【大学入試】得点調整・標準化とは?共通テストや有名私立入試などの例もあわせて解説


得点調整とは

そもそも得点調整とは、A科目とB科目に平均点差が発生し、試験問題の難易度に基づくと認められた際、不公平をなくすために取られる措置のことです。

 

得点調整の目的

得点調整は、教科の選択による合否が不利にならないように平均点や各教科の点数の差を基準にして、素点に点を足したり引いたりする措置になります。

例えば理科で100点満点の試験があったとします。物理が平均80点の時の素点が80点と、生物が平均60点の時の素点70点では生物選択者が損している気持ちになります。

理由は素点であれば物理の方が高いですが、平均点を上回っているのは生物の方です。このような場合に同じ尺度で素点を調整し、不公平をできる限りなくすことを目的としたものが得点調整となります。

教科の選択を必要としている多くの私立大学にこの得点調整が使用されています。大学によって得点調整の方法は異なるため、事前に方法を知っておくとおおよその素点からの±を計算することができます。

 

合格最低点は実際の得点じゃない?

過去問を解く際に自己採点をして「採点した点数が合格最低点を超えているから大丈夫だ」と思うのは早計です。記載されている点数が、得点調整実施後の合格最低点の可能性がありますので、鵜呑みにするのは危険です。

基本的には平均点の低い科目には点数がプラスされ、平均点の高い科目には点数がマイナスされます。

例えば、私立文系での大学受験の選択科目では数学と社会では顕著に差が生まれることがあります。ほとんどのケースで数学の方が社会の平均点より低くなりますので、数学で受験した生徒は得点調整により点数がプラスされる可能性が高いのに対し、社会で受験した生徒は点数がマイナスされる可能性が高いです。

赤本で記載されている合格最低点ですが、素点での合格最低点が記載されているかは数字を見るだけでは分かりません。

得点調整が実施される受験方式なのか、記載されている点数は調整された点数なのかを落ち着いて確認することから始めてください。得点調整には種類がありますが、その方法が記載されている場合は別記載の簡易計算を用いて求めてみてください。

 

共通テスト(国公立)の得点調整

直近で有名なのは、メディアでも大きく取り上げられた2021年の共通テストで実施された得点調整です。

その際は公民・理科を対象に実施されています。毎年行われているのが当たり前ではなく、センター試験時代ですと2015年に理科を対象にした調整がなされました。

共通テストは20点以上の平均点の差が発生し、原因が試験問題の難易差に基づくことが認められた場合、得点調整が行われます。

(参照:大学入試センター:プレス発表資料)

また、得点調整により共通テストを利用する私立入試や国公立推薦試験の合格判定基準が変動する募集単位があります。

 

得点調整の方法は複数あり、各大学によって調整方法が異なります。

 

私立大学入試の得点調整

共通テストに対して、私大入試では多くが得点調整を実施しています。選択した科目にのみ得点調整がされたり、全科目を対象に得点調整をかけたりと受験する大学によって違いがありますので、注意が必要です。

私大は点数差に関係なく数点でも調整が行われます。

 

得点調整の方法

それぞれの得点調整に応じた簡易計算

実際に本番試験を受けた後に受かってるのか?落ちてしまっているのか?が一番気になるところです。簡易的にはなりますが、合否を確認する方法を調整法ごとに示していますのでご確認ください。

ステップ1:大学のHPやパンフレットを確認し、得点調整が実施されているか確認する

ステップ2:実施されている場合、何方式かを確認する

ステップ3:各方式の計算式に当てはめる

※分位点差収縮法は私立大学では用いられていません

 

中央値補正方式と公表されている大学

計算式がありますが、中央値は予測となってしまいます。中央値を4割程度と仮定する方法もありますが、以下を参考にして計算しても良いです。

2つの選択科目に差が2割以上みられる場合
 高い方の点数を×0.8
 低い方の点数を×1.25で計算する

2つの選択科目に差が1割程度である場合
 高い方の点数を×0.9
 低い方の点数を×1.1で計算する

この方法ででた点数を昨年度の合格最低点と比較してください。

計算の例として、

例えば関西学院大学全学部日程の2019社会学部の合格最低点は383.2/550(約69.7% 英200,国200,数or社150)で、選択科目のみ得点調整がされるため、

