」・連体形)/中(名詞)/に(格助詞)、

いと(副詞)/やむごとなき(形容詞ク活用「やむごとなし」・連体形)/際(名詞)/に(断定の助動詞「なり」・連用形)/は(係助詞)/あら(補助動詞「あり」・ラ行変格活用・未然形)/ぬ(打消の助動詞「ず」・連体形)/が(格助詞)、

すぐれ(ラ行下二段活用「すぐる」・連用形)/て(接続助詞)/時めき(カ行四段活用「ときめく」・連用形)/給ふ(尊敬の補助動詞・ハ行四段活用「給ふ」・連体形)/あり(ラ行変格活用「あり」・連用形)/けり(過去の助動詞「けり」・終止形)。

 

⑧和歌

和歌は共通テストを始めとしてほとんどの試験で出題されるため、多くの受験生の苦手意識とは反対に必ずおさえておく必要のある要素です。多くの人は勘違いしがちですが、和歌とは言え古文なのでまずは直訳が原則です。その上で最終的には「掛詞」のような和歌特有の要素を考慮した和訳を作る必要があります。

和歌は文法参考書の終わり部分に書かれてあることも有りますが、「SPEED攻略10日間国語和歌」など専用の参考書を用いて学習することをお勧めします。和歌を完全に読めるようになるためには演習を積む必要がありますが、必要な知識は少ないため網羅することはたやすくなっています。和歌を詠むための材料は、参考書を素直に利用して早いうちに学習しておき、後の演習の中で定着させていきましょう。それでも苦手意識の強い方は百人一首を題材にした和歌用の教材などを利用して重点的にアウトプットの機会を増やしてもよいでしょう。

 

⑨古文常識・文学史

これは文法に比べると重要度は低く、特に共通テストのみで古文を利用する方は他教科との兼ね合いから飛ばすことも考えてよい分野となっております。文学史にいたっては私大ですら出題される大学に限りがあり、自分の志望校の出題形式にない場合は特に学習の必要はありません。とはいえ古文常識は古文読解には非常に有用な知識であるため、二次、私大利用者はぜひ押さえてほしい要素です。当たり前の話ですが、作中の古き日本人と現代の私たちとは価値観や世界観、伝統や風習が全く異なります。この現代の感覚がノイズとなり読み違えの原因になることは多々ありますが、これを防ぎ、読解を助けてくれる大切なツールとなるのが古文常識です。また、当時の常識を知っておくことで内容の推測も容易になり、読解がよりやりやすくなるというメリットもあります。

古文常識は
①専用の理解本を用いる方法
②演習を通じて問題文に関連する常識を学習する方法
があります。

自学では②の方法を取るのは難しいので①専用の理解本を用いる方法、をお勧めします。吸収した知識は以降の演習の中で積極的に用いていったり、関連付けたりしていくようにしましょう。

 

⑩演習part2(過去問演習)

問題を解くのに十分な下地ができれば、次は実際の受験を意識した演習を進めていかなければいけません。例えば共通テストで古文を利用する受験生は、和訳内容把握による選択問題や時間制限を設けた状態でボリュームのある文章を読み通すことなど、その形式に沿った形での演習が必要になります。必ず時間制限を設けて、実際の受験とできるだけ同じ環境を作った状態で演習に臨みましょう。復習時は⑦演習part1で行ったように品詞分解や省略の補足を行い、和訳と照らし合わせながら自分の不十分だった要素を明確にし、克服していきましょう。

 

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