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現代文の入試別対策「私立と国公立二次対策」−現代文勉強法④


私立入試の特徴

私立大学の現代文は大学ごとに特色が全く異なるため自分の志望校に合わせた対策をする必要があり、難易度も大学によってまちまちです。選択肢式の設問が多い傾向にあるため消去法が有効であるなど細かいテクニックはありますが、まずは受験現代文で問われる本質的な実力を身に着けたうえで各大学に合わせてより難解な文章や、特徴的な設問に対応できるよう過去問を中心に演習を積んでいきましょう。

私立大学の現代文はほとんどが記号選択式の問題形式となっており、漢字問題や本文中の空欄補充、内容説明問題が中心となっています。漢字問題、内容説明問題は共通テストなどの一般的な設問形式と大きな差異はありませんが、空欄補充問題は大学によっても有無が異なりますが、接続詞や文中の表現として適切なものを選ぶ設問が一般的です。

 

例:明治大学の場合(2020年度)

 
明治大学(全学部統一)
試験時間
60分(現代文2題+古文1題)
大問・小問数
大問1:9問    大問2:8問
解答形式記号式
大問の特徴
大問1は受験現代文で出されがちな、発展的な発想やテーマについて(ここでは「蝟集空間」)語られた硬質な評論文。大問2も受験現代文では頻出である随筆文で、様々なエピソードや筆者の体験を通じて文章のテーマを正しく読み取る必要がある。
小問の特徴
全問記号問題ではあるが、共通テストと同形式の、複数の熟語から同じ漢字が使われているものを選ぶ形式で漢字の読み書きが出題される。他にも文中の空欄に適する接続詞や熟語、表現を選ぶ語彙・文法的な問題の出題も目立っている。
内容説明問題は共通テスト同様傍線部について考察する一般的な問題が中心だが、本文のタイトルを予想する形で理解度を問う問題も出題された。

 

私立入試の対策ポイント

①本文が難解・長文である

特に早稲田やmarchを中心とした難関大学では、難易度の高い語彙が登場する頻度がかなり多い上脚注もないため、そういった難語はある程度読めるようになる必要があります。従って私大上位校を中心に、高度な語彙力が求められる傾向にあります。

また、文章のテーマ自体も日常生活とは離れたとっつきにくいものであることも多く、頻出テーマは一通りおさえておくことが効果的です。

極端に長い問題文が出題される場合もあるため、志望校の過去問を中心に大学にあった対策をする必要があります。

 

②設問の難易度が高く、正解が特に選びにくい

一部の私大上位校は、本文だけでなく設問もかなり難しい傾向にあります。ほとんどの私大現代文は記号選択式ですが、かなり紛らわしい選択肢や限りなく正答に近い選択肢が混在している場合があり、単純な消去法では絞り切れず得点が難しいことがあります。過去問から大学の傾向をつかみ、選択肢をそれぞれ比較することで最も答えにふさわしいものを選べるよう訓練していく必要があります。

 

国立二次の特徴

国立二次の現代文は大学ごとに特色がかなり異なるため自分の志望校に合わせた対策をする必要があり、求められるレベルも大学によってまちまちです。私大と異なる点として記述問題が中心であること、文章のレベルが平均的に高いことが挙げられます。「文章を正しく理解する」という受験現代文における本質的な実力を身につけることを意識したうえで、自分の言葉で説明できるということを意識して着実に演習をつんでいきましょう。

上記の通り国立大学の現代文はほとんどは記述式となっており、漢字問題と内容説明問題が中心です。記述量は大学によって異なりますが、50~100文字以内のものが多く、最後の設問では文章全体を踏まえた上で100文字以上の記述が求められることが多くなっています。内容説明問題は、傍線部説明「〜とはどういうことか」や理由説明「〜とあるがなぜか」、指示語説明などが挙げられます。

 

例:名古屋大学の場合(2020年度)

 
名古屋大学(文系)
試験時間
105分(現代文1題+古文1題+漢文1題)
問題数7問
解答形式記号・記述式
問題の特徴
文中の傍線部から漢字の読み書きが出題されている。問題のほとんどは内容説明、理由説明問題だが、自分で文章を作る一般的な記述問題だけではなく抜き出し問題や共通テスト同様の記号問題も数問出題されている。記述問題には「本文に即して」説明を求められるなど、抜き出し問題の出題からもわかるように文章に忠実な記述が求められている傾向にある。
記述量は60~120文字以内の中論述程度であるが、ポイントをおさえ要領よく的確な答案を書き上げる必要がある。

 

国立二次の対策ポイント

①本文が難解である

特に旧帝大を中心とした難関大学では、難易度の高い語彙が登場する頻度がかなり多い上脚注も少ないため、そういった難語はある程度読めるようになる必要があります。従って国立上位校を中心に、高度な語彙力が求められる傾向にあります。

また、文章のテーマ自体も日常生活とは離れたとっつきにくいものであることも多く、頻出テーマは一通りおさえてしまうことが効果的です。

一方私大と異なり極端に多い文章量で圧倒してくるということはありませんが、記述にかかる時間を考慮しても時間的制約が厳しい場合は多々あるので、注意が必要です。

 

②記述力

入試本番で減点されない、確実に得点に結びつく答案を書くためには十分な演習が必要です。文章構造などマクロな視点を持ちながら、文脈を意識して解答となる要素を的確に把握しなくてはなりません。次に字数制限を意識して上記の要素をまとめなくてはなりませんが、減点されないようわかりやすく的確な解答にまとめる為にはたくさんの実践と復習、改善が必要です。

本文中の表現を用いるか否かは大学によって異なりますが、問題文中に指定がない場合はどちらでも問題ないと考えられます。ただし問題文を読んでいない人でも内容が通じるようなフラットな記述が前提です。

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