英語、国語を両方7割とれたとすると選択科目は383.2 – 280 = 103.2点必要になります。

数学の点数<社会科目の点数であるとし、
その2科目間の平均点の差が2割以上ある場合は
(数学と社会科目に2割以上の差がつくことの方が多いです)
・数学で受験した場合
103.2 ÷ 1.25 = 82.56 点取れば合格最低点に到達

・社会で受験した場合
103.2 ÷ 0.8 = 129 点取れば合格最低点に到達

つまり数学だと6割弱、社会だと9割弱の得点が必要という計算になります。

2020年受験者は選択科目において6割弱、9割弱という数字がとるべき目標になります。

ただ、今年は難しい、簡単と差が出てくるのは仕方がないです。

複数年の過去問を解き、それぞれこの計算で試してみて届いているかどうかを判断するべきかと思います。

実際本番を解いた後は過去3年の中で、真ん中の点数を用いるのが無難だと思います。

中央値補正方式は年度によって大きく中央値が変わることはないので、10点以上の誤差は出にくいです。

 

中央値補正方式以外の方式と公表されている大学

後述記載の計算式に点数を当てはめてみてください。

ただし試験直後では平均点が分かっていないため、正確に出すことは難しいです。大学によっては平均点がHPに掲示されていますので、3年分の平均点の平均を用いて算出してください。掲載されていなければ中央値補正方式と公表された大学で載せた、同じ計算方法を実施してください。

 

得点調整方法の記載がない大学

◯関東エリアの私立大学
成績標準方式の計算式に点数を入れる

◯関西エリアの私立大学
標準得点方式の計算式に点数を入れる

各大学のHP合格最低点が公開されていますが、平均点まで書かれている大学はまれです。その点数が素点もしくは調整された点数なのかを確認する必要があります。

また赤本の合格最低点は補正された点数で書かれていることが多いです。その点数が素点もしくは調整された点数なのかを確認する必要があります。

 

得点調整に応じた計算式について

① 分位点差収縮法

センター試験の時代から引き続き、共通テストで用いられている調整法です。

この調整法は受験者の心理に配慮し、“素点は下げない”ことを原則とすると定められています。

 

分位点差収縮法の例

対象科目のうち、最も平均点が高い科目、低い科目に関わらず、全ての科目で素点の平均点差を同一の比率で縮小するように調整します。平均点を一致させるのではなく20点以上差がある平均点を15点まで縮めることが目的です。

計算方法は、

調整後の点数 = 対象科目の平均点 + (対象科目のうち最も平均点の高い科目の平均点 – 対象科目の平均点) × 縮小比率

対象科目が物理、化学、生物、地学の4科目で考えてみます。

物理の素点の平均点が75点、化学が68点、生物が62点、地学が50点の想定で試算してみます。

※今回は最高と最低の平均点差は25点です。

物理の平均点が最高で、地学の平均点が最低になります。調整すべき科目(物理以外の3科目)と最高平均点科目との平均点差(25点)にかける縮小比率は、1 – (15点 ÷ 25点) = 0.4になります。

※縮小比率の計算 = 1 – (調整したい平均値差の値 ÷ 最高と最低の平均点差)

この縮小比率(0.4)を用いると、4科目の調整後の平均点は、

 〇 物理75点:最高科目であるため調整しない = 75点
 〇 化学68点:68点+ (75点-68点) × 0.4 = 71点
 〇 生物62点:62点+ (75点-62点) × 0.4 =    67点
 〇 地学50点:50点+ (75点-50点) × 0.4 = 60点 

こちらが各科目調整後の平均点となります。調整しなければならない科目の平均点と最高平均点科目の差が大きいほど調整は大きくなります。

実際に平均点の低い科目を受験した場合、獲得した点数が平均点との差が10点前後であれば+3〜5点、平均点との差がそれ以上離れれば+1〜2点のとなります。

 

② 中央値補正法

私立大学で得点調整しているほとんどがこの中央値補正法を使用しています。

中央値を取った人が満点の半分の得点になるように得点が調整される方式です。

※中央値:データを値の大きさの順に並べたとき、ちょうど真ん中にくる値

例えばデータ1,5,8,9,10なら中央値は8、データ2,3,4,8,9なら中央値は4になります。

10001人の受験者がいた場合は、5001番目の人の得点が中央値となります。

平均点は各科目の全受験者の点数を合計して、人数で割り出した点数であり、中央値とは別の値になります。

 

中央値補正法の数式の例

A:素点<中央値の場合
調整後の点数 = (満点の半分の点数 ÷ 中央値) × 素点

B:素点>中央値の場合
調整後の点数 ={満点の半分の点数 ÷ (満点 – 中央値)} × (素点 – 中央値) + 満点の半分の点数

 

③ 標準得点方式

個々の受験生の素点と全体の平均点との差を標準偏差によって補正する方式です。

※標準偏差:データや確率変数の、平均値からの散らばり具合(ばらつき)を表す指標の一つのことです。

例えば、平均点が
日本史:80点
世界史:70点
地理:60点 の試験結果があった場合、

中央値である世界史の点数を全科目の平均点としますので、
日本史、地理の平均点を70点に調整します。

 

標準得点法の数式の例

計算方法は、

調整後の点数 =(素点 – 当該科目の平均点) ÷ 当該科目の標準偏差 × 15 + 選択科目すべての平均点

となります。

例えば、全ての科目の素点を60点とします。

・標準偏差が20である場合

〇 物理の平均点80点であれば、調整後の得点は45点
(60 – 80)÷ 20 × 15 + 60 = 45点

〇 化学の平均点60点であれば、調整後の得点は60点
(60 – 60)÷ 20 × 15 + 60 = 60点

〇 生物の平均点40点であれば、調整後の得点は75点
(60 – 40)÷ 20 × 15 + 60 = 75点

 

標準偏差が小さければ小さいほど素点との差は大きくなります。

科目の平均点差をみたときに20点までの差であれば、平均点が低い科目は素点に+5〜10%、平均点が高い科目は素点に−5〜10%で計算すると調整後の得点に近い値になります。

 

④ 成績標準方式

早稲田大学が公表している得点調整の方法です。

具体的な計算方法はあげられていませんので、推定の計算式を記載します。

 

A(素点 – 平均点) × 0.25 +(素点 – 平均点) + 満点の半分の点数 = 調整後の点数

B(素点 – 平均点) × 1.25(※) + 満点の半分の点数 = 調整後の点数

※この値は 1 ÷ 標準偏差 × 10の値です。Bの式は標準偏差を8とした場合の計算式です

 

計算方法はこれらの方法があげられています。特にAの計算式は実際の得点と3点以上の差が見られなかったため、使用することをお勧めします。

Bの方法は標準偏差が8から変動するため少し正確性が落ちると思われます。あくまで目安として計算してみてください。

 

有名大学の得点調整実施方式

関東有名私大の得点調整方式

早稲田大学:全ての科目で成績標準方式

慶應義塾大学:公表なし、成績標準方式で計算するのがベター

上智大学:公表なし、目安は以下の式に該当する
(素点 – 平均点) × 満点 ÷ 100 + 満点の半分の点数 

立教大学:選択科目で標準得点方式

その他MARCHの大学:公表なし、立教大学に準ずるか、早稲田大学の方式で計算する

 

関西有名私大の得点調整方式

関西大学:全ての科目で中央値補正方式(一部の学部受験は標準得点方式)

関西学院大学:選択科目で中央値補正方式(一部の学部は全ての科目で得点調整)

同志社大学:選択科目のみ、標準得点方式(一部の学部受験は得点調整を行わない)

立命館大学:公表なし、標準得点方式で計算するのがベター

京都産業大学:選択科目のみ、標準得点方式

近畿大学:選択科目のみ、中央値補正方式

甲南大学:選択科目のみ、中央値補正方式

龍谷大学:選択科目のみ、中央値補正方式

 

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